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9月1日 「夕刊フジ」のデヴィ夫人名誉毀損事件 |
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東京地裁/和解
夕刊フジ掲載の記事で名誉を毀損されたとして、タレントのデヴィ夫人が発行元の産業経済新聞社に1000万円の損害賠償を求めた訴訟は和解が成立した。夫人はサンケイスポーツの同様の記事も問題にしていたが、この記事に関する訴えや損害賠償請求などは放棄した。 |
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9月2日 野村沙知代さんのイニシャル表記事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
「イニシャル表記でも、自分と分る単行本の記述で名誉を傷つけられた」として、野村沙知代さんが茶道家の塩月弥栄子さんに1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があり、東京地裁は塩月さんに77万円の支払いを命じた。
文中では野村さんが改名する前のイニシャルと同じYを使って記述したが、浅香紀久雄裁判長は「28年前に自分の秘書をしていた人物と特定しており、Yさんが野村さんを指すと分る人物は相当数に上る」と判断、「印紙を横領したかのような記述で社会的評価を低下させた」と名誉毀損を認めた。野村さんは昭和43年頃から数年間、塩月さんの秘書を務めていた。 |
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9月3日 メールマガジンの中傷事件(化粧品メーカー) |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
個人や企業が希望者に電子メールを配信するメールマガジンに、「製品に枯葉剤を入れた」と書かれ、名誉を傷つけられたとして、化粧品、健康食品会社「ディエイチシー」(DHC)が、メールマガジン発信者Aに1億円の賠償を求めた訴訟で、東京地裁は700万円の支払いを命じた。
大橋寛明裁判長は「枯葉剤は混入しておらず、記載に科学的根拠がない」と名誉毀損の成立を認めた。
Aはインターネット掲示板「2ちゃんねる」の運営者も務め、同掲示板に書き込まれた第三者の発言を削除しなかった管理者責任を問われた3件の訴訟で、昨年12月に400万円、今年6月に100万円、7月に400万円の賠償命令をそれぞれ受けている。
判決によると、DHCは昨年4月2日、食品への使用が禁止されている酸化防止剤「エトキシキン」が自社の健康食品に混入した疑いがあると公表、製品を回収した。Aは同日と昨年6月の計2回、「DHCは食品に枯葉剤を入れたりと、なかなかチャレンジャーな会社」などと記載したマガジンを10万人以上に発信した。
判決はエトキシンと枯葉剤を同一視した記述について、「科学的に別の物質。もっと慎重に調査すべきだ」と指摘。メールマガジンの読者らが2チャンネルの掲示板に3491件の書き込みを行い、不買運動を呼びかけるなど影響が大きかったことを考慮し、名誉毀損訴訟としては比較的高額の賠償額を算定した。 |
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9月4日 居酒屋チェーン「月の雫」vs「月の宴」類似事件 |
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横浜地裁/提訴
店名やメニューなどを真似されて被害を被ったとして、居酒屋チェーン「月の雫」を経営する三光マーケティングフーズ(東京都)は、「月の宴」を経営するモンテローザ(東京都武蔵野市)を相手に、不正競争防止法に基づく表示の差止めと1億1000万円の損害賠償を求める訴えを起こした。
原告側は「月の雫」と「月の宴」は酷似しており、客が抱くイメージも共通だと主張。「雫」の代表的な料理「引き上げ掬い豆冨」「本日の鮮魚」が「宴」のメニューに同じ文言が並ぶなど、客に混同されていることで「雫」の評価が下がっていると訴えている。
「月の雫」は「東方見聞録」などを経営する三光マイケティングフーズが00年9月以降、東京、神奈川、千葉を中心に21店舗を展開。「月の宴」は「白木屋」「魚民」などを経営するモンテローザが昨年9月から現在までに全国で26店舗を開店している。 |
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9月4日 「桃太郎」商標権事件 |
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岡山地裁/提訴
「日本一桃太郎」の商標権を持つ製菓会社「銀装」(大阪市)が、類似の表記を使ったとして同業種の「中山昇陽堂」(岡山市)に、商標の使用差止めと約300万円の損害賠償などを求め、岡山地裁に提訴した。
銀装は1959年に商標登録。しかし中山昇陽堂が製造、販売するきびだんごなどの包装紙に「桃太郎のきびだんご」と記載したため商標権が侵害されたとしている。 |
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9月6日 CS放送「代ゼミTVネット」の著作権侵害事件 |
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東京地裁/提訴(2003年7月)
テレビで有料放映している受験講座を無断でダビングし、生徒に違法に受講させたとして、大手予備校「代々木ゼミナール」が長崎市の塾経営者に約1000万円の損害賠償を求める訴えを起こしていたことが分った。受験講座の無断ダビングをめぐる提訴は初めて。
塾経営者は98年秋頃からTVネットの複数の講座を録画・ダビングし、テレビとビデオを10台ほど置いた部屋で高校生に月2万〜3万円で自由に見せ、約600万円の利益を上げた。 |
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9月8日 「週刊文春」の山崎自民党幹事長名誉毀損事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
「週刊文春」の記事で名誉を傷つけられたとして、自民党幹事長の山崎拓氏が発行元の文芸春秋に5000万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟で、東京地裁は山崎氏の請求を棄却した。
土肥章大裁判長は記事の公共性について、「原告は自民党幹事長を務めており、記事は公共の利害に関する事項であると認定。そのうえで、「女性が深夜に山崎幹事長の議員宿舎を訪れていることや女性の住民票の住所が統一教会の施設にあった事実が認められる」と指摘した。 |
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9月9日 「新しい歴史教科書をつくる会」書籍の廃棄処分事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴、控訴棄却・上告)
船橋市西図書館に勤務していた司書Aが「新しい歴史教科書をつくる会」及びその会員の著書を中心として計107冊の著書を除籍し、廃棄したため名誉を毀損され、被害を被ったとして、会と8人の会員が、Aと船橋市に対して計約2400万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は原告側の請求を退けた。
原告側は、著者と読者を媒介する表現自由の場(図書館)から一方的に書籍を排除するのは憲法違反だと主張したが、判決はAの計画的行為は認めたが、それによって会員の名誉が毀損されたことにはならないし、船橋市に法的責任は生じないとした。 |
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9月10日 「キャンディ・キャンディ」グッズの契約違反事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
人気漫画「キャンディ・キャンディ」の著作権をめぐるトラブルで商品を販売できなくなったとして、玩具メーカー「アップルワン」(埼玉県三郷市)が、商標権売買会社「サンブライト」(東京都)など2社に約1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は2社に約780万円の支払いを命じた。
宮岡章裁判長は「原作者から商品化中止を申し入れられる可能性があることを知らせず、メーカーに製造を指示した」と2社の賠償責任を認めた。 |
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9月10日 住基ネット・プライバシー侵害事件(名古屋) |
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名古屋地裁/提訴
住民基本台帳ネットワークはプライバシーを侵害し、憲法などに違反するとして、名古屋市の市民194人が、市長を相手に住基カードの発行停止と市長個人から市へ2000万円の賠償金の支払いを求める訴訟を起こした。カードに焦点を絞った訴訟は初めて。
原告代理人の杉浦英樹弁護士は「市民の目に見えて、分りやすいカードを切り口に選んだ。カードを切り崩すことで、住基ネットがいかに危険で無用なものかを訴えたい」と話した。 |
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9月11日 新聞社の“広告掲載基準”事件 |
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札幌地裁/判決・請求棄却
「道銀『ラピッド』は庶民を欺く金融麻薬商品」との記事広告の掲載を依頼したのに、実際は「金融○○商品」と表現し、「麻薬」の2文字を伏せ字にしたのは債務不履行又は不法行為にあたるとして、月刊誌「北方ジャーナル」が北海道新聞社に対し約3000万円の損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁はその請求を棄却した。
「北方ジャーナル」誌と北海道新聞社はその後も「道新が言論弾圧」「広告掲載を全面拒否」などと記した記事広告の掲載をめぐって争っている。判決は、日本新聞協会の定めた「新聞広告倫理綱領」や「広告掲載基準」に照らし、「許容できない表現があり、掲載できないものに該当する」と判断した。 |
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9月12日 早稲田大学の名簿提供事件B(3) |
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最高裁(ニ小)/判決・破棄差戻し
江沢民・前中国国家主席が1998年秋に早稲田大学で講演した際、大学側が参加希望者名簿を警視庁に提供したのはプライバシー侵害として、当時学生であった計9人が損害賠償を求めた2訴訟の上告審判決で、最高裁は「承諾を得ずに個人情報を開示したのはプライバシー侵害で違法」との判断を示した。
裁判官5人のうち3対2の多数意見。学生側弁護団は「個人情報の目的が利用を厳しく批判したもの。今後のリーディングケースになる画期的判決だ」と評価している。
名簿には名前のほか、学籍番号や住所、電話番号が参加希望者によって記入されていた。最高裁は「秘匿性が必ずしも高くない単純情報だが、みだりに他人に知られたくないと考えることは自然で、法的保護の対象となる」と指摘した。
2件の訴訟は二審段階で判断が分かれていたため、最高裁は元学生6人に計6万円の賠償を認容した判決については早大の上告を棄却し、大学の敗訴が確定した。もう一方の元学生3人の請求を退けていた判決は破棄し、審理を東京高裁に差戻した。 |
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9月12日 パワードコムへの情報開示請求事件(ファイル交換ソフト) |
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東京地裁/判決・請求認容
インターネットを介し、音楽やパソコンソフトなどの無料交換に使われる「ファイル交換ソフト」で、個人情報をネット上に流された被害者2人が、ネット接続業者「パワードコム」(東京都)に発信者の住所、氏名を明らかにするよう求めた訴訟の判決で、東京地裁は請求を認めた。
菅野博之裁判長は「交換ソフトで情報を共有可能と設定するのは、電子掲示板への書き込みと同様、不特定者に対する送信に当たる」と判断。パワードコムにプロバイダー責任法に基づく情報開示義務があると認めた。
判決によると、匿名の発信者が2人の電話番号などの情報を交換ソフト「WinMX」で共有可能に設定。昨年12月、パワードコムに接続していた第三者が流出を知り、2人に通報した。
交換ソフトで共有可能に設定された音楽などのファイルは、ソフトの利用者なら誰でも自由にダウンロードできる。米国では、利用者が世界で8千万人に上った交換ソフト「ナップスター」が著作権侵害をめぐる訴訟で違法性を指摘され、サービス停止に追い込まれた。 |
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9月12日 保険医登録取消し処分のホームページ掲載事件 |
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名古屋地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
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9月12日 「荘内日報」の加藤紘一氏夫人名誉毀損事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
事実無根の記事で名誉を傷つけられたとして、加藤紘一氏元自民党幹事長の妻が、荘内日報社(鶴岡市)に1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は名誉毀損の成立を認め、110万円の支払いを命じた。
問題になったのは、加藤氏の元事務所代表の脱税事件をめぐって報じた記事。その中で加藤氏の妻は元事務所代表が経営する会社から、監査役の報酬として月額100万円以上を受け取っていたと報じたが、判決は「真実との立証がない」とした。 |
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9月17日 DDIポケットへの情報開示請求事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
電子掲示板「2ちゃんねる」にいわれのない悪口を書かれたとして、東京弁護士会所属の弁護士がプロバイダー法に基づき、悪口を書いた発信者の指名と住所の開示を「DDIポケット」に求めた訴訟の判決があり、東京地裁は同社に開示を命じた。
送信された情報が、経由しただけのプロバイダーにも発信者の氏名などの開示を請求できるとする司法判断は初めて。 |
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9月18日 「キューピー」商標事件(引越しセンター)(2) |
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東京高裁/判決・請求棄却
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9月20日 阪神球団vsタイガー魔法瓶“TIGERS”商標事件 |
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東京高裁/提訴
プロ野球・阪神球団が(株)タイガー魔法瓶(大阪府門真市)が持つ「TIGERS」の商標登録の無効を求めたところ、特許庁が認める審決を出したため、この審決の取り消しを求めて魔法瓶側が訴訟を起こした。東京高裁は和解を勧告した。
タイガー魔法瓶側によると、同社はもともと「TIGERS」の商標を登録しておらず、86年に阪神球団と契約して、他企業がこのマークを使う場合は球団側に許諾料を支払い、その一部を魔法瓶側も受け取ってきた。しかしその後、同社が家庭用電熱用品と鍋類について商標登録したことからトラブルに発展。球団側は98年、「球団名と混同しやすい」と異議を申し立てた。これは棄却されたが、2002年1月に商標の無効を申し立てると、今度は認められた。
タイガー魔法瓶側は「これまでのような友好関係を続けていきたいので、和解協議に応じる」と話したが、阪神球団側は「協議に応じるかどうか、検討する」とした。 |
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9月22日 ニュース映像の名誉毀損事件(日本テレビ) |
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さいたま地裁/提訴
皇后美智子さまの生家、旧正田邸の解体反対運動を報じたニュース映像で、偶然、現場を通りかかったショベルカーを旧正田邸の解体業者として撮影、放送され、損害を受けたなどとして、ショベルカーを所有する建設解体業者(埼玉県川口市)が、映像を放送した日本テレビを相手取り、300万円の損害賠償を求める訴えを、さいたま地裁に起こした。
ショベルカーには建設解体業者の社名が書かれており、放送後、業者には顧客や知人から抗議や非難が殺到。営業を妨害され、顧客を失ったなどとして、日本テレビに損害賠償と慰謝料を求めている。
日本テレビ側は「放送したのは確認している」としたが、業者の請求については「裁判で明らかにしたい」としている。 |
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9月24日 マンション建設をめぐる名誉毀損事件 |
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横浜地裁/判決・請求棄却
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9月24日 カーナビ用地図ソフトの著作権侵害事件 |
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東京地裁/提訴
住宅地図大手の「ゼンリン」は、パイオニアの子会社「インクリメント・ピー」が住宅地図を無断で複製して、カーナビゲーション用ソフトを製作し、著作権を侵害したとして、東京地裁に約12億6000万円の損害賠償と地図ソフトの元データの廃棄などを求める訴えを起こした。
訴えによると、インクリメント・ピーは99年9月以降、約182万ページ分のゼンリンの住宅地図を無断でコピーし、カーナビやパソコン用の地図ソフトのデータを作成した。ゼンリンの住宅地図にしか掲載されていない一方通行や私道などの表記約87万件があり、地図上の誤った表記も同じようにみられるという。
カーナビソフトの出荷台数に占めるシェアは、ゼンリンが8割弱、インクリメント・ピーが2割強。 |
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9月25日 「超時空要塞マクロス」の著作権確認事件B(2) |
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東京高裁/判決・控訴棄却(上告)
人気テレビアニメ「超時空要塞マクロス」の著作権の帰属をめぐり、制作会社「竜の子プロダクション」と企画会社「スタジオぬえ」が争った控訴審で、東京高裁は「期限までにアニメを完成させるなど、経済的責任を竜の子側が負っていた」として、一審・東京地裁判決に続き、竜の子側に著作権があることを認め、スタジオぬえ側の控訴を棄却した。 |
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9月25日 類似ダイエット食品の販売差止め事件(2) |
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東京高裁/判決・控訴棄却、附帯控訴認容
自社の商標とよく似た商品名のダイエット食品を販売され、損害を受けたとして「マイクロダイエット」を販売するサニーヘルス(長野市)と製造会社が、「マイクロシルエット」を製造・販売するコスメディコ(東京都新宿区)などに商品名の使用差止めと損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決があり、東京高裁は、サニーヘルス側の請求を全面的に認めた一審・東京地裁判決を支持し、コスメディコ側の控訴を棄却した。
賠償額は、一審判決が認容した8000万円に加え、控訴審で新たに増額請求された1億5700万円も認容した。 |
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9月26日 小泉首相の“靖国参拝”名誉毀損発言事件 |
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大阪地裁/判決・請求棄却
小泉首相が靖国神社を参拝したのは違憲であるとし、訴訟を提起されたことについて、記者からの質問に、小泉首相が「話にならんね。世の中おかしい人たちがいるもんだ。もう話にならんよ」と発言したことについて、同訴訟の原告らが小泉首相と国に対して、名誉毀損等による損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟で、大阪地裁は原告らの請求を棄却した。
原告らは小泉首相の靖国参拝を違憲として639名が大阪地裁に、65名が松山地裁に、211名が福岡地裁に提訴している。
原告らは小泉首相の発言は「人格的非難、揶揄、中傷」と主張したが、判決は「公的な立場にある者の発言としては、配慮に欠ける点があったことは否定できない」としながらも、「主観的な意見、感想で、著しく侮辱、誹謗中傷するものとはいえない」として、原告らの主張を退けた。 |
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9月26日 「広島風お好み焼せんべい」商標事件(2) |
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広島高裁/判決・控訴棄却
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9月29日 在宅介護本の著作権侵害事件(2) |
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東京高裁/判決・取消、差戻し
在宅介護本『いざというときに』の著作者で著作権者であるAが、同一の内容と目次の書籍を発行され、著作権を侵害されたとして発行元の農林水産省などに損害賠償を求めた控訴審の判決で、東京高裁は原告の請求を退けた一審・東京地裁判決を取り消し、審理を差戻した。 |
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9月29日 「ちゅらさん一座」作曲代金不払い事件 |
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東京地裁/判決・請求認容
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9月29日 「極真会館」の商標事件(東京) |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
故大山倍達氏が創始した空手流派「極真会館」に関する商標登録をめぐり、各地で道場を開いている弟子5人が「別の弟子が使用を独占しているのは違法」と主張して、計5000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は計250万円の支払いを命じた。
極真会館は大山氏の死後、複数に分派した。このうち一派の代表が「後継指名を受けた」として、94年6月に「極真空手」などのロゴやマークを商標登録し、他団体の商標使用を禁止する措置をとったため、別の派に属する弟子5人が提訴していた。 |
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9月29日 「ルドルフ・バレンチノ」商標権事件C(2) |
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東京高裁/判決・請求棄却(上告)
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9月29日 ビデオ「松田聖子ライブ」無断販売事件(刑) |
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東京地裁/判決・有罪
BSデジタルで放送された「松田聖子・カウントダウン・ライブパーティ02〜03」の録画ビデオを無許可で売ったとして、著作権法違反などの罪に問われた被告A(埼玉県鴻巣市)に対する判決で、東京地裁は懲役3年、執行猶予4年を言い渡した。
Aは、BS朝日が大晦日から元日にかけて放送した番組の複製テープ6本を、同社の許可なしにインターネットの競売サイトを通じて1本4000円〜5500円で売り、同社の著作権を侵害した。 |
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9月30日 サイボウズ和解報道事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
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9月30日 「極真会館」の商標事件(大阪) |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
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10月1日 共産党vsフジテレビ“北朝鮮拉致番組”事件 |
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東京地裁/提訴
北朝鮮の拉致事件をめぐるフジテレビの番組で、虚偽の内容の放送をされ、名誉を傷つけられたとして、共産党はフジテレビに対して訂正と謝罪の放送と、1000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
訴状によると、9月12日夜の「金曜エンタテイメント・完全再現! 北朝鮮拉致25年目の真実」と題する放送で、共産党が拉致問題に取り組む同党の元国会議員秘書の行動を妨害し、その行動を理由に党を除名した、としたのは虚偽だとしている。 |
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10月2日 愛媛県大洲市の名簿公開事件 |
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松山地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
住民投票条例の制定を求めて署名を集めた市民(受任者)の名簿を、愛媛県大洲市が情報公開条例に基づいて公開したのはプライバシーの侵害にあたるとして、市民193人が同市と桝田与一市長を相手に1人あたり10万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があった。
坂倉充信裁判長は「プライバシー権を犠牲にしてまで名簿を開示する公益性はない」として、受任者でない6人を除く187人に各5万円を支払うよう命じた。市長への請求は退けた。
受任者は、地方自治法に基づく直接請求の際、署名の収集を代表者から委任された住民のこと。その名簿公開をめぐる訴訟で司法判断が示されたのは初めて。
西嶋吉光・原告弁護団長は「受任者名簿にプライバシー権を認め、直接請求による住民自治制度を守る先例になる」と評価した。
桝田市長は「納得しがたい判決。判決文の内容を精査し、代理人とも相談して控訴を含めた検討をしたい」とコメントした。 |
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10月16日 「ニュースステーション」のダイオキシン報道事件(3) |
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最高裁(一小)/判決・破棄差戻し
テレビ朝日系の報道番組「ニュースステーション」が、埼玉県所沢市産の野菜から高濃度のダイオキシンが検出されてと報道したことで、野菜の価格が暴落し被害を被ったとして、所沢市内の農家29人がテレビ朝日などに約2600万円の損害賠償と謝罪放送などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁は農家側敗訴とした一審、二審判決を破棄し、審理を東京高裁に差戻した。
問題になったのは、1999年2月1日に放映された特集番組で、東京都内の民間調査会社「環境総合研究所」のデータを基に、所沢市産の野菜から1グラムあたり0.64〜3.80ピコグラムの高濃度のダイオキシンが検出された、などと報じた。ところがその後、3.80ピコグラムを検出したのは野菜ではなく煎茶で、テレビ朝日はこれを知らないまま放映していたことが判明。裁判ではこの報道が真実といえるかどうかが最大の争点となった。
一審・さいたま地裁、二審・東京高裁は、所沢産のハクサイから同レベルのダイオキシンが検出されたとする別の調査結果が存在することなどを理由に、「報道内容は主要な部分で真実と認められる」と認定。農家側の請求を退けていた。
当初は農家376人が原告に名を連ね、総額約2億円の損害賠償などを請求。二審判決の時点では41人に減り、上告審では29人に減っている。「環境総合研究所」については上告を棄却する決定が出ており、同研究所の勝訴が確定している。 |
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10月16日 ドクター中松の“がんばれ日本”商標事件(2) |
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東京高裁/判決・請求認容
「がんばれ日本」という文字をふくむ商標について「印刷物」の分野で商標権を持つ発明家のドクター中松こと中松義郎さんが、日本オリンピック委員会(JOC)の請求で、商標不使用を理由に商標登録を無効とした特許庁の審決を取り消すよう求めた訴訟で、東京高裁は中松さんの請求を認めた。
山下和明裁判長は「中松さんが主催する会が、ほぼ毎月発行していた会報に商標が使用されていた」との事実を認め、「審決は誤りだった」と判断した。 |
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10月16日 無洗米製造機中傷事件(2) |
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東京高裁/判決・控訴棄却
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10月20日 キャノン元社員の“発明の対価”請求事件 |
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東京地裁/提訴
キャノン(東京都大田区)の主力商品であるレーザービームプリンターの関連技術を開発した元社員が、職務上の発明を会社に譲った際に正当な対価を受け取っていないとして同社に10億円の支払いを求める訴えを起こした。元社員側は「特許でキャノンは多大な利益を得ており、発明者として400億円以上受け取る権利がある」とし、今回はその一部を請求した。
元社員は高画質で印刷できる技術を発明し、81年に同社は特許出願した。この功績で元社員は98年度の優秀社長賞に選ばれたが、報酬としては約86万円を受け取っただけ。同社に対価の再評価を求めたが応じないため提訴した。 |
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10月20日 「月刊現代」のUFJ銀行名誉毀損事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
月刊誌「現代」に「国有化・解体」などと虚偽の事実を報道され、名誉を傷つけられたとして、UFJ銀行(名古屋市)が講談社に1億円の損害賠償と謝罪を求めた訴訟の判決で、原俊雄裁判長は「格付けの引き下げ予告や不良債権が高い水準にあったのは真実で、記事は論評として許容される」と述べて、UHFJ銀行の請求を棄却した。 |
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10月21日 「Tokyo Walker」商標事件(2) |
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東京高裁/判決・請求棄却
被服等の取引を業とする(株)福岡繊維工業が、角川ホールディングスの発行する情報誌「Tokyo Walker」には同社の商標と類似する部分があるとして、特許庁に無効審判の請求をしたが不成立だったため、同審決の取消しを求めた訴訟で、東京高裁は原告の請求を棄却した。 |
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10月21日 ドメイン名登録事件(広島) |
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広島地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
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10月22日 求人情報の著作物性事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
転職情報サイトを運営する「エン・ジャパン」(東京都新宿区)が、求人情報を無断で複製され、ネット上に流されたとして、別の同様のサイトを運営する「イーキャリア」(同中央区)に5720万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があった。
飯村敏明裁判長は「表現に創意工夫がされている場合は、求人情報も著作物にあたる。著作権の侵害があった」として、イー社に65万円の支払いを命じた。
原告弁護団によると、ネット上の求人情報が著作権の対象となることを認めた判決は初めてという。 |
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10月23日 美容院のノベルティー商品事件 |
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名古屋地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
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10月23日 パソコンソフトの違法コピー事件(ヘルプデスク) |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
コンピューターソフトを無断で複製し、著作権を侵害されたとして、マイクロソフトなど米国のソフトメーカー3社が、大阪市のパソコンスクール経営会社「ヘルプデスク」と同社の社長に約7800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があった。
小松一雄裁判長は「パソコン137台で、25種類、計325本の複製ソフトが不正に使われていた」と認定し、約3800万円の支払いを命じた。 |
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10月27日 「噂の真相」野中広務氏の名誉毀損事件(3) |
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最高裁(二小)/決定・上告棄却(確定)
野中広務・元自民党幹事長が月刊誌「噂の真相」の記事で名誉を傷つけられたとして、同誌と編集長に慰謝料などを求めた訴訟で、最高裁は同誌側の上告を退ける決定をした。350万円の支払いを命じた大阪高裁判決が確定した。
同誌は01年5月号で、野中氏が同和団体の実力者とつながり、京都市営地下鉄建設の利権に絡んでいるなどと報じた。一審、二審とも「記事が真実と認められる証拠はない」と認定したが、二審は「政治家の立場に影響を及ぼしたとは言えない」として、賠償額を一審より150万円減額した。 |
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10月27日 北海道議会議員選挙をめぐる名誉毀損事件 |
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札幌地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
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10月28日 薬害エイズ訴訟の原告ビデオ公開事件(2) |
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福岡高裁/判決・取消
薬害エイズ訴訟の原告だった息子のプライバシーを記録したビデオを死後公開されたとして、福岡県岡垣町の父親(68)が東京HIV訴訟弁護団の弁護士を相手に慰謝料800万円を求めた訴訟の控訴審判決があった。
小林克巳裁判長は、プライバシー侵害を認め25万円の支払いを命じた一審・福岡地裁判決を取り消し、父親の請求を棄却する逆転判決を言い渡した。
小林裁判長は「弁護士は上映について事前に両親の理解を得るよう務めるのが穏当で、配慮に欠けていた。しかし、息子は被害の実態が語り継がれることを承諾しており、プライバシーの侵害はなかった」と述べた。 |
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10月29日 「キューピー」商標事件(引越しセンター)B(2) |
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東京高裁/判決・請求認容
キューピー人形の絵柄の商標をめぐり、運送会社「荒牧運輸」とマヨネーズ大手の「キューピー」が互いに商標権を主張して争った訴訟で、東京高裁は運送会社の商標登録を無効とした特許庁の審決を取り消す判決を言い渡した。
北山元章裁判長は、キューピー人形について「運送会社は長年マークを使っており、引越し業務とマヨネーズ製造販売などを混同する恐れはない」と述べた。 |
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10月30日 熊本の保険金疑惑報道事件(フォーカス)(2) |
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東京高裁/判決・変更(上告)
写真週刊誌「フォーカス」の保険金疑惑報道で名誉を傷つけられたとして、熊本市の医療法人と同法人理事長が、新潮社と当時の編集長らに約1億7000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決があった。
矢崎秀一裁判長は「名誉を毀損する記事の掲載は通算3ヵ月に及んだうえ、記事に顔写真を添えられたこともあり、社会的評価が相当低下した」と述べ、一審・東京地裁判決を変更し、660万円増の計1980万円の支払いを命じた。
理事長個人への支払額はこのうち1430万円。この額はプロ野球・巨人軍の清原和博選手に1千万円の支払いを認めた01年3月の東京地裁判決を上まわり、名誉毀損訴訟での最高額となった。 |
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10月30日 高級注文住宅の著作物性事件 |
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大阪地裁/判決・第1事件請求棄却、
第2事件請求一部認容、一部棄却(控訴)
木造の最高級住宅「エム・グラヴィス・ベルサ」を販売する(株)積水ハウスが、その構造、デザイン、仕様等を真似られ、著作権を侵害されたとして、同業の(株)サンワホームに対し約3518万円の損害賠償とパンフレット等の印刷物の廃棄を求めた訴訟で、大阪地裁は原告側の請求を一部認め、サンワホームに約40万円の支払いと印刷物の廃棄を命じた。
サンワホームは「百年耐久・檜の家」などの名称でチラシやパンフレットを作成し、全国の展示場の来訪者や新聞購読者に配布していた。 |
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10月31日 第一興商の歌謡曲独占事件 |
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公正取引委員会/排除勧告
業務用カラオケの最大手「第一興商」(東京都品川区)が、子会社のレコード製作会社が独占的に権利を持っている歌謡曲を、ライバル関係のカラオケ機器会社に利用させないようにしていたとして、公正委員会は独占禁止法違反(不公正な取引)で排除勧告した。 |
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