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11月6日 “Make People Happy”類似キャッチフレーズ事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
アイスクリーム等の乳製品の製造販売を営む被告会社は、被告ホームページや広告に「Make People Happy(.)」の文言を使用していた。一方、原告は、アイスクリーム製品等を製造販売する米国の会社で、昭和48年から、日本全国でフランチャイズ事業を展開し、創業精神のスローガン「We make people happy(.)」を、あらゆる機会で目立つ箇所に掲げてきたので、この原告文言は出所表示、自他識別機能を有した周知の営業表示となっていると主張して、被告文言は営業の混同を生じさせ、「他人の商品等表示と同一若しくは類似の商品等表示の使用」にあたる等として、使用禁止を求めて提訴した。
東京地裁は、「We make people happy(.)」は、4つの英単語からなり、このような平易でありふれた短文の標語そのものは、本来的に自他識別能力を有しないとし、また、原告文言の使用状況から見て、取引業者等に向けたものであって、一般消費者の間に広く認識されていると認められない、したがって、原告文言は不競法の「商品等表示」には当たらないとして、請求を棄却した。 |
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11月7日 商標“ラブコスメ”侵害事件(2) |
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大阪高裁/判決・取消、附帯控訴棄却
(上告・上告受理申立・上告棄却・上告不受理・確定)
商品に「Love cosmetic」等の標章を付して販売する控訴人(一審被告)はその標章が、一審判決において、被控訴人(一審原告)の商標「Love」との類否判断で、「cosmetic」は「化粧品」を意味する語であって、「Love」が要部である等として、「被告標章と原告商標は要部において称呼、観念が同一であるから、外観を考慮しても全体として類似する」とされたので、控訴したものである。
これに対して大阪高裁は、「Love」単独では「商品識別・出所表示機能は弱く、他の語と連結されることにより機能を果たす場合も多い」。他方、「cosmetic」に自他商品識別能力が全くないとは言えず、控訴人標章は必ずしも「Love」のみが要部ではなく、「Love cosmetic」が一体として要部となるとみるのが相当であって外観、称呼、観念において非類似である等として、一審判決の控訴人敗訴部分を取消した。 |
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11月11日 レンタルサーバー管理者の著作権違反幇助事件(刑) |
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京都府警/逮捕
京都府警生活経済課ハイテク犯罪対策室は日本音楽著作権協会(JASRAC)の管理楽曲を無断でアップロードし、100万人を超える不特定多数のユーザーにダウンロードさせていた携帯サイト「第B世界」の運営者の男性など2人を再逮捕した。
同時に、これらの行為を違法と知りながら公衆送信を助けたとして、レンタルサーバーの管理者である会社役員を、著作権法違反幇助の疑いで逮捕した。
携帯違法サイトに関連する著作権法違反幇助による逮捕者ははじめてだという。 |
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11月21日 音楽プロデューサーの著作権二重譲渡事件(刑) |
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大阪地検/起訴
大阪地検は、この日、音楽プロデューサー小室哲哉容疑者をイベント企画運営会社監査役ともに詐欺罪の容疑で起訴した。
小室被告は、自身の作詞・作曲した806曲の全作品の著作権を10億円で譲渡する案を、兵庫県芦屋市の投資家に持ちかけ、そのうち5億円を前払い金としてだまし取った疑い。
806曲中793曲の著作権は、既に音楽出版社約40社に譲渡され、日本音楽著作権協会(JASRAC)に信託されており、さらにその中の主要ヒット曲は、知人の会社に譲渡され、二重譲渡されていて、小室被告は著作権を保有していなかった。 |
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11月26日 商標“Wii Remote”拒絶査定事件(米) |
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米特許商標庁/拒絶査定
米特許商標庁(USPTO)は、任天堂の「Wii」を対象とする出願商標「Wii Remote」について、「REMOTE」は、単に特性や特徴、機能、用途を記述する語に過ぎないとして、拒絶査定の通知を送付した。米商標法によってUSPTOは、出願商標の単に記述的表現、虚偽の記述、単に地理的な記述等の登録できない一部分について独占的権利の放棄を要求できるが、任天堂に対しては「REMOTE」について権利放棄を求めているという。 |
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11月27日 「占い本」の著作権侵害事件(激数占い)(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
「生年数」「命数」等を使って未来予知をする占い本の著者である原告は、被告及び被告著書を出版した講談社、テレビ朝日を、著作権(複製権、翻案権)を侵害しているとして発行・販売の差止め、損害賠償、著作者人格権(同一性保持権)に基づく謝罪広告掲載等を求めて提訴したが、一審判決では請求を棄却されたので、控訴したものである。
知財高裁は、原告の指摘箇所と被告書籍とを対比検討した結果、いずれも「表現上の共通点はなく、また、共通点があったとしても、それらは抽象的なアイデアにおける共通点や創作性のないありふれた表現の共通点にとどまり」、複製又は翻案に該当しない等として、原判決を支持し、控訴を棄却した。 |
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12月4日 映画のDVD化契約事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
原告は、平成18年3月に発売された「月刊DVDナビゲーター」誌上に、発売元を被告イーエス、販売元を被告イーネットとする、「嵩山少林寺」「CHARON(カロン)」のDVDの発売及び予約受付の広告が掲載されたので、債務不履行による損害賠償、著作権(複製権・頒布権)侵害による損害賠償請求を起こした。
東京地裁は、「嵩山少林寺」を含むビデオ化権を原告代理人を通じて被告イーエスに2800万円で売り、その売買代金の支払債務が不履行だとする原告の主張に対して、この「売買契約が締結されたとの事実を認めるに足る証拠がない」としてこれを退けた。
また、原告の代表者である映画監督は、「妻と拳銃」の製作資金の調達の必要に迫られ、「嵩山少林寺」等のビデオ化権を原告代理人を通じて被告イーエスに販売し、代金350万円を受取っており、その後、既に他社から「嵩山少林寺」のDVDが発売されたことがあったことが判明したために被告は発売を中止した等の事実に照らせば、雑誌広告掲載当時、複製・頒布することについて原告から許諾を受けていた可能性が高い、許諾を受けたものと考えたことについて、少なくとも過失はない等として、請求を棄却した。 |
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12月12日 「発掘!あるある大事典」名誉毀損事件(東京新聞) |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
東京都港区のテレビ番組制作会社は、関西テレビの情報番組で、捏造が発覚して打ち切られた「発掘!あるある大事典U」の番組の一つとして製作した「手のひらで悪玉コレステロールの有無を判定するという『手のひら判定』を紹介した番組」を、東京新聞に虚偽の内容だとする記事を掲載されたために損害を受けたとし、発行元の中日新聞社に対して、損害賠償請求の訴訟を提起した。
東京地裁は、専門分野の事実の真偽を報道するにあたって、手のひら判定の有効性を主張している監修者の大学教授に取材をせず、1人のコメントで判断するなど、充分な取材をしておらず、記事内容を真実とする証明がなされていない等として、中日新聞に約270万円の損害賠償支払いを命じた。 |
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12月15日 テレビ番組送信サービス事件(まねきTV)(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却(上告)
日本のテレビ番組をインターネット回線を通じて海外でも視聴可能にする永野商店の「まねきTV」は、放送事業者の有する送信可能化権(著作隣接権、著作権法99条の2)、公衆送信権(著作権法23条1項)を侵害するとして、控訴人等(一審原告。NHK及び在京民放5局)は、差止請求、損害賠償請求に対する一審判決を不服として控訴していた。
知財高裁は、原判決を支持し、利用者が購入したソニー製品の「ロケーションフリー」をベースステーションとして預かり、各利用者が発する指令により、各利用者が設置している専用端末に対してのみなされる、いわば「一対一」の送信であって、ベースステーションは自動公衆送信装置に当たらないので、被控訴人の行為は送信可能化に当たらないとした。また、被控訴人は、確かにテレビアンテナからベースステーションまで本件放送を送信しているが、利用者の専用端末の指令に応じて、ベースステーションに内蔵されたテレビチューナーがデジタル化した放送データを専用端末が受信することによってはじめて視聴可能になるので、「公衆によって直接受信されること」に当たらず、公衆送信は行われていない等として、控訴を棄却した。 |
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12月16日 判決文記載事実の営業秘密事件(2) |
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知財高裁/決定・申立却下
申立人萬有製薬(基本事件被告)は、登録商標について不使用につき「第5類薬剤」について取消審判請求(基本事件/知財高裁)を受けたが、口頭弁論期日に出頭せず、答弁書、準備書面の提出もない、したがって、その請求に係る指定商品について登録商標を使用をしていることの事実を認定できないとして、基本事件判決は取消請求を認容した。
申立人は、この基本事件の訴訟記録中には、基本事件の原告の親会社「独メルク」と申立人の親会社「米メルク」との合意内容が記されており、この合意は申立人において秘密として管理されている営業秘密に該当する、したがって、閲覧あるいはその複製を請求できる者を同事件の当事者に限るとする申立てを行った。
知財高裁は、訴訟記録中の指摘部分について、「独メルク」と「米メルク」が独立した医薬品企業となった経緯についてはウェブサイトで説明されており、インターネット上のフリー百科事典「ウィキペディア」で説明されている等、既に公然と知られているというべきで、不正競争防止法2条6項にいう「秘密として管理されている……営業上の情報であって、公然と知られていないもの」に当たらない等として、申し立てを却下した。 |
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12月16日 判決文記載事実の営業秘密事件B(2) |
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知財高裁/決定・申立却下
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12月17日 商標“キューピー”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求認容
キューピーの著作権を譲渡されたとする大阪の男性が出願した、キューピーのイラストに基づく商標(本件商標)が、2006年4月に登録されたが、これに対して原告のマヨネーズ大手「キューピー」は、商標法4条1項十一号の「他人の登録商標又は類似の商標」にあたるとして無効審判を請求して争った。しかし、本件商標と引用商標は非類似であるとして、特許庁が無効審判不成立の審決をしたので、審判取消を求めて提訴した。
知財高裁は、「キューピー」の際立った容姿によって引用商標からも「キューピー」の称呼及び観念が生じ、キューピーを宣伝広告に使用した原告の「キューピーマヨネーズ」は著名となり、「キューピー」の称呼、観念には識別力があり、本件商標と引用商標は同一又は類似し、商標法4条1項十一号の登録を受けることが出来ない商標である等として、審決の判断は誤りだとして請求を認容した。 |
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12月24日 美容外科広告事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
女優、タレントの原告は、「コムロ美容外科・歯科」のホームページを管理運営する被告に、氏名及び顔写真等を無断で掲載されて、氏名権、肖像権及びパブリシティ権を侵害されたとして、損害賠償、慰謝料の支払いを求めて提訴した。
原告とコムロの広告宣伝業務を行っていた会社「オルモック」との間には平成18年3月までの広告出演契約が締結されていた。一方、コムロの経営が悪化したために、被告は「コムロ美容外科」の商標を買い取り、第三者である医師にその商標使用を許諾するとともに、オルモックからコムロのホームページの管理運営を承継したが、平成18年4月以降については、原告と被告との間に広告出演契約がないまま、管理するコムロのホームページに掲載し続けたものである。
東京地裁では、財産的損害額の算定方法や精神的損害として慰謝料請求の可否等について争われた。
判決は、芸能人の氏名・肖像は、広く一般大衆に公開されることが前提とされており、当該芸能人自身も、そのことを希望している場合が多いものと推認されるが、芸能人がどのような企業の、どのような商品・サービス等の広告に出演するか、出演を継続するか否か等は、自己の芸能人としてのイメージや、社会的評価等の諸般の事情を考慮して、自己意思に基づいて判断・決定するものであり、無断でその氏名、肖像等を広告に使用された場合には、主観的利益が侵害されたものであり、これによる精神的苦痛は、慰謝料によって慰謝されるべきものであるとして、損害賠償とともに慰謝料の支払いを命じた。 |
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12月24日 複製写真の不正競争事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
控訴人(一審原告)は、被控訴人四国八十八ケ所霊場会所有の仏画を撮影した写真(本件写真)を書籍に掲載したが、被控訴人が書籍掲載写真をさらに撮影して御影(本件御影)をお札として制作・販売したとして、改正前不正競争防止法と民法の不法行為に基づいて損害賠償を求めたが、原審では請求を棄却されたので、控訴した。
知財高裁は、本件御影は上記本件写真と同一の形態を有しているので改正前不競法上の「他人の商品……の形態を模倣した商品」にあたる等とする控訴人主張に対して、『同号にいう「商品」とは、競争の目的物たり得るものとして独立して取引の客体とされているものをいい、ある商品を構成する要素の一部であって、それ自体が現に独立して取引の客体とされていないようなものは、「商品」に該当しない』とし、商品を構成する一部が独立に管理し、取引することが可能であるとしても、現に取引に供されていないものを「他人の商品」として保護する必要はない等として、控訴を棄却した。 |
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12月24日 北朝鮮映画のニュース報道事件(日本テレビ)(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、拡張請求棄却、
予備的請求一部認容、一部棄却(上告)
「朝鮮映画輸出入社」と「カナリオ企画」が、日本テレビが平成16年6月30日のニュース番組で北朝鮮映画を無許諾で放送したとした訴訟の控訴審である。
知財高裁は、北朝鮮のベルヌ条約加盟と国家承認とは別個の問題であり、未承認国に対して、国際法上の主体である国家間の権利義務関係は認められないとする原判決の判断は相当であったとして、控訴を棄却した。
しかし、本件映画を営利目的で無許諾放映をしたことは社会的相当性を欠き、控訴人カナリオ企画の利益を違法に侵害する行為であり、著作権法の保護がなくても、民法709条の保護を得る利益があるとして、予備的請求の一部を認容した。ただし、許諾料相当額の損害賠償の主張に対し、“著作権のある著作物と同様の損害を認めることは相当ではない”として、民事訴訟法248条を適用、損害額を10万円、弁護士費用を2万円と認定した。 |
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12月24日 北朝鮮映画のニュース報道事件(フジテレビ)(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、拡張請求棄却、
予備的請求一部認容、一部棄却(上告)
「朝鮮映画輸出入社」と「カナリオ企画」は、フジテレビが平成15年12月15日のニュース番組で北朝鮮映画を無断で放送したとした訴訟の控訴審である。
知財高裁は、同日判決の上記日本テレビ訴訟と同じ判断で控訴請求を棄却。予備的請求の一部を認容し、損害額を10万円、弁護士費用を2万円と認定した。 |
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12月24日 商標“DAKS”侵害事件(2) |
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大阪高裁/判決・控訴棄却
ダックス社の商標を付して「英国王室御用達DAKS社リバーシブルベルト」と称するベルトを輸入・販売している控訴人(一審被告)は、被控訴人(一審原告)である英国企業ダックス・シンプソン・グループと日本での商標の専用使用権を有する三共生興が商標権、専用使用権等の侵害や信用毀損による損害賠償、謝罪広告等を求めて提訴した原審で、被控訴人の請求が一部認容されたので、これを不服として控訴していた。
大阪高裁は、原審を支持し、「一般消費者のうち品質上の差異等を認識し得たのは、本件商品を購入した95人ないしその近親者に限られると言えるから、……本件商品を販売されたこと自体による信用棄損の程度は限定的」であるが、「カタログやウェブサイトには、世界的高級ブランドであるダックスブランドの正規品が本来の5分の1以下の著しい低価格で販売されていると認識させるものであるから、信用棄損は相当に大きい」等として、控訴を棄却し、謝罪広告掲載についても原判決を支持した。 |
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12月25日 ゲームソフト「猟奇の檻」事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
原告は、原告コンピュータゲームソフト(本件ゲームソフト)のリメイク版として販売している被告ゲームソフトは原告が著作権を有する「映画の著作物」の著作権(翻案権)侵害だとして、損害賠償を求めて提訴した。
本件ゲームソフトが「映画の著作物」にあたるか、その著作権は原告に帰属するか等が争われたが、東京地裁は、本件ゲームソフトは、多数の静止画像の組合せによって表現されているにとどまり、動きのある連続映像として表現されていないから「映画の著作物」の要件を充足していない、また、原告が行ったのはプログラムの創作行為そのものであり、映像の著作物の創作行為とは認められないから、著作権は原告に帰属しない等として請求を棄却した。 |
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12月25日 「週刊現代」のキヤノン創業者名誉棄損事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
キヤノン及び代表取締役会長御手洗冨士夫は、平成19年10月20日号の週刊誌「週刊現代」に、「キヤノン御手洗冨士夫会長と七三一部隊と題する記事が掲載され、読者に、キヤノン及び御手洗冨士夫が「七三一部隊」と特殊な関係があるとの誤解を生じさせるものであり、名誉棄損に当たるとして、講談社に対して2億円の損害賠償と謝罪広告を求めて提訴した。
東京地裁は、記事自身は名誉棄損に当たらないとしたが、「キヤノン御手洗冨士夫会長と七三一部隊」とした表紙と新聞広告については、同部隊と直接的な関係があるとの誤解を与え、省略や誇張の許容範囲を超えるとして、200万円の賠償金支払いを命じた。 |
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12月25日 パチスロ「機動戦士ガンダム」事件 |
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東京地裁/判決・主意的請求一部認容、一部棄却、予備的請求棄却
回転式遊技機(パチスロ)の液晶画面表示用として「機動戦士ガンダム」のアニメ映画の映像を3次元コンピューターグラフィック(3DCG)によるシーンデータに加工するための開発業務委託契約に基づき、原告が被告に未払いの対価を求めて提訴。
主な争点は、納品の前提となる各シーンデータの制作作業がどの程度仕上がれば完成と言えるのかという点であった。シーンデータの品質を定める「仕様書」とも言うべき原告が承認した被告の要望事項には、「本件元映像にできる限り似せて3DCG映像を制作すること」とあり、被告は、「そっくりそのまま」似ていると言わしめるような相当高い水準が要求されることが原告と被告間の了解事項であったと主張した。
裁判所は、本件映像が手書きの平面画像なので3DCG画像が「そっくりそのまま」似ていると言えるかどうかは程度の問題であるとした。その上で、被告の査定表などを総合的に考慮して、250点のシーンデータの出来型を5つのランクに分け、被告に、出来型の金銭的評価の未払相当金3,327万円の支払いを命じた。 |
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12月26日 類似「黒烏龍茶」事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
原告サントリーは、周知・著名な自社の商標「黒烏龍茶」と類似の商品表示を付して2種の商品を製造販売したとして、被告企業らに対して、不正競争防止法2条1項一号または二号違反による製造差止め、包装等の廃棄、損害賠償の請求、さらには、ウェブサイト上の広告によって商標権、著作権(複製権)を侵害されたとして、誤認惹起行為や虚偽事実の流布行為の差止め、複製権侵害行為の差止め、損害賠償、信用回復措置等々を求めて提訴した。
東京地裁は、被告らが被告商品Aの販売を開始したときには、原告商品は周知性を獲得していたが、著名とまでは言えなかったとしたが、被告商品Aの商品表示は外観、称呼、観念ともに類似しているとして、不競法違反を認め、商品Bについては否認した。また、ペットボトル容器のパッケージデザインの著作物性については、応用美術の領域に属するものであるとして著作物性を否定し損害賠償請求の一部を認容したが、その他の請求は棄却した。 |
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12月26日 槇原敬之vs松本零士「約束の場所」事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却、一部却下(控訴)
原告槇原敬之氏は、自身が作詞した歌詞のサビの部分の表現が、被告松本零士氏の漫画「銀河鉄道999」中の表現を模倣したものだとして、テレビ取材に応じてした被告発言によって名誉を傷つけられたとして、「被告が著作権(複製権、翻案権)及び著作者人格権(同一性保持権)に基づく損害賠償請求権を有していないことの確認、名誉棄損による損害賠償支払並びに謝罪広告」を求めて提訴した。
東京地裁は、著作権及び著作者人格権に基づく各請求権を、被告が別件の裁判の中で放棄したので、不存在確認の利益がないとしてこれを却下した。しかし、名誉棄損に関しては、生放送における「被告表現に依拠したことを原告が認めた」という被告発言は原告の名誉を棄損したと認定した。
被告表現「時間は夢を裏切らない。夢も時間を裏切ってはならない」と原告表現「夢は時間を裏切らない。時間も夢を決して裏切らない」という両表現について、『このように短い文章においては「裏切ってはならない」と「決して裏切らない」という……両表現の相違は大きい』として、原告表現は、「依拠したのでなければ説明できないほど酷似しているとは言えない」とした。 |
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