裁判の記録 line
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2022年
(令和4年)
[1月〜6月]
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1月14日 プロバイダ各社への発信者情報開示請求事件C
   東京地裁/判決・請求認容
 カメラマンである原告が、氏名不詳者らがネット上のサイトに原告の写真を掲載して原告の著作権を侵害したとして、経由プロバイダである被告GMOペポパ及び被告GMOインターネットに対して発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は原告の請求を認め、被告らに発信者情報の開示を命じた。
判例全文
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1月19日 プロバイダ各社への発信者情報開示請求事件E
   東京地裁/判決・請求棄却
 「夜景写真家」を名乗るカメラマン(原告)が、被告ら(エヌ・ティ・ティレゾナント、タスカジ、ファンコミュニケーションズ、オースタンス)に対し、氏名不詳者らが被告らの運営するネット上のサービスに写真を掲載し、原告が著作権を有する写真の著作権を侵害しているとして、プロバイダ責任制限法に基づき、発信者情報の開示を請求した事件。
 被告らは写真の著作物性、原告の著作権者性への疑いや引用の成立を主張したが、裁判所はこれを認めず、原告の主張を認めて、被告らに発信者情報の開示を命じた。なお、原告が当該写真にExif情報を記載していたことが、著作権者性の立証に有効であった。
判例全文
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1月20日 ツイッターへの発信者情報開示請求事件D
   東京地裁/判決・請求認容(控訴)
 カメラマンである原告が、氏名不詳者が被告ツイッター社の提供するサイトであるツイッター上に投稿した、原告の撮影した写真の掲載を伴う記事により、原告の著作権が侵害されたとして、被告に対し、氏名不詳の投稿者の発信者情報開示を求めた事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に発信者情報の開示を命じた。
判例全文
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1月20日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件R
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 原告が被告ソフトバンクに対し、氏名不詳者が被告の電気通信設備を経由して、ネット上の電子掲示板に原告が著作権を有する写真又は原告を被写体とする写真を含む記事を投稿し、原告の著作権若しくは肖像権又はその両方を侵害しているとして、発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は原告の主張を認め、原告の請求する発信者の氏名又は名称と住所の情報の開示を命じたが、その余の情報は原告が保有している証拠はないとして請求を棄却した。
判例全文
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1月20日 ツイッターへの発信者情報開示請求事件F
   東京地裁/判決・請求認容
 ブルーインパルス飛行の模様を撮影した写真に氏名表示を入れてツイッターに投稿した原告が、氏名不詳者が本件画像に左右反転、氏名削除などの手を加えた画像を添付した記事をツイッターに投稿して、原告の著作権が侵害されたとして、ツイッターを運営する被告に、発信者情報の開示を請求した事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に情報の開示を命じた。
判例全文
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1月21日 現代美術作品の和解条項違反事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 美術商である原告が、著名な立体美術家であったC(故人)の相続人である被告に対し、Cが、原告とCとの訴訟上の和解(本件和解)の和解条項に違反する態様で作品の公表をしたと主張し、本件和解の定める違約金1800万円及び本件和解の債務不履行による損害金2億910万円の支払いを求めた事件。
 和解は、原告とCとの作品独占管理契約のもめごとから起きた前訴に関して結ばれたもので、Cが1963年から2001年までに制作公表したすべての立体作品は、レンバッハハウス美術館のカタログ(本件カタログ・レゾネ)に記載されていることを確認し、この期間内の本件カタログ・レゾネに載っていないC制作の作品を、Cが「公表しない」「作品明細表記を行わない」「年代表記を行わない」ことを約し、違反した場合はCは1作品につき200万円の違約金を払うと決めてあった。その後3美術商が未掲載のC制作作品9点をネット掲載し、原告がCを提訴したがCが逝去し被告が本件訴訟を受継した。
 裁判所は、和解はC本人の禁止条項を定めており、9点中2点にのみCの関与を認めて400万円の違約金支払いを被告に命じた。
判例全文
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1月27日 「明石家さんまの転職DE天職」イラスト事件
   大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 イラストレーターである原告が、自己のイラストを被告が無断で複製した上、原告のペンネームと異なる名前で日本テレビ番組「明石家さんまの転職DE天職」の公式サイト「絵画投稿募集」に応募し、これが同番組において放送されたことによって、原告の著作権及び著作者人格権が侵害されたとして、被告に対し、本件イラストの複製・譲渡の差止め、画像データの廃棄を求めるとともに、放送局及び制作会社との共同不法行為に基づく損害賠償金1202万円余を求めた事件。
 裁判所は被告の著作権・著作者人格権侵害と、共同不法行為を認め、被告に、イラストの複製・譲渡の差止め、画像データの廃棄、賠償金34万円の支払いを命じた。
判例全文
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1月27日 ドキュメンタリー映画「主戦場」事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 日米で言論・執筆・社会活動などを行っている5人の原告らが、動画投稿サイトに投稿などをする被告と映画の企画配給等をする被告会社(被告ら)が、原告らに対する取材影像と原告BとDが作成した映像を利用して映画作品を作り上映することにより、原告らの有する著作権及び著作者人格権を侵害、BとDが有する著作権及び著作者人格権を侵害したとして、本件映画の上映の差止めを求め、またこれにより原告らの肖像権、名誉権等を侵害したとして、原告AとBに各450万円、C、D、Eに各50万円の損害賠償金支払いを求める等の請求を行った事件。
 被告は当時大学院博士課程に在籍、博士論文に代わる従軍慰安婦問題に係る映像作品制作を企画し、取材を重ねて完成して大学院に提出した。のちその映像作品に手を加えドキュメンタリー映画作品に仕上げ、釜山の映画祭で上映されたほか、被告会社が権利を取得して国内に配給、劇場上映された。
 裁判所は原告らがいずれも被告の依頼を承諾して取材を受け、記録映像を本件映画に自由に編集して利用することを許諾していたと判断、その他原告側の主張を退けて、被告らの主張を認め、請求を棄却した。
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2月17日 同人誌の共同著作事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 原告が、職業漫画家である被告に対し、@共同で制作した同人誌(既刊)売り上げについて被告が原告に分配金を支払わないとして、不当利得又は共同著作権侵害に基づく損害賠償としての85万円余、A共同制作の合意があった未完の同人誌が販売に至らなかったことに関する損害賠償としての97万円余、B原告が執筆、編集等の作業をし、書店委託手続き、通販サイトの開設運営等々を行なったことに係る、契約に基づく作業対価又は不当利得としての1060万円余、以上の合計1243万円余の支払いを求めた事件。
 裁判所は@原告への分配金10万円余を認め、ABに関する原告の主張を認めず、被告に10万円余の支払いを命じた。
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2月21日 米クラウドフレアへの発信者情報開示請求事件(2)
   知財高裁/判決・変更
 漫画家である一審原告が、アメリカで電気通信事業を営むクラウドフレア社(一審被告)がサーバを提供しているウェブサイト「漫画村」へ氏名不詳者が原告の漫画を無断でアップロードしたことにより、原告の著作権が侵害されたとして、被告に対し、プロバイダ責任制限法に基づき、サイトの管理者と発信者の情報開示を求めた事件の控訴審。一審は、サイト管理者の情報は被告が保有していると認められず、発信者の情報については、IPアドレスやメールアドレス等は任意開示されていることもあり既に明らかになっているから必要ないとして、原告の請求を棄却したが、原告が控訴した。
 知財高裁は原告(控訴人)の補充主張も受けて、原告の請求は本件発信者の情報のうち氏名又は名称及び住所の開示を請求する限度で理由があるから、請求を全部棄却した原審は誤りだとして原判決を変更し、被告に発信者の氏名又は名称及び住所の開示を命じた。
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2月24日 ニフティへの発信者情報開示請求事件F
   東京地裁/判決・請求認容
 原告が、氏名不詳者が被告ニフティの提供するサービスを経由してネット上の投稿サイトに投稿した、原告の撮った写真を使った記事により原告の著作権が侵害されたとして、被告に対し、発信者情報の開示を請求した事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に発信者情報の開示を命じた。
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2月24日 “奨学金制度”記事の類似事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 ジャーナリストである原告が、中央大学教授である被告に対し、被告が執筆したいくつかの雑誌記事により、原告の著作権が侵害され、仮に著作権侵害でないとしても記事は原告著作物のデッドコピーだから不法行為に当たるとして、300万円の支払いを求めた事件。
 裁判所は原告雑誌記事及び雑誌ルポと被告執筆各記事を対比して、共通点はアイデアに属するもの、あるいはありふれたものであるとして著作権侵害を否定、著作権侵害が成立しない場合に別途の不法行為の成立を認めることはできないとして、請求を棄却した。
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3月4日 プロバイダ各社への発信者情報開示請求事件D
   東京地裁/判決・請求認容
 インスタグラムに自らや家族友人の写真を投稿するインスタグラマーである原告が、被告ら(NTTコム及びイッツコム)に対し、氏名不詳者らが被告らの通信設備を経由して投稿を行ったことにより、原告の肖像権及び著作権が侵害されたとして、被告らが保有する発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は、被告イッツコム経由の投稿の一部を原告の肖像権を侵害したものと言えないとして除いたほかは原告の主張を認め、被告らに発信者情報の開示を命じた。
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3月9日 東山魁夷の版画無断複製事件(刑)
   東京地裁/判決・有罪
 美術商である被告人が、版画修復職人である共犯者とともに、東山魁夷の作品5点7枚を無断で複製し、また単独で無断で作品2点の複製物を代金合計73万円で販売した刑事事件。
 裁判所は被告人の責任の重さを認める一方情状を酌量し、懲役3年、罰金200万円、懲役刑執行猶予4年の判決を下した。
判例全文
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3月18日 ソネットへの発信者情報開示請求事件K
   東京地裁/判決・請求認容
 YouTubeに投稿している原告が、氏名不詳者により原告が投稿した競馬投票券購入や観戦の経過を録画した動画を抜粋して作成した動画を被告ソネットの設備を経由してツイッターに投稿され、著作権を侵害されたとして、被告に発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に情報の開示を命じた。
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3月22日 KDDIへの発信者情報開示請求事件V
   東京地裁/判決・請求認容
 経済評論家である原告が、氏名不詳者によるツイッターへの投稿が、原告の記事の著作権を侵害するものであるとして、被告に発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は訴えを認め、被告に発信者情報の開示を命じた。
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3月23日 ビジネスソフトウェアの表示画面事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 書店業務管理のためのソフトウェアを製造販売している一審原告が、一審被告が製造販売するソフトウェアの表示画面は原告製品の表示画面を複製又は翻案したもので、原告の著作権および著作者人格権を侵害するとともに、不正競争行為に該当するとして、被告に対し、侵害行為の差止め、記録媒体からの抹消、損害賠償金4214万円余の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は複製又は翻案該当性を否定、不正競争行為も否定して、原告の主張を棄却、原告が控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持して、控訴を棄却した。
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3月25日 「オーサグラフ世界地図」事件B
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 幾何学研究者である原告が、慶應義塾の大学院准教授である被告に対して、日本国際地図学会が発行した資料集の中でオーサグラフ世界地図として掲載されている2地図、及び慶應義塾大学湘南藤沢学会が発行した論文集に掲載されている被告論文中の2地図は、原告が被告とともに共同著作権及び著作者人格権を有することの確認を求めた事件。
 裁判所は4地図の著作物性を判断する前に4地図の著作者を判断するとして、認定事実から、4地図には原告の思想又は感情が創作的に表現されているとは言えないとして、原告の著作者性を否定、共同著作物とは認められないとして原告の主張を棄却した。
 尚、原告が慶應義塾に対して、本件地図が原告と本件被告との共同著作物であることの確認を求めた別訴訟では、訴えは不適法であるとして却下されている。
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3月28日 イエメン取材動画事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 平成30年当時女子大学生だった一審被告1とフォトジャーナリストの一審原告は、イエメンで動画撮影を行い帰国、のち被告1は被告2と結婚した。
 (本訴)原告が、被告1がブログ上にイエメン滞在中原告より2回セクハラ又はパワハラを受けた旨の記事を投稿し、また被告2がその投稿を引用してツイッター投稿したが、両投稿は共同して行われたものであり、これによって原告の名誉が毀損されたとして、被告らに対し、慰謝料1500万円を請求した事件。
 (反訴)本訴被告1が本訴原告に対し、セクハラパワハラ行為による損害賠償金736万円余の支払いと、本件動画の著作者は本訴被告1であるのに無断使用されて著作権侵害されたことの賠償金325万円余の支払いを求めた事件。
 原判決は、本訴については100万円の限度において請求を認め、反訴についてはいずれも請求を棄却したが、双方が控訴した。
 知財高裁は、双方の控訴を棄却したが、著作権侵害についても、一審本訴被告1の動画撮影へのかかわりを検討して、著作者とは言えないとした。
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3月29日 ツイート引用事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却、追加請求棄却
 一審原告がツイッターに投稿したツイートについて、一審被告がその全文を複製した上でこれを批判する文章を執筆し、一審被告出版社から刊行された書籍『#KuToo靴から考える本気のフェミニズム』に掲載した行為が著作権、著作者人格権、名誉感情を侵害するとして、原告が被告及び被告出版社に書籍の複製頒布の差止め廃棄と、賠償金220万円余の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は本件ツイートの複製を適法な引用であると認め、人格権侵害、名誉感情侵害も否定して、原告の請求を棄却したが原告が控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持し、控訴審での追加請求も認めず、控訴を棄却した。
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3月29日 プロバイダ各社への発信者情報開示請求事件J
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 インスタグラムに投稿している主婦である原告が、氏名不詳者らによりウェブ上の投稿サイトに投稿された記事により、原告の著作権及び肖像権を侵害されたとして、経由プロバイダであるKDDIとソニーネットワークに発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は肖像権の侵害と一部の著作権侵害を認め、被告らに発信者情報の開示を命じた。
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3月30日 東京都の「開発事業計画書」事件
   東京地裁/判決・請求棄却
 商業施設建設コンサル会社である原告が、不動産会社である被告に対し、@被告が原告を欺いて多摩ニュータウン開発企画の利用許諾させたことは不法行為を構成するとして10億円の損害金支払い、A被告が本件企画書を複製改変し、図面に表現される建築を複製して原告の著作権を侵害する恐れがあるとしてそれらの差止め、B原告が被告に利用許諾して、被告が開発時利用予定者として選定されるためのコンサルティング業務を行ったことについて相当の額(10億円)の報酬の支払いを求めた事件。
 裁判所は@Bの請求を認めず、Aの著作権侵害についても、原告が本件企画書の作成にどのように関与したのか明らかでないから、本件企画書が著作物に該当するとしても、原告がこれを創作したということはできないとして、請求を棄却した。
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3月30日 “春巻”の商品パッケージ事件
   東京地裁/判決・請求棄却
 食品企画開発販売会社(原告)が同業会社の被告に対し、原告が著作権を有するスティック春巻商品の写真を無断で被告の商品@Aに使う行為は原告の著作権(複製権・譲渡権)を侵害し、被告が被告商品Bに使うスティック春巻商品の写真は原告が著作権を有する写真の著作権(複製権又は翻案権・譲渡権)を侵害するとして、各商品の写真部分の複製、改変、譲渡及び頒布の差止め並びに廃棄を求めるとともに、商品Bの写真使用による著作権侵害につき、損害額に対する年3%の割合による損害賠償金の支払いを求めた事件。
 裁判所は被告によって新たに撮影された商品Bの写真と原告写真を比較検討し、共通点はありふれたものとして複製又は翻案の成立を否定し、商品@Aについては被告がすでに全部を焼却処分しているから、複製、改変、譲渡及び頒布の差止めや廃棄の必要性は認められないとして、原告の請求を棄却した。
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3月30日 漫画「ウチムスマザコン」事件
   東京地裁/判決・第1事件請求棄却、第2事件請求棄却(控訴)
 「ラジオへんすて」というサークルの共同運営者である原告らが、自らが企画したクラウドファンディングのプロジェクトのため被告である漫画家に「ウチのムスコがマザコンになった理由」の作成を依頼し原稿作成依頼契約を結び、作品は完成、発行された。第一事件は、原告らが、本契約を結ぶにあたり独占的利用許諾する旨の合意をしたにもかかわらず、被告が同一内容の作品をネット上に公開したとして、被告に送信可能化の差止めと353万円余の損害賠償金支払いを求めた事件。第二事件は、被告が本件企画に参加した他の漫画家らに、独占利用許諾するということは自分も自分の作品を使えないことなどという文書を送付したことは、不正競争防止法の虚偽に事実の告知に当たるとして、被告に賠償金150万円の支払いを求めた事件。
 裁判所は、メールだけで進行した原被告間のやり取りを克明に分析し、また原稿作成依頼の時期と被告作品のネット公開の時期などから判断して、原被告間に独占的利用許諾をする旨の合意が成立していたとは認められないとして、原告の主張を認めず、請求を棄却した。
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3月30日 プロバイダ各社への発信者情報開示請求事件G
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 いずれもアニメーターとして活動する夫婦(原告ら)が、ツイッターにおいて、氏名不詳者が、原告Aが著作権を原告Bが原著作者の権利を有する画像(BがAの食事の様子を撮影した写真にAがイラストを上書きしたもの)から作成されたプロフィール画像を含む記事を投稿されたことにより、原告らの著作権が侵害され、原告Aの名誉が毀損されたとして、ツイート社から提供された経由プロバイダである被告ら(TOKAIコミュニケーションズ及びNTTドコモ)に対し、発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は、ツイッター社から提供された原告らに提供されたツイート時のログには、被告2社の他にAmazon AWSやさくらインターネットのサーバからのログインが混在しており、被告らプロバイダから当該ツイートが行われたとは限らないとして、原告らの請求を棄却した。
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3月31日 エックスサーバーへの発信者情報開示請求事件D
   大阪地裁/判決・請求認容
 同日判決のさくらインターネットへの発信者情報開示請求事件と原告を同じくし、侵害の舞台を同じくする事件。原告が氏名不詳者による被告エックスサーバーの管理するサーバを使用しての投稿記事により、名誉権、名誉感情、著作権を侵害されたとして、被告に対し、発信者情報の開示を求めたもの。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に発信者情報の開示を命じた。
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3月31日 さくらインターネットへの発信者情報開示請求事件F
   大阪地裁/判決・請求認容
 漫画家、イラストレーターである原告が、氏名不詳者が被告さくらインターネットの管理するサーバを使用してウェブサイトに投稿した記事によって、原告の名誉権及び名誉感情並びに著作権が侵害されたことは明らかだとして、被告に対して発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に発信者情報の開示を命じた。
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4月14日 “みんなのカーライフ”ブログ事件
   東京地裁/判決・請求棄却
 オランダ国籍の私人である原告が、原告が著作権を有する写真がネット上のクルマ情報共有サイト「みんカラ」に無断でアップロードされ、著作権及び著作者人格権を侵害されたとして、被告であるサイト運営会社に対して、ライセンス料相当損害金、慰謝料等の合計35万円余の支払いを求めた事件。
 裁判所は、本件投稿者は被告の指示等もなく自由に投稿しアップロードしたものであって、被告は原告写真の複製、公衆送信の主体ではないとして、原告の請求を棄却した。
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4月14日 訪日外国人向けWEBサイトの投稿写真事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 スウェーデン人カメラマンである原告が、原告が著作権を有する北野天満宮の梅の木の写真がネット上のサイトに無断で掲載され、著作権及び著作者人格権を侵害されたとして、同サイトを管理運営している旅行情報サービス会社(被告)に対し、原告写真の複製・自動公衆送信等の差止めと、損害賠償金33万円余の支払いを求めた事件。
 同サイトはサイトの会員からの投稿記事を被告地域パートナーが承認して載せる形式になっていたが、裁判所はこのパートナーを被告の履行補助者として、被告による著作権及び著作者人格権侵害を認め、被告に原告写真の複製・自動公衆送信等の差止めと、損害賠償金7万円の支払いを命じた。
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4月14日 “flickr”掲載写真の無断複製事件C
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 カメラマンである原告が、フェイシャルサロンのオーナーである被告に対し、原告が撮影した写真を複製したものを、被告が被告の管理運営するウェブサイトに掲載して、原告の著作権及び著作者人格権を侵害したとして、損害賠償金33万円余の支払いと、本件写真の複製、自動公衆送信、送信可能化の差止めを求めた事件。
 裁判所は本件写真の著作物性、原告の著作者性、被告の侵害を認め、被告に対し、差止めと、賠償金22万円の支払いを命じた。
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4月15日 ツイッター掲載写真のトリミング事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 原告が、原告がツイッターに投稿した鉄道写真2点を、被告がトリミングして原告の氏名を表示することなく、片方をツイッターに、双方をインスタグラムに投稿したことにより、原告の著作権が侵害されたとして、被告に対し60万円の慰謝料等を請求した事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に24万円の支払いを命じ、その余の請求は棄却した。
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4月18日 プロバイダ各社への発信者情報開示請求事件F
   東京地裁/判決・請求認容
 ゲーム実況動画を配信している原告が、氏名不詳者によるネット上の掲示板「5チャンネル」のスレッドへの投稿で、名誉権、名誉感情、営業権、肖像権又は著作者人格権が侵害されたとして、各投稿の開示関係役務提供者である被告ら(KDDIとソフトバンク)に対して発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告らに発信者情報の開示を命じた。
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4月20日 BitTorrent“アダルト動画”事件(2)
   知財高裁/判決・変更
 自分の著作物であるアダルト動画を、ビットトレントを利用してアップロードされ著作権を侵害されたとして、アダルトビデオ製造販売会社が、発信者情報開示請求によって情報を得た11人の利用者に損害賠償請求したところ、利用者(一審原告ら)が製造販売会社(一審被告)に対し、本件著作物に係る著作権侵害に基づく損害賠償債務が存在しないことの確認を求めた事件の控訴審。
 一審東京地裁は、原告らの主張を退けて、原告2人を除く原告9人はお互いに他のユーザーとの共同不法行為によって本件著作物の送信可能化権を侵害したと認めた。また被告の主張を退け不法行為の継続する時間を限定して各自のアップロードの始期と終期を検討、ダウンロード回数、基礎販売価格を勘案して、各自の損害賠償額を算定したが、双方が控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持したが、期間の決定に変更があり、賠償額が縮減された。被告の控訴は棄却した。
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4月22日 オンラインゲームの類似キャラクター事件
   東京地裁/判決・請求棄却
 上海市所在のゲーム制作会社である原告が、香港所在のゲーム会社である被告に対して、被告が被告画像2〜7を含む被告オンラインゲームを製作して日本国内に配信した行為により、原告の有する原告画像2〜8の著作権を侵害するとともに、フェイスブック上の被告ゲーム公式ウェブページに被告画像を表示させるインラインリンクを貼った行為により原告画像1の著作権を侵害したとして、ゲームや画像の複製の差止め、データの削除、損害賠償金1110万円の支払いを求めた事件。中国では本件原告が被告として本件被告関連会社に提訴された別訴訟が係属中という。
 裁判所はまず原被告とも中国に住所を置く法人である本件訴訟が、民事訴訟法3条の9にいう訴えを却下できる「特別の事情」があるかどうかを検討し、日本との強い関係性からあるとは認めなかった。その上で原被告の画像を対比検討、被告画像1のみを原告画像1を複製したものと認定、他の画像は複製あるいは翻案に当たらないとした。そして被告は被告画像1のデータをウェブページのサーバに入力する行為をしていないので、被告は原告画像1について、複製も公衆送信もしていないとして、原告の請求を棄却した。
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4月28日 段ボール生産管理ソフト事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 一審本訴は、段ボール生産管理システムソフトの著作権がソフト開発会社である一審原告にあるにもかかわらず、当時原告代表であった一審被告Pが一審被告会社と共謀して被告会社にライセンス料名目で1490万円余を支払い原告に損害を与えたとして、原告が被告らに対し、上記額の支払いを求めると共に、原告が本件著作権を有することの確認を求めた事件。一審反訴は、被告会社が原告に対し、ライセンス契約に基づき未払いライセンス料596万円余の支払いを求めた事件。
 一審大阪地裁は、ソフト開発の経緯を詳しく検討し、ソフトの著作権が原告にあることを認め、本件販売契約は無効であるとして、被告らに損害額の支払いを命じ、反訴請求は棄却したが、被告らが控訴、更に被告会社は著作権を自らが有することの確認を求める控訴審における反訴請求をした。
 知財高裁は原審の判断を維持し、一審被告らの控訴を棄却し、一審被告会社の反訴請求を棄却した。
判例全文
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5月19日 “flickr”掲載写真の無断複製事件D
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 スウェーデン国籍の原告は、日本の1万円札、1000円札を複数表向き裏向きを交えて重ねた写真を撮影し、写真共有サイトに投稿した。人材派遣会社である被告がこの写真を加工して被告の運営するサイトに掲載したので、原告が提訴、当該写真の複製、自動公衆送信、送信可能化の差止めと、26万円の賠償金支払いを求めた事件。原告はCCライセンスを付していたが、被告はその許諾条件を満たしていなかった。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に6万円の賠償金支払いを命じたが、複製、公衆送信差止を命じる必要性はないとした。
判例全文
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5月26日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件V
   東京地裁/判決・請求認容
 フランチャイズ事業を営む原告が、被告のサービスを介してツイッター上に投稿された記事に添付の写真により原告の著作権が侵害されたとして、被告に対し発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は訴えを認め、被告に情報の開示を命じた。
判例全文
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5月27日 ゼンリン住宅地図の無断複製事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 地図会社であるゼンリン(原告)が、ポスティング会社及びその代表者(被告ら)に対し、被告らが原告の作成販売する地図を複写し、これを切り貼りしてポスティング業務を行う地図を作製、更に複写し、譲渡・貸与などにより公衆に提供、データをウェブ上に掲載する行為は原告の著作権を侵害するとして、被告らに対し、地図複製、提供、送信可能化の差止めと地図複製物の廃棄、連帯しての賠償金3000万円の支払いを求めた事件。
 裁判所はゼンリン地図の著作物性及びゼンリンがその著作権者であることを認め、被告側のいくつもの反論を容れずに著作権侵害を認定、被告らに差止めと3000万円の支払いを命じ、廃棄請求は棄却した。
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5月31日 ソフトバンクへの発信者情報開示請求事件S
   東京地裁/判決・請求認容
 占いを業とする原告が、氏名不詳者が、被告ソフトバンクの通信設備を経由してツイッターに投稿した記事(原告の描いたイラストをプロフィール画像として表示)により、原告の名誉権、名誉感情及び著作権が侵害されたとして、ツイッター社が裁判所の命令で開示したIPアドレスを所有する発信者の情報の開示を求めた事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に発信者の情報開示を命じた。
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5月31日 フリー素材の“CCライセンス”事件(Flickr)B
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 ドイツ人カメラマンである原告が、不動産仲介会社である被告が原告の著作物であるシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズホテルを上空からドローンで撮った写真を複製して自身のウェブサイトに掲載し、原告の著作権及び著作者人格権を侵害したとして、被告に対し、同写真の掲載、自動公衆送信、送信可能化の差止めと、損害賠償金11万円の支払いを求めた事件。原告は同写真に、原告が著作者である旨の表示を条件として、利用者に複製、公衆送信を許諾するCCライセンスを記していた。
 裁判所は原告の主張と被告のCCライセンス違反を認め、被告に対し、同写真の複製、自動公衆送信、送信可能化を禁じ、賠償金6万円の支払いを命じた。
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5月31日 KDDIへの発信者情報開示請求事件U
   東京地裁/判決・請求認容
 アダルトビデオの製作、販売をする原告が、氏名不詳者がビットトレントのネットワークに接続して原告が著作権を有する映像作品を複製し、被告KDDIの提供する接続サービスを通じて公衆送信し、原告の著作権を侵害したとして、被告に対し、プロバイダ責任制限法に基づき発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に情報の開示を命じた。
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5月31日 テスト業務の“ひな型”著作物性事件
   東京地裁/判決・請求棄却
 ソフトウェア等のテスト業務を行う会社である原告が、原告の元社員であった被告Aによってテスト業務に使用する電子ファイルを持ち出されて被告転職先会社に持ち込まれ、被告ゲーム企画会社の受託に基づいて実施したテストに使用された等と主張して、Aと被告会社ら(被告らという)に連帯して12万円余の損害賠償金を請求した事件。
 裁判所は、原告の主張する不当利得、損害、誓約違反、著作権侵害等をいずれも否定して、原告の請求を棄却した。
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5月31日 ツイッターへの発信者情報開示請求事件J
   東京地裁/判決・請求認容(控訴)
 創価学会(原告)が、原告の著作物である写真の複製を添付した記事および新聞の複製画像を添付した記事がツイッターに投稿されたことにより著作権を侵害されたとして、被告ツイッター社に対して、発信者の情報開示を求めた事件。
 裁判所は原告の主張を認め、被告に情報の開示を命じた。
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5月31日 GMOインターネットへの発信者情報開示請求事件G
   東京地裁/判決・請求認容
原告:アダルトDVD等制作販売会社
提訴の趣旨:
 氏名不詳者のビットトレントを利用した原告著作物の公衆送信権侵害
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6月7日 “flickr”掲載写真の無断複製事件B
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 アメリカ国籍の原告が、原告が撮影したワインボトルの写真を、美術情報サイト運営会社である被告が自社のサイトに掲載したことについて、複製権、公衆送信権の侵害であるとして、差止めと31万円余の損害賠償金支払いを求めた事件。
 裁判所は被告による著作権侵害を認め、ライセンス料6万円、慰謝料3万円、弁護士費用1万円の合計10万円の支払いを被告に命じたが、掲載写真は既にサイトから削除されていること等により差止めは認めなかった。
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6月10日 GMOインターネットへの発信者情報開示請求事件E
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 カメラマンである原告が、電気通信事業を営む被告GMOインターネットに対し、氏名不詳者らが複数のウェブページに、原告の写真に基づいて作成した写真を掲載し、原告の著作権及び著作者人格権を侵害されたとして、被告の有する発信者情報の開示を求めた事件。
 裁判所は、被告はC1及びC2ウェブページについてはホスティングサーバー管理者であり「開示関係役務提供者」であるが、他のウェブページについては管理者でなく、「開示関係役務提供者」ではないとして、被告に一部の発信者情報開示を求め、原告のその余の請求は棄却した。
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6月13日 “ボイスドラマ”の共同著作事件(2)
   知財高裁/判決・変更
 ボイスドラマの音声編集者である一審原告が、シナリオライター等である一審被告らに対し、@原告は当該ボイスドラマ各作品の共同著作者であるのに被告らが売上金をすべて取得したとして、半額の範囲である464万円の支払い、A原告と被告らの制作契約に基づく報酬985万円の支払い、B上記の未払いにより健康被害を被ったとして、損害賠償金50万円の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は、声優の紹介や効果音の挿入といった原告の作業は創作行為を行ったとみることはできない等として、原告の請求をすべて棄却したが、原告が控訴した。
 知財高裁は、原審同様、共同著作者性を否定して共同著作権の侵害は認めなかったが、制作契約に基づく一審被告Aの原告への未払い報酬債務額が認定され、原判決を一部変更して、被告Aに原告への18万円余の支払いが命じられた。
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6月23日 マスクの写真無断流用事件
   大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 マスクの製造販売を行う会社である原告が、マスクの販売等を行う会社である被告に対し、被告が被告ウェブサイトにおいて写真を掲載する行為は、原告の著作物である写真に係る著作権を侵害するものだとして、被告写真の自動公衆送信又は送信可能化の差止めとサイトからの抹消、及び損害賠償金157万円余の支払いを求めた事件。
 被告は口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他も提出しなかったことから、原告の主張する請求原因事実を自白したものとみなされ、裁判所は、被告の著作権侵害を認めて、被告に自動公衆送信又は送信可能化の差し止めとサイトからの抹消、損害額合計92万円余の支払いを命じた。
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6月23日 調理器具の写真無断流用事件K
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 一連の、家庭用雑貨販売及び輸入業者である原告が、被告がネット上で原告が輸入し販売するフライパンの画像を複製して掲載する行為は著作権侵害であるとして賠償金を求めた事件
 裁判所は本件各画像の著作物性と被告の過失を認め、損害額を5万円と認定し、被告にその支払いを命じた。
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6月23日 調理器具の写真無断流用事件L
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 一連の、家庭用雑貨販売及び輸入業者である原告が、被告がネット上で原告が輸入し販売するフライパンの画像を複製して掲載する行為は著作権侵害であるとして賠償金を求めた事件
 裁判所は本件各画像の著作物性と被告の過失を認め、損害額を5万円と認定し、被告にその支払いを命じた。
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6月23日 調理器具の写真無断流用事件H
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 一連の、家庭用雑貨販売及び輸入業者である原告が、被告がネット上で原告が輸入し販売するフライパンの画像を複製して掲載する行為は著作権侵害であるとして賠償金を求めた事件
 裁判所は本件各画像の著作物性と被告の過失を認め、損害額を5万円と認定し、被告にその支払いを命じた。
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6月23日 調理器具の写真無断流用事件I
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 一連の、家庭用雑貨販売及び輸入業者である原告が、被告がネット上で原告が輸入し販売するフライパンの画像を複製して掲載する行為は著作権侵害であるとして賠償金を求めた事件
 裁判所は本件各画像の著作物性と被告の過失を認め、損害額を5万円と認定し、被告にその支払いを命じた。
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6月24日 楽曲の共同著作事件
   東京地裁/判決・請求棄却
 シンガーソングライターである原告が、自らの音楽作品の著作権譲渡契約を結んでいる相手である音楽出版社(被告)に対し、@被告はJASRACに対し、原告が単独で作詞作曲した音楽作品について、これを作詞作曲した者の筆名をグループ名を示すBとした作品届を提出し、原告の著作者人格権及び著作者として扱われるべき人格的利益を侵害したと主張して慰謝料等110万円を、またA被告はいったんJASRACにBは個人を示す筆名だという訂正届を出したにもかかわらず、再びBはグループ名だとの訂正届を出して原告の著作者人格権等を侵害し、原被告間の著作権譲渡契約に基づく善管注意義務に違反したとして慰謝料等110万円を請求した事件。
 裁判所は本件音楽作品を原告と訴外Cとの共同著作物と判断し、原告の主張を認めず、請求を棄却した。
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6月17日 インターネットイニシアティブへの発信者情報開示請求事件B
   東京地裁/判決・請求棄却
 任意団体を法人化した法人(原告)が、氏名不詳者がツイッターに原告が著作権を有する文章を複製して作成した画像を投稿し、原告の著作権を侵害したとして、経由電気通信事業者である被告に対し、仮処分決定によりツイッター社から得た投稿者のアカウントのIPアドレスを有する発信者の情報開示を求めた事件。
 裁判所は、原告が得たIPアドレスは侵害情報の送信の後に割り当てられたものばかりであり、侵害情報の送信との密接関連性があるとは言い難いとして、原告の主張を認めず、請求を棄却した。
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6月29日 海賊版サイト「漫画村」広告掲載事件(2)
   知財高裁/判決・控訴棄却
 漫画家である一審原告が、自身の漫画が無断掲載されているサイト「漫画村」の広告を取り扱う広告代理業者である一審被告2社が広告掲載料としてサイトの管理者に運営資金の提供をすることにより、上記公衆送信権侵害を幇助したとして、被告らに損害賠償金1100万円の支払いを求めた事件の控訴審。一審東京地裁は原告の主張を認め、被告ら2社に連帯して1100万円の支払いを命じたが被告らが控訴した。
 知財高裁は原審の判断を維持し、一審被告らの控訴を棄却した。
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