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5月1日 手品の種明かし事件 |
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東京地裁/提訴(請求棄却・控訴)
昨年、大阪の手品用品販売業者らが手品に使う「ギミックコイン」を作るために硬貨を違法加工したとして逮捕された。この事件の報道にあたって、日本テレビとテレビ朝日が、必要以上に手品の種明かしをしたために損害を被ったとして、プロとアマの手品師49人は両テレビ局に197万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
テレビ局は、たばこがコインを貫通する手品の種明かしをしたほか、逮捕者らの実演を隠し撮りして放映していた。「報道は視聴率目当てで手品師の名誉も傷つけられた」と主張している。 |
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5月4日 マリリン・モンローの肖像権事件 |
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米連邦裁判所/判決・請求棄却
映画「7年目の浮気」の地下鉄通風孔の有名な写真を基にしたTシャツが販売されたために、2年前、モンローの遺産管理人が肖像権を主張して提訴したが、この日、米国連邦裁判所は、マリリン・モンローの写真の肖像権は1962年にモンローが死亡したと同時に消滅したとした。 |
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5月7日 児童ポルノ掲示板事件(刑) |
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大阪府警/逮捕、起訴
大阪府警は、児童ポルノ愛好家のための有料会員制サイトの運営者2人を、児童ポルノ公然陳列幇助の疑いで逮捕した。
2人は、横浜の男性が女児の裸像を公開していた無料掲示板のアドレス(URL)を自分のサイトに掲載して紹介した。「他人のアドレスの紹介だけなら罪にならないと思った」と供述しているが、大阪地検は、児童買春法違反容疑で起訴した。 |
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5月10日 出会い系サイトのプログラム不正競争事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
出会い系サイトを運営するイープランニングは、自社開発した運営プログラム及び顧客情報を、元従業員が不正に取得し、仲間に開示して同様の出会い系サイトを開設して、このプログラム及び顧客情報を使用したとして、損害賠償請求を提起した。
大阪地裁は、被告が口頭弁論に出頭せず、答弁書その他の準備書面も提出しなかったところから、営業秘密の不正取得及び開示、不正に取得した企業秘密を使用した行為の自白とみなして、不正競争防止法違反を認め、918万円の支払を命じた。 |

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5月14日 類似「黒烏龍茶」事件 |
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東京地裁/提訴
サントリーは「サントリー黒烏龍(クロウーロン)茶OTTP」に酷似した商品を製造販売したとして、静岡県内の健康食品製造業者2社を、不正競争防止法違反であるとして3386万円の損害賠償請求を求める訴訟を東京地裁に起した。 |
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5月15日 住基ネット運用差止め請求事件(福島) |
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福島地裁/判決・請求棄却
福島県喜多方市や相馬市の住民5人が、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の運用はプライバシー権を侵害し憲法に違反するとして、個人情報の削除と、損害賠償請求を求めた訴訟で、福島地裁は請求を棄却した。
住基ネットを巡る裁判では、憲法違反とする大阪高裁判決があり、一方、金沢地裁の違憲判決を取り消した名古屋高裁判決があり、判断が揺れている。 |
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5月16日 商標“ELLE”侵害事件(ロックバンド) |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
「ELLE」を発行するフランスのアシェット社は、日本のロックバンド「ELLEGARDEN」(エルレガーデン)のロゴ入りTシャツやリストバンド、ステッカーなど各種商品で商標権を侵害されたとして、ロックバンドの所属事務所に商品販売の差し止め、商標使用の差し止め、ウェッブサイトからの商標の抹消などを求めた訴訟で、東京地裁は商標権侵害を認め、一部商品の販売禁止、ウェッブサイトでの広告を禁止した。
東京地裁は、ロックバンドが結成された平成10年以前に既に「ELLE」は著名な商標となっていたとし、「ELLEGARDEN」は「ELLE」と「GARDEN」の結合商標であり、「GARDEN」は「庭、庭園」という一般名称に過ぎず、「ELLE」が「ELLEGARDEN」という標章の要部であるから、一部商品についてはアシェット社の商品と誤認される恐れがあるとした。 |

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5月17日 「インディアン」の商標権事件I(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
被告である東洋エンタープライズ社は平成16年、商標「Indian Motorcycle」(被告商標)を登録した。平成10年に商標「Indian インディアン」を登録していたインディアンモトサイクルカンパニージャパン社は、被告商標の登録無効審判を特許庁に請求したところ、請求不成立の審決がなされたため、この審決の取消を求めて提訴した。
知財高裁は、被告商標は「図形部分と不可分一体」のもであり、「インディアンモーターサイクル」という称呼が生じ、「インディアン」と称呼が顕著に相違するとともに、観念も異なり、特徴のある書体によって外観も明確に異なるから、両者を類似商標と認めることは出来ないとして、請求を棄却した。 |

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5月22日 商標“DonaBenta”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求認容
日本在住の日系ブラジル人向けにブラジル食品を製造販売している日本企業が、商標「DonaBenta」を登録したが、ジェイマセドグループの傘下企業である原告のブラジル企業は、自分たちの著名商標「Dona Benta」を不正に利用したもので商標法違反だとして、商標登録の無効審判を請求した。特許庁は、請求不成立の審決を下した。
知財高裁は、日本企業の商標登録時には、原告企業は小麦関連商品の製造販売でブラジル第2位、世界第8位の大企業となっており、その商標も周知著名であったとし、商標の文字構成も同じで、「Dona」と「Benta」の間にスペースがあるか無いかの違いにすぎないから外観においても共通しており、原告商標の名声に便乗したものであるとして、特許庁の審決を取り消した。 |

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5月22日 商標“イナバウアー”登録事件 |
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特許庁/登録拒絶
特許庁はこの日、アサヒビールが商標登録を出願していた「イナバウアー」を拒絶していたことを明かにした。
「イナバウアー」は、2006年トリノ冬季オリンピックで荒川静香選手が金メダルを獲得して一躍有名になったフィギュアスケートの技の一つで、西ドイツのイナ・バウアーさんが開発した。しかし、技の開発者の許諾もなく、荒川さんの名声に便乗する行為は公序良俗に反するとして、拒絶査定とした。 |
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5月22日 中国メーカーのホンダ二輪車意匠権侵害事件 |
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上海市人民法院/判決・請求一部認容、一部棄却
ホンダと中国での現地法人五洋ホンダは、中国の自動二輪メーカーと販売会社に対して、スクーターのデザインを真似されたとして、販売停止と損害賠償を求めて提訴していた。
この日、上海市第2中級人民法院は、中国企業に対して、自動二輪の販売停止と30万元(約476万円)の損害賠償の支払を命じた。 |
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5月23日 筑紫哲也夫妻の肖像権侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
デパートで夫婦で買い物中の写真を「週刊新潮」に掲載され、プライバシーや肖像権を侵害されたとして、筑紫哲也氏の妻が新潮社に1000万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟で、東京地裁は、プライバシーの侵害とともに肖像権侵害も認めて、150万円の支払を命じた。 |
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5月24日 営業秘密の不正競争事件(水門開閉機製作) |
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大阪地裁/判決・請求棄却(確定)
2人の元従業員が原告会社と同様の事業内容の会社を設立し、不正に取得した営業秘密を用いて営業活動を行ったために損害を蒙ったとして、原告会社が1億5400万円の損害賠償請求を起こした。
大阪地裁は、不正競争防止法上の「営業秘密」の要件として、「秘密管理」が求められ、「ある技術上・営業上の情報にアクセスを許された者にとって、それが洩らしてはならない秘密に属するのか否かを認識させる措置を講じていたことが必要」であり、労働契約上で従業員に秘守義務を一般的に負わせている程度では「秘密管理」をしているとは言えないなどとして、請求を棄却した。 |

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5月25日 携帯電話向け音楽配信サービス事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(確定)
情報サービス業「イメージシティ」は、ユーザーが好みのCDなどの楽曲を自分のパソコンに取り込んで同社のサーバーに保存し、いつでも自分の携帯電話にダウンロードして聞けるサービス「MYUTA」を始めた。
これに対し、JASRACは「MYUTA」で行われる複製行為は音楽著作権の侵害に当たるとして、サービスの停止を要求した。
イメージシティは、「銀行が貸金庫を提供しているのと同じ」であると主張し、複製行為の主体はあくまでユーザー自身であり、蔵置した音源データには当該ユーザーしかアクセスできないので、1対1の対応関係しかなく公衆送信には当たらないとして、「JASRACに著作権侵害差止請求権がないことの確認」を求めて提訴した。
東京地裁高部眞規子裁判長は、「本件サービスのいわば入口と出口だけを捉えれば、ユーザーのパソコンとユーザーの携帯電話という1対1の対応関係といえなくもないが」、このサービスは、携帯電話にダウンロードが可能な形に音源データを複製する行為によってはじめて可能になり、この複製行為そのものは同社の管理下で行われていること、音源データの携帯電話への送信行為が不可避であるが、「ユーザーは、本件サーバーにどの楽曲をダウンロードするか等の操作の端緒となる関与」をするが、送信行為は同社の管理下にあるサーバーで行われ、送信行為の主体はイメージシティ社である、等として同社の請求を棄却した。 |

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5月25日 商品説明会での虚偽告知事件(ろうそく) |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
日本香堂とカメヤマは、線香及びローソクの製造販売などを業とする国内の2大企業として競っているが、日本香堂は、カメヤマが毎年2月から5月にかけて問屋、量販店、仏具店などの流通業者を集めて行っている商品説明会での説明や配布資料が、日本香堂の信用を毀損する誤認表示や虚偽の事実を告知、流布するものであり、不正競争防止法2条1項十三号、十四号違反であるとして、損害賠償と謝罪広告を求めて訴訟を起こした。
カメヤマはこれらの説明会で、日本香堂製品は原料が粗悪なので、ローソクが柔らかく、折れたりへこんだりすることから倒れて火災を発生する確率が高い、線香は日光に当たると変色するなどと説明していた。
東京地裁は、1100万円の損害賠償を認め、虚偽告知の禁止、過去の説明会出席者への裁判所指定信用回復措置文書の配布を命じた。 |

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5月28日 租税論文共著事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
共著「租税論」を分担執筆したA、B2人の教授の一方Bが、単独著作物として「現代租税論―理論・法・制度―」を出版したところ、もう一方のA教授が自分の担当部分を無断で複製、翻案したものであり、著作権侵害であるとして、頒布の差し止め、損害賠償請求、および謝罪広告を求めて訴訟を起こした。
B教授は、原共同著作物は初学者用の教科書として制作されたものであり、指導教授の詳細な関与と指導のもとに2人とも手足として原稿作成作業に従事したのであり、創作性が入り込む余地はなかったと著作物性を否定したが、東京地裁はこの主張を退け、一部について著作権侵害、翻案権侵害を認めた。 |

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5月29日 商標“アオバ”審決取消事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
石原産業は、商標登録の拒絶査定を受け不服審判を請求したが、特許庁が請求不成立の審決をしたので、取り消しを求めて控訴した。
石原産業は、本願の指定商品と引用商標の指定商品とは誤認混同を生じる恐れがあるほど類似する商品ではないとし、商標自体も横書き4行の本願商標に対し、引用商標は3行の縦書きと、外観も違うと主張した。
知財高裁は、審決は一次、二次補正に伴う指定商品の認定を誤ったが、結果的には結論に影響を及ぼさないとし、また、両商標の自他識別力の要部が称呼、観念において類似し、外観の相違はこの類似性をしのぐほどではなく、結果的に誤認混同の恐れがあるとして、特許庁の判断を支持した。 |

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5月30日 出版社vsカメラマン ポジフィルム事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
フリーランスの写真家は、雑誌掲載の目的で交付していたポジフィルムを、出版社が有料のデジタルアーカイブ用に無断でデジタル化し、無断複製し、さらに一部のフィルムを紛失して、公衆送信化権、複製権などの著作権を侵害され、所有権を侵害されたとして、約3200万円の損害賠償を求めた。
東京地裁は、デジタルデータを保存したサーバにアクセスできるのは準備作業を行っていた社員4人に限られ、「公衆」に当たらないので本件のデジタル化行為は送信可能化に当たらないとしたが、準備作業であっても複製権を侵害しており、フィルムの所有権も写真家に帰属するとして、328万円の損害賠償を命じた。 |

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5月30日 インクカートリッジの特許権侵害事件(エプソン)(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却(上告受理申立)
エプソンは、大阪市のリサイクル品販売業者を特許侵害で提訴したが、東京地裁判決では、エプソンの「特許は新規性がなく無効」として棄却されたので、控訴していた。
知財高裁は、「本件発明は、本件分割出願の出願前に頒布された刊行物に記載された発明と同一であるから、新規性を欠く」と判断し、エプソンの請求を棄却した。 |

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5月31日 標章“オービック”不正競争事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
システムインテグレーション事業の大手企業である「オービック」(原告)は、レンタルショップのレンタル商品管理に特化したPOSシステムの企画、開発、販売企業である福岡市の「有限会社オービックス」(被告)に対し、「オービックス」「ORBIX」などの被告商号、標章を使用したことは不正競争防止法に抵触するとして、使用の差し止め、商号の抹消登記および損害賠償を求めて提訴した。
東京地裁は、被告が現在の商号に変更し被告標章の使用を始めた平成8年9月より以前に原告標章は周知著名であり、標章の要部が類似しており誤認、混同を生じさせるとして、商号および標章の使用を禁止し、看板、インターネット上のウェブサイト、パンフレット、名刺などの営業表示物から抹消することや、商号の抹消登記手続を命じ、1300万円余の損害賠償金の支払いを命じた。 |

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5月31日 商標“POLO COUNTRY”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求認容
平成15年、ザ・ポロ・ローレンカンパニー社(被告)が「POLO COUNTRY」を商標登録した。これに対し「POLO」の商標を持つポロ・ビーシーエス社は登録無効審判を請求したが、不成立の審決を受けたためにその取消を求めて提訴していた。
被告は、「POLO COUNTRY」は一体としての商標であり、外観上も「POLO」とは全く違うと主張した。
これに対して知財高裁は、指定商品を「被服」とした場合、「POLO」の文字部分が商標の要部にあたり、要部を対比すると称呼および観念において類似するとして、特許庁の請求不成立の審決を取り消した。 |

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5月31日 商標“一葉”審決取消事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
丸山園本店は、平成15年商標出願をしたところ、類似商標「一葉」(引用商標)があるとして拒絶査定を受け、不服審判を請求したが、請求不成立の審決を受けた。そこで、審決取消請求の訴を提起した。
知財高裁は、本願商標は「一葉」の文字に「KAZUHA」の文字が併記されているが、「イチヨウ」の称呼が生じるのは自然であり、称呼、観念が同一であるから
類似商標に該当するとして、請求を棄却した。 |

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5月31日 「スナップ写真」無断使用事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、附帯控訴一部変更、一部棄却(確定)
角川書店発行の「東京アウトサイダーズ」に、自分が撮影した家族のスナップ写真が無断で掲載されたとして、米国在住の女性が、同書籍の出版・販売の差し止め等を求めて提訴していた訴訟で、東京地裁が写真部分の廃棄と販売の差し止め、損害賠償45万円の支払いを命じた判決に対して、出版社が控訴し、米国在住の女性も付帯控訴を提起した。
知財高裁は、スナップ写真にもシャッターチャンスの捉え方等、著作物性があるとし、本件書籍の印刷、配布を差し止め、写真掲載部分の廃棄を命じ、 一審の損害賠償金45万円を、単行本と文庫版双方による損害賠償金として85万円に変更した。 |

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6月5日 人気漫画のネット流出事件(刑) |
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京都地検/起訴
「週刊少年サンデー」「週刊少年ジャンプ」などから、人気漫画数点をスキャナーでパソコンに取り込み、ウィニーで配信して発売日前に不特定多数が閲覧できるようにしたとして、17歳の高専生徒1人を含む3人が逮捕され、2人が著作権法違反で起訴された。男子学生は家裁送致となった。
一部書店で発売日前日に並んだ雑誌を購入したとみられるが、一部作品は発売日の4日前であることから、入手経路を調べている。 |
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6月5日 中国・バイクメーカーの商標権侵害事件(ヤマハ) |
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中国最高人民法院/判決・請求一部認容、一部棄却
中国企業の浙江華田工業(浙江省)など4社に対するヤマハ発動機の2002年以来約5年に及ぶ商標権侵害訴訟に判決が下りた。判決は、商標権侵害行為の停止、専門誌への謝罪広告掲載、約1憶3200万円の損害賠償の支払いを命じるもの。
浙江華田工業(浙江省)は、日本の石川県に登記された正体不明の企業「日本雅馬哈(ヤマハ)株式会社」と商号使用契約を結んだとして「日本YAMAHA」の商標を使ってスクーターを中国で製造、販売していた。 |
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6月7日 商標“泡盛”取消事件(台湾) |
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台湾知的財産局/審決・登録取消
沖縄県酒造組合連合会は、台湾で現地企業が取得していた「泡盛」の商標に対して、「泡盛」は一般名称で登録になじまないとして、異議を申し立てていたが、台湾知的財産局が4月27日、異議を認めて登録取消の審決をしたことを、この日、明らかにした。
今後は、「琉球泡盛」の団体商標の登録を進める方針だという。 |
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6月8日 住基ネット運用差止め請求事件(東京)(3) |
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最高裁(二小)/決定・上告却下
東京都西東京市の住民3人が住基ネットで住民票コードを付けるのは人格権の侵害だとして住民票コード付与取消の行政訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷中川滋裁判長は、人格権やプライバシー権侵害の有無に踏み込むことなく、請求を却下した。
これによって、住民票コード付与は行政処分ではなく行政訴訟の対象外であるとする、東京高裁判決が確定した。 |
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6月11日 キャッチコピー“大メーカーに真似されました”事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
スズキ自動車ジムニーの交換用部品の開発・製造・販売業を営むタニグチ社は、自社製品が競業メーカー(被告)製品の模倣品と受け取れる広告によって、営業上の信用を害され虚偽の事実を流布されたとして、不正競争防止法違反による損害賠償と信用回復措置を求めて提訴した。
大阪地裁は、両社の製品に共通する形態は周知慣用の技術であり、ありふれた形態であり、それ以外の点では異なるから、タニグチ社が競合他社の技術を模倣したとは言えず、虚偽の事実の告知に当たるとして、被告に損害賠償と専門誌への謝罪広告掲載を命じた。 |

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6月12日 性格心理テストの著作権譲渡事件 |
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大阪地裁/判決・第1事件請求一部認容、一部棄却、第2事件請求棄却
YG性格検査用紙をめぐって、著者の未亡人と子息との間で、性格検査用紙の著作権承継問題、複製権の帰属問題などが争われた。
第1事件では、未亡人を含む原告側(第2事件の被告側)が、被告側の発行する数種の性格検査用紙はいずれも原告の複製権、翻案権を侵害し、一部は海賊版であるとして、発行等の差し止めや在庫品の廃棄と共に損害賠償を求めた。
一方、第2事件では、子息を含む被告側(第2事件の原告側)が、自社の登録商標「YG性格検査」の商標権を侵害され、「YG性格検査実施手引」と題する印刷物の著作権を侵害されたとして、原告側商品の制作・販売等の差し止め、在庫品の廃棄、不当利得返還請求、および和解条件の債務不履行による損害賠償を求めた。
被告は、父から被告会社を承継した時に著作権も取得したと主張したが、大阪地裁は、原告が著作権の2分の1を相続していること、死の直前に作成された自筆証書遺言の文言、自ら著作権者として作成した出版契約書の存在などから、被告の主張を退けるとともに、被告商品の一部は海賊版であるとした。
一方、商標権を侵害されたとする被告の主張を全面的に退け、請求を棄却した。 |

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6月13日 商標“ジュウルイノアシアト”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
原告は、平成3年、爪のある獣類の足跡を連想させる図形商標(引用商標)を登録したが、被告が平成14年に二重の歯車状円形の中心に爪のない獣類の足跡とも連想できる図形商標(本件商標)を登録したために、被告の商標は混同を生じさせる恐れがあるとして、本件商標の登録無効審判を請求したところ、請求不成立の審決を受けたために提訴した。
原告は、特許庁が2つの商標を非類似とした審決は誤りであると主張したが、知財高裁は、外観は明らかに異なり、観念も共通ではないとして、審決を支持し請求を棄却した。 |

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6月13日 類似商号事件(スポーツ・マーケティング)(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却(上告)
スポーツ・マーケティング・ジャパン社(控訴人)は、被控訴人が「プロフェッショナル・マネージメント社」から「ジャパン・スポーツ・マーケティング社」に商号変更登記をしたことで、「不正の目的」をもって控訴人と誤認されるおそれのある商号を使用しているとして、抹消登記手続きを要求した原判決で、請求をいずれも棄却されたために控訴した。
知財高裁は、「不正の目的」は不正な活動を行う積極的な意思が必要であるが、被控訴人の代表者は、スポーツ・マーケティングの草分け的人物であり、控訴人よりはるかに信用度、知名度が高い等の事情を考慮すれば、控訴人を害する目的があったとは認められず、両社間の混同を惹起させるような事情はないとして、原判決を支持し、請求を棄却した。 |

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6月14日 マンションの大容量テレビ番組録画装置事件(2) |
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大阪高裁/判決・一部変更、反訴請求却下
テレビ番組を録画し、マンション内の世帯が好きな時間に番組の配信を受けられる装置「選撮見録」の販売は著作権、著作隣接権の侵害だとして、大阪の民放5社が装置使用と販売の禁止、廃棄を求めた控訴審の判決が大阪高裁であった。
大阪高裁は、各居室の入居者が複製行為、公衆送信、送信可能化行為の主体であるが、同一ファイルが他の入居者によって利用されるのであるから私的使用に当たらず複製権を侵害するとした。また、複製行為、公衆送信、送信可能化行為の主体は現実にコントローラーを操作する各室の入居者であるとしても、「その過程を管理・支配し、かつ、これによって利益を受けている等の場合には、その者も・・・複製行為、公衆送信・送信可能化行為の主体と評価し得るものと解される」等として、2府4県について本件商品の販売を禁止し、集合住宅入居者に放送番組を録音・録画をさせてはならないとした。さらに、被控訴人の反訴請求をいずれも却下した。 |

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6月21日 塾教材への作品無断使用事件 |
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東京地裁/仮処分申請
学習塾が出版・販売している教材に作品を無断使用されて著作権を侵害されたとして、谷川俊太郎さん等27人が大手学習塾などに出版・販売差止の仮処分を東京地裁に申し立てた。 |
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6月21日 埼玉医科大教授セクハラ報道事件(3) |
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最高裁(一小)/決定・上告却下
埼玉医科大学教授が、セクハラ行為で訴えられたことを実名で報じた毎日新聞社に賠償を求めた上告審で、最高裁は、二審判決を支持して上告を退ける決定をした。これで教授の敗訴が確定した。 |
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6月25日 鹿砦社社長の名誉棄損事件(刑)(3) |
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最高裁/決定・上告棄却
阪神球団関係者やパチスロ業界関係者の名誉を棄損したとして、出版社「鹿砦社」の松岡利康社長に対する神戸地裁の有罪判決を不服として、最高裁に上告していた。
最高裁は上告を棄却し、有罪が確定した。 |
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6月27日 商標“SIMPO”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
原告は、平成17年、商標「SIMPO」を登録したが、「SHINPO」の商標を持つシンポ社から登録異議申立てがなされ、特許庁は審理の結果、「SIMPO」の商標登録取消の決定をした。原告はこの決定の取り消しを求めて知財高裁に提訴した。
原告は、「SIMPO」は「シムポ」であり、「SHINPO」は「シンポ」であり、称呼において相違するなどと主張したが、知財高裁は、いずれも「シンポ」の称呼を生じ、外観も格別の差異があるとまでは言えないなどとして、特許庁の取消審決に判断の誤りはなかったとして、原告の請求を棄却した。 |

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6月27日 立体商標“マグライト”事件(2) |
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知財高裁/判決・請求認容(確定)
小型懐中電灯「ミニマグライト」の立体商標を認めるかどうかで争われ、特許庁は商標法第3条1項三号にいう商標登録の要件に欠けるものに該当し、商標法第3条2項の適用を受ける客観的な証拠もないとして請求不成立の審決を下していた。
知財高裁は、1984年発売以来、一貫して形状を変更せず、デザイン性が高く、多数の商品が販売された結果、需要者において他社製品と区別する指標として認識するに至っているので、商標法第3条2項の適用を受け、登録ができるとして、審決を取り消し、立体商標を認めた。 |

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6月27日 商標“PORT”審決取消事件(2) |
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知財高裁/判決・請求認容
パウトリミテッド社は、自社の国際登録商標「POUT」について拒絶査定を受け、不服審判請求不成立の審決があったので、控訴していた。
審決は、「PORT/ポート」等の引用商標と外観や観念が違ったとしても、「POUT」からは「ポウト」の称呼も生じ、称呼が類似するとして拒絶査定をしたが、知財高裁は、英語風に発音すると「パウト」の称呼が生じるのみで「ポウト」は生じないとして、特許庁の審決を取り消し、請求を認容した。 |

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6月27日 「週刊ポスト」の筒井信隆衆院議員名誉棄損事件(3) |
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最高裁/上告
民主党衆院議員筒井信隆氏は、「週刊ポスト」の記事で名誉を傷つけられたとして小学館などに1000万円の損害賠償、謝罪広告などを求め訴訟を起こしていたが、東京高裁の控訴審判決では、損害賠償金を一審の500万円から50万円に減額され、一審が命じていた謝罪広告の掲載も退けられた。
同氏はこれを不服として、最高裁に上告した。 |
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6月28日 商号“杏林”不正競争事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
一審判決で、「杏林ファルマ株式会社」の商号の使用禁止と抹消手続を命じられた杏林ファルマは、これを不服として控訴した。
杏林ファルマは、広告宣伝では「杏林製薬株式会社」ではなく「キョーリン製薬株式会社」を専ら用いているので、商号としての「杏林製薬株式会社」の周知性はすでに失われている等と主張したが、医療従事者向けには依然「杏林製薬株式会社」の商号が使われており、商号としての「杏林ファルマ株式会社」は営業表示としての「杏林製薬株式会社」と類似する等として、知財高裁は控訴を棄却した。 |

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6月28日 商標“LOVE”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
化粧品等を指定商品として、「LOVE」という文字商標を持つ原告会社は、平成18年に登録された他社商標の「Lovepassport」に対して、無効審判を請求したが、請求不成立の審決が出たので、この審決の取り消しを求めて提訴した。
昭和34年の商標登録以来、「LOVE+○○」といった結合商標は「LOVE」のシリーズ商標という認識を持たせるものであると主張する原告に対して、「Lovepassport」はひとまとまりとして認識され、「LOVE」のシリーズ商標との認識を持たせるものではなく、原告商標と被告商標は、外観においても観念においても類似しない、また、訴訟が提起されて後に登録を受けたことも公序良俗に反するものではないとして、知財高裁は取り消し事由が存在しないとした。 |

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6月28日 商標“トータルケア”審決取消事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
本件訴訟は、製薬会社ビーチャムグループが、「TOTALCARE」の欧文と「トータルケア」の片仮名を二段に表記し、指定商品の一つを「歯磨き」として商標登録を出願したが、拒絶査定を受け、不服審判も不成立とされたために起こされた。
特許庁は、この標章が単に商品の品質、用途を表示するに過ぎず、自他商品の識別標識としては認識されないとして、拒絶査定したものであるが、知財高裁中野哲弘裁判長もこれを支持し、請求を棄却した。 |

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6月28日 間取図作製ソフトの編集著作権事件 |
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名古屋地裁/判決・請求棄却(控訴)
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6月29日 「作業マニュアル」開示事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
リザ株式会社は、証券会社モルガン・スタンレーとの間でダイニングサービスを行う業務委託契約を結んだが、モルガンはそのマニュアルに記された営業秘密を、建物及び空調などのコンサルティング会社に開示して使用させたとして、不正競争防止法違反による損害賠償請求と、著作者人格権の譲渡という法律上無効の内容を含む業務委託契約は、公序良俗違反により無効であるとして、提訴した。
東京地裁は、マニュアルは詳細に記述されており、その秘密情報は両社が原始的に共有しており、さらに両社の業務委託契約書では、「原告が職務に関連して創作したすべてのワークプロダクツは被告モルガンが単独で所有する旨」規定されている、また、著作者人格権の譲渡に関しても「放棄可能なまたは譲渡可能な…著作者人格権」の譲渡を認めているに過ぎないから、必ずしも不合理な内容であるとは言えない、等として請求を棄却した。 |

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