判例全文 line
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【事件名】ネット掲示板の中傷事件(大学職員組合)
【年月日】平成20年10月1日
 東京地裁 平成18年(ワ)第23518号 損害賠償請求事件

判決
原告 学校法人産業能率大学
同代表者理事長 X
同訴訟代理人弁護士 藤原宏高
同 九石拓也
同 澤田行助
同 平岡敦
同 小澤和彦
同訴訟復代理人弁護士 川村宜禎
同 金紀彦
同 野口彩子
被告 Y
同訴訟代理人弁護士 吉峯啓晴
同 室伏美佳
同 高橋拓也
同 大井倫太郎
同 金舜植
同 大河原啓充
同 木ノ切隆行


主文
一 被告は、原告に対し、四五〇万円及びこれに対する平成一八年一一月三日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
二 原告のその余の請求を棄却する。
三 訴訟費用はこれを一五分し、その一を被告の負担とし、その余は原告の負担とする。
四 この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由
第一 請求
 被告は、原告に対し、六三五〇万円及びこれに対する平成一八年一一月三日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。
第二 事案の概要
一 争いのない事実等(証拠等により容易に認められる事実は、末尾にそれを掲記した。)
(1)当事者等
ア 原告は、大正一四年に日本産業能率研究所として創立され、昭和一七年に法人となり、現在、産業能率大学(以下「産能大学」という。)、自由が丘産能短期大学(以下「産能短大」という。)、産業能率大学大学院及び総合研究所からなる学校法人である。
イ 被告は、平成四年四月一日付けで原告に雇用され、講師及び助教授を務めていたが、平成一七年三月三一日付けで原告を退職した。被告は、平成一七年一〇月以降、産業能率大学教職員組合(以下「産能ユニオン」という。)の代表者兼執行委員長を務めている。
ウ 産能ユニオンは、平成一五年七月二三日に設立された、法人である労働組合であり、設立時の代表者兼執行委員長は、A(以下「A」という。)であった。産能ユニオンは、組合員の労働条件の維持改善及びその経済的社会的地位の向上を図り、学園の民主的発展に寄与することを目的とする。
(2)本件和解等
ア 原告は、平成一四年七月一〇日、被告に対し、被告を普通解雇する旨の意思表示をした(以下「本件解雇の意思表示」という。)。
イ 被告は、東京地方裁判所に対し、原告を相手方とし、被告が原告との雇用契約上の権利を有する地位にあることの仮の確認並びに賃金及び賞与の仮払を求める仮処分命令を申し立てた(当庁平成一四年(ヨ)第二一二六五号)。
 東京地方裁判所は、平成一五年三月二五日、本件解雇の意思表示は解雇権の濫用として無効であるとし、原告に対し、被告に対する賃金の仮払を命じる旨の決定をした。
ウ 原告は、同決定に対し保全異議を申し立て(当庁平成一五年(モ)第五六七一号)、原告と被告は、平成一五年一二月二六日、同事件につき、以下の内容を含む裁判上の和解をした(以下「本件和解」という。)。
(ア)原告は、本件解雇の意思表示を撤回し、被告が原告の経営情報学部助教授の地位を有することを確認する。(一項)
(イ)原告は、被告に対し、解決金として、五〇〇万円を、平成一六年一月九日限り支払う。(五項)
(ウ)被告は、平成一七年三月三一日限り、原告を退職する。(七項)
(エ)被告は、平成一五年一二月二六日以後、原告の許可なく、原告施設敷地内に立ち入らない。(一三項)
(オ)原告と被告は、相互に相手を誹謗中傷するような言動をしない。(一七項)
エ 原告は、平成一六年一月九日、被告に対し、本件和解五項に基づき、五〇〇万円を支払った。
(3)本件掲示板等
ア 産能ユニオンは、平成一六年一月中旬ころ、ホームページ「産能ユニオンWeb Site(産業能率大学教職員組合)」(以下「本件ホームページ」という。)を開設し、その中に、掲示板「産能ユニオン会議室」(以下「本件掲示板」という。)を設置した。
 本件掲示板は、誰でも自由なハンドルネームを使用して投稿することができる、いわゆる匿名掲示板である。
イ 平成一六年九月一七日から平成一八年六月一日までの間、本件掲示板に、別紙投稿目録の投稿内容欄記載の内容を含む投稿(以下、同目録の番号欄に従い、「本件投稿@」などといい、本件投稿@ないしNを総称して、「本件各投稿」という。)がされた。
ウ 本件掲示板は、平成一九年七月三一日、閉鎖された。
(4)被告は、平成一六年二月一五日、産能大学自由が丘キャンパス七号館(東京都世田谷区<番地略>所在。)に立ち入った。
二 本訴請求の概要
(1)本件は、原告が被告に対し、(ア)本件各投稿が名誉毀損又は業務妨害に当たるとして、(a)主位的に、被告が、本件各投稿のすべてを自ら投稿したこと、(b)仮に一部の投稿を被告自身がしていないとしても、予備的に、本件掲示板の管理者である被告が、本件掲示板に自動的に公開された本件投稿@ないしEの削除義務を怠り、又は内容を確認した上で本件投稿H、L、Mを公開したことを理由とする損害賠償として、五八五〇万円の支払を、(イ)名誉毀損行為及び被告が原告敷地内に立ち入ったことが本件和解の債務不履行に当たると主張して、本件和解の解除に基づく原状回復請求権として、五〇〇万円の支払を求める事案である。なお、付帯請求(遅延損害金)の起算日は、訴状送達の日の翌日である平成一八年一一月三日であり、利率は、民法所定の年五分の割合である。
(2)被告は、本訴において、本件各投稿のうち、本件投稿F、G、IないしK、Nを自ら投稿したことを認め、本件投稿@ないしE、H、L、Mを自ら投稿したことを争っている。また、被告は、名誉毀損についての違法性又は責任が阻却されるなどと主張する。
三 争点
(1)本件各投稿のうち、被告が責任を負うべき投稿の範囲
ア 被告が本件投稿@ないしE、H、L、Mを自ら投稿したか否か
イ 被告自ら投稿していない場合にも、本件掲示板の管理者として責任を負うか
(ア)本件投稿@ないしEについて被告に削除義務違反があるか
(イ)本件投稿H、L、Mが公開された点につき被告が共同不法行為責任を負うか
(2)本件各投稿が原告の名誉を毀損するか否か
(3)違法性阻却事由の有無
ア 真実性又は相当性の法理に基づき違法性又は責任が阻却されるか
イ 対抗言論の法理等に基づき違法性が阻却されるか
ウ 団結権(憲法二八条)に基づき違法性が阻却されるか
(4)本件投稿@ないしC、E、H、L、Mが原告の業務を妨害するか否か
(5)原告の損害
(6)本件和解の債務不履行解除の成否
第三 争点に関する当事者の主張
一 争点(1)ア(被告が本件投稿@ないしE、H、L、Mを自ら投稿したか否か)
(原告の主張)
(1)被告が投稿したことを否認する本件投稿@ないしE、H、L、Mのハンドルネームは、「内部告発者」、「怒りの現役職員」、「改革者」、「内部告発者(組合員)」であり、被告が投稿したことを認める本件投稿F、G、I、Jのハンドルネームと同一である。
(2)被告は、本件掲示板の管理者であり、他人と同じハンドルネームを使用することはない。また、本件掲示板の運用基準には、「投稿者の氏名およびハンドルネームが他人を装ったものであることが判明した場合には、当該投稿を削除する。」(二項)との基準が定められているから、他人が被告と同じハンドルネームで投稿すれば当該投稿の削除や、当該投稿者に対する警告をするはずであるが、被告はかかる行動をしていない。
(3)したがって、本件投稿@ないしE、H、L、Mは、被告が投稿したものであり、このことは、同各投稿とその前後にされた投稿との脈絡、被告が投稿したことを認める本件投稿F、G、IないしK、Nとの表現の類似性及び原告の単位ないし学位認定の在り方を批判するという発言の姿勢からも明らかである。
(被告の主張)
 被告は、本件投稿F、G、IないしK、Nを投稿したことは認めるが、本件投稿@ないしE、H、L、Mを投稿していない。
 本件掲示板において、投稿者は一個のハンドルネームしか使用できないとの制限はなく、「内部告発者」、「改革者」、「怒りの現役職員」とのハンドルネームは、匿名で投稿する際に一般的に用いられていた。実際、「内部告発者」とのハンドルネームは、被告以外の者により使用されている。
二 争点(1)イ(本件掲示板の管理者としての責任)
(原告の主張)
(1)仮に、被告が投稿したことを否認する本件投稿@ないしE、H、L、Mが、被告以外の者によるものであるとしても、被告は、本件掲示板の管理者として、第三者の名誉を毀損する投稿を削除すべき条理上の義務を負うところ、被告は、後記三のとおり原告の名誉を毀損する本件投稿@ないしEを削除する義務を怠ったから、不法行為責任を負う。
 被告は、原告による削除要求を削除義務の発生要件と主張するが、被告自身が原告の名誉を毀損する内容の投稿をしている本件において原告が削除要求をすれば、たちまち被告の反撃に遭い、原告の被害が拡大するおそれが大きかったのであるから、被告の主張は妥当でない。
(2)本件掲示板の管理体制は、平成一七年六月二六日以降、第三者による投稿が自動的に公開されるとの従前の体制から、管理者である被告による投稿内容の確認を経て公開されるとの体制に変更された。
 したがって、仮に、被告が投稿したことを否認する本件投稿@ないしE、H、L、Mが、被告以外の者によるものであるとしても、被告は、投稿内容を確認した上で、後記三のとおり原告の名誉を毀損する本件投稿H、L、Mを本件掲示板に公開した以上、投稿者と共同不法行為責任を負う。
(被告の主張)
(1)削除義務が発生するのは、削除要求がされた場合に限られると解すべきところ、原告は削除要求をしていないから、被告は削除義務を負わない。
 原告は、削除要求をすれば被告の反撃に遭い、原告の被害が拡大するおそれが大きかった旨主張するが、被告を含む本件掲示板の管理者は、削除要求がされれば削除に応じていた。
(2)本件投稿H、L、Mを本件掲示板に公開したのは、被告ではない。
 原告は、本件掲示板の管理者が被告一人であるかのように主張するが、本件掲示板の管理者は産能ユニオンであり、産能ユニオンに所属していた複数名が本件掲示板の管理者であった。
三 争点(2)(本件各投稿が原告の名誉を毀損するか否か)
 争点(2)に関する当事者の主張は、別紙名誉毀損主張一覧表のとおりである。
四 争点(3)ア(真実性又は相当性の法理に基づき違法性又は責任が阻却されるか)
(被告の主張)
 仮に、本件各投稿が原告の名誉を毀損するとしても、以下のとおり、本件各投稿は、公共の利害に関する事実に係り、専ら公益を図る目的でされたもので、かつ、その摘示する事実は真実であるから、違法性は阻却されるべきである。また、仮に真実でないとしても、被告が真実と信ずるにつき相当の理由があるから、被告の責任は阻却されるべきである。
(1)本件各投稿は、公共性が重視される学校法人である原告の大学運営や経営状況に関するものであるから、公共の利害に関する事実に係り、専ら公益を図る目的でされたものである。
(2)本件各投稿が摘示する事実は、以下のとおり、真実であり、又は被告が真実と信ずるにつき相当の理由がある。
ア 本件投稿F、G、IないしKについて
(ア)平成一六年七月一八日、ハンドルネーム「ギル・助」と名乗る人物が、2ちゃんねるの「産能短期大学通信教育課程パート7」のスレッドに、産能大学の現状を文部科学省に告発したとの内容の投稿をした。
(イ)同年一一月から同年一二月にかけて、2ちゃんねるの「産能短期大学通信教育課程 8」のスレッドに、ハンドルネーム「名無し生涯学習」や「ギル・助」等を名乗る複数の人物が、産能短大の単位取得及び採点基準が厳しくなった、採点基準を緩やかにするように署名活動をするから協力してほしい旨の内容の投稿をした。
(ウ)産能大学に対する補助金交付額は、平成一六年度に激減し、平成一七年度は回復したが、従来の交付額からは大幅に減少した。
(エ)前記(イ)、(ウ)の事情を併せれば、補助金の交付を司る文部科学省が、産能大学を、何らかの形で指導し、監視していることが窺われる。
(オ)平成一七年八月ころ、2ちゃんねるの「産能大学通信教育過程Part13」のスレッド等に、ハンドルネーム「名無し生涯学習」等を名乗る複数の人物が、「二〇七名」といった具体的な数字を挙げて、単位取得を容易にするよう要望する、原告の学生の署名が集まっている旨の内容の投稿をした。
(カ)ハンドルネーム「ギル・助」を名乗る人物は、その後、同「minako」を名乗るようになったが、同人は産能大学通信教育課程の学生で、内実を詳しく知っていたから、同人の投稿内容の信用性は高い。
イ 本件投稿Nについて
(ア)平成一六年二月当時の産能大学においては、多くの学生が喫煙するとフロア全体に煙草の煙が漂い、酷いときには教室の中まで煙が流れ込み、喫煙しない学生及び教職員が受動喫煙を余儀なくされる状態や、喫煙場所以外で喫煙する学生の存在が、同月度の教授会で問題とされた。
(イ)産能大学の平成一八年度の専任教員一人当たりの学生数は四二・九名であり、全国の大学と比較して、数が多かった。
(ウ)産能大学の学生は、履修単位数の制限のために自由に時間割が組めず、受講者数制限のために選択授業の抽選に漏れた学生は半年後又は翌年の履修となり、受けたい授業が自由に受けられない状況にあった。
(エ)産能大学の多くの授業は、会話をしている学生、寝ている学生及び携帯電話で通話している学生がいる中で行われ、学生が集中できる環境になく、学内のマナー及び雰囲気も年々悪くなっていった。
(原告の主張)
(1)本件各投稿は、原告に対する加害目的又は嫌がらせ目的でされたものであるから、公共の利害に関する事実に係り、専ら公益を図る目的でされたものということはできない。
(2)本件各投稿が摘示する事実は真実でなく、かつ、被告が真実と信ずるにつき相当の理由もない。
ア 本件投稿F、G、IないしKについて
(ア)[被告の主張](2)ア(ア)、(イ)について
 2ちゃんねるの投稿は、立場や内容を偽ったものが多く、投稿内容の真実性を基礎付ける事実にならない。なお、被告自身、別紙名誉毀損主張一覧表Kのとおり、「2ちゃんねるに対する世間一般の認識からすれば、当該記載の内容をそのまま真実であると額面どおり受け取ることは考えられない」旨主張している。
(イ)同(ウ)、(エ)について
 被告が、上記本件投稿時において、産能大学に対する平成一六年度の補助金交付額が減少した事実を認識していたことの主張立証はない。また、同事実から、文部科学省等の公的機関が原告の現状を大問題にしたことや、厳しい行政指導をしたことが真実であるとするには著しい飛躍があり、そのことは、[被告の主張](2)ア(イ)、(ウ)を併せたとしても同様である。
 なお、補助金交付額が減少した経緯は、平成一五年度に申請可能と判断して申請したものの、平成一六年度の活動内容を加味すると確実に申請要件に合致するか否か疑義が生じたため、平成一六年度の申請に当たり、安全を期して、平成一五年度分も含めて申請を見送ることとし、所定の手続に従って修正申請をしたことにある。
(ウ)同(オ)について
 本件投稿F、Gは、平成一七年七月三一日までにされたものであるから、同年八月にされた[被告の主張](2)ア(オ)の投稿は、上記投稿の内容の真実性を基礎付ける事実にはならない。また、在学生を装って2ちゃんねるに虚偽の投稿をすることは容易であるから、そのような情報は、本件投稿IないしKの内容の真実性を基礎付ける事実にならない。
(エ)同(カ)について
 本件投稿F、G、IないしKは、平成一七年八月二八日までにされたものであるから、同月三〇日にされた「minako」による投稿は、上記投稿の内容の真実性を基礎付ける事実にならない。
イ 本件投稿Nについて
(ア)[被告の主張](2)イ(ア)の事実は認めるが、教授会が開かれたのは本件投稿Nより二年以上前のことであり、その後対策が採られているし、同事実が「学園が荒廃していること」の根拠にならない。
(イ)同(イ)の事実は不知。専任教員一人当たりの学生数が多いことは、「学園が荒廃していること」の根拠にならない。
(ウ)同(ウ)の事実は認めるが、履修単位数の制限は、一学期間に履修登録ができる単位の上限を設けることにより単位の過剰登録を防ぐキャップ制と言われる制度であり、授業の質向上の方策として文部科学省が積極的に推奨しているほどであり、「学園が荒廃していること」の根拠にならない。
(エ)同(エ)の事実は主観的な評価にすぎず、学生のマナーが悪いとしても、「学園が荒廃していること」の根拠にならない。
五 争点(3)イ(対抗言論の法理等に基づき違法性が阻却されるか)
(被告の主張)
(1)対抗言論の法理等
ア 多種多様な意見を戦わせて真理に到達するという権利の性質にかんがみ、表現の自由(憲法ニ一条一項)は、言論による侵害に対しては言論で対抗することを基本原理とする。したがって、言論により名誉を毀損された者が言論による対抗で名誉回復を図ることが可能な場合には、国家は介入すべきではなく、当初の言論の違法性は阻却されるべきである(対抗言論の法理)。
イ 他方、言論による対抗能力や意思がない者に対し、言論による対抗を求めるのは酷である。そこで、言論により名誉を毀損された者が、当該言論の削除要求により名誉毀損を回避することが可能な場合には、国家は介入すべきではなく、当該言論の違法性は阻却されるべきである。
ウ さらに、本件掲示板のような匿名掲示板においては、一定程度表現が行き過ぎることは当然の前提として、表現が過度にわたらない限り、その違法性は阻却されるべきである。
(2)本件について
ア 本件掲示板においては、言論の自由が可能な限り尊重され、実際、原告側の立場の者による投稿、反論及び再反論の投稿がされていたし、原告は、被告の投稿を把握・分析していたから、言論による対抗で名誉回復を図ることが可能であった。
イ また、本件掲示板には、運用基準が明示されており、産能ユニオンは、原告に対し、平成一七年七月一一日到達の通知書を発して、原告から削除要求があれば、誠実かつ迅速に対応する意思があることを申し入れていたから、原告は、削除要求により名誉毀損を回避することが可能であった。
ウ さらに、本件各投稿は、伝聞や推測を多分に交えたものであることが明示されており、表現が過度にわたるものではない。
エ したがって、仮に、本件各投稿が原告の名誉を毀損するものであるとしても、その違法性は阻却されるべきである。
(原告の主張)
 本件掲示板は、被告が第三者を装い、原告に対する加害又は嫌がらせ目的で設置されたものであり、反論によって正当な議論がされる場面は想定できないから、被告の主張は前提において失当である。
六 争点(3)ウ(団結権に基づき違法性が阻却されるか)
(被告の主張)
(1)本件掲示板は、労働組合法に基づく労働組合である産能ユニオンの本件ホームページに設置されているものであり、その労働組合活動の一環として設置管理されていることは明白である。産能ユニオンは、原告による圧力(勤務時間の内外を問わないキャンパス内の組合活動禁止措置や、被告に対する違法な本件解雇の意思表示等)を回避し、自由な言論を確保するため、本件掲示板への匿名による投稿を絶対的に必要としていた。そして、本件各投稿は、産能ユニオンと有益な情報を共有するとの正当な目的でされたものである。一方、原告は、同投稿の削除を要求せずに放置しているから、同投稿による権利侵害は存在しないか、著しく小さい。
(2)したがって、仮に、本件各投稿が原告の名誉を毀損するものであるとしても、正当な組合活動として、団結権(憲法二八条)に基づき、その違法性は阻却されるべきである。
(原告の主張)
(1)組合活動は、それが正当なものである場合に限り法的に保護されるところ(労働組合法一条二項、八条)、名誉毀損との関係では、組合活動の内容が使用者の労務政策への批判攻撃である場合は、組合の本来的関心に属する事柄であり、内容が真実であれば正当性が認められる。また、組合活動の内容が使用者の経営政策への批判攻撃である場合は、労働条件や労働者の待遇と関連性があり、内容が真実であれば正当性が認められる。
(2)しかしながら、本件各投稿の内容は、使用者である原告の労務政策への批判攻撃であるとは解し難く、原告の経営政策への批判攻撃であるとしても、それが労働条件や労働者の待遇と関連性があるとは解されないし、前記四[原告の主張](2)のとおり、その内容が真実であるとはいえない。
(3)したがって、本件各投稿は、組合活動としての正当性を有しないから、違法性は阻却されない。
七 争点(4)(本件投稿@ないしC、E、H、L、Mが原告の業務を妨害するか否か)
(原告の主張)
(1)被告は、本件投稿@ないしC、E、H、L、Mにおいて、四つのハンドルネームを用いて、被告とは別の原告の教職員及び同OBが匿名で投稿しているかのごとく偽装した(以下「本件なりすまし投稿」という。)。
(2)本件なりすまし投稿は、本件掲示板の閲覧者をして、原告の複数の教職員及び同OBが原告に不満を抱き、原告の経営等に重大な問題点が多数あるとの印象を強く抱かせ、原告をして、事態の把握分析、教職員の調査、新規学生募集に与える影響の検討及び損害拡大の防止等に多大な労力を割かせたものであるから、名誉毀損とは別個の不法行為(業務妨害)を構成する。
(被告の主張)
 原告は、原告の経営に不満を抱く原告の教職員及び同OBが複数存在することが異常な事態であることを前提としているが、どの組織にも経営陣に不満を抱く従業員やOBが複教存在することは一般的であり、異常事態ではない。
 したがって、原告の主張の前提には重大な誤りがあり、失当である。
八 争点(5)(原告の損害)
(原告の主張)
(1)名誉毀損による逸失利益(入学者数減少による損害)
ア 平成一五年度から平成一九年度までの間、産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数は、次のとおり推移した(括弧内の%は前年度比)。
  産能大学 産能短大
平成一五年度 一五二六人 ニー九八人
平成一六年度 一六七九人
(一一〇%)
二四四五人
(一一一%)
平成一七年度 一七九五人
(一〇七%)
二四一六人
(九九%)
平成一八年度 一五九五人
(八九%)
二一六八人
(九〇%)
平成一九年度 一六八五人
(一〇六%)
二一三九人
(九九%)
イ 前記アのとおり、平成一七年度まで増加傾向にあった産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数は、平成一八年度に前年度比各八九%、九〇%に減少したが、その原因は本件各投稿以外に考えられず、平成一八年度の入学者数減少と本件各投稿との間には、相当因果関係がある。
 すなわち、本件各投稿は、原告の教職員らで構成される労働組合のホームページ上に設置された本件掲示版に掲載されており、入学志望者に与える影響は非常に大きい。特に、本件なりすまし投稿は、本件掲示板の閲覧者をして、原告の複数の教職員及び同OBが原告に不満を抱き、原告の経営等に重大な問題点があるとの印象を強く抱かせるものであるから、本件なりすまし投稿がなければ、インターネットで情報収集をする割合が高い通信教育課程の入学志望者が、入学を取りやめなかった可能性が高い。
ウ 本件各投稿がなければ、平成一八年度の産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数は、平成一六、一七年度の平均増加率(各一〇八%、一〇三%)に従い、各一九三八人、二四八八人に増加したと推測され、本件各投稿により、各三四三人、三二〇人の入学者が減少したと推測される。
 これに、産能大学及び産能短大の通信教育課程の書類選考料、入学金、年間学費及び平均在籍年数(順に、産能大学につき、一万円、二万円、一六万円、三・三年、産能短大につき、一万円、二万円、一八万円、一・九年)を併せて計算すると、入学者数減少による損害額は、三億一〇四三万四〇〇〇円となるところ、本件においては、一部請求として、二〇〇〇万円を請求する。
(2)名誉毀損による無形損害
 合計一五個の本件各投稿によって、原告の社会的評価が低下し、原告は、投稿一個当たり一〇〇万円、合計一五〇〇万円を下らない損害を被った。
(3)業務妨害による財産的損害
ア 本件なりすまし投稿によって、教職員が原告の財務状況に疑念を抱き、教職員間の不信感が増大するなど学内が混乱し、原告の経営に致命的な影響が生じる可能性が明らかだったので、原告は、産能大学及び産能短大の教員及び管理職全員を対象に、公認会計士による原告の財務状況に関する説明会を開催せざるを得ず、準備費用三一万一〇〇〇円、人件費一六一万四〇〇○円の損害を被った。
イ 原告の理事長は、本件掲示板の調査、理事等への連絡及び陳述書作成等に多大な時間を費やし、原告は、七七万円を下らない損害を被った。
ウ 原告のB人事部長らは、平成一六年から平成一八年の前半まで、本件掲示板の調査に週平均四時間を費やし、原告は、一七五万円を下らない損害を被った。
エ 以上の算定可能な損害に算定不能な損害を併せると、原告が被告による業務妨害によって被った損害は、合計一〇〇〇万円を下らない。
(4)本件弁護士費用は、一三五〇万円を下らない。
(5)以上によれば、原告が被告の不法行為により被った損害は、合計五八五〇万円を下らない。
(被告の主張)
(1)名誉毀損による逸失利益(入学者数減少による損害)について
ア 産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数の増減を裏付ける客観的資料はなく、入学志願者数の増減すら明らかでない。
イ 本件掲示板においては、平成一六年の開設後、活発な投稿がされていた一方、平成一六、一七年度の産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数は増加しているから、本件掲示板と入学者数減少との間に相関関係はない。また、入学者数減少は、少子化、新大学及び学部の設置に伴う入学定員数の増加、平成一八年度までの入学者数増加の影響による競争倍率の増加に伴う受験の受け控え及び原告による広告宣伝や学生募集の抑制等、様々な要因が考えられる。
 したがって、本件各投稿のみで、入学者数が減少するとは考えられず、本件各投稿と入学者数減少による損害との間に相当因果関係はない。
(2)名誉毀損による無形損害について
 原告の主張は、被告に対する威嚇を意図しており、不相当に過大である。
(3)業務妨害による財産的損害について
ア 原告が開催した説明会は、原告の財務状況に関するものであるが、本件各投稿は、原告の財務状況に関するものではないから、本件各投稿と説明会の開催による損害との間に相当因果関係はない。また、学校法人である原告の財務内容の開示は社会的要請であるし、原告が、他大学のように財務諸表の小項目まで公開していれば、説明会の開催は不要であった。なお、原告は、人件費として時間外手当を支給していない。
イ 原告は、理事長らが、本件掲示板の調査に多大な時間を費やした旨主張するが、原告は、損害拡大防止のために最も迅速容易かつ有効な手段である削除要求を行っていないから、原告の主張は妥当でない。
九 争点(6)(本件和解の債務不履行解除の成否)
(原告の主張)
(1)被告の債務不履行
ア 被告は、本件各投稿により原告を誹誘中傷し、本件和解一七項に違反した。
イ 被告は、平成一六年二月一五日、産能大学自由が丘キャンパス七号館に原告の許可なく立ち入り、本件和解一三項に違反した。
 被告は、七号館は本件和解一三項で特定された住所上に存在しない旨主張するが、同項は「名称 産能大学自由が丘キャンパス」と特定しているし、キャンパスの住所は複数にわたることが通常であるから、同項の効力は、「自由が丘キャンパス」と称する敷地建物に及ぶ。
 また、被告は、原告が本件和解一三項で念頭に置いていたのは自由が丘キャンパスに所在する原告の法人本部である旨主張するが、同項において自由が丘キャンパス以外も立入禁止とされた理由は、従前、被告が法人本部以外の場所に無断侵入を繰り返したためであって、原告が、法人本部以外の場所について被告の立入りを認める和解に応じるはずがない。
(2)原告は、被告に対し、本件訴状の送達(平成一八年一一月二日)をもって、本件和解五項を、債務不履行に基づき解除する旨の意思表示をした。
 被告は、本件和解五項と、一三項及び一七項は対価関係にない旨主張するが、原告は、被告が誹謗中傷及び構内立入りを止めなければ、被告に五〇〇万円もの大金を支払うことはないから、上記和解条項間には対価関係がある。
(3)したがって、被告は、原告に対し、五〇〇万円の原状回復義務を負う。
(被告の主張)
(1)被告は、原告を誹謗中傷しておらず、本件和解一七項に違反していない。
 また、産能大学の自由が丘キャンパス七号館は本件和解一三項で特定された住所には所在しないし、原告が同項で念頭に置いていたのは同住所に所在する原告の法人本部であるから、同住所以外に同項の効力は及ばない。したがって、被告は本件和解一三項に違反していない。
(2)原被告の認識も文言上も、本件和解五項と、一三項及び一七項は対価関係にない。本件和解五項は、本件解雇の意思表示に関する解決金の定めである。
(3)したがって、原告に解除権は発生しない。
第四 争点に対する判断
一 前記第二の一の争いのない事実等に<証拠略>を総合すれば、以下の事実が認められる。
(1)被告は、平成四年四月一日付けで原告に雇用され、講師及び助教授を務めていた。
(2)本件和解
ア 原告は、平成一四年七月一〇日、被告に対し、本件解雇の意思表示をした。
 被告は、本件解雇の意思表示を不服とし、東京地方裁判所に対し、原告を相手方とし、被告が原告との雇用契約上の権利を有する地位にあることの仮の確認並びに賃金及び賞与の仮払を求める仮処分命令を申し立てた(当庁平成一四年(ヨ)第二一二六五号)。
イ 東京地方裁判所は、平成一五年三月二五日、本件解雇の意思表示は解雇権の濫用として無効であるとし、原告に対し被告に対する賃金(同年四月から平成一六年三月まで毎月四〇万円)の仮払を命じる旨の決定をした。
ウ 原告は、同決定に対し保全異議を申し立て(当庁平成一五年(モ)第五六七一号)、原告と被告は、平成一五年一二月二六日、同事件につき、以下の内容を含む本件和解をした。
(ア)原告は、本件解雇の意思表示を撤回し、被告が原告の経営情報学部助教授の地位を有することを確認する。(一項)
(イ)原告は、被告に対し、平成一四年八月分から平成一五年一二月分までの未払給与及び賞与合計七一〇万四三九六円を、平成一六年一月九日限り支払う。(四項)
(ウ)原告は、被告に対し、解決金として、五〇〇万円を、平成一六年一月九日限り支払う。(五項)
(エ)被告は、平成一七年三月三一日限り、原告を退職する。(七項)
(オ)原告は、七項の場合、被告に対し、退職金相当額から支払済みの退職金を差し引いた一一三万円を、同日限り支払う。(八項)
(カ)被告は、平成一五年一二月二六日以後、原告の許可なく、以下の原告施設敷地内に立ち入らない。(一三項)
a 所在 神奈川県伊勢原市<番地略>
 名称 産能大学伊勢原キャンパス
b 所在 東京都世田谷区<番地略>
 名称 産能大学自由が丘キャンパス
c 所在 東京都目黒区<番地略>
 名称 産能大学代官山キャンパス
(キ)被告は、本件解雇の意思表示の撤回を支援する者により開設されたホームページ「Y先生を支援する会」の管理者に対し、平成一六年一月三一日限り、同ホームページ上の一切の記事を削除し、同ホームページを閉鎖するよう要請する。(一六項)
(ク)原告と被告は、相互に相手を誹謗中傷するような言動をしない。(一七項)
エ 原告は、平成一六年一月九日、被告に対し、本件和解五項に基づき、五〇〇万円を支払った。
 また、同日、ホームページ「Y先生を支援する会」に、「Y先生と学校法人産業能率大学とは、同先生が大学から解雇されたことをめぐる紛争について、平成一五年一二月二六日に東京地方裁判所で和解が成立し、紛争は円満に解決しました。」とのメッセージが表示され、同ホームページが閉鎖された。
(3)産能ユニオン
 平成一五年七月二三日、管理組合である産能ユニオンが設立された。設立時から平成一七年六月三〇日までの代表者兼執行委員長は、Aであった。被告は、産能ユニオンの設立時は、書記長であったが、Aが平成一七年六月三〇日に退任するのに伴い、同月二二日以降、執行委員長代行を務め、同年一〇月以降は、代表者兼執行委員長を務めていた。
(4)本件掲示板の設置及び目的等
ア 産能ユニオンは、平成一六年一月中旬ころ、本件ホームページを開設し、その中に、本件掲示板を設置した。
イ 本件ホームページのプロバイダは、ニフティ株式会社(以下「ニフティ」という。)であるところ、産能ユニオン名義ではアカウントを取得するために必要なクレジット契約を締結することができないため、被告がニフティとの契約名義人になっている。
ウ 本件掲示板は、組合員の労働条件の維持改善及びその経済的社会的地位の向上を図り、学園の民主的発展に寄与することを設立目的とする産能ユニオンが運営する本件ホームページ内に設置されており、その設置目的は、産能ユニオンの諸活動に関連する事項について公開の議論を展開し、もって産能ユニオンの設立目的を達せんとする点にある。
エ  本件掲示板は、誰でも自由なハンドルネームを使用して投稿することができる、いわゆる匿名掲示板である。
(5)本件掲示板の管理体制等
ア 本件掲示板は、平成一六年一月中旬ころに設置された際、第三者による投稿が自動的に公開されるとの管理体制が採られていた。そして、同年二月二二日、運用基準が策定され、「投稿者の氏名およびハンドルネームが他人を装ったものであることが判明した場合には、当該投稿を削除する。」(二項)、「投稿記事が削除に相当すると判断した者は、投稿又は電子メールによって削除を依頼することができる。」(五項)等の基準が設けられたが、名誉毀損の投稿を削除する旨の基準は設けられなかった。
 投稿の削除に必要なID及びパスワードは、被告を含めて合計五、六名の産能ユニオンの組合員が管理し、投稿を削除するか否かは、第三者による削除要求又は自主的判断に従い、投稿内容に応じて、個々人の判断又は合議により決していた。
イ 平成一七年六月二二日、産能ユニオンの執行委員長代行となった被告は、本件掲示板に、「以後の産能ユニオンの行動に関する全ての責任はわたくしにあり、交渉その他の窓口もすべてわたくしでございます。」との内容を含む投稿をした。
 また、被告は、同月二五日、本件掲示板に、「検討の結果「投稿記事の掲示に当たってはすべて事前に審査することによって投稿掲載の法的責任をすべて産能ユニオンが負うこととする」ことによって問題が解決できるとの結論を得たことから、審議の結果、このたび、二〇〇五年六月二五日深夜をもってホームページ全面再開を行うことと決定いたしました。」、「掲示板の投稿について異議があり、削除を希望する方は、投稿記事を特定した上で、すべて電子メイル又は投稿によって合理的な理由を付して削除依頼を行ってください。産能ユニオンは、掲示板管理者の合議によって判断し、削除が相当と認めるときは速やかに対応します。」との内容を含む投稿をした。
 これにより、本件掲示板の管理体制は、第三者による投稿が自動的に公開されるとの従前の体制から、平成一七年六月二六日以降は、管理者による投稿内容の確認を経て公開されるとの体制に変更された。
 投稿の公開に必要なID及びパスワードは、被告を含めて合計五、六名の産能ユニオンの組合員が管理し、投稿を公開するか否かは、迅速な掲載を確保するため、個々人の判断によることを原則とし、内容に応じて合議で決されていたが、投稿を公開するか否かの基準としては、言論の自由を保障するとの観点から、投稿内容が一見明白に反社会的でない限り公開するとの方針が採られていた。
ウ 平成一七年一〇月九日、前記イの管理体制の変更が本件掲示板の運用基準に反映され、同日改定の運用基準として、管理者が以下の(ア)ないし(エ)に該当すると判断した投稿は、事前に掲載しないか、又は事後に削除する旨の規定(三項)が設けられた。
(ア)公序良俗に反するもの
(イ)個人を名指しで非難・中傷など個人の名誉を著しく毀損するおそれがあるもの
(ウ)個人のプライバシーを侵害するおそれがあるもの
(エ)「産能ユニオン」の諸活動と関連がないもの
エ 前記イの管理体制の変更の前後を問わず、第三者の名誉等を毀損する内容の投稿がされた場合において、被害者である当該第三者は、管理者に当該投稿の削除要求をすることができるほかは、自ら当該投稿を削除する手段を有していなかった。
(6)原告による削除要求等
ア 原告は、平成一七年六月八日、代理人弁護士を通じて、産能ユニオンの当時の代表者であったAに対し、「Aが本件掲示板の管理者であれば、本件掲示板の違法な投稿を速やかに削除されたい。どの投稿が違法か分からない場合には、個別的に特定させていただく。」旨記載した同日付け通知書を発送した。
イ これに対し、産能ユニオンは、代理人弁護士を通じて、平成一七年七月八日付け通知書により、「本件掲示板は、産能ユニオンが管理運営している。産能ユニオンとしては、原告が、合理的理由を付して削除を希望する投稿を特定した形で具体的に削除要求をすれば、誠実かつ迅速に対応する意思がある。原告が投稿の削除を求めるのであれば、本件掲示板の運用基準五項に則って、本件掲示板に対して削除要求をし、その旨代理人弁護士事務所に通知されたい。」旨回答した。
ウ 原告は、その後、産能ユニオンに対し、削除を求める投稿を特定した削除要求をしなかった。また、前記アの通知書がAに到達した当時、本件掲示板に掲載された投稿数は、一〇〇〇個を超えていた。
(7)発信者情報開示請求
 原告は、平成一七年一一月下旬ころ、東京地方裁判所に対し、ニフティを被告とし、本件掲示板に掲載された投稿につき、発信者情報の開示を求める訴え(当庁平成一七年(ワ)第二一〇五五号)を提起した。東京地方裁判所は、平成一八年六月二九日、ニフティに対し、原告に対して本件投稿F、G、IないしKの発信者情報の開示を命じる旨の判決を言い渡した。その結果、上記五個の投稿は、被告が投稿をしたものであることが判明した。
(8)被告は、平成一六年二月一五日、産能大学自由が丘キャンパス七号館(東京都世田谷区<番地略>所在。)に立ち入った。
二 争点(1)ア(被告が本件投稿@ないしE、H、L、Mを自ら投稿したか否か)について
(1)被告が本件投稿@ないしE、H、L、Mを投稿したことを示す客観的証拠はない。
(2)原告は、被告が投稿したことを否認する本件投稿@ないしE、H、L、Mにおいて、被告が投稿したことを認める本件投稿F、G、I、Jと、同一のハンドルネームが使用されていることから、本件投稿@ないしE、H、L、Mも、被告が自ら投稿したものである旨主張する。
 しかしながら、前記認定のとおり、本件掲示板は、誰でも自由なハンドルネームを使用して投稿することができる、いわゆる匿名掲示板であるところ(前記一(4)エ)、かかる掲示板において、各投稿者につき特定のハンドルネームを使用しなければならないとの規定も技術的な手段もない以上、同一のハンドルネームを複数の投稿者が使用することがあり得ないではない。
 実際にも、本件掲示板において、「内部告発者」とのハンドルネームは、産能ユニオンの組合員であったCによっても用いられているところであり、これを含め、被告が投稿したことを認める本件投稿G、I、Jにおいて使用された「改革者」、「怒りの現役職員」とのハンドルネームが、被告以外の第三者によっても使用されていた可能性も否定できない。なお、原告は、Cによる「内部告発者」としての投稿に被告が関与している根拠として別件の準備書面及び尋問調書を提出するが、これらによって、前記判断を左右しない。
(3)また、原告は、被告が投稿を否認する本件投稿@ないしE、H、L、Mは、その前後にされた投稿との脈絡や、被告が投稿を認める表現との類似性及び原告の単位ないし学位認定の在り方を批判するという発言の姿勢からも、被告が自ら投稿したものである旨主張する。
 しかしながら、本件掲示板の性質上、原告を批判するという発言の姿勢が共通することはあり得るところであり、原告の上記主張をもっても、被告が本件投稿@ないしE、H、L、Mを自ら投稿したと認めるに足りない。
(4)以上のとおり、被告が本件投稿@ないしE、H、L、Mを自ら投稿したことを認めるに足りない。
三 争点(1)イ(本件掲示板の管理者としての責任)について
(1)インターネット上の掲示板に第三者の名誉を毀損する投稿を掲載する行為は、瞬時にかつ不特定多数の者が当該投稿を容易に閲覧することができるため、当該第三者の社会的評価を大きく低下させるなどの蓋然性が高い。そして、インターネット上に掲示板を開設し管理する者は、第三者の名誉を毀損する投稿がされないよう、事前に適切な対策を採るだけでなく、そのような投稿がされた場合には、適切な是正措置を速やかに行うべき条理上の義務を負うべき場合もあり得るというべきである。
 他方、掲示板の管理者において、当該投稿が名誉毀損に当たるか否かの判断が困難な場合も少なくない。また、第三者の名誉を毀損する投稿について、投稿者との関係で管理者が公開せず又は削除できるとの管理体制が明確化されていない場合に、管理者が独善的に当該投稿を公開しなかったり削除したりすると、当該投稿者の言論の自由等を不当に制限することになる危険性も否定できない。
 そこで、管理者がいかなる場合に上記条理上の義務を負うかについては、掲示板の目的や管理体制、被害者が採り得る救済手段の有無及び名誉毀損の態様や程度等を総合して、個別具体的に判断すべきである。
(2)以下、まず、被告が、本件投稿@ないしEにつき、削除義務を負うか否かについて検討する。
ア 前記認定のとおり、本件掲示板においては、平成一六年一月中旬ころの設置以後、平成一七年六月二五日までの間、第三者による投稿が自動的に公開される管理体制が採られていた。そして、本件掲示板の投稿が削除に相当すると判断した者は、平成一六年二月二二日策定の本件掲示板の運用基準五項に従い、投稿又は電子メールによって、当該投稿の削除を依頼することができたものの、自ら削除するなどの手段はなかった。また、名誉毀損の投稿を削除する旨の基準はなかったが、投稿の削除に必要なIDパスワードは、被告を含む五、六名の産能ユニオンの組合員が管理し、投稿を削除するか否かは、第三者による削除要求又は自主的判断に従い、投稿内容に応じて個々人の判断又は合議により決していた。なお、被告は、ニフティとの契約名義人となっている。(以上、前記一(5)ア)
 以上の事実関係の下においては、被告は、産能ユニオンから本件掲示板の管理を受託した管理者の一人ということができる。そして、被告は、本件掲示板の管理者の一人として、本件掲示板の投稿の削除権限を有する者の一人といえるから、第三者の名誉を毀損する投稿がされたことを具体的に知った場合、これを削除すべき条理上の作為義務を負い得る。
イ 他方、管理者において、投稿が名誉毀損に当たるか否かの判断が困難な場合も少なくないし、専門的に掲示板の管理のみを行っているわけではない管理者に、常に掲示板の監視義務を負わせることが困難な場合もある。また、明確な運用基準が定められていない場合において、管理者による投稿の削除は、当該投稿者の言論の自由等を不当に制限する危険性も否定できない。さらに、使用者である原告に対する批判的な内容を含む投稿をむやみに削除することは、産能ユニオンの諸活動に関連する事項について公開の議論を展開し、もって産能ユニオンの設立目的を達せんとする本件掲示板の設置目的を阻害する結果ともなりかねない。
 したがって、本件掲示板の管理者の一人である被告としては、本件掲示板の投稿に関しては、一見して第三者に対する誹謗中傷を含むなど第三者の名誉を毀損することが明らかな内容の投稿については、上記内容の投稿を具体的に知ったときには、第三者による削除要求なくして削除義務を負うとするのが条理に適うというべきであるが、これに至らない内容の投稿については、第三者から削除を求める投稿を特定した削除要求があって初めて削除義務を負うというのが相当である。
ウ 本件投稿@ないしEは、原告の社会的評価を低下させる内容の表現を含むことは否定できないものの、一見して誹謗中傷を含むなど原告の名誉を毀損することが明らかであるとまではいうことはできない。
 そして、前記一(6)で認定したとおり、原告は、平成一七年六月八日付け通知書をもって、産能ユニオン代表者であったAに対し、「本件掲示板の違法な投稿を速やかに削除されたい。」旨、個別具体的な特定をすることなく、包括的な削除要求をしたにとどまる。そして、原告は、同通知書に「どの投稿が違法か分からない場合には、個別的に特定させていただく。」旨記載していたにもかかわらず、産能ユニオンから、「産能ユニオンとしては、原告が、合理的理由を付して削除を希望する投稿を特定した形で具体的に削除を要求すれば、誠実かつ迅速に対応する意思がある。」旨記載された平成一七年七月八日付け通知書を受けた後、産能ユニオンに対し、削除を求める投稿を特定した上での削除要求をしなかったものである(前記一(6))しかるに、専門的に本件掲示板の管理のみを行っているわけでもない被告が、多数の投稿を常時監視してその都度削除の要否を検討することは、事実上不可能と解されるところ、上記平成一七年六月八日付け通知書がAに到達した当時、本件掲示板に掲載された投稿数は、一〇〇〇個を超えていたのであり(前記一(6)ウ)、その一つ一つの内容が名誉毀損に当たるか否かの判断をすることも困難であって、事実上不可能を強いるものといわざるを得ない。
 したがって、被告に、本件投稿@ないしEの削除義務違反があったとはいえない。
エ 原告の主張について
 これに対し、原告は、被告自身が原告の名誉を毀損する内容の投稿をしている本件において原告が削除要求をすれば、たちまち被告の反撃に遭い、原告の被害が拡大するおそれが大きかったとして、原告による削除要求を削除義務の発生要件とすることは妥当でない旨主張する。
 しかしながら、被告が、多数の投稿を常時監視して、その都度名誉毀損に当たるか否かを判断し、削除の要否を検討することが事実上不可能であったことは、前記ウ判示のとおりであるし、原告は、自ら削除を求める投稿を特定するといいながら、それを行わなかったものである。
 したがって、原告の主張は採用することができない。
オ 以上のとおり、本件投稿@ないしEについて、被告に削除義務違反があったということはできない。
(3)次に、本件投稿H、L、Mが本件掲示板に公開された点につき、被告が投稿者と共同不法行為責任を負うか否かについて判断する。
ア 前記認定のとおり、産能ユニオンの執行委員長代行となった被告は、産能ユニオンの行動に関する責任はすべて被告にあることを宣言した上、平成一七年六月二五日、本件掲示板に、「検討の結果「投稿記事の掲示に当たってはすべて事前に審査することによって投稿掲載の法的責任をすべて産能ユニオンが負うこととする」ことによって問題が解決できるとの結論を得たことから、審議の結果、このたび、二〇〇五年六月二五日深夜をもってホームページ全面再開を行うことと決定いたしました。」との内容を含む投稿をした。そして、本件掲示版の管理体制は、第三者による投稿が自動的に公開されるとの従前の体制から、平成一七年六月二六日以降は、管理者による投稿内容の確認を経て公開されるとの体制に変更された。また、投稿の公開に必要なID及びパスワードは、被告を含めて合計五、六名の産能ユニオンの組合員が管理し、投稿を公開するか否かは、迅速な掲載を確保するため、個々人の判断によることを原則とし、内容に応じて合議で決されていた。(以上、前記一(5)イ)
イ このように、被告は、平成一七年六月二六日以降、産能ユニオンの執行委員長代行として、上記組合員と共に、投稿内容をすべて事前に審査し、本件掲示板に公開する投稿に関する法的責任は産能ユニオンが負うとすることを本件掲示板に明示したのであるから、被告は、産能ユニオンから本件掲示板の管理を受託した管理者の一人ということができる。そして、本件掲示板に第三者の名誉を毀損する投稿がされた場合は、被告は、管理者の一人として、当該投稿を公開しない条理上の義務を負い、これに反して当該投稿を公開した場合には、速やかにこれを削除すべき条理上の義務を負うというべきである。
 したがって、上記時点以降、本件掲示板に公開した投稿が第三者の名誉を毀損する場合には、被告は、本件掲示板の管理者として、産能ユニオンと共に、自ら投稿した者と同等の責任を甘受すべきである。なお、本件掲示板の管理者である上記被告ら組合員は、投稿を公開するか否かについて、内容に応じて合議で決していたことからすれば、いずれかの管理者が公開した投稿について、他の管理者も相互に連帯してその責任を負うべきであり、これを免れるためには、当該投稿を速やかに削除する必要があるというべきである。
ウ 以上によれは、被告は、本件掲示板に公開された本件投稿H、L、Mが第三者の名誉を毀損する場合、自ら投稿した者と共に、共同不法行為責任を負うべきである。
四 争点(2)(本件各投稿が原告の名誉を毀損するか否か)について
(1)前記三までに判示したところによれば、被告は、本件各投稿のうち、被告が投稿したことに争いがない本件投稿F、G、IないしK、N及び管理者として貴任を負うべき本件投稿H、L、Mが名誉毀損に当たる場合は、その責任を負うべきことになる。以下、上記各投稿が原告の名誉を毀損するか否かについて判断する。
(2)ある表現が他人の名誉を毀損するか否かについては、一般の読者の普通の注意と読み方を基準に判断すべきであるところ、本件投稿FないしNが摘示する事実等は、以下のとおりである。
ア 本件投稿F、I、Kは、「産能大学の一七名の卒業生及び在学生が、文部科学省に対し、産能大学がMILL、すなわち、学位を乱発していることを実名告発した結果、文部科学省が、産能大学に対し、厳しい行政指導を行い、厳重な監視下に置いた。」との事実を摘示するものである。
イ 本件投稿Gは、前記アの事実及びこれを前提に、「産能大学の学生は皆、資格試験や学歴ロンダリングを目的として入学している。」との事実並びに「産能大学の二〇七名の卒業生及び在学生が、原告の理事長宛てに、「もっと簡単に単位を取れるようにしろ」との内容の著名入りの要望書を提出した。」との事実を摘示するものである。
ウ 本件投稿Jは、アの事実及び「産能大学の二〇七名の卒業生及び在学生が、原告の理事長宛てに、「もっと簡単に単位を取れるようにしろ」との内容の署名入りの要望書を提出した。」との事実を摘示するものである。
エ 本件投稿Lは、「産能は末期的なのだと思う。」との意見論評を述べるとともに、「産能大学は、公認会計士が何と言おうが、財務的に危機である。」との事実を摘示するものである。
オ 本件投稿Mは、「産能ユニオンの前委員長が産能ユニオンを脱退し、原告を退職した。」、「原告が前委員長を恫喝した。」との各事実を摘示し、これらを前提に、「脱退及び退職に至る経緯並びに恫喝の問題は、不当労働行為に当たるおそれがある。」との意見論評を述べたものである。
カ 本件投稿Nは、「原告は、経営者としての資質に極めて大きな問題のある現理事長のワンマン経営の結果暴走し、全国的にも類例のないほど荒廃しつつある。」の事実を摘示するものである。
キ なお、本件投稿Hは、「職場の空気を悪くして俺たちのやる気無くさせてる」人物を糾弾するものといえるが、その対象が原告に向けられていると読むことはできないから、原告に対する名誉毀損の成否は問題とならないというべきである。
(3)前記(2)アないしカのとおり、本件投稿F、G、IないしNが摘示する事実等は、一般人をして、適切公正に認定されるべき単位認定基準(前記(2)アないしウ)、学生の勤勉意欲の程度(同イ、ウ)、大学存続の基盤をなす経営状況(同エ、オ)及び運営状況(同オ、カ)等、学校法人の社会的評価を左右する重要事項について、原告には重大な問題があると理解させるものということができるから、本件投稿F、G、IないしNは、原告の社会的評価を低下させるものと評価すべきである。
(4)そして、本件投稿F、G、IないしNは、インターネット上の本件掲示板に公開されたことにより、不特定多数の者が閲覧可能な状態に置かれたものである。
(5)以上によれば、本件投稿F、G、IないしNは、公然と事実を摘示して原告の名誉を毀損するものであるということができる。
五 争点(3)ア(真実性又は相当性の法理に基づき違法性又は責任が阻却されるか)について
(1)本件投稿F、G、IないしNは、学校法人である原告の大学運営及び経営状況等に関するものであり、これが産能ユニオンの目的達成を設置目的とする本件掲示板に投稿されたものであるから、本件各投稿は、公共の利害に関する事実に係り、専ら公益を図る目的でされたものと認められる。
(2)真実性及び相当性について
ア 被告は、本件投稿F、G、IないしK、Nが摘示する事実は真実であり、又は被告が真実と信ずるにつき相当の理由がある旨主張する。
イ 本件投稿F、G、IないしKについて
(ア) 前記四(2)アないしウに判示したとおり、本件投稿F、G、IないしKは、(a)「産能大学の一七名の卒業生及び在学生が、文部科学省に対し、産能大学がMILL、すなわち、学位を乱発していることを実名告発した結果、文部科学省が、産能大学に対し、厳しい行政指導を行い、厳重な監視下に置いた。」との事実(本件投稿F、G、IないしK)、(b)「産能大学の学生は皆、資格試験や学歴ロンダリングを目的として入学しており、産能大学の二〇七名の卒業生及び在学生が、原告の理事長宛てに、「もっと簡単に単位を取れるようにしろ」との内容の署名入りの要望書を提出した。」との事実(本件投稿G、J)を摘示するものである。
(イ)仮に、上記(a)及び(b)の事実が真実であるならば、文部科学省作成に係る産能大学に対する行政指導文書や、産能大学の卒業生らから提出された要望書が存在してしかるべきであるが、それらの証拠は提出されていない。
 他方、被告は、2ちゃんねるの投稿をもって、真実性及び相当性を基礎付ける事実として主張するが(前記第三の四(被告の主張)(2)ア(ア)、(イ)、(オ)、(カ))、2ちゃんねるの投稿には、幾分かの真実も含まれていることは否定できないとしても、虚偽の内容の投稿も多分に混在している可能性が高いというべきであって、投稿内容に関する客観的な裏付けもない本件において、2ちゃんねるの投稿をもって、上記(a)及び(b)の各事実が真実であり、又は被告が真実と信ずるにつき相当の理由があると認めることはできない。
 また、被告は、産能大学に対する補助金交付額が従来から大幅に減少したことをもって、真実性及び相当性を基礎付ける事実として主張するが(同(ウ))、同事実と上記(a)及び(b)の各事実との間に相当の関連性を見出すことはできないというべきであって、同事実をもって、上記(a)及び(b)の各事実が真実であり、又は被告が真実と信ずるにつき相当の理由があると認めることはできない。
ウ 本件投稿Nについて
(ア)前記四(2)力に判示したとおり、本件投稿Nは、「原告は、経営者としての資質に極めて大きな問題のある現理事長のワンマン経営の結果暴走し、全国的にも類例のないほど荒廃しつつある。」との事実を摘示するものである。
(イ)被告は、前記第三の四(被告の主張)(2)イ(ア)ないし(エ)の各事実をもって、本件投稿Nの真実性及び正当性を基礎付ける事実として主張するが、仮に、被告主張に係る事実が真実であるとしても、同事実は、およそ「原告が全国的にも類例のないほど荒廃しつつある。」との事実が真実であると推認するには足りないといわざるを得ず、被告が真実と信ずるにつき相当の理由があると認めることもできない。
エ なお、被告は、本件投稿L、Mについて、真実性及び相当性に関する具体的な主張をしていないし、同各投稿が摘示する事実が真実であり、又は被告が真実と信ずるにつき相当の理由があると認めるに足りる証拠もない。
(3)以上によれば、本件投稿F、G、IないしNが摘示する事実が真実であり、又は被告が真実と信ずるにつき相当の理由があると認めることはできない。
六 争点(3)イ(対抗言論の法理等に基づき違法性が阻却されるか)について
(1)被告は、原告は言論による対抗で名誉回復を図ることが可能であったことを理由として、本件投稿F、G、IないしNの違法性は、対抗言論の法理により阻却されるべきである旨主張する。
 なるほど、言論による侵害に対しては、言論で対抗することが、表現の自由の基本原理であり、名誉を毀損された被害者が、加害者に対し、十分に反論をすることにより名誉回復を図ることが可能な議論の場が存在し、かつ、その反論が効を奏した場合には、被害者の社会的評価が低下したとはいえない。また、相対する当事者間において、被害者が、加害者の名誉毀損発言を誘発するような発言をし、加害者がそれに対抗して被害者の名誉を毀損する発言をした場合も、被害者の発言内容、加害者による発言がされるに至った経緯及び加害者の発言内容等を勘案して、加害者の発言が、対抗言論としで許される範囲内のものである限り、違法性が阻却されるものと解される。
 そして、インターネットの利用者は、相互に情報の送受信が可能で、言論の応酬をすることができる手段を有しているから、インターネットを利用して対抗する能力及び意思がある者にとっては、インターネット上で名誉毀損表現に反論することも可能である。
 しかしながら、インターネット上の掲示板における投稿は、相対する当事者間の論争と異なり、当事者間の言論と言論との間に時間的な隔たりが介在する余地があるところ、閲覧する目的、頻度及び回数は、掲示板の閲覧者毎に様々であるから、閲賢者が一方の言論に対する他方の反論(対抗言論)を確認するとは限らない。被告の上記主張に従うと、閲覧者が、一方当事者の言論(名誉毀損表現)のみで論争の当否を判断することを是認する結果となり、実際に、他方当事者が言論による対抗をしたとしても、名誉回復を図ることができない。しかも、本件においては、原告は、本件投稿F、G、IないしNに対し、実際に反論をしていないのであるから、本件掲示板上で原告の名誉回復が図られていない。さらに、本件投稿F、G、IないしNが摘示する前記五(2)イ(ア)の(a)及び(b)の事実に対し、上記事実が存在しないこと又は虚偽であることを言論することは必ずしも容易ではなく、本件において、原告に、本件掲示板上での反論を要求することも相当とはいえない。
 したがって、被告の上記主張は採用できない。
(2)被告は、原告は削除要求により名誉毀損を回避することが可能であったことを理由として、本件投稿F、G、IないしNの違法性は阻却されるべきである旨主張する。
 しかしながら、原告が、削除要求により、その後の名誉毀損を回避することが可能であったとしても、これにより、既にされた名誉毀損表現の違法性に消長を来すものということはできない。
 したがって、被告の上記主張は採用できない。
(3)被告は、本件各投稿の表現は過度にわたるものではないことを理由として、本件投稿F、G、IないしNの違法性は阻却されるべきである旨主張する。
 しかしながら、被告の上記主張に従うと、匿名掲示板においては、表現が過度にわたらなければ、名誉毀損表現も許容されるとの結論に至ることになるが、そのような結論はおよそ採り得ない。
 したがって、被告の上記主張は採用できない。
七 争点(3)ウ(団結権に基づき違法性が阻却されるか)について
(1)被告は、団結権(憲法二八条)に基づき、本件投稿F、G、IないしNの違法性は阻却されるべきである旨主張する。
(2)本件投稿F、G、IないレNは、労働組合たる産能ユニオンの組合活動の一環として行われたものであるところ、組合活動が正当なものといえるかについては、組合活動の目的、態様及び内容の正当性等を総合考慮して判断すべきである。
 そして、労働組合が、労働者が使用者と対等の立場に立つべく、使用者と対峙し批判することもあり得る立場にあることを考慮すると、本件のように、使用者に対する表現行為が名誉毀損に当たるとされる場合においては、当該表現内容が真実であり、又は真実と信ずるにつき相当の理由があり、かつ、表現自体が相当で、表現活動の目的及び態様等においても正当な場合には、憲法二八条、労働組合法八条の趣旨に照らし、正当な組合活動として、その違法性が阻却されると解すべきである。
(3)しかしながら、以下のとおり、本件投稿F、G、IないしNが、正当な組合活動として違法性が阻却されるということはできない。
ア 本件投稿F、G、IないしNは、産能ユニオンの目的違成を目的とする本件掲示板において、被告を含む組合具によって投稿又は公開されたものといえるから、労働組合たる産能ユニオンの組合活動の一環として行なわれたものといえる。
 また、上記各投稿は、不特定多数の者が閲覧し、他に容易に伝播する可能性があるインターネット上に設置された本件掲示板に公開されたものであるが、現代の情報化社会においては、かかる表現態様ゆえに直ちに不当なものとはいえない。
イ 他方、前記四、五に判示したとおり、本件投稿F、G、IないしNが摘示する事実は、いずれも、一般人をして学校法人の社会的評価を左右する重要事項について原告に重大な問題があると理解させるものということができるところ、同事実が真実であるとも、又は被告が真実と信ずるにつき相当の理由があるとも、認めることはできない。
ウ 以上によれば、上記各投稿は、正当な組合活動の範囲を逸脱しており、違法性が阻却されるということはできない。
(4)したがって、被告の上記主張は採用できない。
八 争点(4)(本件投稿@ないしC、E、H、L、Mが原告の業務を妨害するか否か)について
(1)原告は、被告が本件投稿@ないしC、E、H、L、Mにおいて、四つのハンドルネームを用いて、被告とは別の原告の教職員及び同OBが匿名で投稿しているかのごとく偽装したことが、名誉毀損とは別個の不法行為(業務妨害)を構成する旨主張する。
(2)原告の上記主張は、いずれの投稿も被告が自ら投稿したことを前提とするものである。しかしながら、前記二に判示したとおり、本件投稿@ないしC、E、H、L、Mについては、被告が自ら投稿したと認めるに足りず、したがって、被告以外の第三者が投稿したことを前提とするほかないから、原告の上記主張は、その前提を満たさないというべきである。
(3)したがって、原告の上記主張は採用できない。なお、原告が、本件各投稿がされたことにより、事態の把握分析等に多大な労力を割いたという事情については、名誉毀損による損害を算定するに当たり、考慮することとする。
九 不法行為責任についてのまとめ
 以上までに判示したところによれば、被告は、原告の名誉を毀損する本件投稿F、G、IないしK、Nを投稿し、本件投稿L、Mを公開したことについて、原告に対し、不法行為責任を負うべきである。
一〇 争点(5)(原告の損害)について
(1)名誉毀損による逸失利益(入学者数減少による損害)について
ア 原告は、本件各投稿により、平成一八年度の産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数が減少し、合計三億一〇四三万四〇〇〇円の損害を被った旨主張する。
イ 証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)平成一五年度から平成一九年度までの間、産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数は、前記第三の八(原告の主張)(1)アのとおり推移した。
(イ)平成一八年度の全国短大入学者数は九万〇七四〇名であり、前年度の九万九四三一名から八六九一名減少したのに対し、平成一八年度の全国大学入学者数は六〇万三〇五四名であり、前年度の六〇万三七六〇人から七〇六名減少したにとどまる。
(ウ)平成一八年度の私立大学の入学志願者数、受験者数及び入学者数は、前年度比でそれぞれ二・二%、二・五%、〇・三%減少し、入学定員充足率が一〇〇%未満の学校数は四〇・四%を占め、前年度から一〇・九ポイント増加した。
(エ)本件掲示板が設置された平成一六、一七年度の産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数は前年度比で増加ないし同数で推移し、本件掲示板が閉鎖された後の平成二〇年度の産能大学の通信教育課程の入学者数は前年度比で減少した。
ウ 本件各投稿のうち、被告が原告に対し不法行為責任を負うのは、本件投稿F、G、IないしNに限られるところ、その内容が原告の社会的評価を低下させるものであり、上記各投稿が原告の教職員により構成される労働組合である産能ユニオンが運営する本件ホームページに設置された本件掲示板に掲載されていたことを考慮しても、上記のわずか八個の投稿によって、前記イ(ア)のとおり入学者数が減少することは、容易に想定し難いといわざるを得ない。
 また、前記イ(イ)、(ウ)のとおり、平成一八年度の短大入学者数は、全国的に減少傾向にあったのに対し、大学入学者数は、全国的な減少傾向にあったということはできないものの、平成一八年度に入学者数が減少した私立大学数は、全国的に増加傾向にあったということができる。
 そして、前記イ(エ)に照らせば、本件掲示板の存在と産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数の増減との間に、特段の相関関係があるということはできない。
 以上を総合すれば、本件投稿F、G、IないしNによる名誉毀損と、平成一八年度の産能大学及び産能短大の通信教育課程の入学者数減少との間に、相当因果関係を認めることはできない。
エ したがって、入学者数減少による損害を認めるに足りず、原告の上記主張は採用できない。
(2)名誉毀損による無形損害について
ア 前記四に判示したとおり、本件投稿F、G、IないしNが摘示する事実等は、一般人をして、学校法人の社会的評価を左右する重要事項について、原告に重大な問題があると理解させるものということができる。
 また、前記五に判示したとおり、上記各投稿が摘示する事実等が真実であると認めることはできないにもかかわらず、本件掲示板が原告の教職員により構成される労働組合である産能ユニオンが運営する本件ホームページ内に設置されていたことからすれば、インターネットで「産能大学」と検索した者が、本件掲示板を閲覧し、上記各投稿を目にした可能性は高いとともに、閲覧者が、上記各投稿が摘示する事実等が真実であると受け取ることは、十分想定できる。
 そして、上記各投稿は、本件掲示板が閉鎖された平成一九年七月三一日まで、短いものでも約一年二か月、長いものは約二年の間にわたり、インターネット上で閲覧可能な状態に置かれていたものであることに照らせば、上記各投稿が広範囲に伝播した可能性も否定できない。
 以上によれば、原告が被った社会的評価の低下の程度は、決して低いものということはできない。
イ 原告と被告は、本件和解一七項において、「原告と被告は、相互に相手を誹謗中傷するような言動をしない。」と約したところ、本件投稿F、G、IないしNの内容が原告を誹謗中傷するものとまではいえないとしても、前記四に判示したとおり、上記各投稿は、原告の社会的評価を低下させ、その名誉を毀損するものであって、本件和解一七項の趣旨に反するものであることは否めない。
ウ また、<証拠略>を総合すれば、(ア)原告が、本件掲示板において本件和解前と同様に原告に対する誹謗中傷がされ、産能大学の学長のプライバシーに関する情報が掲載されたと判断し、平成一七年四月ころ、本件掲示板に関する調査検討委員会を設置し、原告の理事長や教職員が本件掲示板の調査対応に当たったこと、(イ)原告が、本件各投稿によって、教職員が原告の財務状況に疑念を抱き、教職員間の不信感が増大するなど学内が混乱したと判断し、同年七月二二日、産能大学及び産能短大の教員及び管理職全員を対象に、公認会計士による原告の財務状況に関する説明会を開催したこと、(ウ)原告が、同年一一月下旬ころ、東京地方裁判所に対し、ニフティを被告とし、本件掲示板に掲載された八個の投稿につき、発信者情報の開示を求める訴え(当庁平成一七年(ワ)第二一〇五五号)を提起したこと、(エ)原告が、上記調査対応、説明会の開催及び訴訟提起等のために、相応の支出をしたことが認められる。
 もっとも、本件各投稿のうち、被告が原告に対し不法行為責任を負うのは、本件投稿F、G、IないしNに限られるところ、これらの投稿が本件掲示板に公開されたのは、上記(ア)、(イ)より後の平成一七年七月二四日以降であること、本件投稿Nが公開されるまでに本件掲示板に公開された投稿は合計一八一三個に上ることからすれば、上記(エ)の原告の支出のうち、被告の不法行為と相当因果関係があるのは、ごく一部に限られるというべきである。
エ 一方、本件投稿F、G、IないしNの内容は、原告を誹謗中傷するものとまではいうことができないし、前記一(4)ウで認定したとおり、労働組合である産能ユニオンが開設した本件掲示板の設置目的は、産能ユニオンの諸活動に関連する事項について公開の議論を展開し、もって産能ユニオンの設立目的を達せんとするものである。
 また、前記一(6)で認定したところによれば、原告は、産能ユニオンに対し、削除すべき投稿を特定した上で削除要求をすることが可能であり、これにより損害の拡大を防ぐことが可能であったにもかかわらず、具体的な削除要求をしなかったものである。
オ 以上の諸般の事情を総合すれば、本件投稿F、G、IないしNという一連の名誉毀損行為によって原告が被った損害を慰謝するには、四〇〇万円をもって相当とすべきある。
(3)弁護士費用について
 本件訴訟の事案の内容及び審理経過等の諸般の事情を総合すれば、被告の不法行為と相当因果関係のある弁護士費用は、五〇万円と認めるのが相当である。
一一 争点(6)(本件和解の債務不履行解除の成否)について
(1)原告は、被告が本件和解五項と対価関係にある一三項及び一七項に違反した旨主張して、被告に対し、本件和解五項の債務不履行解除に基づく原状回復として、原告が同項に基づき被告に支払った五〇〇万円の支払を求めている。
(2)しかしながら、本件和解五項は、「債務者(原告)は、債権者(被告)に対し、本件の解決金として五〇〇万円を支払う」旨定めるところ、同項にいう「本件の解決金」とは、文理上、被告が原告との雇用契約上の権利を有する地位にあることの仮の確認並びに賃金及び賞与の仮払を求める仮処分手続に関する解決金をいうものと解される。また、本件和解条項において、被告が本件和解一三項及び一七項に違反した場合の違約金の定めは明示されていない。
 したがって、本件和解五項と、一三項及び一七項が、対価関係にあると解することはできない。
(3)よって、原告の上記主張は理由がない。
一二 結論
 以上によれば、原告の本訴請求は、被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として四五〇万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成一八年一一月三日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるからこれを認容し、その余の請求は理由がないから棄却することとし、訴訟費用の負担について民訴法六四条本文、六一条を、仮執行の宣言について同法二五九条一項を、それぞれ適用して、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所第32民事部
 裁判長裁判官 高部眞規子
 裁判官 安田大二郎
 裁判官 吉村弘樹


別紙 名誉毀損主張一覧表 略
別紙 投稿目録
番号 題名 ハンドルネーム 投稿日時 投稿内容
@ 在籍者数隠蔽の怪 内部告発者 2004/09/17
(金)00:38
短大通教は2006年を目処に四大通教と統合するらしいから、完全な縮小路線である。学生がまったく集まらなくなりつつあるわけだ。時間の問題で、短大自体がなくなるだろう。もう、この流れは止まらないはずだ。
教務課員のMがひどくおどおどしている。不当労働行為に関係して彼の行動が問題になっているという噂である。いやがらせのつもりで組合幹部のI助教授の授業に難癖をつけたのが不当労働行為として認定されそうだとのことだ。
A 学生募集の個人的見通し 内部告発者 2004/11/23
(火)14:17
河野一族に迂回献金をしただけの結果に終わらなければ幸いである。多分、警察とマスコミが目を付け始めているんじやないか。
B 大學による組合潰し? 内部告発者 2004/12/06
(月)21:37
学生野間にウワサが流れている。組合の女先生を大学がいじめているというウワサだ。
密室で何が行われたのかわからないが、彼らがよってたかって彼女を難詰したことくらい容易に想像がつく。かよわい女性に集中攻撃をかけて組合を潰そうというハラであろう。
C ここで告発すべき華道(ママ)かは分からないが 内部告発者 2004/12/16
(木)22:11
産能のコンピュータ設備が他大学に自慢するに足るものであったのは「今は昔」の話だ。新入生全員にノートパソコンを持たせたのをいいことに、自前の設備の更新を怠った。そのくせ施設費は依然(ママ)と同様に学生の親から徴収しているのだから恐れ入る。おかげで施設はボロボロガタガタ、一番消耗の激しいプリンタはほとんどが故障している。それを修理したり更新したりする気もないのだ。石原先生が逃げ出したのも当然である。
D 敢えて入試方法を問う(その1) 内部告発者 2005/01/21
(金)08:49
学生集めに年間2億円もの経費をかけなければならず、それが受験生や高校の先生たちに対する接待などにも使われているというのは衝撃であった。そんなふうに受験生や高校に媚びなければ学生が集まらないのだろうか。
しかも、最終的な「就職確定者」数は公表されていない。内定者数が延べ人数であるかどうかも明確ではない。巧妙な粉飾が行なわれているのではないかと疑うのは私だけではあるまい。
E 敢えて入試方法を問う(その2) 内部告発者 2005/01/21
(金)09:03
その結果、学生の到達水準は著しく低下した。それを食いとめようとするには超人的な努力が必要なので、大多数の教員はなし崩し的に指導を放棄した。諦めずに学生を叱咤激励していたF教授やI教授、M教授やユニオン書記長のT助教授もおいでになったが、F教授はネット上の発言をとがめられて追放され、通信教育部創業の幹部であったI教授やM教授は辞職又は沈黙を余儀なくされ、もっとも手強いと見られたT助教授は解雇処分を受けた。これでは誰も真面目に教育水準を上げようとはしなくなるに決まっている。
F 産能の通信教育が変わる?(3) 内部告発者 2005/07/24
(日)22:59
産能のMILLぶりが文部科学省などの公的機関が大問題とするに至り、厳しい行政指導が行われたからに違いない。
G 原田改革は実現するか?(1) 改革者 2005/07/31
(日)21:39
文部科学省に17件の実名告発があり、その結果、文部科学省は産能大学に対して厳しい行政指導を行い、産能は文部科学省の厳重な監視下に置かれることとなった。
実際、次のような内容の、恐ろしいほど頽廃した要望書が207名もの学生の署名入りで理事長宛てに提出されたほどである。
皆、資格試験や学歴ロンダリングを目的として産能に入学しているのです。
H 嘘つくな。ゴマスリ野郎! 怒りの現役職員 2005/08/17
(水)00:38
職場の空気を悪くして俺たちのやる気無くさせてるのは誰だ!
I そうだよな。あんた、上野俊一なんだから。 怒りの現役職員 2005/08/18
(木)00:47
MILL事件で文部科学省に監視されてるんだってね。
J 通教在校生と名乗る人物へ(2) 改革者 2005/08/19
(金)23:36
我々の言論活動に共鳴した真面目な通教生の人たち総計17名によって文部科学省に実名告発され、ついに文部科学省が動いて産能大学を厳重な監視下に置くようにしたほどの「事実」なのだ。
ついい207名に及ぶ通教在学生が署名活動を行い、「もっと簡単に単位を取れるようにしろ」という要求書を上野俊一理事長に提出したという。
K 産能の社会人教育のどこがダメなのか? 一質問者 2005/08/28
(日)15:19
総計17名の通教卒業生・在学生が文部科学省に実名告発し、そのために産能は文部科学省の監視下に置かれ、MILL路線を(一時的にせよ)放棄せざるを得なくなったという。
L 投稿を恐れるな 改革者 2005/10/08
(土)01:33
産能大学は末期的なのだと思う。財務的に危機であることは、公認会計士(最近続発している粉飾決算事件のおかげでずいぶん社会的地位が下がってしまったが)が何と言おうと明白である。
M 前委員長氏の脱退と退職を悼む 内部告発者(組合員) 2005/12/04
(日)23:16
前委員長氏の脱退と退職に至る経緯は、恫喝の問題を含め、産能大学当局によるさらなる不当労働行為のおそれがある。それが再び問題となったとき、経営者はいったいどうするつもりなのだろうか。今から楽しみである。
N 情報提供者の方に対する感謝 産能ユニオン執行委員長 Y 2006/06/01
(木)00:17
経営者としての資質に極めて大きな問題のある世襲の三代目理事長がワンマン経営の果てに暴走している今、産能は全国的にも類例のないほど学園が荒廃しつつあると言っても過言ではございません。
 
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