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7月6日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件Q |
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東京地裁/判決・請求認容(控訴)
司法書士である原告が、氏名不詳者のツイッターへの投稿により原告の著作権が侵害されたとして、被告NTTコムへの発信者情報開示命令を申立てたが東京地裁が却下決定をしたのに対し、異議を訴えた事件。
裁判所は、原告の主張や証拠を改めて検討しても、原決定は相当であるとして、却下の決定を認可した。 |
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7月6日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件R |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:本件動画の著作権者
提訴の趣旨:
氏名不詳ユーザによるビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害 |
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7月13日 “キャプチャ静止画”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・変更、附帯控訴棄却
インターネット情報サービス会社である一審原告が、ブログ運営者の一審被告に対し、被告がブログに、原告が著作権を有する複数の動画からキャプチャされた多数の静止画を投稿したことにより、原告の著作権が侵害されたとして、損害賠償金984万円余の支払いを請求した事件の控訴審。一審東京地裁は被告の侵害を認め、242万円の賠償金支払いを命じたが被告が控訴、原告が附帯控訴した。
知財高裁は基本的に一審の判断を維持、損害額算出法を変更して、控訴人に192万円余の支払いを命じ、附帯控訴は棄却した。 |
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7月13日 ビッグローブへの発信者情報開示請求事件P |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ制作販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者らのビットトレントを利用した原告動画の送信可能化権侵害 |
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7月14日 エキサイトへの発信者情報開示請求事件E |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルト動画制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者らのビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害 |
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7月19日 ビッグローブへの発信者情報開示請求事件Q |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:各種映像の制作販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者らのビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害 |
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7月26日 音響効果の“音源”無断使用事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
映画、アニメ、ドラマ等の音響効果会社である原告が、原告の元従業員であった被告との間で、被告退職時に原告所有の音源を持ち出さない旨の合意をしていたにもかかわらず、持ち出して退職後に音響効果の仕事で使用した債務不履行により、又その中に原告がレコード製作者の権利を有する音源があることにより複製権を侵害するとして、被告に対し1050万円の支払いを求めた事件。
裁判所は持ち出し使用が禁じられていたのはすべての音源だと認めたが、実際に被告により使用されたのは原告が著作隣接権を有する1音源のみで、他は使用したと認めるに足りないとして、被告に対し50万円の支払いを命じた。 |
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7月28日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AD |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像の企画制作販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害 |
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7月28日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件S |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像の企画、制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者のビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害 |
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7月31日 漫画「ウチムスマザコン」事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
クラウドファンディングを活用した企画における漫画制作契約をめぐる紛争の控訴審。サークルの共同企画者である一審原告らが漫画家である一審被告と原稿作成依頼契約を結び、作品は完成刊行された。第一事件は独占利用許諾の合意があったのに被告が同一内容の作品をネット上に公開したとして、原告らが差し止めと賠償金支払いを求めたもの、第二事件は被告が他の漫画家に文書を送ったことが不正競争行為であるとして、原告らが被告に賠償金支払いを求めたもの。一審東京地裁は原被告間に独占利用許諾の合意が成立していたとは認められないとして、原告の請求を棄却したが、原告らが控訴した。
知財高裁は原審の判断を維持し、控訴を棄却した。 |
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8月16日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件M(2) |
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知財高裁/判決・変更
一審原告が、原告自撮り写真を掲載したツイッターへの投稿により著作権を侵害されたとして、一審被告に発信者情報の開示を求めた事件の控訴審。一審東京地裁は権利侵害に係る発信者情報とは言えないとして請求を棄却したが、原告が控訴した。
知財高裁は、一部の送信に係る発信者情報は権利侵害に係る発信者情報であるから、原告の請求を全部棄却した一審判決は不当であるとして変更、発信者情報の開示を命じた。 |
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8月21日 ビッグローブへの発信者情報開示請求事件R |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:ビデオ制作・販売会社
提訴の趣旨:
被告のサービスを通じてビットトレントにアップロードされたことによる原告動画の送信可能化権侵害 |
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8月24日 “ファスト映画”著作権侵害事件B |
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東京地裁/判決・請求認容
映画会社13社(原告ら)が、被告及び他の2名が原告らの映画の著作物を編集して作成した10分ほどの動画をYouTubeに投稿して原告らの著作権を侵害したとして、各社にそれぞれ213万円から1億8576万円の損害賠償金を支払うよう求める本件訴訟を提訴したが、裁判所は被告の口頭弁論を分離したところ、他の2名は請求原因事実を認める陳述をし、裁判所は令和4年11月に彼らへの全部認容判決を言い渡した。被告は口頭弁論期日に出頭しなかったので、この別裁判となった。
裁判所は原告らの主張を認め、損害額の算定方法も相当であるとして請求を認容した。 |
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8月24日 人権団体「のりこえねっと」の動画侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
原告はYouTubeにおいて動画を公開した。のりこえねっと(被告社団)は原告動画の公表は被告社団の公表する動画の著作権を侵害するとして、公開停止を申し立て、原告は停止した。本件は原告が、原告動画は被告動画の著作権を侵害しないから申し立ては虚偽の申し立てで不法行為を構成するとして、被告社団と社団の代表者である被告Bに165万円の支払いを求めた事件。尚、争点整理の結果、争点は、被告社団が被告動画に係る写真の著作権者であるか否かのみとなった。
裁判所は被告社団が当該写真の著作権者であると認め、原告の請求を棄却した。 |
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8月25日 You Tube動画の著作権侵害通知事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
情報提供サービス会社である原告がYouTubeに投稿した動画について、被告Aが同動画投稿によって著作権が侵害されたかどうかを調査することなく著作権が侵害された旨の通知をしたとして、原告が被告Aと被告が代表取締役を務める被告会社に対して、連帯して165万円の支払いを求めた事件。
裁判所は本件配信停止申立通知の内容に照らせば被告Aにその義務があったと認めず、原告の請求を棄却した。 |
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8月30日 ソネットへの発信者情報開示請求事件M |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像企画・制作会社
提訴の趣旨:
被告のサービスを通じてビットトレントにアップロードされたことによる原告動画の送信可能化権侵害 |
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8月30日 付録DVDのネット公開事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
アニメーション制作個人事業者である原告が、出版社である被告に対して、被告がYouTube上において原告の氏名又は屋号を著作者として表示することなく「てんかん」に係るアニメ映像を流した行為により、著作権及び著作者人格権を侵害されたとして、損害金660万円の支払いを求めた事件。被告は医師の紹介で原告に医療系アニメの制作を依頼し、納品された映像を収録するDVDをつけた書籍を発行、後日同DVDに含まれる映像をYouTubeで公開した。
裁判所は、映像の著作物性、著作者、著作権者を確認し、被告は原告の氏名表示権を侵害したとして、55万円の支払いを命じた。 |
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8月30日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AJ |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像の企画制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者らにより被告のサービスを通じてビットトレントにアップロードされたことによる原告動画の著作権侵害 |
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8月30日 “関ケ原検定事業”事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
本件各著作物を創作し、本件商標権を保有している原告が、本件各著作物と本件商標を無断で関ケ原検定のポスター、各書類、ジャンパー等に使われ被害を被ったとして、関ケ原町歴史民俗学習館館長と関ケ原町役場の係長と関ケ原町町長に対し、使用の禁止、廃棄等と、347万円余の賠償を求めた事件。
裁判所は、仮に違法があり被告らが関わっていたとしても、町のみが責めを負い、被告ら個人は賠償責任を負わないとし、また原告の警告を受けて町が検定事業を中止している現時点において、行為の差止め等を求める必要はないとして、請求を棄却した。 |
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8月31日 違法アップロード動画の損害額事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
ビットトレント使用者である原告が、利用していた動画の著作権者である被告から著作権侵害として20万円を超える賠償金請求を受けたことに関し、本件著作物に係る著作権侵害に基づく損害賠償金請求は3万円を超えては存在しないことの確認を求めた事件。
裁判所は、損害賠償債務は3万7675円を超えては存在しないことを確認した。 |
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8月31日 広域高速ネット二九六への発信者情報開示請求事件 |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像等企画・制作会社
提訴の趣旨:
被告のサービスを通じてビットトレントにアップロードされたことによる原告動画の公衆送信権及び送信可能化権侵害 |
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9月5日 フィジーの“防災ポリシー”事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
防災専門家である一審原告が、一審被告・独立行政法人国際協力機構と結んだ専門家業務委託契約に基づきフィジーに派遣された際に契約外で作成した文書が、被告に無断使用されたとして、被告に対し、複製譲渡貸与の差止めと複製物の廃棄、不当利得返還請求3000万円の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は、本件の文書作成は本件委託契約で定めた原告の業務の一環として行われることとなったと理解するのが相当と判断して原告の請求を棄却したが、原告が控訴した。
知財高裁は原審の判断を維持し、控訴を棄却した。 |
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9月8日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AE |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオの製作・販売会社
提訴の趣旨:
被告のサービスを通じた氏名不詳者によるビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害 |
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9月15日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AF |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:本件動画の著作権者
提訴の趣旨:
被告のサービスを通じた氏名不詳者によるビットトレントを利用した原告動画の公衆送信権侵害 |
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9月19日 「ふみとやすおの歌」事件(2)B |
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知財高裁/判決・控訴棄却
一審原告が日本テレビ(一審被告)に対し、原告作品「ふみとやすおの歌」が著作物であることの確認を求めるとともに、被告がテレビ番組内で同作品又はその実演を録音録画したものを無断で放送したことにより、著作権、著作隣接権を侵害したとして140万円の支払いを求めた事件の控訴審。一審さいたま地裁は確認部分を却下、その余の請求を棄却したが、原告は、確認部分を原告が著作権を有することの確認に交換的に変更して控訴した。
知財高裁は、確認部分は不適法であるとして却下し、損害賠償部分は原審判決は相当であるとして控訴を棄却した。 |
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9月21日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AH |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
ビデオソフト制作販売会社である原告が、氏名不詳者が、被告のサービスを通じたビットトレント利用により原告の有する動画の著作権を侵害したとして、被告に発信者の情報開示を求めた事件。
裁判所は、原告が依頼した本件調査会社の調査報告の通信は、侵害情報の流通によって直接的に権利侵害をもたらすものとは言えないものだから、情報の開示を請求することはできないとして、原告の請求を棄却した。 |
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9月25日 エックスサーバーへの発信者情報開示請求事件E |
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大阪地裁/判決・請求認容
原告:VTuber育成やマネージメントの会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者が原告キャラクターイラストの一部を被告サイトに投稿したことによる著作権侵害 |
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9月27日 ノンフィクション「捜す人」類似表現事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
東日本大震災を描いた『Life生きてゆく』というドキュメンタリー映画を制作しその著作権を有する原告が、被告が『捜す人 津波と原発事故に襲われた浜辺で』と題する小説を執筆し出版したことが、原告の翻案権、同一性保持権、氏名表示権を侵害し、人格的利益を侵害したとして、被告に346万円の損害賠償金を要求した事件。被告は本件映画を見たのち、自ら登場人物に繰り返し取材を重ね本件小説を執筆した。
裁判所は、本件映画製作の経緯、本件小説執筆の経緯を検証し、両者に同じ事実を描写する部分はあるが、表現が共通するとは言えず、登場人物の発言を利用することが原告の著作権を侵害することになるとは言えないとし、被告が原告が著作権を有する本件映画の創作的表現を利用したということはできないとして、著作権侵害を否定、原告の人格的利益の侵害も認めず、請求を棄却した。 |
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9月28日 子供椅子のデザイン類似事件B |
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東京地裁/判決・請求棄却
子供椅子TRIPPTRAPPの著作権及びその利用権を有する原告らが、家具製造販売業者であるNoz(被告)による被告各製品の製造販売行為は、原告商品として周知著名なものと同一の商品等表示を行う不正競争行為であり、さもなくとも原告らの著作権及びその利用権を侵害する等として、被告に被告製品の製造販売の差止めと、(原告著作権者に)158万円余、及び(原告利用権者に)1304万円余の支払いを求めた事件。
裁判所は対カトージ事件判決同様、不正競争行為、著作権及び利用権侵害を否定して、原告の請求を棄却した。 |
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9月29日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AF |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
原告:アダルトビデオ企画、制作、販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者のビットトレント利用による原告動画の公衆送信権侵害 |
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9月29日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AG |
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東京地裁/判決・請求認容
ビデオソフト製作販売会社である原告が、氏名不詳者らがビットトレントを利用して原告が著作権を有する動画を自動公衆送信できる状態にしたとして、被告に対し、発信者情報の開示を求めた事件。
裁判所は、各氏名不詳者がどの程度の容量をダウンロードしたか等が不明であり、本件動画の表現上の本質的特徴を直接感得できる程度の情報を自動公衆送信し得るようにしたことを認めるに足りない、また本件調査会社が調査して提出したIPアドレス等が当該権利の侵害に係る発信者情報に当たるとは言えないとして、原告の請求を棄却した。 |
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9月29日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件N |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ企画、制作、販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者のビットトレント利用による原告動画の公衆送信権侵害 |
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9月29日 Tシャツのイラストの事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
アパレル会社である原告が、同じくアパレル会社である被告に対し、被告が販売するTシャツに付したイラストが原告イラストの著作権及び著作者人格権並びに原告が有する商標権を侵害しているとして、@原告イラストの複製、翻案、譲渡の差止め、A被告Tシャツに被告イラストを付すこと及び被告Tシャツの譲渡の差止め、B被告製品の廃棄及び被告データの削除、損害金262万円余の支払いを求めた事件。
裁判所は、原告イラストの著作物性、被告による著作権侵害、商標権侵害を認め、差止め、廃棄、削除を命じるとともに、賠償金90万円余の支払いを命じた。 |
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10月12日 “Yahoo!地図”事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
著述家であり個人発明家である一審原告が、その著作物である原告各地図に関し一審被告による著作権及び著作者人格権の侵害があったと主張して、その継承人であるLINEヤフー株式会社(被控訴人)に対して、損害賠償を求める事件の控訴審。一審東京地裁は原告の請求を棄却したが、原告が控訴した。
知財高裁も、被告各地図による原告2地図の著作権及び著作者人格権侵害を認めず、控訴を棄却した。 |
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10月12日 販促冊子「さくら SAKURA」事件B |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
日本たばこが販売開始した新作たばこ「さくら」に関して、販促小冊子にそのたばこの写真掲載を許諾したカメラマン(原告)が、被告日本たばこに対して、被告が原告の許諾した期間を超えて本件写真を使用したとして、また被告が原告の意に反して本件写真をトリミングして使用したとして、損害賠償金等合計8946万円の支払いを求めた事件。
裁判所は、当該期間における被告による冊子配布の事実は認められないとし、人格権侵害に対する損害賠償請求権は消滅時効期間が経過したとして、原告の請求を棄却した。 |
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10月16日 家電保険契約の説明書事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
経営コンサルティング会社であり家電修理会社の株主である原告が、当該家電修理会社の代表取締役である被告に対し、被告が、あいおい損保を保険者、マツヤデンキを保険契約者、原告を損保会社の保険代理店とする保険契約の締結を妨害するため、原告のまとめた資料を不正に入手してマツヤデンキに示し、本件保険契約の代替案として原告の代わりに当該家電修理会社のグループ会社を保険代理店とする契約の締結を提示したことが、被告の代表取締役としての善管注意義務に違反する(著作権法違反を含む)として、1億5千万円の賠償金を請求等をした事件。
裁判所は、原告の指摘する事情によっては、被告提案行為より前にマツヤデンキとあいおい損保が本件保険契約を締結することが確実な状況になっていたとは言えず、これと原告の主張する損害の発生との間に因果関係を認めることはできないとして、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求に理由がないとして、請求を棄却した。 |
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10月19日 エディオンへの発信者情報開示請求事件 |
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大阪地裁/判決・請求認容
原告:動画著作権保有会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者のビットトレント利用による原告動画の公衆送信権侵害 |
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10月20日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AG |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
ビデオソフト等制作販売会社である原告が、氏名不詳者らがビットトレントを利用したネットワークを介して原告が著作権を有する動画を複製して作成した動画ファイルを端末にダウンロードし、送信可能化することによって原告の著作権を侵害したとして、被告に発信者情報の開示を求めた事件。
裁判所は、全証拠によっても各氏名不詳者が本件動画の複製ファイルを送信可能化したことは明らかとは言えず、本件各発信者情報が当該権利の侵害に係る発信者情報に当たるとは認められないとして、請求を棄却した。 |
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10月20日 「ドラゴンクエストユア・ストーリー」事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
小説家である原告が、被告スクウェア・エニックスが発売したゲームソフトを原作とする小説を執筆し(被告スクウェア・エニックスより刊行)、その際主人公の名称を発案して使ったところ、@被告らが同ゲームソフトを原作とする映画を製作委員会の構成員として共同して制作するにあたり、同映画の主人公の名称として原告が発案した名称を使ったことが原告の著作権を侵害する、A被告スクウェア・エニックスには名称使用につき出版契約に基づき原告と協議する義務があったにもかかわらず協議せず、被告らは共同して債権侵害をしたとして、被告らに謝罪文の掲載と賠償金220万円の支払いを求めた事件。
裁判所は、@主人公の名称の著作物性を否定し、A協議義務違反があったとは言えない、として、原告の請求を棄却した。 |
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10月24日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AK |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像製作販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者のビットトレント利用による原告動画の公衆送信権侵害 |
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10月26日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AH |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
アダルトビデオ制作販売会社である原告が、氏名不詳者によりビットトレント利用による原告動画が著作権侵害されたとして、被告に発信者情報開示を求めた事件。
裁判所は著作権侵害は認めたが、開示を求められた発信者情報は当該権利の侵害に係る発信者情報に該当しないとして、原告の請求を棄却した。 |
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10月26日 投稿画像の改変事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
カメラマンである原告が公園内でモデルを使った写真3点を製作し、そのモデルが当該写真をツイッターに投稿したところ、被告がツイッターに、モデルの投稿写真をスクリーンショットした画像および画像に手書き風の白線を書き込んだものと、「彼岸花をとても潰している…!」という文章で構成された投稿を行った。この裁判は、原告が、被告の投稿が原告の著作権及び著作者人格権を侵害し、名誉を棄損、営業を妨害する行為であるとして、被告に330万円の賠償金を求めたもの。被告は著作権侵害に当たることは争わなかったが、人格権侵害等については争いになった。
裁判所は、本件投稿に原写真作品にはあった氏名表示がされていないこと、手書き風の白線を加えたことは「止むを得ない改変」とは言えないこと、投稿での写真掲載は引用にも時事の事件の報道にも当たらないこと、投稿は原告の社会的評価を低下させたこと、と判断し、被告に、著作権、著作者人格権侵害、及び名誉棄損による慰謝料として20万円の支払いを命じた。 |
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10月27日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AI |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
ビデオソフト等制作販売会社である原告が、氏名不詳者らがビットトレントを利用したネットワークを介して原告が著作権を有する動画を複製して作成した動画ファイルを端末にダウンロードし、送信可能化することによって原告の著作権を侵害したとして、被告に発信者情報の開示を求めた事件。
裁判所は、全証拠によっても氏名不詳者らにより本件複製ファイルが送信可能化され原告の公衆送信権が侵害されたことは明らかであるとは言えないとし、提示された通信に係る各発信者情報が当該権利の侵害に係る発信者情報に当たるとは認められないとして、原告の請求を棄却した。 |
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10月27日 朝日ネットへの発信者情報開示請求事件F |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
映像制作販売業者である原告が、氏名不詳者らがビットトレントネットワークを介して原告動画を複製して作成したファイルをダウンロードし、自動的に送信しうる状態にして原告の著作権を侵害したとして、被告に対して発信者情報の開示を求めた事件。
裁判所は、氏名不詳者により原告の著作権が侵害されたことは明らかだが、原告の主張するハンドシェイクの通信から把握される情報は「当該権利の侵害に係る発信者情報」に当たるとは言えないとして、請求を棄却した。 |
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10月30日 ネットフォレストへの発信者情報開示請求事件 |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ制作販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者らによるビットトレントを利用したネットワークを介する原告動画の公衆送信権侵害 |
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10月31日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件P |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:動画投稿配信活動者
提訴の趣旨:
氏名不詳者がNTTレゾナント社訴訟継承人である被告を通じてツイッターに投稿した記事による原告動画の著作権及びプライバシー権侵害 |
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10月31日 ツイッターへの発信者情報開示命令取消請求事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
原告X(訴訟前ツイッター)に氏名不詳者らが投稿した記事により、被告の著作権が侵害されたとして、被告により発信者情報開示を求められて東京地裁が令和5年1月6日に下した請求認容の決定を不満があるとして、原告が原決定の取り消しを求めた事件。
裁判所は、被告の原手続きに係る申立は理由があり、これを容認した原決定は相当であるとして、これを認可した。 |
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11月15日 ビッグローブへの発信者情報開示請求事件S |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:動画制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者のユーザーらによるビットトレントを利用したネットワークを介する原告動画の公衆送信権侵害 |
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11月28日 ゲームソフトの業務委託契約事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
テレビゲームの開発業務を行う個人事業者である一審原告が、一審被告トーセが原告が著作権を有する動画を利用してゲームソフト及び派生ソフトを開発製作し、これらの権利を一審被告バンダイナムコに譲渡し、後者がこれを販売したことにより、被告らが共同して原告の著作権を侵害した等と主張して、被告らに連帯して損害賠償金1500万円の支払いを、被告トーセに不当利得金90万円と損害賠償金9万円の支払い等を求めた事件の控訴審。一審東京地裁は本件動画の著作権は業務委託契約の効力によって被告トーセに帰属している等と判断して請求を全て棄却したが、原告が控訴した。
知財高裁は、原審の判断と同じく原告の請求は理由がないと判断し、控訴を棄却した。 |
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11月29日 エキサイトへの発信者情報開示請求事件F |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:ビデオソフト制作販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者らによるビットトレントを利用したネットワークを介する原告動画の公衆送信権侵害 |
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11月30日 近鉄ケーブルネットワークへの発信者情報開示請求事件 |
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大阪地裁/判決・請求認容
原告:ビデオソフト制作販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者らによるビットトレントを利用したネットワークを介する原告動画の公衆送信権侵害 |
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11月30日 発信者情報開示命令の異議申立事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
一審原告NTTドコモが、一審被告からの原告に対する発信者情報開示命令申立てに関して開示を命じた基本事件の東京地裁決定に対して取り消しを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は被告の主張を認めて原決定は相当であるとしてこれを認可したが、原告が控訴した。
知財高裁は、原審同様、被告は本件発信者情報の開示請求権を有すると判断して、原告の控訴を棄却した。 |
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12月4日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件O |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:ビデオソフト制作販売会社
提訴の趣旨:
ビットトレントを利用して原告動画に係るファイルが被告を介してアップロードされたことによる公衆送信権侵害 |
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12月7日 朝日ネットへの発信者情報開示請求事件E |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:動画制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者らがビットトレントを利用して原告動画を送信可能化したことによる原告動画の著作権侵害 |
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12月7日 「木枯し紋次郎」事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
故笹沢左保は小説「木枯し紋次郎」シリーズを執筆、同作品は書籍刊行され、映画化、漫画化、テレビドラマ化されて人気を博した。本件裁判は、笹沢左保の著作権相続人である原告Aとその著作権一切に関する独占利用権を許諾された原告会社(原告ら)が、食品製造販売会社である被告に対して、被告が「紋次郎いか」「げんこつ紋次郎」等の食品商品に主人公を描いた図柄と「紋次郎」という語を付して製造販売し、その画像を公衆送信することは、本件各作品に係る複製権又は翻案権、公衆送信権を侵害すると主張するとともに、不正競争に該当するとして、被告商品の製造販売の差止め、廃棄、及び1億5,126万円余の賠償金支払を求めた事件。
裁判所は、一話完結の連載小説に係る著作権侵害を主張する場合、そのどの回の文章表現に係る著作権が侵害されたかを特定する必要があり、原告らが侵害されたと主張する著作物はこの主人公の姿を描写する記述にとどまり、個別の写真や図柄として特定するものではない、原告らの主張の実質は一貫して登場する主人公のキャラクターを保護すべき旨主張するものに帰しているとして、請求を棄却、不正競争該当性も否定した。 |
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12月11日 中部テレコミュニケーションへの発信者情報開示請求事件B |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者の被告を介してのビットトレントを利用したアップロードによる、原告動画の公衆送信権侵害 |
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12月11日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件Q |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトビデオ制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者の被告を介してのビットトレントを利用したアップロードによる、原告動画の公衆送信権侵害 |
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12月12日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AL |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
ビデオソフトの制作販売会社である原告が、氏名不詳者らがビットトレントを介して原告動画を複製して作成したファイルをダウンロードし、自動的に送信しうる状態にして原告の著作権を侵害したとして、被告に対して発信者情報の開示を求めた事件。
裁判所は、氏名不詳者により原告の著作権が侵害されたことが明らかだとは言えず、また原告の主張するハンドシェイクの通信から把握される情報は「当該権利の侵害に係る発信者情報」に当たるとは認められないとして、請求を棄却した。 |
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12月13日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件Q(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
一審原告が、原告の一審被告NTTコムに対する発信者情報開示申立を却下した基本事件の東京地裁決定に対して異議の訴えを提起した事件の控訴審。一審東京地裁が原決定を認可したため原告が控訴した。
知財高裁は原判決を相当として原告の控訴を棄却した。 |
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12月14日 ネットフォレストへの発信者情報開示請求事件B |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像企画製作販売会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者の被告を介してのビットトレントを利用したアップロードによる、原告動画の公衆送信権侵害 |
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12月14日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件R |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像の企画制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者の被告を介してのビットトレントを利用した送信可能化及び自動公衆送信による、原告動画の著作権侵害 |
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12月15日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件T |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
アダルトビデオ制作販売会社である原告が、氏名不詳者が原告動画を複製して記録した端末をビットトレントのネットに接続して原告の著作権を侵害したとして、被告に対して発信者情報の開示を求めた事件。
裁判所は、本件各通信に係る情報の流通によっては原告の権利が侵害されたことが明らかであるとは言えないとして、請求を棄却した。 |
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12月15日 NTTコムへの発信者情報開示請求事件U |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映画著作物の著作権者
提訴の趣旨:
氏名不詳者らによるビットトレントを使用した原告動画の送信可能化及び自動公衆送信による著作権侵害 |
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12月19日 オプテージへの発信者情報開示請求事件E |
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大阪地裁/判決・請求認容
原告:動画の販売会社
提訴の趣旨:
被告との契約者である氏名不詳者らが原告が著作権を有する動画のビットトレントを使用した送信可能化及び自動公衆送信したことによる著作権侵害 |
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12月20日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件S |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:本件動画の著作権者
提訴の趣旨:
氏名不詳者らによるビットトレントを使用した原告動画の送信可能化及び自動公衆送信による著作権侵害 |
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12月22日 KDDIへの発信者情報開示請求事件AI |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
ビデオソフトの制作販売会社である原告が、氏名不詳者によるビットトレントの使用により、原告が著作権を有する動画の著作権が侵害されたとして被告に発信者情報開示を求めた事件。
裁判所は本件各通信に係る情報の流通によっては原告の権利が侵害されたことが明らかであるとは言えないとして、請求を棄却した。 |
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12月22日 ソネットへの発信者情報開示請求事件N |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:ソニーミュージックレーベルズ、ソニーミュージックエンターテインメント、バンダイナムコミュージックライブ
提訴の趣旨:
氏名不詳者らがビットトレントを利用して原告レコードを送信可能化したことによる著作隣接権侵害 |
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12月25日 ビッグローブへの発信者情報開示請求事件T |
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東京地裁/判決・請求認容
原告:映像の制作会社
提訴の趣旨:
氏名不詳者によるビットトレントを使用した原告動画の送信可能化及び自動公衆送信による著作権侵害 |
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12月25日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件AM |
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東京地裁/判決・請求認容
提訴の趣旨:
氏名不詳者による被告を介してのウェブサイトへの投稿による原告写真の著作権(複製権および公衆送信権)侵害 |
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12月25日 手すき和紙“染描紙”事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
手漉和紙に刷毛跡等をつけた染紙を販売している一審原告が、原告染描紙を使って展示物を制作して空港ビルディング会社(一審被告ビルディング)と東京国際空港ターミナル会社(一審被告ターミナル)に譲渡した日本画家である一審被告画家に対し、著作権侵害とまた被告三者合同での著作者人格権侵害を主張して、損害賠償金計1000万円の支払いと謝罪広告の掲載を求めた事件及び、被告ビルディングに対して本展示物の展示差止めと廃棄及び展示期間1日あたり5000円の賠償金支払い、被告ターミナルに対して差止めと廃棄及び一日あたり2500円と1500円の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は原告の請求をいずれも棄却したので、原告が控訴した。
知財高裁は原審の判断を維持し、控訴を棄却した。 |
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