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3月11日 電光掲示板ソフトの使用許諾事件 |
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大阪地裁/判決・主意的請求棄却、予備的請求一部認容、一部棄却
市中に設置されたLED等電光表示器にデータを転送してニュース等の情報を表示させるサービスに利用される、ニュースソースから送信されてくるデータを要約し、配信サーバーへ送信できる状態に加工するソフトウエアをめぐる訴訟である。原告のソフトウエア開発販売会社は、被告ソフトウエア販売会社が本件ソフトウエアを無断複製、使用しているとして、主位的に著作権侵害に基づき、予備的に契約(合意)に基づき、使用中止等を求めた。
裁判所は本件ソフトウエアをサーバーに実際にインストールしたのは原告であるから、このインストールはプログラムの著作権を侵害する複製行為ではなく、被告による使用の継続をもって著作権を侵害しているということは出来ないとして、主位的請求は棄却した。その上で原告の、被告との間に成立している本件ソフトウエア使用中止の合意違反であるという予備的請求に対しては、使用期限が到来した時点を特定して、その時点で被告はソフトウエアの使用を中止し、サーバーから削除する義務をおっていると判断した。その時点以後も被告が本件ソフトウエアを使用していることは合意上の債務の履行を遅滞しているとして、238万円余の損害賠償を認めた。 |

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3月12日 人気アニメのわいせつ画像流出事件(刑) |
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津地裁/判決・有罪
人気アニメやわいせつ画像を、ファイル共有ソフト「シェア」を使ってインターネット上に無許可で流出させたとして、三重県職員の男性が著作権法違反とわいせつ図画陳列の罪に問われた事件。裁判所は「違法性を自覚してアップロードした動機は安易で身勝手」として、懲役1年6ヶ月執行猶予3年を言い渡した。 |
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3月15日 ネット掲示板の中傷事件(ラーメンチェーン)(刑)(3) |
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最高裁(一小)/決定・上告棄却(確定)
ラーメンチェーン店の運営会社が「カルト集団」と関係があるかのような書き込みをホームページ上で掲載した会社員男性が、名誉毀損罪に問われた事件の上告審。一審は無罪、二審は罰金30万円の逆転有罪だった。ネット上の中傷書き込みに名誉毀損が成立するかどうかについて、最高裁が初めて判断した。
最高裁は「個人がネットに掲載したからといって、閲覧者が信頼性の低い情報と受け取るとは限らない」として、「不特定多数が瞬時に閲覧でき、名誉毀損の被害が深刻になりうる」「ネット上の反論によって名誉回復が図られる保証はない」「ネット上だからといって同罪の成立を緩やかな基準にすべきではない」と述べ、被告側の上告を棄却した。二審東京高裁の有罪・罰金30万円が確定した。 |

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3月16日 「学内セクハラ」名誉棄損事件(3) |
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最高裁(三小)/決定・上告棄却(確定)
週刊誌の記事でセクハラをしたなどと報じられ、名誉を傷つけられたとして、同志社大学教授が発行元の文藝春秋と執筆者ら3人に1億1千万円の賠償を求めた訴訟の上告審。「週刊文春」05年11月24日号は、「『学内セクハラ』を被害者が告発」との見出しで同教授が大学院生ら女性3人にセクハラをしたり、アカデミック・ハラスメント行為をしたと報じた。一審京都地裁は教授の主張を一部認め、文春側に275万円の支払いを命じ、二審大阪高裁は「セクハラ行為はいずれも真実と認められない」と認定し、賠償金額を倍にした。アカ・ハラ行為は真実と認めたため、双方が上告していた。
法廷は教授側・文春側双方の上告を棄却し、550万円の賠償金支払いを命じた高裁判決が確定した。 |
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3月17日 大相撲「八百長疑惑」報道事件B(2) |
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東京高裁/判決・一部変更(上告)
大相撲の八百長疑惑を報じた「週刊現代」07年3月10日号の記事「北の湖理事長がナメられる『八百長相撲』の過去」で名誉を傷つけられたとして、日本相撲協会と北の湖前理事長が発行元の講談社と執筆者らに1億1千万円の賠償を求めた訴訟の控訴審。一審東京地裁は名誉毀損を認め、1540万円の損害賠償を命じていた。
高裁は「記事が真実であるとの証明がない」として名誉毀損を認定、賠償額については一審の認定は高すぎるとして440万円に減額した。 |
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3月17日 商標“守りたい人がいる”事件 |
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自主回収
警察官の採用試験の開催を告知する際に使った表現が、陸上自衛隊が商標登録したキャッチコピーに似ていたとして、埼玉県警がポスターとチラシ約2万枚の回収を決めた。県警が使った表現は「明日のために。未来のために。守りたい、『ひと』がいる。」。
外部からの指摘を受けて調べたところ、陸上自衛隊が「守りたい人がいる」というコピーを商標登録していることが判明し、県警は回収を決定した。 |
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3月18日 ノースアジア大学理事長への名誉棄損事件(3) |
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最高裁(一小)/決定・上告棄却(確定)
「週刊新潮」07年11月8日号の記事「秋田経法大を乗っ取った『創価学会』弁護士の『伝書鳩スパイ網』恐怖政治」で名誉を傷つけられたとして、ノースアジア大学と同大学理事長が発行元の新潮社と同誌編集長に4400万円の賠償を求めた事件の上告審。法廷は新潮社側の上告を棄却し、名誉毀損を認め新潮社側に600万円の賠償を命じた一審を変更して賠償額を計約630万円とし、同誌と地元紙への謝罪広告掲載を命じた二審東京高裁判決が確定した。 |
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3月25日 駒込大観音の頭部すげ替え事件(2) |
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知財高裁/判決・変更(上告・上告受理申立)
観音像の頭部を無断ですげ替えたのは著作権の侵害だとして、仏師の遺族が寺側に頭部を元に戻すことなどを求めた訴訟の控訴審。東京都文京区の光源寺にある駒込大観音は東京大空襲で消失し、93年に寺の依頼を受けた仏師らによって再建された。ところが睨みつけるような表情に対して一部の檀家らから改善の要望があったため、仏師の死後、寺は仏師の弟子が制作した頭部にすげ替えた。
裁判所は仏頭部の創作性を肯定した上で、被告らの行為は改変に当たると認定し、その改変は著作者の意を害しない改変ではなく、止むを得ざる改変にも当たらないとして、一審に続き寺側が仏師の著作権を侵害したと認め、すげ替えの経緯を説明する広告文を新聞紙上に掲載するよう命じた。但し、一審が命じた頭部の原状回復については、「すげ替えの頭部はそのまま保管されており、拝観することも不可能ではない。仏師の名誉を回復するには、すげ替えの事実経緯を説明する広告を掲載すれば十分」として、頭部を元に戻すことを求めた遺族側の請求を退けた。 |

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3月25日 ケイ・オプティコムへの発信者情報開示請求事件 |
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大阪地裁/判決・請求認容
診療を装ってわいせつ行為をしたとして準強制わいせつ罪に問われ、無罪が確定した男性医師が、無罪判決直後に匿名のブログで名誉を傷つけられたとして、インターネット・プロバイダー「ケイ・オプティコム」に発信者情報の開示を求めた事件。医師は06年に女性患者を写真撮影したなどとして3件の準強制わいせつ罪に問われ、09年5月に福岡高裁で無罪が確定したが、高裁判決の当日、ブログに「逆転無罪」の見出しで実名を挙げて報じた。プロバイダー側は「無罪も記載しており、名誉毀損には当たらない」とする発信者の主張に従って請求棄却を求めたが、裁判所は、「実際にわいせつ行為を行っていた印象を与える」として名誉毀損を認め、発信者の住所氏名の開示を命じた。 |
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3月25日 非公表原告名の新聞掲載事件 |
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岐阜地裁大垣支部/判決・請求一部認容、一部棄却
岐阜県関ヶ原町の町長が私的に発行している新聞に名前を掲載され、プライバシーを侵害されたとして、同町の男性ら6人が町長に180万円の損害賠償を求めた事例。町長は、町内大半の世帯に一般紙に挟み込む形で配られる私的な新聞「健路」に、町を相手取った別な訴訟の原告8人の名前を掲載した。原告側は「原告団長以外は原告であることを公表していなかった」として、職務に関して知りえた個人情報を公表したことは町の個人情報保護条例違反に当たると主張していた。裁判所は「プライバシー権に対する配慮を怠った」として原告側6人のうち4人の訴えを認め、町長に102万円の支払いを命じた。認められなかった2人は町議と元町議で、公人と判断された。 |
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3月26日 商標“クリスタルキング”侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
登録商標の商標権者である原告X1・株式会社クリスタルキングカンパニーが、バンド「クリスタルキング」の元メンバーであった被告Yに対して、被告のコンサートの広告に「クリスタルキング」の商標を記載したのは商標権の侵害であるとして損害賠償を求め、同時にバンド「クリスタルキング」のメンバーであり原告X1の代表取締役である原告X2がYに対して、Yがバンド脱会後にメンバーである旨を名乗ったり、バンドが解散した事実はないのに解散した旨を述べて、X2の営業上の信用を害する行為を行ったとして、差し止め及び損害賠償を求めた事件。
裁判所はまず、Yの行為は本件商標の「使用」には当たらないとして商標権侵害を否定し、次にYの発言に関しては不正競争行為を認めたが、不正競争行為に基づく損害賠償請求権が消滅する時効が成立しているとしてX2の請求を棄却した。 |

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3月29日 経済学論文の共同著作事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
控訴人(一審原告)大学教授と被控訴人(一審被告)大学教授の共同著作物である共同研究論文や、他の研究者との共同研修を踏まえて、被控訴人が学位請求論文を作成し博士号の学位を得た。これに対して控訴人が、同学位請求論文の提出およびそれを国立国会図書館で一般の閲覧に供したことが、著作権および著作者人格権の侵害であるとして、差し止め、謝罪広告掲載、損害賠償を求めた裁判の第二審。
控訴審では、共同研究論文の学位請求論文での使用に控訴人の承諾があったかどうかが争点となり、裁判所は両者の間で交わされた電子メールの内容などから、控訴人は論文提出の経緯を理解しており、国会図書館で閲覧に供されることを了承していたとして、一審東京地裁判決(請求棄却)維持の判断となった。 |

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3月29日 商標“SIDAMO”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求一部認容、一部棄却(上告受理申立)
エチオピアは06年、同国内の地名に由来する「SIDAMO」をコーヒー豆のブランド名として商標登録したが、社団法人「全日本コーヒー協会」が登録の無効審判請求を行い、特許庁が09年に登録を無効とする審決を出した。これに対してエチオピア政府が審決取消しを求めた裁判。裁判所は「SIDAMOの名称は地名としての認知度は低く、エチオピア産の高品質のコーヒー豆を指すと認識されている」として審決を取消し、「SIDAMO」地域で生産されたものに限定して、商標として認めた。 |

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3月29日 商標“シダモ”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求一部認容、一部棄却
エチオピアは06年、同国内の地名に由来する「SIDAMO」のカタカナ表記「シダモ」をコーヒー豆のブランド名として商標登録したが、社団法人「全日本コーヒー協会」が登録の無効審判請求を行い、特許庁が09年に登録を無効とする審決を出した。これに対してエチオピア政府が審決取消しを求めた裁判。
知財高裁は同日判決の上記訴訟と同じ判断で、「シダモ」地域で生産されたものに限定して、商標として認めた。 |

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3月29日 商標“YIRGACHEFFE”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求一部認容、一部棄却
エチオピアは06年、同国内の地名に由来する「YIRGACHEFFE」をコーヒー豆のブランド名として商標登録したが、社団法人「全日本コーヒー協会」が登録の無効審判請求を行い、特許庁が09年に登録を無効とする審決を出した。これに対してエチオピア政府が審決取消しを求めた裁判。裁判所は「YIRGACHEFFEの名称は地名としての認知度は低く、エチオピア産の高品質のコーヒー豆を指すと認識されている」として審決を取消し、「YIRGACHEFFE」地域で生産されたものに限定して、商標として認めた。 |

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3月29日 商標“イルガッチェフェ”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求一部認容、一部棄却
エチオピアは06年、同国内の地名に由来する「YIRGACHEFFE」のカタカナ表記「イルガッチェフェ」をコーヒー豆のブランド名として商標登録したが、社団法人「全日本コーヒー協会」が登録の無効審判請求を行い、特許庁が09年に登録を無効とする審決を出した。これに対してエチオピア政府が審決取消しを求めた裁判。
知財高裁は同日判決の上記訴訟と同じ判断で、「イルガッチェフェ」地域で生産されたものに限定して、商標として認めた。 |

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3月30日 商標“スマイルマーク”侵害事件B(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
いわゆる「スマイル・マーク」の商標権をめぐる裁判。被告株式会社が11の類で登録していた商標に対して、原告株式会社が無効審判を請求したが、特許庁は「請求は成り立たない」と審決した(2009年10月13日)。原告がその審決を取消すよう求めた事件。裁判所は原告の主張を、いずれも理由がないか、又は主張自体失当であると判断して請求を棄却した。 |

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3月30日 商標“スマイルマーク”侵害事件C(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
これも同じく「スマイル・マーク」の商標権をめぐる裁判。18の類の商標権者である原告が、被告有限会社の商標登録取消審判請求により商標権を取消された特許庁の審決(2009年5月8日)を取消すよう求めた事件。
裁判所は、原告の、審決には不使用に係る正当な理由を認めなかった判断の誤りがあり、また本件取消審判請求が信義則違反・権利濫用に当たらないとした判断の誤りがあるとする主張を理由がないとして否定し、取消請求を棄却した。 |

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3月30日 ヒット曲違法配信事件(刑) |
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大津地裁/判決・有罪
インターネット上に「DoCoMo歌手別倉庫」という名称の携帯電話向けレンタル掲示板を開設し、一般ユーザーからの楽曲のリクエストに応えて人気歌手のヒット曲を違法に配信していたとして、著作権法違反の罪に問われた男性らに対し、大津地裁は「常習的な悪質な犯行」と指摘して、懲役1年6ヶ月執行猶予3年の判決を下した。被告らは数千曲をアップロードしており、サイトへのアクセス数は一日平均6000件あったという。 |
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3月30日 フォトエージェンシーの著作権侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
料理や食材の撮影を行うカメラマンが、使用権販売委託契約を結んでいた現像フィルム賃貸業を営むフォトエージェンシーに対して、エージェンシーがカメラマンの写真のデュープフィルムを作成し、カタログに載せ、第三者に貸し出したことはカメラマンの著作権を侵害するものであり、逆版のデュープフィルムを作成したこと等は著作者人格権の侵害であるとして損害賠償を求めた事件。
裁判所は、第三者にデュープフィルムを貸し出したことを著作権(貸与権)侵害に当たるとしたが、それ以外の主張に対しては、販売委託契約に基づく許諾の範囲内であるとして請求を棄却、エージェンシーに5万円の損害額支払いを命じた。 |

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3月31日 CADプログラムの著作権譲渡事件 |
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東京地裁/判決・第1事件・請求一部認容、一部棄却、
第2事件・請求一部認容、一部棄却(控訴)
米国アシュラ社製CAD(コンピュータ支援設計)ソフトの日本販売代理店が経営悪化したため、アシュラ社が別の販売ルートを構築したこと、また、バージョンアップ開発が進んで権利関係が不明瞭になったこともあって、錯綜した事件となった。第一事件は原告コンセプト社(アシュラ社の旧日本販売代理店の後身)が、CADソフトであるAshlar−Vellum3.0のプログラムに係る著作権およびマニュアルの著作権等に基づき、被告コムネット社(アシュラ社の現日本販売代理店)が販売する製品・マニュアルの販売差止め、廃棄と、損害賠償を求めた事例。第二事件は原告アシュラ社が、CADソフトであるAshlar−Vellum2.7およびこれを32ビット化する際に作成されたVellum Extensionsのプログラムに係る著作権等に基づき、被告コンセプト社が販売する製品・マニュアルの販売差止め、廃棄と、損害賠償を求めた事例。
裁判所は、Ashlar―Vellum2.7およびVellum Extensionsの著作権はアシュラ社にあり、コンセプト社はAshlar−Vellum3.0全体の著作権は取得していないとし、但しコンセプト社は3.0のうちのAdditions部分の著作権を有しているとした。その上で両事件の被告にそれぞれの商品の複製頒布禁止および廃棄を命じ、コムネット社にはコンセプト社の受けた損害額約450万円を、コンセプト社にはアシュラ社の受けた損害額等約5800万円を支払うよう命じ、その他の請求は棄却した。 |

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3月31日 理化学研究所の“論文不正”事件 |
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東京地裁/和解
理化学研究所が、男性元研究員が論文不正に関与したと発表したことは名誉毀損に当たるとして、男性が損害賠償を求めて提訴していたが、理研側がホームページの該当発表部分を全文削除することで和解が成立した。対象となった論文は男性が同僚と共同執筆した3本、うち1本にはデータの修正が必要な箇所はあったが、論文の結論に影響がないことが確認され、残り2本も男性側が共著者として不正を見抜けなかった責任を認める一方、理研側は発表の内容が不適切だったとして遺憾の意を表明、発表を削除するとなったもの。 |
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3月31日 ドメイン名の移転請求事件(twitter) |
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日本知的財産仲裁センター/裁定・申立認容
「twitter.co.jp」というドメイン名がツイッター社とは無関係な日本のITコンサルティング企業に取得されていることを知った米ツイッター社が、不正目的の登録であるとして移転裁定を求める申立を日本知的財産仲裁センターに行っていた事件。IT企業による答弁の提出がないまま審理が終了、ドメイン名「twitter.co.jp」をツイッター社に移転せよという裁定が下された。裁定によるとツイッター社は「TWITTER」「ついったー」を日本で商標登録しており、「twitter.co.jp」はユーザーを混同させる恐れがあるとされた。またこのIT企業は登録後にツイッター社に2万ユーロでの譲渡を提案してきており、不正目的での登録と判断された。 |
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4月8日 NTTドコモへの発信者情報開示請求事件(3) |
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最高裁(一小)/判決・上告棄却(確定)
静岡市の土木会社が、インターネット上で「社長は暴力男」などと書き込みをされて名誉を傷つけられたとして、携帯電話を使った投稿を媒介したNTTドコモに対して発信者の住所や氏名を開示するよう求めた裁判の上告審。一審東京地裁は請求を棄却、二審東京高裁は開示義務を認めたが、NTTドコモ側が上告していた。
プロバイダー法は「不特定の閲覧者に情報を送信する『特定電気通信役務提供者』は、名誉を毀損された被害者に情報を開示する義務がある」と定めており、接続業者が情報を送信する「特定電気通信役務提供者」に当たるかどうかが注目されていた。法廷は、発信者とコンテンツプロバイダーとの間の通信を媒介する経由プロバイダーは「特定電気通信役務提供者」に該当すると解するのが相当であると判断し、上告を棄却、情報開示義務が確定した。 |

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4月10日 中学受験塾模試問題盗用事件 |
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謝罪声明発表
大阪市の大手中学受験塾「希学園」が、ライバルである西宮市の「浜学園」が作成した灘中学受験生向けの理科の試験問題を盗用して、塾内問題に使っていたことが判明した。浜学園が大阪地裁に著作権侵害として提訴し、希学園は盗用の事実を認めて謝罪文を発表した。 |
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4月13日 KDDIへの発信者情報開示請求事件(3) |
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最高裁(三小)/判決・上告一部認容、一部棄却
インターネット上のサイト「2チャンネル」の掲示板にされた書き込みによって権利を侵害されたとする学校法人A学園の学園長が、書き込み者に接続サービスを提供したDION(KDDI)に対して、発信者情報の開示と、裁判外での開示請求に応じなかったのには重大な過失があるとして損害賠償を求めた事件。二審の東京高裁は、発言は名誉感情を侵害するものであることは明らかだから、情報の開示に応じなかったKDDIには重大な過失があったとして、15万円の賠償を命じたが、KDDI側が上告していた。
裁判所は、書き込みは侮辱的な表現を含むとはいえ、社会的評価を低下させるものではなく名誉感情を侵害するに留まるから、KDDIが、書き込みによって学園長の権利が侵害されたことは明らかであるとは言えないとして開示に応じなかったことについて、KDDIに重大な過失があったとは言えないとして、原判決の一部を破棄しその部分における学園長の控訴を棄却、その余の部分の上告を棄却した。開示請求そのものは上告受理申立て・不受理決定がなされた。 |

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4月21日 鉄道DVD無断編集・販売事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
100円ショップ最大手の「ダイソー」を経営する大創産業が販売した、世界のSLを写したDVDをめぐって、旅行作家が無断で映像を使われたとして販売差止めや損害賠償を求めた事件。問題となったのは2007年10月ころから08年2月頃までダイソーで販売された「SL世界の車窓」。
判決は、この商品は大半が旅行作家の撮影した動画を編集して作成・販売されたものであり、旅行作家が映像制作会社に著作権を譲渡したとは認められないとして、著作権侵害を認め、同社に約300万円の支払いを命じた。差止め請求は既に販売が中止されていることを理由に退けた。 |

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4月23日 「日経新聞の黒い霧」名誉棄損事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
日本経済新聞社が、同社元部長の著書『日経新聞の黒い霧』など2冊は虚偽の内容を含んでおり名誉毀損だとして、元部長に対して3000万円の損害賠償を求めた裁判。元部長は同著の中で、子会社の不正経理事件に日経新聞社の経営陣が関与しているなどと記していた。
判決はそれらの内容は真実とは認められないと判断し、更に本の題名自体も隠された不正行為があるとの印象を与えたとして、名誉毀損に当たると述べて、元部長に200万円の支払いを命じた。 |
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4月27日 FX取引ソフトの著作権侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
外国為替証拠金取引(FX取引)用ソフトウェア関連プログラムに対する複製行為の違法性が問われた事件。コンピュータプログラム開発業者が、被告プログラマーらが無断で開発業者の作成したプログラムを改変したプログラムを作って著作権を侵害したとして、また被告らは著作権侵害を知りながら被告作成のプログラムを頒布し、あるいは頒布目的で所持したことにより著作権を侵害したとして、損害賠償を求めた事件の第二審。
第一審判決では、被告プログラムが第三者に頒布された事実または被告らが頒布目的で被告プログラムを所持していた事実を認めることが出来ないから原告開発業者の請求には理由がなく、被告らが原告開発業者が著作権を有するプログラムを複製・翻案したことがあったとしても、このような行為を理由として著作権侵害を主張し損害賠償を請求するのは、権利濫用に当たり許されない、として原告開発業者の請求を棄却していた。原告が原判決を不服として控訴したもの。
裁判所は、第一審を引き継ぎ、被告らが被告プログラムを頒布した事実、頒布目的で所持していた事実は認められず、原告開発業者に損害が発生した事実は認定することが出来ないから、原告の請求にはいずれも理由がないとして、控訴を棄却した。 |

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4月27日 商標“スマイリー”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
「スマイル・マーク」の商標権をめぐる裁判。第34類「たばこ、喫煙用具、マッチ」で当マークの商標権を有していた原告が、被告有限会社による「不使用を理由とする商標登録取消審判請求」によりなされた、平成21年6月25日の取消の審決を取り消すよう求めた事件。
裁判所は原告の主張を、いずれも理由がないと判断して請求を棄却した。 |

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4月28日 ラーメン店「我聞」パブリシティ権事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
高松市内に商業施設ビルを管理運営する不動産管理会社が、ビル内にタレントAの芸名や肖像等を利用したラーメン店を誘致して営業させたほか、その施設の宣伝にAを利用したことは、Aに係るパブリシティ権を侵害するものであるとして、Aの所属するプロダクション会社が損害賠償を求めた事例。
裁判所は、パブリシティ権についての解釈を示した上で、Aと所属プロダクション会社との専属実演家契約を分析し、Aが許諾したのは実演家として行う実演についてであって、実演と関係のない店舗の経営にまで及ばない、として、被告不動産会社が本件店舗にAの芸名、肖像等を使ったとしても、これが原告プロダクション会社に対する不法行為に当たるとすることはできないとして、原告の請求を棄却した。 |

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4月28日 ラーメン店「我聞」パブリシティ権事件B |
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東京地裁/判決・請求棄却
前項と同じ件で、タレントAの所属するプロダクション会社が、飲食店経営コンサルティング会社らが無断でAの芸名や肖像を使ってラーメン店を経営したことは、Aに係るパブリシティ権を侵害するものであるとして損害賠償を求めた。
裁判所は前項同様に、Aとプロダクション会社との専属契約は、実演に関係のない店舗の経営にまで及ばないとして、原告の請求を棄却した。 |

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4月28日 商標“つゝみ”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却(上告)
仙台市青葉区堤町で江戸時代から伝わる堤人形を製作販売し、横書きの「つゝみ」を第28類「土人形」で商標登録しているYに対し、同業の堤人形製作者Xが不使用を理由とする登録取消をもとめていたが、特許庁は平成21年11月11日「本件審判の請求は成り立たない」との審決をした。Xはその審決の取消を求めて提訴した。
知財高裁は、「つゝみ」の文字自体が一般名詞化しているとの原告Xの主張を否定し、また被告Yの使った「つゝみ」「つつみ」の縦書き使用は、本件商標と違いはあるが社会通念上本件商標と同一と評価することが出来る等として原告Xの請求を棄却した。 |

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4月28日 函館市長選名誉棄損事件 |
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函館地裁/判決・請求棄却(控訴)
函館市長であった原告が、現在函館市長であり、同市助役であった被告の、助役辞任後函館市長選挙までの間の発言により名誉を毀損されたとして、損害賠償および新聞紙上への謝罪広告の掲載を求めた事件。
裁判所は、問題とされた被告の各種発言は、原告の社会的評価を低下させるものであることは否定できないが、これらの発言は公共の利害に関する事実に係り、かつその目的がもっぱら公益を図ることにあって、発言の適示する事実また発言の前提となる事実の重要な部分は真実であることの証明があり、かつその発言が意見ないし論評としての域を逸脱したものとは認められないから違法性が阻却されるとして、原告の請求を棄却した。 |

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4月28日 携帯電話向けコンテンツの著作権侵害事件 |
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東京地裁/判決・主意的請求一部認容、一部棄却、予備的請求棄却(控訴)
原告株式会社ハイパーキューブが、被告株式会社インデックス・ホールディングスおよび被告株式会社インデックスに対し、携帯電話コンテンツのソフトウェア「恋愛の神様」等は、原告がプログラム以外の部分も含め全ての部分について著作者である著作物であるところ、被告らがこれら著作物を利用許諾期間・利用許諾数量を超えて使用し、許諾条件を超えて改変し、原告の著作者名を表示せず、第三者に改変若しくは二次的著作物を作成させたことは、著作権侵害行為に当たる等として34億円の損害賠償をもとめた裁判。
裁判所は、被告らが制作した携帯コンテンツ向けプログラムを分析してその著作権侵害性を検討した上で、カラー画像の部分にだけ著作権侵害を認め、期間制限違反や著作者人格権侵害その他を容れなかった。被告会社らに、連帯して負う損害賠償金等38万円の支払いを命じた。 |

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