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1月12日 ニンテンドーDSソフトのコピー機(マジコン)事件B(3) |
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最高裁(三小)/決定・上告棄却、上告不受理(確定)
ニンテンドーDSで起動するマジコンと呼ばれる装置を輸入販売していた業者に対する任天堂の訴訟について、任天堂は2013年7月9日付けで東京地裁が下した、マジコンの輸入販売行為の差し止めと総額5962万5000円の損害賠償金支払いを命じる判決が確定したと発表した。この裁判は一審判決に対して一部の被告から控訴がなされたが、知財高裁は2014年6月12日判決で控訴を棄却、更に一部の控訴人から上告並びに上告受理の申し立てが行われたが、最高裁(3小)は1月12日付けで、上告を棄却し上告審として受理しない決定をしたもの。 |
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1月14日 類似“加湿器”の不正競争事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
加湿器の開発者であるプロダクトデザイナー(原告ら)が、家電輸入卸会社と雑貨店(被告ら)に対して、被告商品の形態は原告加湿器の形態に依拠しこれを模倣したものであるとして、被告らによる被告商品の輸入及び販売は著作権侵害および不正競争に当たるとして、輸入等の差し止めと損害賠償金各120万円の支払いを求めた事件。当該加湿器はスティック型をしており、原告作品は試作品として展覧会に出展された。
裁判所はまず原告加湿器の「商品」該当性を検討し、これらが市場における流通の対象になるものとは認められないとして、不正競争防止法にいう「商品」に当たらないと判断した。次にその著作物性を検討、実用性を離れて見た場合に美的鑑賞の対象となり得るような創作性を備えていると認めることはできないとして、著作物性を否定し、請求を棄却した。 |

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1月18日 KDDIへの発信者情報開示請求事件F |
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東京地裁/判決・請求認容
池田名誉会長の写真(本件写真)の著作権を有するとする宗教法人・創価学会(原告)が、氏名不詳の投稿者によりKDDI(被告)の提供するインターネット接続サービスを経由して、ネット上のウェブサイト「NAVERまとめ」に投稿された記事に掲載された同会長の写真は、本件写真を複製したものであって、原告の著作権を侵害しているとして、被告に対し、本件投稿者に対する損害賠償請求権の行使のためにその発信者情報の開示を求めた事件。
被告は本件投稿者の行為によって原告の著作権が侵害されたことは明らかだとは言えないと主張したが、裁判所は本件写真の著作物性と原告の著作権保有を認定し、本件投稿者による著作権侵害を認めて、被告に対し、投稿者の発信者情報を開示するよう命じた。 |

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1月19日 トラベル管理ソフト「旅行業システムSP」事件(2) |
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知財高裁/判決・変更
一審原告会社に吸収合併される前の訴外会社(旧原告会社)が著作権を有するデータベース部分(原告DB)を含む旅行業者向けシステム「旅行業システムSP」に関し、その開発を担当した旧原告会社の社員であった一審被告Y2、Y3、Y4、Y5、Y6らが、旧原告会社を退社後、一審被告Y1とともに一審被告会社を設立または同社に入社して、検索及び行程作成業務用データベース(被告DB)を含む旅行業者向けシステムを製作販売したのは、原告DBの著作権を侵害するものであるとして、被告DBの複製、翻案、頒布、公衆送信の差し止めと収録媒体の廃棄、および損害賠償金9億1037万円余の支払いを求めた事件。一審東京地裁は原告DBの著作物性を認め、被告DBが原告DBに依拠して作成された複製物ないし翻案物と認めて、被告に対し、被告DBの複製、頒布、公衆送信の差し止めと収録媒体の廃棄、および損害賠償金1億1215万円余の支払いを命じたが、原被告双方が控訴した。
知財高裁は、一審では否定された被告CDDB(新版)の著作権侵害を肯定して一審判決を変更し、被告CDDB(新版)をも差し止め及び廃棄等を命じる対象に加え、また被告らの損害賠償金支払い額を合計5億502万円余とした。 |

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1月21日 NHKスペシャル「アジアの一等国」集団提訴事件(3) |
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最高裁(一小)/判決・破棄自判(確定)
日本の台湾統治を検証した番組によって名誉を傷つけられたとして、出演した台湾人女性や視聴者がNHKに損害賠償を求めた事件。2009年4月5日に放送されたNHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー」の第1回「アジアの一等国」に対し、台湾人を含む全国の視聴者約8400人が「事実と異なる偏向報道だ」として一人当たり1万円の慰謝料を求める訴えを起こし、その後訴訟委任状や、出演した台湾原住民女性らを含む二次提訴を合わせて1万人以上が原告となった。一審東京地裁は平成24年12月、請求をすべて棄却したが、台湾原住民族37名と日本人原告団5人に控訴人を変更した控訴審では、東京高裁は一審判決を破棄、「番組で祖先を動物扱いされた」と主張していた番組出演の原住民女性1名に対する名誉毀損を認め、100万円の支払いをNHKに命じた。これに対してNHKが上告していた。
最高裁(1小)はNHKの主張を認め、二審判決の上告人敗訴部分を破棄して被上告人の控訴を棄却し、一審判決が確定した。 |

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1月21日 「怪獣ウルトラ図鑑」復刻版事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
昭和43年にA社より発行された『カラー版怪獣ウルトラ図鑑』を被告出版社が平成24年に復刊した。この書籍にイラストが掲載されているイラストレーターの一人(原告)が、被告による本件書籍の複製等が原告の著作権および著作者人格権を侵害すると主張して、被告に対し、本件書籍の複製の差し止め及び廃棄と、損害賠償金737万円の支払いを要求した事件。
裁判所は、被告による原告へのイラスト使用料振込先問い合わせに原告が答えていることなどから、原告は本件書籍の発行を承諾する意思表示をしていたと判断した。また、目次の脇にはイラストレーターとしての原告名が記されているものの、個々のイラスト掲載箇所に原告名が記されていないという原告の主張に対しては、全イラストレーターに対して同じ扱いをしていることや、本件書籍の表示方法はA社の原書籍と同一であることなどから著作者人格権侵害性も否定して、請求を棄却した。 |

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1月22日 催眠術DVDの“オマケ”事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
「催眠術の掛け方[専門版]自己催眠編」というDVDを制作した原告と、その著作権を譲り受けDVDを販売した原告会社が、被告がそれを無断で複製し販売して原告会社の著作権を侵害し、名誉声望を害する方法で利用して原告の著作者人格権を侵害したと主張して、163万円余の損害賠償金支払いと、謝罪広告の掲載を求めた事件。被告は精神工学研究所の中古DVDをインターネットオークションサイトに出品するに際して本件DVDの複製を「オマケとして」抱き合わせていた。
裁判所は、原告が被告による無断複製物を手に入れるために出費した3万448円を原告の損失であると認定して被告にその額の支払いを命じたが、被告によるオークションサイトへの出品方法は原告の社会的評価を低下させる行為だとは言えないとして、著作者人格権のみなし侵害は否定した。 |

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1月26日 美川憲一氏の事務所独立事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
歌手・芸能人の美川憲一氏(一審被告)と専属契約を結んでいた芸能プロダクション(一審原告)が、被告が一審被告会社(被告が代表)と共に一方的に契約を破棄して独立したことによって被害を被ったとして、債務不履行による損害賠償金1億3500万円余、衣装と譜面の持ち出しによる所有権侵害の賠償金5100万円余、原告が著作権を有する衣装の著作権侵害予防請求として衣装の複製・展示等の差し止め、原告が著作権を有する譜面の著作権侵害予防請求として譜面の複製・演奏等の差し止め、被告への貸金返還請求300万円および立替金返還請求324万円余、被告会社への貸金返還請求1000万円および立替金返還請求776万円余を、それぞれ求めた事件。一審東京地裁は原告は被告の独立に同意していたと判断して債務不履行を否定、また所有権侵害等も否定して原告の請求を棄却したが、原告が控訴した。
知財高裁は、移籍金の支払い合意の成立を裏付ける事情の検討などを加えた上で、原審の判断を維持し、控訴を棄却した。 |

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1月27日 上林暁作品集の編集著作権事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
戦後を代表する私小説家・故上林暁の「同人誌時代の創作から晩年の随筆まで、新発見原稿を含む、全集未収録作品125篇」を集めた書籍『ツェッペリン飛行船と黙想』に関して、その刊行に協力し、解説を執筆した著作者の孫(著作権者の一人である長女の子供・一審原告)が、本件書籍は編集著作物であり、原告がその編集著作権者であるとして、発行元の出版社(一審被告)に対し、本件書籍の複製および販売は原告の編集著作権および著作者人格権の侵害であるとして、複製・販売の差し止めと書籍等の廃棄、損害賠償金238万円の支払い、および謝罪広告の掲載を求めた事件の控訴審。被告は長女ら著作権者に印税を、原告には解説の原稿料を支払っていた。
一審東京地裁は原告が本件書籍の編集著作権者とは認められないとして請求を棄却したが、原告が控訴した。
知財高裁は本件書籍の編集著作物性を検討し、収録作品の選択においては編者の個性が表れているとまでは言えないとしながらも、その分類配列においては編者の個性が表れており編集著作物に該当すると判断した。次にその配列に関して創作性を有する行為を行った者について検討し、これを被控訴人と認定して、控訴人の編集著作者性を否定した。また本件書籍が編集著作物ではないとされた場合に備えて控訴人が予備的に主張した編集契約違反等も理由がないとして退け、控訴を棄却した。 |

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1月29日 ニフティへの発信者情報開示請求事件 |
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東京地裁/判決・請求認容
「風水」に関するコンサルタント及び執筆活動を行っている原告が、氏名不詳者がウェブサイト「2ちゃんねる」上のスレッド「風水考」に記載している情報は、原告の「風水」や「五術」に関するブログの記事を改変して無断掲載したもので、原告の著作権および著作者人格権を侵害しているとして、氏名不詳者が情報を発信するインターネット接続サービスを提供していたニフティ(被告)に対して、「プロバイダ責任制限法」に基づき、発信者情報の開示を求めた事件。
裁判所は原告の記事の著作物性を認め、引用ややむを得ない改変であるという被告の主張を排して、氏名不詳者情報の著作権侵害性および著作者人格権侵害性、更に原告名誉権・名誉感情侵害性を認め、被告に発信者情報の開示を命じた。 |

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2月8日 学習教材「でき太」事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
算数・数学のプリント教材を開発・作成してその著作権を有する原告会社と、原告商標の商標権者である原告P1(原告会社の代表者)は、以前にP2との間で学習塾向けに同教材の販売を委託する契約を結び、また同教材を複製して原告商標と同一ないし類似の商標を付して一般家庭に販売することを許諾する契約を締結していたが、P2による債務不履行行為又は信頼関係破壊行為を理由としてその契約を解除した。この契約解除後のP2およびP2の事業を継承した被告会社(P2が代表者)による同教材の販売行為は、原告らの著作権侵害および商標権侵害に当たるとして、原告らが被告に対し、教材販売の差し止め等と原告らに合わせて831万円の損害賠償金支払いを求めた事件。
裁判所は、被告による著作権侵害と商標権侵害を認め、教材販売の差し止め等を認めたが、損害額については原告会社に著作権侵害の1001万円余+弁護士費用75万円、P1に商標権侵害の弁護士費用のみ30万円とした。その上で原告らの請求した831万円をこの比率で按分して、原告会社に対し808万円余、原告P1に対し22万円余の支払いを命じた。 |

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2月10日 職務発明文書の著作権帰属事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、交換的変更請求棄却
ソフト開発会社(一審被告)の元従業員(一審原告)が、在職中に作成した研究開発に関する文書ないしプログラムの著作権等の権利は原告が有することの確認と、所有権に基づく文書類の返還を求めた事件の控訴審。一審東京地裁はこれらを職務著作であり著作権は被告が有すると判断したが、原告が原判決不服として返還要求部分を変更して控訴した。
知財高裁も原審判断を維持、職務著作の成立を肯定し、控訴を棄却した。 |

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2月16日 住宅設備カタログの著作物性事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
米国コーラー社のキッチン周り等の製品の日本正規販売代理店(原告)が、原告が制作したカタログを他の国内販売代理店(被告)が無断流用したとして、被告に対して、著作権侵害並びに著作者人格権侵害を主張して1000万円の損害賠償金支払いを請求した事件。被告は被告カタログを制作する際に、原告カタログを参考にしたことは認めている。
裁判所は、編集物における原告の編集著作権と被告による複製を認め、また文章表現や図表についても、いくつかを除いて複製に当たると判断、人格権侵害も認めた。その上で損害額をそれぞれ120万円、30万円と認定、弁護士費用と合わせ、合計180万円の支払いを命じた。 |

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2月16日 ジャズCDの委託契約事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
スタンダードジャズのCDをめぐって、そのレコード製作者である原告会社及び収録楽曲の実演家であり原告会社の代表でもある原告Xが、本件CDの製造販売を行った被告会社AB及びその従業員(被告ら)に対して、被告らが契約外のレンタルや配信業務を行ったこと等により、(1)原告会社による被告会社Aに対する印税の支払い請求及び債務不履行に基づく損害賠償請求179万円余、(2)原告会社による被告らに対する、著作隣接権侵害等の不法行為に基づく損害賠償請求1674万円余、(3)原告会社による被告らに対する、実演家人格権侵害、名誉権侵害等の不法行為に基づく損害賠償630万円、(4)原告会社による被告会社ABに対する、名誉回復措置としての本件CDの販売と謝罪広告の掲載、を要求した事件。
裁判所は、(1)については原告会社に50万円余の支払い請求権と損害賠償請求権を認め、(2)については被告会社ABに隣接権侵害及び侵害についての故意過失があったとして、原告会社に対する7077円の支払いを命じ、その余の請求を棄却した。 |

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2月17日 「トムとジェリー」の日本語版DVD事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、附帯控訴棄却、被附帯控訴却下
有限会社アートステーション(一審原告)が、株式会社メディアジャパン(一審被告会社)とその社の代表取締役(一審被告A)に対して、被告らが製造・輸入・販売している「トムとジェリー」30作品のDVD商品は、著作権保護期間の経過した外国映画に原告が日本語音声及び字幕を収録し直した、原告が著作権を有する作品の複製であり、原告の著作権を侵害しているとして、被告らに輸入、複製、販売の差し止めと損害金405万円の支払いを求めた事件の控訴審。被告らは原告と被告会社との間に共同事業の合意があり、当該DVDの著作権も共有していると主張したが、一審東京地裁は共同事業合意の成立を認めず、被告会社が著作権を侵害しているとして、被告Aについての請求は退け、被告会社に輸入、複製、販売の差し止めと、15万円余の支払いを命じた。被告会社が控訴した。
知財高裁は一審の判断を維持して、控訴を棄却した。 |

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2月24日 「生命の實相」復刻出版事件C(2) |
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知財高裁/判決・変更、附帯控訴棄却
亡Aの創始した宗教団体「生長の家」をめぐる事件。生長の家の宗教的理念に基づき社会厚生事業を行う公益財団法人(一審原告事業団)と一審原告出版社が、亡Aの執筆した多数の論文を分類してまとめた本件著作物1と亡Aの長編自由詩である本件著作物2について、原告事業団が著作権を、原告出版社が出版権を有するとして、亡Aの著作物を出版する一審被告出版社の出版する被告書籍1と、1審被告宗教法人・生長の家が作成した被告書籍2の出版は、それぞれ原告らの著作権および出版権を侵害するとして、被告書籍1・2の複製・頒布の差し止めと、原告それぞれに対する賠償金50万円の支払いを求めた事件。一審東京地裁は、被告書籍1および2による著作権侵害を認め、複製・頒布等の禁止と在庫の廃棄、および被告出版社に原告出版社に対する20万円の賠償金支払いと被告宗教法人に原告それぞれに対する20万円の賠償金支払いを命じたが、被告側が控訴し、原告側も請求額を増額して附帯控訴した。
知財高裁は、一審被告宗教法人の著作権侵害性に関する原審の判断を覆して、被告書籍2の著作権侵害を否定、被告書籍1に対する複製・頒布等の禁止と在庫の廃棄、および原告出版社に対する20万円の賠償金支払いを被告出版社に命じ、附帯控訴は棄却した。 |

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2月24日 データベースソフトの著作権確認事件C(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
第一次訴訟(一審2008年大阪地裁判決、二審2011年知財高裁判決)において、「中国塗料」から子会社「信友」に出向の際に中国塗料専務から「船舶情報管理システム」の作成を命じられ、その後、子会社「中国塗料技研」の社長に就任して後も、同システムの開発の続行を命じられて、当該システムを作成した中国塗料元従業員が、中国塗料に対して、このプログラム著作権が自分に属することの確認、及びこのシステムに対する自分の寄与分割合の確定を求めて提訴したが、一審で本プログラム著作物は職務著作であるとして請求を棄却・却下され、二審も同様であった。
本訴においてこの元従業員(一審原告)は、職務著作と認定された法人側の「発意」は無効であり、職務著作は成立しないと主張して提訴したが、一審東京地裁は、この主張は一次訴訟の事実審の口頭弁論終結時点前に主張できたものであるから新たに生じた事情ではないとして請求を棄却、原告が控訴した。
知財高裁は、原告が本件システムの著作権を有しないことは一次訴訟で確定しており、更に法人側の「発意」は無効とする原告の主張は失当であり、また一次訴訟の際に主張できたはずであるという原審の判断を維持し、控訴を棄却した。 |

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2月24日 猫の刺繍著作権侵害事件 |
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大阪地裁/和解
家族のためにと白シャツの胸に手縫いで猫の姿を刺繍したところその可愛らしさが評判を呼び、遂には注文を受け付けて販売するようになった主婦が、世界的ファッションブランドからコラボの申し出を受け、無視していると当該ブランドの姉妹ブランドから刺繍の猫と同じ絵柄の描かれたハンカチが販売された。主婦が抗議したところ、ブランド側は猫の刺繍に著作権はないと応じなかったので、主婦は今年1月、国内でこのハンカチをライセンス製造・販売している会社とネットで販売している会社を相手に、大阪地裁に差し止めを求める訴訟を起こした。
ファッションブランド側から和解の申し入れがなされ、主婦の著作権を認め、ハンカチの販売や展示を差し控えるという内容で和解が成立、主婦は訴訟を取り下げた。 |
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2月25日 「神獄のヴァルハラゲート」事件 |
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東京地裁/判決・主位的請求棄却、予備的請求一部認容、一部棄却
ソーシャルアプリゲーム「神獄のヴァルハラゲート」の開発に関与した原告が、本ゲームをネット上で配信するアプリ企画開発会社(被告)に対し、(1)主位的に、原告は本ゲームの共同著作者の1人であって著作権を共有するから、同ゲームから発生した収益の少なくとも6割に相当する金額の支払いを受ける資格がある旨、(2)予備的に、仮に共同著作者の1人でないとしても、原被告間に報酬に関する合意があり、仮に合意がないとしても報酬を受ける権利がある旨を主張して、被告に対し、1億1294万円余の支払を求めた事件。原告と現被告代表者は、ソーシャルアプリゲーム開発会社を共に退社した同志であり、新たな会社を立ち上げてゲームを開発、販売したが、権利を巡って対立していた。
裁判所は、本ゲームの職務著作性および映画の著作物であるか否かを検討し、本ゲームは職務著作あるいは映画の著作物であると判断、原告は著作権を有していないとして主位的請求は理由がないとした。予備的請求に関しては、対価に関する原被告間の黙示の合意を認め、ボーナス300万円と4か月分の報酬120万円の合計420万円を支払額として認定した。 |

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2月25日 類似ジュエリーデザイン事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
ジュエリー作家である原告が、ファッションブランド事業を展開する日本法人である被告会社が輸入、販売するアクセサリー(パリでのセリーヌ2015春夏コレクションで発表されたネックレス)は、原告の制作した彫刻それ自体または指輪に接着された彫刻部分を複製したものであるから、原告の著作権及び著作者人格権を侵害しているとして、被告に対し、当該アクセサリーの輸入、販売等の差し止め及び廃棄と、損害賠償金2000万円の支払い、謝罪広告の掲載を求めた事件。原告彫刻は3センチほどの乳白色の板状材料の表面に女性の裸体前面胸腹部を表現したもの。
裁判所は、原被告作品の構図に共通の特徴はみられるが、構図それ自体に創作性はなく、また両者が類似しているとは認められないとして、原告の請求を棄却した。 |

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2月29日 カタログ誌「マダムトモコ」事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
雑誌やポスターのデザイン等の業務を営む編集者(原告)が、婦人服の製造・販売を営む株式会社(被告)に対し、被告の発行する季刊雑誌「マダムトモコ」の編集・デザイン・レイアウト等に関する請負契約ないし継続的取引契約を一方的に解除されたとして、損害賠償金270万円余の支払いを求めた事件。被告は2008年に原告に編集等業務を委託しており、以後5年以上にわたって原告は委託業務を継続し、2013年には被告が原告に年間計画書を交付していたが、2014年に被告は原告に取引終了を通告し以後の号は原告に業務委託せずに制作された。
裁判所は、本件に関わる契約書等による明示の意思表示がなされなかったことは争いがないことから、継続的ないし包括的な業務委託に関する黙示の意思表示の合致があったかどうかを検討、2008年以降の委託について話が交わされたことがないこと、5年の間に原告に業務委託せずに制作された号があったにもかかわらず原告は異議を述べなかったこと、2013年の年間計画書はあくまで単に予定を記したものであること、業務内容やその報酬は号ごとに取り決められていたことなどから、黙示の意思表示の合致はなかったと判断し、継続的ないし包括的な契約の存在を否定、原告の請求を棄却した。 |

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2月29日 果実酒“みみきゅ〜る”イラスト事件 |
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東京地裁/判決・本訴請求一部認容、一部棄却、反訴請求棄却
インターネット通信販売事業社である被告がウェブサイトで「萌酒」を販売していたところ、イラストレーターである原告より当酒類ラベル用のイラストの売り込みがあり、参考までにと譲渡対価が記してあった。被告は原告にイラストを依頼し、原告は応えてキャラクターイラストを描き、被告はその何点かを使用、原告も更にこの販売事業に協力したが、原告に対価は支払われなかった。
原告は、被告の依頼により制作した複数イラストの著作権を原告が被告に有償で譲渡する契約を、被告の債務不履行(譲渡対価の不払い)により解除した上で、被告に対し、(1)イラストの複製・公衆送信・譲渡等の差し止め、(2)被告管理ウェブサイトに掲載されたイラストのサイトからの削除と原画の返還、(3)損害賠償金150万5千円の支払い、(4)被告が取得したクリアファイルについて原告が支払ったイラスト印刷代3万円余の支払いを求めた。これが本訴であり、反訴は被告が原告に対し、基本合意を一方的に破棄されたとして損害賠償金179万5千円の支払い等を求めたもの。被告はこの販売事業を、原被告両者の「共同事業」であり、対価は当酒類売り上げの3%で基本合意したと主張した。
裁判所は、譲渡契約は成立していた、被告は原告に40万円支払う義務を負っていたが債務不履行によりその譲渡契約は有効に解除された、と判断し、被告に対し、被告に渡されたイラストのうち当酒類とクリアファイルに使用されたイラストの複製物の譲渡の禁止とそのラベルとファイルの廃棄を命じ、損害金として当酒類の実際に販売された分の価格の3%即ち1万7千円余とクリアファイルの印刷代3万円余の支払いを命じた。反訴に対しては基本合意の成立を否定し、請求を棄却した。 |

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