裁判の記録 line
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2023年
(令和5年)
[1月〜6月]
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1月12日 インターネットマルチフィードへの発信者情報開示請求事件
   東京地裁/判決・請部認容
原告:アダルトビデオ制作販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画著作物の送信可能化権侵害
判例全文
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1月12日 フィジーの“防災ポリシー”事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 防災専門家である原告が、被告・独立行政法人国際協力機構と結んだ専門家業務委託契約に基づきフィジーに派遣された際に、契約外で文書を作成したが、被告が原告に無断でその文書の複製譲渡貸与を行い、原告の著作権を侵害する恐れがあると主張して、原告が被告に対し、複製譲渡貸与の差止めと複製物の廃棄を求めると共に、文書作成にかかった費用と契約の報酬の差額は大きく損失を被ったとして不当利得返還請求3000万円の支払いを求めた事件。
 裁判所は、本件の文書作成は本件委託契約で定めた原告の業務の一環として行われることとなったと理解するのが相当であると判断し、文書は契約の成果物として被告に著作権が帰属するとして請求を棄却、不当利得も認めなかった。
判例全文
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1月20日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件F
   東京地裁/判決・請求認容
原告:映像物企画制作販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画著作物の公衆送信権侵害
判例全文
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1月20日 同人誌表紙の出版権事件
   東京地裁/判決・請求棄却
 原著作者の作成した漫画に係る出版権を有する出版社(原告)が、二次創作同人誌の発行者である被告に対し、被告の作成した被告漫画の表紙と中表紙は原告漫画の表紙を複製したものであり、原告の出版権を侵害するとして、被告漫画の複製の差止めと賠償金65万円の支払いを求めた事件。
 裁判では、被告表紙等が原告表紙を「原作のまま…複製」したものであるかどうかが争点となったが、裁判所は、翻案したものであって「原作のまま…複製」したものではないとして、出版権の侵害を認めなかった。
判例全文
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1月20日 ツイッターへの発信者情報開示請求事件M
   東京地裁/判決・請求認容
原告:SNS利用情報発信者
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のツイッターへの投稿による原告文章著作物の複製権・公衆送信権侵害
判例全文
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1月26日 ゲーム「艦隊これくしょん−艦これ−」名誉棄損事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 育成シュミレーションゲームを開発運営する原告会社及びその代表者である原告Aが、被告が@本件ゲームをテーマにした同人誌即売会において、原告Aの顔貌を元に作成したマスクをつけ本件ゲームのキャラクターを性玩具に見立てた内容の同人誌を頒布した行為が、原告らの名誉を棄損するとともに、原告Aのパブリシティ権、肖像権、名誉感情を侵害し、Aツイッターに投稿した一連の記事が原告らの名誉を棄損し、原告Aの肖像権、名誉感情を侵害するとして、被告に対し、原告Aへの660万円、原告会社への440万円の賠償金支払いと、謝罪広告の掲載、マスクの複製頒布の差止めとデータ廃棄を求めた事件。
 裁判所は、名誉棄損、人格権侵害、名誉感情侵害を認め、被告に、原告Aへの275万円、原告会社への165万円の支払い、マスクの複製頒布の差止めとデータ廃棄を命じ、その余の請求は棄却した。
判例全文
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1月30日 ユーチューブ、グーグルへの発信者情報開示請求事件B
   東京地裁/判決・請求認容
原告:ポータルサイトでの楽曲公開者
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のYouTubeへの投稿による原告音楽著作物の氏名表示権侵害
判例全文
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1月30日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件W
   東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ制作販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画著作物の送信可能化権侵害
判例全文
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1月30日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件X
   東京地裁/判決・請求認容
原告:ソニーミュージック、バンダイナムコミュージック
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告らレコードの送信可能化権侵害
判例全文
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1月31日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件Y
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
原告:YouTubeへの動画配信業者
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のツイッターへの原告イラスト及び動画著作物の投稿による複製権・公衆送信権侵害
判例全文
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1月31日 店舗の“設計図”事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 設計士である一審原告が、一審被告・親子カフェ運営会社が商業施設に本件店舗を出店するに際し原告が作成した内装工事に係る原告設計図の利用を無断で本件商業施設に許諾して本件店舗を完成させ公衆に提示、ウェブサイトへの画像掲載などして、原告設計図ないし原告内装に係る原告の著作権及び著作者人格権を侵害したとして、被告に450万円の支払いを請求した事件の控訴審。一審横浜地裁は請求を棄却したが、原告が控訴した。
 知財高裁は、結論として原審同様、原告設計図や原告内装について著作物性を否定、一審原告の控訴を棄却した。
判例全文
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2月3日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件I
   東京地裁/判決・請求認容
原告:ソニーミュージック、バンダイナムコミュージック、ポニーキャニオン
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告らレコードの送信可能化権侵害
判例全文
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2月3日 インスタグラムへの発信者情報開示請求事件
   東京地裁/判決・請求認容
原告:個人
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のインスタグラムへの投稿による原告写真著作物の複製権・公衆送信権侵害及び原告の肖像権侵害
判例全文
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2月6日 KDDIへの発信者情報開示請求事件Y
   東京地裁/判決・請求認容
原告:個人
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のインスタグラムへの投稿による原告動画著作物の複製権・公衆送信権侵害及び原告の名誉感情侵害
判例全文
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2月7日 映画「ハレンチ君主いんびな休日」事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、附帯控訴棄却
 映画「ハレンチ君主いんびな休日」の監督・脚本を勤めたX1とX2(一審原告ら)が、公開中止となった本件映画に関する記事を「週刊新潮」に掲載した一審被告新潮社に対して、名誉棄損による賠償金220万円、脚本の公表権侵害による賠償金110万円の支払いと謝罪文の掲載を、映画を製作・配給した一審被告大蔵映画及び一審被告オーピー映画に対して、公開中止による損害賠償金支払いと、X1が映画の著作権を有することの確認等を求めた事件の控訴審。一審東京地裁は、記事に扱われた本件映画の試写会は社内試写であって公衆に向けたものではないから、脚本は公表されたものではないとして、被告新潮社の公表権侵害を認め、賠償金33万円の支払いを命じ、その余の請求は棄却したが、双方がいずれも自己の敗訴部分を不服として、原告らが控訴、被告新潮社が附帯控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持し、控訴及び附帯控訴を棄却した。
判例全文
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2月10日 YouTube動画の製作委託事件
   東京地裁/判決・本訴請求棄却、反訴請求一部認容、一部棄却
 弁護士でありYouTuberである原告が、被告BにYouTubeチャンネルの開設を依頼し、被告Bが代表を務める動画編集業務を行う被告会社に、原告が出演する動画を有償で編集しアップロードする合意をした。この件に関し、本訴は、原告が、@被告らは無断でパスワードを変更して原告の権利を侵害したとして205万円の損害賠償金を、A被告らは無断で被告会社のウェブサイト上に原告の容姿が表示されたサムネイルを掲載し原告の肖像権を侵害したとして25万円の慰謝料を、B被告会社は未公開動画の引き渡し義務を怠っていたとして3万3千円の損害賠償金を求めた事件であり、反訴は、原告に対し、@被告会社が、原告のLINE上への投稿により名誉を棄損されたとして121万円の損害賠償金の支払いを、A被告Bが同投稿によって名誉を棄損されたとして77万円余の支払いを求めた事件。
 裁判所は、本訴の請求を棄却し、反訴請求については、原告に被告会社及び被告Bそれぞれへの各12万円の支払いを命じた。
判例全文
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2月16日 KDDIへの発信者情報開示請求事件W
   東京地裁/判決・請求認容
原告:動画著作権保有会社MBM
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
判例全文
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2月16日 GMOインターネットへの発信者情報開示請求事件H
   東京地裁/判決・請求認容
原告:フライングドッグ、キングレコード
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告らレコードの送信可能化権侵害
判例全文
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2月16日 KDDIへの発信者情報開示請求事件X
   東京地裁/判決・請求認容
原告:動画著作権保有会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
判例全文
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2月17日 GMOペパボへの発信者情報開示請求事件C
   東京地裁/判決・請求認容
原告:ウェブサイト運営企業
提訴の趣旨:
 原告サービスに関心あるツイッターユーザーが、氏名不詳者の管理運営するサイトの記載に従ったことにより、ユーザーの意図に関係なく原告が著作権を有する文章を記載した多数のツイートが投稿されるようになった営業権侵害
判例全文
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2月20日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件J
   東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ製作販売会社
提訴の趣旨:
 ファイル共有ソフトへのアップロードによる原告動画の送信可能化権侵害
判例全文
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2月21日 営業秘密の不正所得事件(情報処理サービス)(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 情報処理サービス会社である一審原告が、原告元代表取締役である一審被告Aと、一審被告Aが原告退社後設立した情報処理サービス会社である一審被告会社に対し、連帯して1億円の損害賠償金を求めた事件の控訴審。訴外Bが原告在社中また被告会社移籍後に原告に係るデータ(本件データ)や別データを作成して後者を被告Aに送信したが、原告は本件データは営業秘密及び著作物に該当するとして、被告らは訴外Bに著作権を侵害している本件データから別データを作成させ、原告の営業秘密を持ち出させたなどと主張した。一審東京地裁は、本件データの営業秘密該当性を否定し著作物性も認められないとし、他の主張も認めず、原告の請求を棄却したが原告が控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持、控訴を棄却した。
判例全文
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2月28日 KDDIへの発信者情報開示請求事件Z
   東京地裁/判決・請求認容
原告:動画著作権保有会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
判例全文
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2月28日 グーグルへの発信者情報開示請求事件
   東京地裁/判決・請求認容
原告:個人(歯科医院経営者の妻)
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のグーグルマップへの投稿(本件歯科医院の写真であり、マップ上で本件歯科医院をクリックすると表示される)による原告のインスタグラム投稿動画の複製権・公衆送信権侵害
判例全文
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3月3日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AE
   東京地裁/判決・請求認容
原告:映像制作会社
提訴の趣旨:
 複数の者のビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害
判例全文
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3月9日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件Z(2)
   知財高裁/判決・取消
 氏名不詳者のツイートにより、イラスト及び動画の著作権が侵害されたとして、一審原告が一審被告ソフトバンクに発信者情報の開示を求めた事件の控訴審、一審東京地裁は原告の請求を棄却したので、原告が控訴した。
 知財高裁は、権利侵害、発信者情報該当性、被告の開示関係役務提供性を認め、その判断と異なる一審の判決を取り消して、一審被告に発信者情報の開示を命じた。
判例全文
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3月9日 調理器具の写真無断流用事件C(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 一連の家庭用雑貨販売及び輸入業者である一審原告が、いくつかの一審被告がネット上に画像を掲載した行為が著作権侵害であるとして賠償金を求めた事件のうちの一つの控訴審。一審東京地裁は損害金を5万円として被告に支払いを命じたが、原告が損害額を不服として控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持し、控訴を棄却した
判例全文
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3月14日 アニメの効果音事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、追加請求棄却
 アニメ効果音制作会社(一審被告)の従業員であった一審原告が、被告に対し、本訴として、@退職の際に締結した業務委託契約の合意締結過程における被告の行為は不法行為であり公序良俗に反して無効であるとして646万円余の支払いを求めたところ(第一事件本訴請求)、被告が原告に対し、反訴として、A原告には合意した業務委託の債務不履行があるとして、記録媒体の引き渡しと違約金412万円の支払いを求め(第一事件反訴請求)、更に、B被告が原告に対し別訴として、合意した業務委託の義務不履行があるとして、1億円の賠償金支払いと音源データの使用差止及び廃棄を求めた(第二事件請求)事件の控訴審。一審東京地裁は、第一事件反訴請求について原告が被告に412万円支払うことと、第二事件請求について原告が被告に550万円支払うことを命じ、原告の請求と被告のその余の請求を棄却したが、双方が控訴した。
 知財高裁は一審の判断を維持し、双方の控訴及び被告の追加請求を棄却した。
判例全文
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3月15日 手すき和紙“染描紙”事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 第一事件:手漉和紙に刷毛跡等をつけた染描紙を販売している原告が、原告染描紙を使って展示物を制作して空港ビルディング会社(被告ビルディング)と東京国際空港ターミナル会社(被告ターミナル)に譲渡した日本画家である被告画家に対し、著作権侵害、また三者合同で本展示物に原告の名を表示せず被告画家の名を著作者名として表示したことによる著作者人格権侵害を主張して、損害賠償金計1000万円の支払いと謝罪広告の掲載を求めた事件。第二事件:被告ビルディングに対して著作者人格権侵害による本展示物の展示差止めと廃棄、および展示期間1日あたり5000円の賠償金支払いを求めた事件。第3事件:被告ターミナルに対して、同侵害による差止めと廃棄、および一日あたり2500円と1500円の支払いを求めた事件。
 裁判所は、被告ビルディングが加工して展示した染描紙の著作物性や複製翻案については判断に至らずに利用に黙示の許諾があったとし、被告ターミナルが加工して展示した染描紙については著作物性を肯定したが利用について黙示の許諾があったとした。また著作者人格権(氏名表示権)侵害について、侵害とは言えない、違法となることはないとして、原告の請求を棄却した。
判例全文
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3月16日 「将棋フォーカス」ナレーション事件(2)
   知財高裁/判決・控訴一部認容、一部棄却
 将棋に関するウェブサイトを運営する一審原告が、NHK(被告)が放送したテレビ番組「将棋フォーカス」内の「初心者必見!対局マナー」というコーナーで、原告ウェブサイトに掲載された原告の文章と類似したナレーション及び字幕が流されて、平穏な日常の阻外や名誉棄損等の人格権侵害がなされたとして16万5千円の損害賠償金支払いを求めた事件の控訴審。原審は侵害は認められないとして請求を棄却したが、原告が控訴した。
 原告は控訴審において、請求を著作者人格権侵害に基づく請求に交換的に変更し、著作権侵害に基づく損害賠償金請求も500円追加した。知財高裁は、ナレーション及び字幕の一部に著作権及び著作者人格権の侵害を認め、被告に対し、著作権侵害500円、著作人格権侵害5万円、その他の積極損害5000円の、合計55500円の支払いを命じ、その余の請求は棄却した。
判例全文
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3月16日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AA
   東京地裁/判決・請求認容
原告:動画著作権保有会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
判例全文
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3月16日 ビッグローブへの発信者情報開示請求事件M
   東京地裁/判決・請求認容
原告:映像製作・発売・配給会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
判例全文
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3月23日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件K(2)
   知財高裁/判決・取消
 氏名不詳者のツイートにより、写真の著作権および著作者人格権が侵害されたとして、一審原告が一審被告NTTコムに発信者情報の開示を求めた事件の控訴審、一審東京地裁は請求を棄却したので、原告が控訴した。
 知財高裁は、特定発信者情報該当性、権利侵害、原告の情報開示受取正当性を認め、その判断と異なる一審の判決を取り消して、一審被告に発信者情報の開示を命じた。
判例全文
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3月23日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AA
   東京地裁/判決・請求認容
原告:動画著作権保有会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
判例全文
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3月23日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AB(2)
   知財高裁/判決・取消
 氏名不詳者のツイートにより、文章及び写真の著作権が侵害されたとして、一審原告が一審被告ソフトバンクに発信者情報の開示を求めた事件の控訴審、一審東京地裁は発信者情報該当性がないとして請求を棄却したので、原告が控訴した。
 知財高裁は、特定発信者情報該当性、被告の開示関係役務提供性、権利侵害、原告の情報開示受取正当性を認め、その判断と異なる一審の判決を取り消して、一審被告に発信者情報の開示を命じた。
判例全文
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3月24日 「大阪ミナミの貧困女子」改変事件
   大阪地裁/判決・請求棄却
 新聞記者であり大阪ミナミでキャバクラ嬢を対象とする労働相談所の運営に関与していた原告が、フリーライターである被告に対して、被告が原告の執筆した原稿を無断で改変するなどしたことにより、当初のコンセプトとは異なる不本意な内容の「大阪ミナミの貧困女子」と題する書籍が出版され、本書籍の共同著作者である原告の著作者人格権、名誉及び自己決定権が侵害されたとして、損害賠償金300万円の支払いを求めた事件。本件書籍の出版に関しては別訴で原告が出版差止を求めて出版社を提訴し、棄却されている。
 裁判所は、原告執筆部分の内容で原稿を確定することに原告は同意していたとして、その他の原告の主張を退け、請求を棄却した。
判例全文
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3月24日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AB
   東京地裁/判決・請求棄却
 映像制作会社である原告が、氏名不詳者らによる被告を通じてのビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害に関して、被告に対して発信者情報を求めた事件。
 裁判所は、原告が提出した調査会社による本件動画の複製物ファイルを使用したとする通信情報のすべてが、原告の主張する通信についての情報であるということはできないとして、原告の請求を棄却した。
判例全文
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3月24日 ニフティへの発信者情報開示請求事件G
   東京地裁/判決・請求棄却
 上記裁判と、原告、訴訟内容、裁判官を同じくする事件。判決も同様となった。
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3月24日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件L
   東京地裁/判決・請求棄却
 上記2件の裁判と、原告、訴訟内容、裁判官を同じくする事件。判決も同様となった。
判例全文
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3月27日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件G(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 アダルトビデオの制作販売会社である一審原告が、氏名不詳者がビットトレントを使用して原告の動画を送信可能化したことにより著作権を侵害されたとして、一審被告に対して発信者情報の開示を請求した事件の控訴審。一審東京地裁は原告の主張を認め、被告に情報の開示を命じたが、被告が控訴した。
 知財高裁は、発信者情報該当性に関する被告の主張を退け、原審の判断を維持して控訴を棄却した。
判例全文
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3月27日 “裸動画”の無断配信事件
   東京地裁/判決・請求認容
 被告が原告の上半身裸姿の動画をネット上に配信したことにより、原告がプライバシー侵害による330万円の慰謝料等支払いを請求した事件。
 被告は答弁書は提出したが、その他の主張立証をせず、裁判所は原告の主張を認め、原告の請求を認容した。
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3月29日 グーグルへの発信者情報開示請求事件C
   東京地裁/判決・請求認容
原告:釣具の製造販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者による原告動画のYouTube投稿による複製権侵害
判例全文
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3月30日 You Tube“逮捕動画”の引用事件(2)
   知財高裁/判決・変更
 一審原被告ともにYouTuberだが、本訴は、原告が被告に対し、原告が警察官に逮捕された際の状況が撮影された動画(「本件逮捕動画」)を被告がYouTubeに投稿したことにより、名誉権、肖像権、プライバシー権を侵害されたとして、60万円の賠償金支払いを求める事件であり、反訴は、被告が原告に対し、原告が被告の撮った動画を使用するなどした複数の動画をYouTubeに投稿したことにより、被告の著作権、著作者人格権、プライバシー権を侵害したとして、438万円余の賠償金支払いを求めた事件の控訴審。
 一審東京地裁は、本訴請求に関して30万円の損害を認定、反訴請求に関しては、引用の成立を認め、請求を棄却したが、被告が控訴、原告が附帯控訴した。
 知財高裁は、原判決を変更、被告の原告への支払いを40万円とし、原告のその余の請求と被告の反訴請求を棄却した。
判例全文
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3月30日 グーグルへの発信者情報開示請求事件B
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 原告が著作権を有する写真を、本件発信者らがそれぞれウェブサイトに投稿したことにより、著作権が侵害されたとして、原告が本件ウェブサイトを管理する被告GoogleLLCに対して、発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は、本件写真は別件訴訟判決において、著作権侵害の成否が問題とされた写真そのものであると認め、本件投稿は著作権法41条にいう事件を構成する著作物であるとして原告の主張を退け、請求を棄却した。
判例全文
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3月30日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AC
   東京地裁/判決・請求認容
原告:動画著作権保有会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
判例全文
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4月10日 ツイッターへの発信者情報開示請求事件N
   東京地裁/判決・請求認容
原告:投資情報サービス会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のツイッター投稿による著作権および営業権侵害
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4月13日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件E(2)
   知財高裁/判決・取消
 一審原告が、一審被告NTTドコモに対し、氏名不詳者がツイッター上に投稿を行った行為により、その各投稿にスクリーンショット画像として添付された原告のツイート(言語の著作物)の著作権を侵害されたとして、発信者情報の開示を請求した事件の控訴審。一審東京地裁はスクリーンショットを使った投稿はツイッター利用規約に反しており、規約に反した利用は公正な慣行に合致しないから引用は成立しないとして、原告の主張を認め、被告に発信者情報の開示を命じたが、被告が控訴した。
 知財高裁は、ツイッターの利用規約が直ちに公正な慣行の内容となるものではなく、スクリーンショットの添付という引用の方法もありうるとして一審の判決を取り消し、一審原告の請求を棄却した。
判例全文
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4月14日 “Yahoo!地図”事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 著述家であり個人発明家である原告が、Zホールディングス及びアルプス社を承継した被告・ヤフー株式会社に対し、「Yahoo!地図」の作成及びネット上での地図提供によって、原告が作成した糸満市周辺の地図(原告地図1)並びに原告地図1に基づき作成して特許出願願書に添付した各図面(原告地図2)に係る原告の著作権及び著作者人格権が侵害され、アルプス社による各地図ソフト(プロトアトラスSV)の作成・販売並びに被告によるネット上でのその提供により原告各地図に係る原告の著作権及び著作者人格権が侵害されたとして、「Yahoo!地図」の作成及び提供について損害金1億円、「プロトアトラスSV」の作成・販売及び提供について損害金1000万円の支払いを求めた事件。
 裁判所は、「Yahoo!地図」と「プロトアトラスSV」による原告地図に対する著作権侵害及び著作者人格権侵害を認めず、請求を棄却した。
判例全文
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4月17日 楽天モバイルへの発信者情報開示請求事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 ツイッター上に道の駅での車中泊についてのツイートをした一審原告が、原告ツイートをスクリーンショットした画像を添付して意見を述べたツイッター利用者のツイート(本件ツイート)について、原告の著作権を侵害するものであるとして、一審被告楽天モバイルに対して、本件ツイート発信者の情報を開示するよう請求した事件の控訴審。一審東京地裁は、本件の利用は引用に当たるとして請求を棄却したが原告が控訴した。
 知財高裁は、スクリーンショット添付がツイッター利用「規定に反する行為であるからといって、直ちに当該行為が引用に係る公正な慣行に合致しないものであると評価されるものではないというべきである」と述べて本件ツイートにおける利用が引用であることを認定、控訴を棄却した。
判例全文
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4月18日 調理器具の写真無断流用事件E(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、拡張請求棄却
 一連の、家庭用雑貨販売及び輸出入業者である原告が、各被告がネット上で原告が輸入し販売するフライパンの画像を複製して掲載する行為は著作権侵害であるとして賠償金を求め、いずれも1サイト当たり損害額5万円の第一審判決が出た事件の一つの控訴審。本件は一審原告が損害金5万円の判決を不服として、損害金を拡張請求し控訴した。
 知財高裁は一審判決を維持して、原告の控訴を棄却した
判例全文
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4月19日 詐欺事件元被告への名誉棄損事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 プロデュース業や飲食業を営む会社で事業を行っている元プロテニスプレイヤーの一審原告が、一審被告・講談社に対して、被告の発行する雑誌に掲載された記事のうちの4つの記載は原告の社会的地位を低下させる事実を公然と適示したものだから名誉棄損に当たり、記事に掲載された4写真にはいずれも原告の容貌が写っていて原告の著作権及び肖像権を侵害するとして、660万円の賠償金を請求した事件の控訴審。一審東京地裁は請求を棄却したため、原告が賠償金請求額を100万円に減額して控訴した。
 知財高裁は名誉棄損、肖像権侵害及び著作権侵害を認めなかった一審の判断を維持し、控訴を棄却した。
判例全文
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4月20日 「幻想水滸伝シリーズ」楽曲事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 音楽や映像の録音録画物企画・製作・販売会社である一審原告が、類似業者である一審被告会社とその代表である一審被告Aに対し、被告らがCD販売・配信する楽曲は、原告が著作権を有する「幻想水滸伝シリーズ」ゲーム使用楽曲を、編曲し、演奏・録音したものであり、原告の翻案権、複製権、譲渡権、公衆送信権を侵害するとして、被告楽曲の複製・送信可能化の差止と、被告CDの複製・輸入・譲渡の差止、同CDの廃棄とを求めるとともに、被告らに連帯して損害賠償金429万円余の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は原告の主張を認めて、被告楽曲の複製・送信可能化の差止、被告CDの複製・輸入・譲渡の差止、同CDの廃棄を命じ、損害額を165万円と算定して、被告らにその支払いを命じたが、被告らが控訴した。
 知財高裁は、各争点で原審の判断を維持し、控訴を棄却した。
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4月20日 著者死亡後の出版許諾契約事件
   東京地裁/判決・本訴請求棄却、反訴請求棄却(控訴)
 本訴:原告の亡夫が被告である出版社の依頼により書籍原稿の執筆をしていたところ原稿完成前に逝去、原告があとを引き継いで原稿を完成させたが、被告と亡夫または原告との間で出版契約が締結されていないにもかかわらず、被告がネット上で本件書籍の出版予告をしたことにつき、著作者人格権(公表権)侵害だとして原告が330万円の損害賠償金支払いを求めた事件。反訴:被告が、亡夫との出版契約1又は原告との出版契約2があるにもかかわらず原告がその出版を拒否したことにより債務が履行不能になったとして原告に142万円余の賠償金支払いを求めた事件。
 裁判所は、出版契約1及び2の成立を認めず、また被告による本件予告は原稿内容を公衆に提供提示したものではなく公表権侵害に当たらないとして、本訴反訴とも棄却した。
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4月24日 勝ち馬予想プログラムの不正使用事件
   大阪地裁/判決・請求棄却
 ネット上で数値を用いて競馬の勝ち馬を予想している会社である原告が、同種業の被告会社及び被告P1・P2・P3が共謀の上、@P1・P2が原告在職中に本件情報が保存されたパソコン等を原告事務所から持ち出した行為が不正競争に該当し、A被告会社が本件プログラム及び本件ブログを利用して競馬新聞を作成し提供した行為は原告の著作権を侵害するとして、被告らに損害計3960万円余の支払いを求め、被告会社及びP1・P2には原告に分配すべき利益の一部を隠匿するなどの共同不法行為があるとして1598万円余の連帯支払いを求めた事件。
 裁判所は、被告らによる本件情報の不正手段による取得を否定し、本件プログラム及び本件ブログの著作物性を否定、共同不法行為も成立しないとして、原告の請求を棄却した。
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4月25日 ビッグローブへの発信者情報開示請求事件N
   東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ制作・販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
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4月25日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件K(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 氏名不詳者のツイッター投稿に添付した画像は、一審原告の投稿記事をスクリーンショットしたものであるから原告著作権を侵害しているとして、原告が一審被告・NTTドコモを訴えた事件の控訴審。一審東京地裁は原告の主張を認め、被告に発信者情報の開示を命じたが、被告が控訴した。一審判決後原告は死亡し、訴訟継承人が被控訴人となった。
 知財高裁は一審原告の請求は理由あるものと認めその判断を維持、控訴人の二審における拡充主張を退けて、控訴を棄却した。
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4月26日 調理器具の写真無断流用事件K(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 一連の、家庭用雑貨販売及び輸出入業者である原告が、各被告がネット上でフライパンの画像を複製して掲載する行為は著作権侵害であるとして賠償金を求め、いずれも1サイト当たり損害額5万円の第一審判決が出た事件の一つの控訴審。本件は一審原告が損害金5万円の判決を不服とし、公衆送信権侵害の主張を請求原因に追加して控訴した。
 知財高裁は一審判決を維持して、原告の控訴を棄却した。
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4月26日 ツイッターへの発信者情報開示請求事件J(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 創価学会(一審原告)が、原告の著作物である写真の複製を添付した記事および新聞の複製画像を添付した記事がツイッターに投稿されたことにより著作権を侵害されたとして、一審被告ツイッター社に対して、発信者の情報開示を求めた事件の控訴審。一審東京地裁は原告の主張を認め、被告に情報の開示を命じたが、被告が控訴した。
 知財高裁は一審の判断を維持し、編集著作権という被告による本審における補充主張も退け、控訴を棄却した。
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4月26日 「生長の家」著作物の無断複製事件C
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 被告である宗教法人・生長の家が書籍『“新しい文明”を築こう 下巻』を刊行しようとしたところ、@生長の家社会事業団(原告事業団)が、原告事業団が著作権を有する著作物が収録されており著作権を侵害するとして、A光明思想社(原告出版社)が、原告出版社の出版権を侵害するとして、B生長の家創始者A先生を学ぶ会(原告学ぶ会)が、原告事業団から一部譲渡を受けた原告学ぶ会の著作権を侵害するとして、被告に対して本件書籍の複製及び頒布の差止めを求めた事件。
 裁判所は、@原告事業団は被告に対して、本件各著作物を個別の許諾を得ることなく使用することを黙示に許諾したと認めるのが相当であり、A出版権侵害を認めず、B当然対抗制度を規定した著作権法63条の2施行の前日において被告は本件著作物の使用権を有していたから、被告は原告学ぶ会に対して当該使用権を対抗できるとして、原告らの請求を棄却した。
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4月27日 “布団の絵柄”の著作物性事件(2)
   大阪高裁/判決・控訴棄却
 テキスタイルデザイナーから花柄デザインの著作権を譲り受けたと主張する布団製造販売会社である一審原告が、ホームセンター経営者、日用品仕入れ会社、布団製造業者等の一審被告らが花柄を付した布団(被告布団)を製造・販売する行為は、本件花柄について原告が有する著作権を侵害するとして、被告らに対し、複製、販売の差止め、寝具等の廃棄と、2684万円余の損害賠償金を求めた事件の控訴審。一審大津地裁は本件花柄が著作物でないとして請求を棄却したが、原告が控訴した。
 大阪高裁は応用美術論について述べ、本件花柄に作者の個性は表れているが、全体的に見れば衣料製品に用いるという実用目的に制約されているとして著作物性を否定、原審判断を維持して控訴を棄却した。
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5月12日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件M
   東京地裁/判決・請求棄却
 映像制作会社である原告が、氏名不詳者らによる被告を通じてのビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害に関して、被告に対して発信者情報を求めた事件。
 裁判所は、氏名不詳者による送信可能化権侵害は認めたが、調査会社の調査により把握される情報は当該権利の侵害に係る発信者情報に当たるとは言えないとして、原告の請求を棄却した。
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5月12日 TOKAIコミュニケーションズへの発信者情報開示請求事件B
   東京地裁/判決・請求棄却
 上記裁判と、原告、訴訟内容、裁判官の一部を同じくする事件。判決も同様となった。
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5月12日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件N
   東京地裁/判決・請求認容
 3月24日東京地裁判決の3件と原告、訴訟内容を同じくする事件。判決も同様である。
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5月15日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件O
   東京地裁/判決・請求認容
原告:映像制作・販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害
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5月15日 ビッグローブへの発信者情報開示請求事件O
   東京地裁/判決・請求認容
原告:インスタグラム投稿者
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のツイッター投稿添付画像に係る原告著作権侵害及びプライバシー権・名誉感情侵害
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5月18日 販促冊子「さくら SAKURA」事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 日本たばこが販売開始した新作たばこ「さくら」に関して、販促小冊子にそのたばこの写真掲載を許諾したカメラマン(原告)が、ウェブページにもその画像を掲載したグラフィックデザイン企画制作会社(被告会社)とその代表取締役(被告B)に対して、公衆送信権侵害を主張して、連帯して1億7540万円の損害賠償金支払いを請求した事件。
 被告らは冊子掲載許諾契約には実績紹介のための利用も含まれていた、またはウェブ上の掲載は引用に当たると主張したが、裁判所は認めず、被告らに連帯して原告に414万円の損害賠償金を支払うよう命じた。
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5月18日 ファッションサイトの写真改変事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 モデルでアパレル商品販売会社経営者である原告が、同じくアパレル商品販売会社である被告に対し、被告がウェブサイト、インスタグラム、ツイッターに写真を掲載した行為は、原告の有する著作権及び著作者人格権を侵害するとして、写真使用の差止めと賠償金1541万円余の支払いを求めた事件。
 裁判所は著作物性、侵害行為を認め、被告に237万円余の支払いを命じた。
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5月25日 「生長の家」著作物の無断複製事件B(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 公益財団法人生長の家社会事業団と株式会社光明思想社(一審原告ら)が、広報誌を発行し言論活動を行っている一審被告に対し、被告が広報誌に原告らが著作権・出版権を有する著作物を掲載して発行した行為は著作権・出版権を侵害するとして、広報誌の発行の差止めと謝罪広告の送付を求め、光明思想社が被告に対し損害賠償金52万円余の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は本件著作物の掲載を適法な引用と判断して、原告らの請求を棄却したが、原告らが控訴した。
 知財高裁は一審の判断を維持し、控訴を棄却した。
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5月30日 調理器具の写真無断流用事件F(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、拡張請求棄却
 一連の、家庭用雑貨販売及び輸出入業者である原告が、各被告がネット上でフライパンの画像を複製して掲載する行為は著作権侵害であるとして賠償金を求め、いずれも1サイト当たり損害額5万円の第一審判決が出た事件の一つの控訴審。本件は一審原告が損害金15万円の判決を不服とし、主張侵害額を増額して控訴した。
 知財高裁は一審判決を維持して、原告の控訴を棄却した。
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5月31日 調理器具の写真無断流用事件D(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、拡張請求棄却
 一連の、家庭用雑貨販売及び輸出入業者である原告が、各被告がネット上でフライパンの画像を複製して掲載する行為は著作権侵害であるとして賠償金を求め、いずれも1サイト当たり損害額5万円の第一審判決が出た事件の一つの控訴審。本件は一審原告が損害金5万円の判決を不服とし、主張損害金を追加して控訴した。
 知財高裁は一審判決を維持して、原告の控訴を棄却した。
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5月31日 ゲームソフトの業務委託契約事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 テレビゲームの開発業務を行う個人事業者である原告が、被告トーセが原告が著作権を有する動画を利用してゲームソフトX及び派生ソフトY及びZを開発製作し、これらソフトに係る権利を被告バンダイナムコに譲渡して、被告バンダイナムコがこれを販売したことにより、被告らが共同して原告の著作権を侵害した等と主張して、被告らに対し、連帯して損害賠償金1500万円の支払い、被告トーセに対して不当利得金90万円と損害賠償金9万円の支払い等を求めた事件。
 裁判所は、本件動画の著作権は原告と被告トーセとの業務委託契約の効力により被告トーセに帰属し、また原告は被告バンダイナムコを製作者とする本件ソフトの製作に参加約束をしたと判断、その他の原告の主張も認めず、原告の請求を棄却した。
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6月5日 パンフレット画像のWEB掲載事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 一審被告の経営する料理店でクスクス料理を提供しその宣伝広告のパンフレットを作製した一審原告が、被告に対し、立替金5万円余の支払い、パンフレットにおける著作権侵害の賠償金57万円、インスタグラムへの画像投稿による著作権・著作者人格権侵害の賠償金81万円支払い、その他いくつかの請求に基づく支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は、インスタグラムへの投稿での侵害の賠償金3万円余と、その他の5万円余の請求を認めて被告に支払いを命じ、その余の請求は棄却したが、原告が控訴した。
 知財高裁は一審の判断を維持して、一審原告の控訴を棄却した。
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6月8日 新聞記事の社内LAN無断公開事件(2)
   知財高裁/判決・変更
 中日新聞社(一審原告)が、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道(一審被告)に対し、被告が原告の発行する新聞の一部の記事をスキャンして社内イントラネット用記録媒体に保存し、従業員がそれに接続して記事を読めるようにしたことにより原告の著作権を侵害したとして、損害賠償金4239万円余の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は被告による著作権侵害を認め、被告に192万余の支払いを命じたが、原被告双方が控訴し、原告は予備請求金の変更をした。
 知財高裁は、被告に損害金減額となる133万円余の支払いを命じ、余の請求は棄却した。
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6月8日 新聞記事の社内LAN無断公開事件B(2)
   知財高裁/判決・変更
 上記と同様の事件で、日本経済新聞社(一審原告)が、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道(一審被告)に、著作権侵害による損害賠償金4414万円余の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は被告に459万円余の支払いを命じたが、原被告双方が控訴した。
 知財高裁は対象記事を増加して被害額を算出し、被告に696万円余の支払いを命じた。
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6月9日 スクールカウンセラーへの名誉棄損事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
スクールカウンセラーである原告が、東日本大震災被災地訪問をめぐるネット上のやり取りの中で、心理療法家等3人の被告ら(被告B、C、D)により名誉を棄損されたとして、3人に連帯して566万円余の賠償金支払いと、被告Bにプライバシー侵害賠償金等122万円余の支払いと本件複製画像の自動公衆送信・送信可能化の差止めを求めた事件。
 裁判所は多くの点で名誉棄損、名誉感情侵害、プライバシー権侵害を認め、それぞれ連帯分を含み、被告Bに429万円、Cに323万円、Dに250万円の支払いを命じ、Bに本件複製画像の自動公衆送信等を禁じた。
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6月9日 ツイッターへの発信者情報開示請求事件O
   東京地裁/判決・請求認容
原告:ネット上への動画投稿活動者
提訴の趣旨:
 氏名不詳者らによる被告のサイトへの原告動画の一部抜粋投稿による著作権及びプライバシー権侵害
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6月12日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件P
   東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオを含む映像制作会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳発信者のビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害
判例全文
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6月12日 「感動アニマルズ」テロップ事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 スライドショー、BGM、テロップ、ナレーションからなる動画を創作した原告が、被告によるサイトへの投稿記事は原告の著作物であるテロップを複製、翻案、公衆送信したものであり著作権侵害であると主張、被告に対し、賠償金190万円余の支払いを要求した事件。
 裁判所は、著作物性、侵害行為を認め、被告に24万円の支払いを命じた。
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6月13日 文学館の“解説パネル”事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、拡張請求却下
 徳富蘆花記念文学館に職員として勤めていた一審原告が、一審被告・渋川市に対して、被告の編集著作物である展示パネルに係る被告の著作権は、パネルを構成する解説文や図録の著作者の権利には影響しないことの確認他いくつかの著作権の確認と、パネルや映像の使用差止め、賠償金100万円の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は原告の著作権確認要求をいずれも却下し、請求を棄却したが、原告が控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持し、当審における拡張請求も却下して、控訴を棄却した。
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6月15日 インスタグラムへの発信者情報開示請求事件B
   東京地裁/判決・請求認容
原告:インスタグラム投稿者
提訴の趣旨:
 氏名不詳者によるインスタグラム投稿記事による画像の著作権侵害
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6月21日 ソネットへの発信者情報開示請求事件L
   東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルト動画制作会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害
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6月21日 加圧ベルトの写真無断流用事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、追加請求棄却
 健康器具である加圧ベルトを販売する一審原告会社が、一審被告会社が加圧ベルトの写真を電子商取引サイトに掲載して販売したことに関し、著作権侵害、不当利得、周知商号表示、不正競争等により被告会社及びその代償者である一審被告bに対して、連帯して110万円の支払いを求めると同時に、原告会社の代表者である一審原告aが被告会社から損害を受けたとして、被告らに連帯して原告aに30万円の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は、著作権侵害を認め、その損害額を5万円と認定、被告bにも著作権侵害に関し重大な過失があったとして、被告会社と被告bそれぞれに原告会社に5万円を支払うよう命じ、その余の請求及び原告aの請求は棄却したが、原告らが無形損害の賠償を追加請求して控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持、追加請求もあわせ控訴を棄却した。
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6月21日 加圧ベルトの写真無断流用事件C(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、追加請求棄却
 上記と同じ一審原告会社が、一審被告が原告会社が加圧ベルトの写真を電子商取引サイトに掲載して販売したことに関し、著作権侵害、不正競争行為により、被告に110万円の支払いを求めると同時に、原告会社の代表者である原告Aが損害を受けたとして、被告に30万円の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は、著作権侵害を認め、その損害額を5万円と認定、被告に支払いを命じ、その余の請求は棄却したが、原告が追加請求して控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持、追加請求も含め控訴を棄却した。
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6月22日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件L
   東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ制作販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害
判例全文
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6月22日 発信者情報開示命令の異議申立事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 被告からの原告NTTドコモに対する発信者情報開示命令申立てに関して開示を命じた基本事件の東京地裁決定に対して、原告が取り消しを求めた事件。
 裁判所は被告の主張を認めて原決定は相当であるとし、これを認可した。
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6月23日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AD
   東京地裁/判決・請求認容
原告:映像、音楽等の製作、編集、販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害
判例全文
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6月29日 オプテージへの発信者情報開示請求事件D
   大阪地裁/判決・請求棄却
 映像制作会社である原告が、被告オプテージの契約者である氏名不詳者がビットトレントを利用して原告が著作権を有する動画の複製物データを送信可能化したことにより、著作権を侵害されたとして、被告に当該契約者の発信者情報開示を求めた事件。
 裁判所は、原告が調査を依頼した調査会社の調査方法・調査結果を分析し、本件調査の正確性をおくとしても、原告の著作権が侵害されたことが明らかであるとは認められないとして、原告の請求を棄却した。
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6月30日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AC
   東京地裁/判決・請求認容
原告:ネット上への文章投稿者
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のツイッターへの投稿による原告文章著作権(複製権、翻案権、公衆送信権)の侵害
判例全文
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