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【事件名】コミュニティFMのサイマル配信事件 【年月日】平成28年6月8日 東京地裁 平成27年(ワ)第8615号 地位確認請求事件 (口頭弁論終結日 平成28年3月25日) 判決 当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 別紙「原告らの請求」記載のとおり 第2 事案の概要等 1 事案の概要 原告らは、コミュニティ放送(放送法施行規則別表第五号(注)九のコミュニティ放送をいう。以下同じ。)を行う放送局(FMラジオ局)を運営する株式会社であり、各原告が運営する各放送局の放送番組の一つとして、それぞれラジオ音楽番組を地上波により放送(以下「地上波放送」という。)しているところ、同ラジオ音楽番組の地上波放送と同時に、株式会社エムティアイ(以下「MTI」という。)が運営するスマートフォン及びパソコン向け無料配信サービス「Listen Radio」(以下「リスラジ」という。)においてインターネット配信している(以下、各原告による同ラジオ音楽番組のインターネット配信を併せて「本件各番組配信」という。また、各原告がそれぞれ運営する放送局において地上波放送し、リスラジを通じて配信しているラジオ音楽番組のリスラジにおける番組名は、別紙「各原告の音楽番組名」記載のとおり、放送局やリスラジにおけるチャンネルにより異なることがあるが、以下、各原告らがリスラジを通じてインターネット配信している各ラジオ音楽番組を併せて「本件各音楽番組」という。)。 リスラジにおける「おすすめ番組まとめ」チャンネルには、各原告の本件各音楽番組をつなぎ合わせて自動的にまとめる機能(以下「ザッピング機能」又は「リスラジのまとめチャンネル機能」という。)があり、24時間連続して音楽番組がインターネット配信されるという特徴を有する。 被告は、本件各番組配信が、被告の管理に係る商業用レコード製作者の複製権、譲渡権及び送信可能化権等の権利に関する、平成26年4月1日から平成27年3月31日までの期間を対象とする、各原告と被告との間の利用許諾契約(従前の契約が、期間満了日の1か月前までに、契約当事者のいずれも異議を述べないときは、同一条件で、契約の対象期間が期間満了日の翌日から1年間延長され、以後も同様とする旨の条項〔以下「自動更新条項」といい、同条項に基づく契約の対象期間の更新を「自動更新」という。〕に基づいて、自動更新されたものを含む。以下、各原告共通して、「本件利用許諾契約」という。)に基づく使用料規程(以下、各原告共通して、「本件使用料規程」という。)の細則(以下、各原告共通して、「本件使用料規程細則」又は「本件細則」という。)の適用基準に違反しているなどとして、各原告に対し、平成27年2月26日付け「サイマルラジオ許諾契約に関するご連絡」と題する書面(以下、各原告共通して、「本件ご連絡書面」という。)を送付し、同年4月1日以降は、本件利用許諾契約を自動更新しない(本件利用許諾契約をいったん終了させる)旨の通知(以下、各原告共通して、「本件更新拒絶」という。)をした。 各原告は、本件訴訟において、被告に対し、被告による各原告に対する本件更新拒絶は、著作権等管理事業法(以下「管理事業法」という。)若しくは私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という。)により禁止されている行為に該当し、又は信義則に反するから、私法上、無効である旨主張し(同主張は、本件利用許諾契約の期間満了日の1か月前までに、被告又は各原告のいずれも異議を述べなかったものとみなされる結果、同契約が自動更新された旨を主張する趣旨と解される。)、本件利用許諾契約(上記のとおり、自動更新された本件利用許諾契約の趣旨と解される。)に基づき、(1) 主位的に、本件使用料規定細則第3条に定める使用料を支払うことにより、被告による著作隣接権管理に係る商業用レコード(以下「被告の管理レコード」という。)を録音したコミュニティ放送番組(コミュニティ放送に供される番組をいうものと解される。以下、本判決において「コミュニティ放送番組」というときは、上記の趣旨である。)をインターネット上で同時に配信することを目的として、被告の管理レコードを複製及び送信可能化する方法で利用することができる契約上の地位にあることの確認を求め、(2) 予備的に、本件使用料規程「第3節1(2)本表」(以下「本件使用料規程本則」又は「本件本則」という。)に定める使用料(本件使用料規定細則第3条に定める使用料よりも、高額である。)を支払うことにより、上記契約上の地位にあることの確認を求めている。 2 前提事実(争いがないか、後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) (1) 当事者 原告らは、それぞれコミュニティ放送番組を放送するFMラジオ局を運営する株式会社である。 被告(平成22年4月1日に「社団法人日本レコード協会」から現在の名称に変更、移行したことにより設立された。以下、同協会を併せて「被告」という。)は、管理事業法に基づき、文化庁の登録を受け、同法2条3項の著作権等管理事業者(以下「管理事業者」という。)として、商業用レコード製作者の複製権、譲渡権及び送信可能化権等(以下「送信可能化権等」という。)に関する権利行使の受任、使用料金額の取決め並びに徴収及び分配の事業等を行っている一般社団法人である(甲2、3、108)。 (2) 本件各番組配信について 各原告は、本件各音楽番組を地上波放送するとともに、スマートフォン及びパソコン向け配信サービス「Listen Radio」(リスラジ)を通じて、地上波放送と同時にインターネット配信(本件各番組配信)をしている(ただし、地上波放送と「同時に」といっても、技術的理由により不可避的な遅延が生じることがある。以下、上記の意味で、ラジオ番組〔本件各音楽番組に限らない。〕を地上波放送と同時にインターネット配信することを「サイマル配信」又は「同時配信」という。)。なお、当初、リスラジに提供されるラジオ音楽番組の番組名は、放送局に関わらず、共通して「Find Your Music!」であったが、現在は、別紙「各原告の音楽番組名」記載のとおり、放送局やリスラジにおけるチャンネルにより異なることがある。 そして、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルは、下記<自動的にまとめる(ザッピング機能)画像省略>のとおり、ザッピング機能を使用することにより、音楽番組だけが24時間連続して配信されるという特徴を有し、各原告は、「おすすめ番組まとめ」に参加することを前提に、本件各番組配信を行っている(ただし、原告株式会社仙台シティエフエムは、平成27年3月以降、「おすすめ番組まとめ」への参加をやめている〔甲94(3頁)〕。)。 (ザッピング機能)<画像省略> なお、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルは、平成28年3月時点での名前である(リスラジのサービス開始当初は各放送局がラジオ音楽番組名として使用していた「Find Your Music!」という番組名で配信されていたが、時期によってその呼び名は異なる〔甲91の4、弁論の全趣旨〕。以下では、現在のリスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルのことを、当初の配信名である「Find Your Music!」番組ということもある。)。 (3) 被告の管理レコードに関する管理委託契約約款の内容等 ア 被告が、レコード製作者又はレコード実演の権利を有する者等から委託を受けた管理委託契約(平成26年6月30日から実施するもの。以下「本件管理委託契約」という。)の内容を定める管理委託契約約款には、次の条項がある(乙1)。 「(レコードの管理委託の範囲) 第3条 レコード管理委託者は、受託者に対し、本契約の期間中、その有するレコードの著作隣接権及び将来取得するすべてのレコードの著作隣接権について以下の各号に定める管理を委託し、受託者はこれを引き受ける。 (1) 下記利用方法に関するレコードの複製権及び譲渡権の管理 (中略) (2) 下記利用方法に関するレコードの送信可能化権及び複製権の管理 ア 次に掲げるレコードを録音した放送番組等(以下単に「番組」という。)を、放送と同時に自動公衆送信装置に入力する方法により送信可能化すること(ただし受信先の記憶装置に複製させない形式に限る。)。 @ 日本放送協会が放送する番組 A 地上放送を行う放送事業者(日本放送協会、放送大学学園及びコミュニティ放送事業者を除く。)が放送するラジオ番組(コマーシャルを除く。) B コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送するラジオ番組(コマーシャルを除く。) (以下略)」 イ 管理事業法における管理事業者に関する定めの要点 (ア) 管理事業者は、管理事業法上、使用料規程を定め、あらかじめ、文化庁長官に届け出なければならず(これを変更しようとするときも、同様とする。)、また、この届出をしたときは、遅滞なく、その届出に係る使用料規程の概要を公表しなければならない(同法13条1項、3項)。 (イ) 管理事業者は、届出をした使用料規程に定める額を超える額を、取り扱っている著作物等の使用料として請求してはならない(同条4項)。 (ウ) 管理事業者は、正当な理由がなければ、取り扱っている著作物等の利用の許諾を拒んではならない(同法16条)。 (4) 本件利用許諾契約の内容 各原告と被告との間には、被告の管理レコードを録音したコミュニティ放送番組(各原告が自ら制作し放送するラジオ番組のうち、コマーシャルを除く部分に限る。)をインターネット配信することについて、本件利用許諾契約が存在したところ、本件利用許諾契約に係る契約書(自動更新前の契約に係るものを含む。)の本文には、下記の内容の記載(なお、各原告により契約書の具体的な記載が異なることがあるが、内容的には同趣旨と解される。)があり、その末尾には、配信内容として、「サービス名」、「サーバ所在地」、「配信開始日」、「配信サイト」を記入する欄がある。各原告の配信内容は、別紙「各原告の配信内容」記載のとおりである(なお、配信開始日は、各原告において異なるが、特に明示しない。)。 「一般社団法人日本レコード協会(以下「甲」という。)《判決注:被告》とコミュニティ放送事業者(以下「乙」という。)《判決注:各原告》は、甲が著作隣接権を管理するレコード(以下、単に「レコード」という)を録音したコミュニティ放送番組(乙が自ら制作し放送するラジオ番組のうち、コマーシャルを除く部分に限る。以下同じ)を放送と同時にインターネット送信することを目的として、複製及び送信可能化することについて、右のとおり契約する。(以下略)」 また、同契約書には利用許諾契約約款(以下「本件利用許諾契約約款」という。)が付されているところ、本件利用許諾契約約款には、次の内容の記載(なお、各原告により約款の具体的な記載が異なることがあるが、内容的には同趣旨と解される。)がある。 「(許諾)第1条 甲《判決注:被告》は、乙《判決注:各原告》に対し、本契約の有効期間中、乙のコミュニティ放送番組を複製及び送信可能化する方法で管理レコードを利用することにつき、下記@及びAを条件として許諾する。なお、上記許諾には、音楽著作物および実演の利用許諾は含まない。 @ 送信形式はストリーム送信とすること A 携帯電話端末向け専用サービスとしての利用を行わないこと (使用料)第2条 乙は、前条の利用許諾に伴い、甲の使用料規程第3節1(2)の規定に基づくレコード使用料を算出するため、甲の指定する証憑書類を提出するものとし、算出されたレコード使用料額に消費税等相当額を加算した額を(中略)までに甲に支払うものとする。(以下略) (禁止事項)第4条 乙は、第1条に定める範囲を超えて、レコードを複製若しくは公衆送信し、又はその利用を第三者に対し再許諾することはできない。(以下略) (契約の変更)第9条 本契約の変更は、書面による甲乙間の合意がない限り効力を有しないものとする。 (信義則)第10条 本契約に定めのない事項、または本契約の条項の解釈に疑義が生じた場合は、甲乙誠意をもって協議の上、信義に即して解決するものとする。(以下略) (有効期間)第12条 本契約の有効期間は、(中略)までとする。ただし、本契約期間満了日の1カ月前までに、甲又は乙のいずれも本契約に異議を述べないときは、本契約の内容と同一条件で、期間満了日の翌日から1年間延長されるものとし、以後も同様とする。」 なお、各原告と被告との間では、本件利用許諾契約約款12条(各原告により条文番号が異なることがあるが、内容的には同趣旨と解される。)の規定により、従前の契約が順次自動更新されるなどして、平成26年4月1日から平成27年3月31日までを契約対象期間とする本件利用許諾契約が成立していた。 また、上記第1条@のストリーム送信とは、受信先の記憶装置に複製せずに利用させる配信の形式による送信をいい、以下、同様の意味で用いることとする。 (以上につき、甲7の1ないし7の5、7の11ないし7の13、7の18、7の23ないし7の26、7の30ないし33、7の35、弁論の全趣旨) (5) 本件使用料規程等の内容 ア 本件使用料規程 被告は、管理事業者として、本件利用許諾契約約款2条にいう使用料規程を策定し、平成14年3月1日、文化庁長官へ届け出た。以降、被告は、数度の変更届出をしており、本件使用料規程は、平成26年6月30日に変更届出されたものである(甲4)。 送信可能化権等にかかる使用料については、本件使用料規程「第3節レコードを録音した放送番組等の送信可能化」において、次のとおり規定されている。 「1.放送と同時のストリーム送信を目的とする利用 次に掲げる番組の利用について、年間の包括的利用許諾契約を締結する場合の使用料は以下のとおりとする。 (1)地上放送を行う放送事業者(省略) (2)コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送するラジオ番組(コマーシャルを除く。)
@ 情報料又は広告料等収入がなく、放送区域内における電波不到達地域の解消を目的とした送信で別に定める基準を満たす場合は、本規定の範囲内で利用者と協議して使用料を定めるものとする。 A 放送法に基づくIPマルチキャスト送信により同時再送信する場合については、利用者と協議して使用料を定めるものとする。 イ 本件使用料規程細則 本件使用料規程第3節1(2)「コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送するラジオ番組(コマーシャルを除く)」備考@に基づく内容を定めることを目的として、本件使用料規程細則として、以下の内容を定める(甲5及び弁論の全趣旨)。 「(本細則の適用基準)第2条 備考@にいう「情報料又は広告料等収入がなく、放送区域内における電波不到達地域の解消を目的とした送信で別に定める基準」とは、以下の(1)から(3)の基準の全てをいう。 (1)コミュニティ放送事業者その他の者が放送番組の同時ストリーム送信から一切の情報料及び広告料等収入を得ないこと (2)放送区域内における電波不到達地域の解消を専らの目的として送信すること (3)以下のいずれかの条件を満たすこと @ 同時ストリーム送信の対象となる番組時間のうち、放送事項別分類が「報道」、「教育」、「教養」、「行政情報」、「生活情報」又は「観光情報」に該当する番組時間が8割を超える。 A 送信する曲名等の事前告知を行わず、なおかつ、楽曲のフルサイズを送信しない。 (使用料)第3条 前条各号に掲げる全ての基準を満たすコミュニティ放送事業者の使用料は、当該コミュニティ放送事業者に係る平成25年度二次使用料及び複製使用料の合計額又は年額5万円のうちいずれか多い額に、消費税等相当額を加算した額とする。 2 前項の使用料は、コミュニティ放送事業者が前条各号に掲げる全ての基準を満たすことを当協会指定の書面にて届け出て、当協会がその届出内容を正当と確認した場合に限り適用する。なお、コミュニティ放送事業者は、届出内容に変更が生じる場合、事前に当協会に届け出るものとする。 3 コミュニティ放送事業者が前項の届出に違背する場合、当協会は、届出に違背する事由が発生した日の属する月以降の送信について、本細則の適用を中止し、当該コミュニティ放送事業者は、使用料規程第3節1(2)の規定に従い算出される使用料を支払わなければならない。」 (6) 本件訴訟に至る経緯 ア 被告は、各原告に対し、平成27年2月9日付け催告書(以下「本件催告書」という。)により、本件各番組配信の即時中止を求め、同月末までに本件各番組配信の中止の事実を確認できなければ各原告との本件利用許諾契約を解除する旨を予告した(甲9の1ないし15、9の17、9の18、9の20、9の22ないし9の26、9の30ないし9の33、9の35、弁論の全趣旨)。 イ 各原告を含むコミュニティ放送番組を放送するFMラジオ局を運営する株式会社等39法人は、平成27年2月26日、東京地方裁判所に対し、被告を相手方として、被告との間のコミュニティ放送番組の同時配信に関する利用許諾契約に基づき複製及び送信可能化する方法で商業用レコードを利用することができる契約上の地位にあることを仮に定めることを求め、また、同契約に基づき複製及び送信可能化する方法による商業用レコードの利用を拒絶してはならならない旨の仮処分命令を申し立て、さらに、株式会社ソニー・ミュージックエンターテイメント(以下「SME」という。)を相手方として、被告をして上記契約に基づく原告らに対する複製及び送信可能化する方法による商業用レコードの利用を拒絶させてはならないなどとした地位保全等仮処分命令を申し立てた(乙5)。 ウ 被告は、各原告に対し、平成27年2月26日、本件ご連絡書面を送付し、同年3月末日までを契約期間とする本件利用許諾契約については自動更新させずにひとまず終了する、同年4月以降の新たな許諾契約の締結に向けて別途案内する旨の通知した(本件更新拒絶。甲10の1ないし10の15、10の17、10の18、10の20、10の22ないし10の26、10の31ないし10の33、10の35、弁論の全趣旨)。 エ 被告は、代理人弁護士を通じ、各原告に対し、平成27年3月6日、同年4月1日以降の利用許諾契約書(案)(以下「3月6日契約書案」という。)を送付し、新たな契約の締結の申込みを誘引した(甲11の2)。 3月6日契約書案では、本件利用許諾契約の本文部分について、次の下線部部分が加筆された(下線及び@ないしBの数字は判決において挿入したもの。以下、加筆された@ないしBの部分を順に「加筆部分@」などという。)。
なお、3月6日契約書案に係る使用料規程及び使用料規程細則の内容は、平成26年4月1日から平成27年3月31日を適用期間とする本件使用料規程及び本件使用料規定細則の内容と同一であり、変更はない。 オ 各原告の代理人弁護士は、3月6日契約書案において加筆された加筆部分@ないしBの各意味が判然としないとし、被告の代理人弁護士に対し、平成27年3月10日付け照会書(甲12。以下「本件照会書」という。)を送付し、被告の代理人弁護士は、各原告の代理人弁護士に対し、同月13日付け回答書により、本件照会書に記載された照会事項に回答した(甲13)。 カ 各原告の代理人弁護士は、被告の代理人弁護士に対し、平成27年3月19日付け要望書(以下「本件要望書」という。)をそ のころ送付した。本件要望書には、要旨、本件管理委託契約において、許容される放送番組を「自ら制作し放送するラジオ番組」としているのは、コミュニティ放送事業者が衛星放送番組のラジオ番組をサイマル配信することを排除する目的のためのものにすぎないから、3月6日契約書案における加筆部分@ないしBは削除してほしいなどの要望が記載され、同月23日午後5時までにその回答を求めるというものであった(甲14)。 キ 被告の代理人弁護士は、各原告の代理人弁護士に対し、平成27年3月23日付け書面により、要旨、原告らの理解は、従前の契約書の文言にも反するもので、本件要望書に係る要望には応じられない旨回答した。なお、被告の代理人弁護士は、各原告の代理人弁護士に対し、本件要望書及び本件照会書において、各原告の代理人弁護士が代理している「コミュニティ放送事業者」の特定がなく、当事者が特定されていない旨指摘した(甲15)。 ク 各原告の代理人弁護士は、自らが代理するコミュニティ放送事業者を特定した上、被告の代理人弁護士に対し、平成27年3月26日、本件使用料規程細則の適用がある事業者として、コミュニティ放送番組の同時ネット配信に係るレコード利用許諾契約書(契約対象期間が平成26年4月1日から平成27年3月31日までの本件利用許諾契約)と同内容の契約の締結の申込みをし、仮に、同契約の締結が認められない場合は、本件使用料規程の本則に基づく使用料を支払うことを前提としたコミュニティ放送番組の同時ネット配信に係るレコード利用許諾契約書(契約対象期間が平成26年4月1日から平成27年3月31日までの本件利用許諾契約)と同内容の契約の締結の申込みをした(乙2。以下、各原告の被告に対する同契約の申込みを「3月26日付け契約申込み」という。)。 ケ 被告の代理人弁護士は、各原告の代理人弁護士に対し、3月26日付け契約申込みについてはいずれも拒絶する旨表明し、再度、3月6日契約書案での申込みを誘引した(乙3)。また、被告の代理人弁護士は、各原告の代理人弁護士に対し、被告には、本件要望書に記載された原告らの要望に基づく許諾をする権限はないこと、自ら制作し放送するラジオ番組に当たらないコミュニティ放送番組において、レコード製作者から個別の許諾を得ないでレコードを録音した番組のサイマル配信を行う場合は、著作隣接権侵害に該当するため、レコードの著作隣接権侵害を継続的に行うことを予定しているコミュニティ放送事業者と許諾契約を締結することはできない旨も注意的に記載して警告した。 第3 争点及び争点に対する当事者の主張 1 争点 前記前提事実(前記第2の2の(6))のとおり、被告は、各原告に対し、平成27年2月9日、本件催告書において、本件利用許諾契約の解除の予告をしたものの、その後、同月26日、本件ご連絡文書において、従前の契約を自動更新せずに終了させる旨告知し(本件更新拒絶)、同年3月6日、3月6日契約書案を提示して新たな利用許諾契約の申込みを誘引した。これに対し、各原告は、被告に対し、3月6日契約書案に不服であるとして、平成27年4月1日以降も本件利用許諾契約と同一の内容での契約の締結の申込みをしたが、被告は、いずれも拒絶し、各原告に対し、3月6日契約書案での申込みを再度誘引した。 本件訴訟において、各原告は、被告との間の本件利用許諾契約約款12条ただし書にいう各契約の自動更新が適用されることを前提に、各原告が本件利用許諾契約上の地位にあることについての確認を求めているものと解される(各原告は、本件訴訟において、本件利用許諾契約について、上記被告の解除が効力を有しない旨の主張もしている〔平成27年5月11日付け訴状訂正申立書6頁など〕が、被告は、本件利用許諾契約が上記解除により終了した旨の主張はしておらず、本件更新拒絶により本件利用許諾契約が平成27年3月31日をもって終了した旨主張しているにすぎないから、上記解除の有効性について検討する実益はない。また、各原告からの被告に対する3月26日付け契約申込みに対し、被告がこれを承諾する旨の意思表示したと擬制し、もって新たな契約が締結されたとして、その契約上の地位にあることを求めているものとすれば、そのような意思表示が擬制されるとすべき法的根拠がない以上、主張自体失当となる。)。 したがって、各原告は、被告に対し、本件ご連絡文書による本件利用許諾契約を自動更新しない旨の被告の意思表示(本件更新拒絶)が、管理事業法若しくは独禁法により禁止されている行為に該当し、又は信義則に反するから、私法上、無効であり、それゆえ、本件利用許諾契約約款12条ただし書により同契約が自動更新された旨主張しているものと解される。よって、本件訴訟における争点は、以下のとおりである。 (1) 被告の本件更新拒絶は、管理事業法16条にいう「正当な理由がなく」利用の許諾を拒んでいるものとして無効(民法90条)といえるか(争点1) (2) 被告の本件更新拒絶は、信義則に反し、無効であるといえるか(争点2) (3) 被告の本件更新拒絶は、「共同の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項1号イ又は同項6号イ、一般指定1項)又は「その他の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項6号イ、一般指定2項)に該当するため、無効(民法90条)といえるか(争点3) (4) 被告の本件更新拒絶は、「取引条件等の差別的取扱い」(独禁法19条、2条9項6号イ、一般指定4項)に該当するため、無効(民法90条)といえるか(争点4) 2 当事者の主張 (1) 争点1(被告の本件更新拒絶は、管理事業法16条にいう「正当な理由がなく」利用の許諾を拒んでいるものとして無効(民法90条)といえるか)について 【原告らの主張】 管理事業者は、法律上、正当な理由がなければ、取り扱っている著作物等の利用の許諾を拒んではならないとされている(管理事業法16条)ところ、以下のとおり、被告による本件更新拒絶には正当な理由がないから、本件更新拒絶は、同条に違反し、私法上、無効である(民法90条)。 ア 本件各音楽番組は自主制作番組であること (ア) 被告による本件更新拒絶は、本件各音楽番組が自主制作番組に当たらないことを理由としているが、以下のとおり、本件各音楽番組は、自主制作番組に当たるから本件更新拒絶には理由がない。 すなわち、原告らを含むコミュニティ放送局の監督官庁である総務省(情報流通行政局 衛星・地域放送課地域放送推進室)発行の「コミュニティ放送局開設の手引き」(乙4。以下「総務省手引き」という。)の様式2−13のエには、「自社において制作する放送番組」として、@完全局制作、A制作会社協力、B共同制作、C制作委託、D再放送が明示され、「自社において製作する放送番組」以外の番組として、「他から供給を受ける放送番組」が示されているところ、本件各音楽番組の編成及び制作は、下記の<本件各音楽番組の編成及び制作>に記載のとおりの手順で行われるものであるから、「他から提供を受ける放送番組」ではなく、上記のB共同制作又はC制作委託として、「自社において製作する放送番組」に該当する。 <本件各音楽番組の編成及び制作> @ MTIは、その広告代理店であるコミュニティワールドラボラトリー株式会社(以下「CWL」という。)を通じ、番組スポンサーとして、各コミュニティ放送局の地上波ラジオ放送の放送時間枠を購入する。 A CWLは、各コミュニティ放送局各局の要望(コミュニティ放送局の中には、局のカラー・特色としてJ ポップは流せないなどの制約がある等)を受け、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネル(「Find Your Music!」番組)の放送枠を調整する。 B 各コミュニティ放送局は、CWLを通じ、コミュニティ放送局の一つである原告株式会社けんと放送(以下「FM KENTO」という。)に対し、番組編成及び番組制作を発注する。FM KENTOは、CWLが取りまとめた参加コミュニティ放送局の各々のカラー・特色及び要望に配慮しつつ、音楽番組の内容を編成し、音楽番組を製作する。その際における音源の調達は全てFM KENTOが行う。 C FM KENTOは、参加コミュニティ放送局に対し、放送音楽番組を放送できる状態にして、例えば1 時間であれば1 時間分の音声データとして納品する。 上記@ないしCの流れを図式化すると下記のとおりとなる。 【番組編成・制作フロー】 <図省略> (イ)各原告は、リスラジの「Find Your Music!」番組の企画が自主制作番組の要件を満たすからこそ、同企画に参加したものである。本件使用料規程第3節1(2)「コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送するラジオ番組」との内容は、「他から供給を受ける放送番組」を排除するために設けられたものであり、総務省手引きにおける「自主制作番組」と同義であるから、本件各音楽番組は自主制作番組に該当する。 イ 本件各音楽番組のサイマル配信の態様 リスラジのまとめチャンネル機能を利用した本件各音楽番組のサイマル配信は、MTIのサーバーを通じて配信されるものではない。以下のListen Radio 全体概要図は、リスラジのまとめチャンネル機能を利用した本件各音楽番組のサイマル配信における配信経路を示した概要図である。 【ListenRadio全体構成図】<省略> @ FM KENTOは、各コミュニティ放送局に対し、パッケージ化された放送番組の「番組音声データ」をCD−R等で納品する。 A 各コミュニティ放送局は、「番組送出システム」(パソコン)により、番組音声データを再生すると同時に、放送音声を各放送局の設備を通じて「地上波放送・アンテナ出力」に送出する。 B 一方で、各コミュニティ放送局で実際に放送された音声が、放送と同時に、アナログ放送音声として、各コミュニティ放送局の「エンコーダーサーバー」に送出され、「エンコーダーサーバー」は、アナログ音声として入力された放送音声をデジタル変換するとともにデータ量を圧縮する(以下「エンコード」という。)。 C 各コミュニティ放送局は、サイマル配信のために、エンコードされたデジタル放送音声を「番組配信用リアルタイムクラウドサーバー」に送出する。これは、多数のリスナーがインターネット上のサイマル配信にアクセスした場合に、各放送局のエンコーダーサーバーでは、その処理能力上、多数のアクセスを同時に処理しきれなくなるためであり、このクラウドサーバーを用いてリスナーのアクセスを容易にしている。サイマル配信は、放送と同等と受け止められていることから、サーバーへのアクセスが集中し処理しきれなくなるという、リスナーへの不利益を回避する処置である。なお、音声データは、地上波放送と同時に、サイマル配信を行うため、当該クラウドサーバーへ「リアルタイム」で送出されている。 D また、各コミュニティ放送局は、リスラジのためだけにかかる一連の処理を行っているのではなく、全てのサイマル配信のために継続して一連の処理を行っている。現に、各コミュニティ放送局のホームページにおいて、サイマル放送のリンクを選択した場合、コミュニティ・サイマル・ラジオ・アライアンス(以下「CSRA」という。)が運営するサイマルラジオのホームページに遷移するところ、同ホームページを通じて、CSRAに加盟のコミュニティ放送局全ての放送番組が、24時間にわたりリアルタイムでサイマル配信されている(CSRAは、各コミュニティ放送局の地上波放送をインターネットでサイマル配信する各コミュニティ放送局の連合体である。)。ユーザは、サイマルラジオのホームページから任意の放送局を任意の順番で(手動で)選択することで、サイマル配信された放送を聴取することが可能である。 ウ リスラジのまとめチャンネル機能の仕組み MTIが提供しているリスラジのまとめチャンネル機能は、単に一定時刻にどのコミュニティ放送局の番組を聴取するかを選択し、クラウドサーバーから聴取すべき放送音声データを指定しているにすぎない。サイマルラジオのホームページを閲覧しているリスナーは、手動でサイマル配信された放送を選択できるところ、リスラジのまとめチャンネル機能は、その選択過程を自動化したにすぎず、サイマル配信の受信ツールの一つにすぎない。MTIは、FM KENTOが作成した番組表・タイムテーブルの送付を受け、それを管理システムに入力している。番組表タイムテーブルのデータは、各番組開始時刻における放送局の情報と、各番組内で放送される楽曲の文字情報データ(以下、併せて「放送番組データ」という。)からなり、リスラジの運用Webサーバーに集積された後、本番用Webサーバーに入力される。 この放送番組データは、数段階の処理を経て、各リスナーの使用するブラウザ及びスマートフォン用アプリ等によって音声データと組み合わされる。リスラジを通じたサイマル放送のリスナーは、リスラジのまとめチャンネル機能を使用することにより能動的に任意の時間にあらかじめ指定された放送番組を聴取でき、同時に放送番組データ、すなわちその番組で放送される楽曲の情報をも受信できる。 エ 被告の主張に対する反論 (ア) 自主制作番組の意味 本件の「Find Your Music!」番組の企画のように、各コミュニティ放送局が自らの経営判断においてかかるスポンサーの番組企画に参画することは通常一般に行われていることであり、かかる番組企画に参画したことをもって、各コミュニティ放送局の番組が「自主制作番組」に当たらないとする理由はない。 (イ) 本件利用許諾契約書におけるサーバー所在地の意味 各原告が被告と締結した本件利用許諾契約の契約書には、サーバー所在地の記載欄があるが、これは各原告の「配信内容」の一項目にすぎず、特段の法的意味を有するものではない。また、各原告における本件利用許諾契約に係る契約書に記載されたサーバー所在地は別表各原告のサーバー所在地等に記載のとおりであるところ、当該記載箇所には、エンコーダーサーバーの所在地又はクラウドサーバーの所在地が記載されている。このようにサーバー所在地の記載が各利用許諾契約書において統一されていないのは、被告からどのサーバーの所在地を記載すべきかにつき特段の指示がなかったためであるが、いずれにせよ、これらの中にMTIのサーバーの所在地を記載したものは一つもない。 (ウ) MTIの関与について 上記ウのとおり、各コミュニティ放送局は、FM KENTOから納品された放送番組の音声データを、放送後そのままクラウドサーバーに送出しているわけではなく、一旦アナログ音声として取り込み、エンコーダーサーバー上でこれをエンコードしたうえで、クラウドサーバーに送出している。かかる音声データの配信に至る経路において、MTIのサーバーは一切介在していない。本件利用許諾契約により、各原告に利用許諾されているのは、被告の管理レコードの送信可能化権等であるところ、上記のとおり、アナログ音声をデジタル音声に変換し、インターネット上でリスナーへの送信を可能としているのは、各コミュニティ放送局に所在するエンコーダーサーバーである。この点で、本件各音楽番組のサイマル配信がMTIのサーバーを通じて配信されているという被告の主張は事実と異なる。 (エ) MTIは、リスラジのアプリケーション(以下「リスラジアプリ」ともいう。)やウェブサイトを通じ、広告収入を得ているが、これは一般的なアフィリエイト広告による収入と異ならない。各原告は、MTIが得ている広告収入と連動するような形でMTIから広告収入を得ていない。 各原告は、MTIから本件各番組のサイマル配信については金銭の支払を受けておらず、MTIが地上波ラジオ放送のスポンサーとしての放送枠購入した対価を受け取っているにすぎない。 したがって、各原告がMTIから金銭の支払を受けたことにより、自主制作番組に当たらないとの被告の主張は理由がない。 (オ) 3月6日契約書案の加筆部分@ないしBは不当であること 被告は、3月6日契約書案の加筆部分@ないしBは、従来の契約内容の踏襲であり、契約の趣旨を明確にしたにすぎないと主張する。 しかし、加筆部分@ないしBは、自主制作番組の意義・解釈を不当に拡大したもので、単なる確認的なものとはいえない。 【被告の主張】 ア 管理事業法16条違反の主張について 被告は、本件ご連絡書面による通知により、本件利用許諾契約をその契約期間の満了によって終了させた上、3月6日契約書案を提示し、各原告の質問や要望にも対応しつつ、各原告からの3月26日付け契約申込みは拒絶し、3月6日契約書案での再度の申込みの誘引をし、新たな利用許諾契約を締結しようとするものである。したがって、平成27年4月以降の各原告のコミュニティ放送番組のサイマル配信において、被告の管理レコードの利用を許さないというものではなく、上記通知(本件更新拒絶)が管理事業法16条にいう利用許諾の拒否に当たるということはあり得ず、原告らの主張は主張自体失当である。 イ 3月6日契約書案の合理性 3月6日契約書案は、本件利用許諾契約の内容を踏襲したもので、次のとおり、その契約の趣旨をより明確にするために、加筆部分@ないしBを明記したにすぎない。 管理事業法16条は、不当な利用許諾の拒絶を禁止するが、当初ないし従来の許諾契約と同一内容での許諾契約を締結することまでを管理事業者に義務付けるものではない。被告がひとたび各原告に許諾したとしても、許諾期間満了後の契約の文言を変更してはならないという根拠はない。 @ 加筆部分@及びAについて 被告は委託者であるレコード製作者から「コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送するラジオ番組(コマーシャルを除く。)」を「放送と同時に自動公衆送信装置に入力する方法により送信可能化する」ことについてしか管理委託を受けておらず(管理委託契約約款第3条第1項(2)アB。下線は引用に際して付したもの)、コミュニティ放送に関して被告がそれ以外の許諾を行うことはそもそもできない。ここにいう「コミュニティ放送」とは、放送法施行規則の別表第五号の(注)九に定義された「コミュニティ放送」を指しており、「一の市町村の一部の区域(当該区域が他の市町村の一部の区域に隣接する場合は、その区域を併せた区域とし、当該区域が他の市町村の一部の区域に隣接し、かつ、当該隣接する区域が他の市町村の一部の区域に隣接し、住民のコミュニティとしての一体性が認められる場合には、その区域を併せた区域とする。)における需要に応えるための放送をいう」ものである。原告らはいずれも、このような「コミュニティ放送」を行うものとして電波法による免許を受けて、その放送を行っている事業者である。ちなみにコミュニティ放送局を所管する総務省手引き(乙4)では、コミュニティ放送とは「市区町村の一部の区域において、地域に密着した情報を提供するために、平成4年1月に制度化されたFM放送局です。」、「地域の特色を活かした番組や防災・災害情報等を提供することにより、地域情報の発信拠点として、豊かで安全な街づくりに貢献できる放送局です。」と説明されている。 よって、被告によるサイマル配信許諾の対象となるコミュニティ放送番組は、「放送法施行規則の別表第5号の(注)九に規定される限定された区域における需要に応えるため」の番組であることは当然である。 そして、コミュニティ放送番組をサイマル配信するのは、放送区域内における電波不到達地域の解消などその放送を補完する目的のものであるところ、コミュニティ放送は限定された区域の需要に応えるために地域に密着した情報を発信するものであるから、そのサイマル配信は、「乙の放送区域内に所在し、又は当該区域内の地域情報に関心を寄せる者に対して」行うことを専らの目的として行うものと理解するよりほかはない。少なくとも被告による許諾は、コミュニティ放送のサイマル配信がそのようなものであることを前提としたものであり、またレコード製作者が被告にコミュニティ放送のサイマル配信に対して許諾する権限を委託しているのも、同じ理解を前提としている。 A 加筆部分Bについて 上記のとおり、被告がサイマル配信を許諾することができるのは、「乙(コミュニティ放送事業者)が自ら制作し放送するラジオ番組」に限られている。本件利用許諾契約においても許諾の対象が「乙が自ら制作し放送するラジオ番組」のサイマル配信であることは明記されているし、また、本件訴訟の請求の趣旨において各原告が求めているのも、(請求の趣旨自体には必ずしも明記はされていないが)「被告が自ら制作し放送する」コミュニティ放送番組のサイマル配信をすることができる地位の確認である。そして、「乙が自ら制作し放送する番組」に該当するためには、音楽を中心とする番組の場合には、「使用するレコードを乙自らが決定し、その音源を自ら調達して放送する番組であることを必要とする」ことは当然である。 B 以上のとおり、3月6日契約書案が明記した加筆部分@ないしBの点はいずれも当然のことであり、それを明記した契約書による申込みを誘引した被告の対応において、管理事業法16条違反の問題が生じる余地はない。 ウ 本件各番組配信につき許諾することは被告の権限外であること 以下の事情のとおり、本件各音楽番組は、管理委託契約約款3条(2)アBにいう「コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送する」番組にも該当せず、被告作成の「商業用レコードを用いた放送番組のネット利用に係る集中管理」(甲45〔4枚目〕)に被告による集中管理の対象となる放送番組として明記されている「自らの放送のために制作した」放送番組とも評価できないから、本件各音楽番組の配信は、コミュニティ放送事業者が自ら制作する番組を配信するものとはいえず、また、本件各音楽番組を配信することは、被告に著作隣接権の管理を委託しているレコード製作者が自ら行う音楽配信事業等と正面から衝突するものであり、それを許諾することは委託者から被告への管理委託の範囲に含まれず、委託者の意思及び合理的意思に反するものであるから、その許諾を拒否することが管理事業法16条違反になることはない。 (ア) 本件各音楽番組は、音楽配信事業を主力サービスとし、リスラジの提供者であるMTIが主導的に企画して、原告らに提案した結果、制作・提供されるに至ったものである。 (イ) 各原告における本件各音楽番組は、相互に独立して放送している番組ではない。本件各音楽番組の放送時間は、リスラジにおいて24時間連続して提供できるようにするため、MTIの意を受けた代理店であるCWLが、どの時間でも必ず各原告のどこかの局が本件各音楽番組を提供しているようにすることを前提として、各原告相互の放送時間(タイムテーブル)を調整している。 (ウ) 本件各音楽番組は、各原告がFM放送することを主たる目的として制作されるものではなく、リスラジを通じ、全国で24時間ヒット曲が連続して聴けるように配信することを主たる目的として制作されるものである。 (エ) 本件各音楽番組の音声経路の配信は、すべてMTIがエヌ・ティ・ティ・スマートコネクト株式会社(以下「エヌ・ティ・ティ・スマートコネクト」という。)の代行サービスを利用して配信しており、放送番組データの配信と有機的一体性を有して、リスラジの全体構成がすべてMTIの管理下で行われるものであるから、本件各音楽番組の制作主体はMTIである。 (オ) 各原告は、MTIがスポンサーとして放送枠を購入してくれること、自前で音源を調達し、音楽情報番組を制作することはコスト、時間、労力の面から困難であったことを理由として、本件各音楽番組を放送しており、MTIから対価を得ること及び経費等を節減することを目的としてCWLを通じて、本件各音楽番組の放送を分担しており、地域情報を伝える本来的な放送の目的を対象とするものではない。 (カ) 各原告が事前にFM KENTOに対し、本件各音楽番組の具体的な内容・選曲等について指示や注文をしておらず、その番組制作委託代金を払っているともいえない。 (キ) 本件各音楽番組をサイマル配信するサーバー及び配信サイトについては、本件利用許諾契約上、同契約の契約書の「配信内容」欄に記載のとおり、各原告のサーバー所在地及びCSRAのウェブサイトであることが特定されているが、本件各音楽番組のサイマル配信は、MTIのサーバーを通じて配信され、MTIが運営するリスラジのウェブサイト又はリスラジアプリを通じて視聴(サイマル配信されたラジオ番組を聴く場合、音声部分だけでなく、ウェブサイト上の画面情報を見ることができるため、以下、サイマル配信によるラジオの聴取を「視聴」という。)できるようになっているものである。さらに、MTIは、リスラジアプリやウェブサイトを通じて広告収入を得て、各原告は、MTIから金銭の支払を受けている。 (ク) 以上のとおり、従前から音楽配信事業を主力サービスとしてきたMTIは、サイマル配信については商業用レコードの配信許諾料が低廉に抑えられていることを奇貨とし、実質的に無料で、地域の限定もなく、最新の音楽を24時間配信できるサービスを提供することを企図し、それを実現するための手段の一環として、各コミュニティ放送局により本件各音楽番組が制作、放送されているかのごとき外観を作出しているものである。 一方、レコード製作者にとって音楽配信サービスは、基幹ビジネスの一つであり、自らの許諾権を管理事業者に管理委託するのではなく、自ら音楽配信事業を行い、又は、音楽配信事業者に自ら許諾して許諾料を得る事業を行っている。委託者が、被告に管理の委託をしているのは、「レコード製作者自らの音楽配信事業等と競合しないと考える範囲の利用を対象として」いる場合である。リスラジを通じた本件各音楽番組の配信は、委託者らの音楽配信事業等と正面から競合するものであり、被告への管理委託の範囲に含まれず、被告は、当該配信について許諾権限を持たない。また、そのような配信を許諾することは、委託者であるレコード製作者の意思及び合理的意思にも反する。 そして、管理事業法16条の「正当な理由」は、@許諾することが委託者の意思に反する場合、A許諾することが委託者の合理的意思に反すると認められる場合、Bその他やむを得ない場合に認められるから、以上のとおり、本件各音楽番組のリスラジを通じた配信について、被告が許諾しないことには、同条にいう「正当な理由」がある。 (2) 争点2(被告の本件更新拒絶は、信義則に反し、無効であるといえるか)について 【原告らの主張】 被告は、本件各音楽番組の配信がMTIのリスラジのアプリを利用して視聴できるようになっていることから、被告の管理委託の範囲に含まれず、本件利用許諾契約の範囲外の利用である旨主張する。しかし、被告は、これまで、リスラジと同様の機能を有する他のアプリケーションの利用について何ら問題視しておらず、原告らは、リスラジのアプリの利用について、被告とも十分に事前協議を重ねており、事実上、被告は、原告らの行為を明示的又は黙示的に承認してきた。にもかかわらず、平成27年2月9日に至って、被告は、突然態度を変更し、原告らに対して、使用料規程細則の違反を主張し、同月26日には、本件利用許諾契約をいったん更新させないと通告し(本件更新拒絶)、3月6日契約書案では、原告らが、「Find Your Music!」番組企画に参加することを不可能にするような文言を加筆し、3月6日契約書案による契約の申込みを誘引した。かかる被告の行為は、原告らの被告との間の従前の信頼関係を全く無にするものであり、リスラジ以外のサイマル配信を行うアプリケーションである「FM聴(てい)for Community」(以下「FM聴」という。)や「コミュニティFM for iPhone(i−コミュラジ)」(以下「i−コミュラジ」という。)の頒布については黙認してきた事実と矛盾するものである。 したがって、被告が、リスラジを通じての配信について、自らの受託権限外であるなどと主張することは、原告らとの間の信頼関係に著しく反するもので、信義則(民法1条2項)に反し許されない。 【被告の主張】 争う。 (3) 争点3(被告の本件更新拒絶は、「共同の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項1号イ又は同項6号イ、一般指定1項)又は「その他の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項6号イ、一般指定2項)に該当するため、無効(民法90条)といえるか)について 【原告らの主張】 ア 被告が、本件更新拒絶により、各原告に対し、本件利用許諾契約における契約上の地位を認めないことは、独禁法が禁止する不公正な取引方法の一類型である「共同の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項1号イ又は同項6号イ、一般指定1項)又は「その他の取引拒絶」(独禁法19条、同2条第9項6号イ、一般指定2項)に該当する。 被告は、リスラジのまとめチャンネル機能の利用を阻止することを企図し、本件利用許諾契約と同一の内容の契約締結を認めない旨を各原告に通告したが、上記(1)で述べたとおり、被告の本件更新拒絶には何ら正当な理由がない。 イ 公正取引委員会「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」第1部第三によれば、一般指定2項の「その他の取引拒絶」における公正競争阻害性は、市場における有力な事業者が、競争者を市場から排除するなどの独占禁止法上不当な目的を達成するための手段として取引拒絶を行い、これによって取引を拒絶される事業者の通常の事業活動が困難となるおそれがある場合に認められ、被告は、市場における有力な事業者に該当する。すなわち、被告の行為は、形式上は単独の取引拒絶であるが、被告は管理事業者であって、被告が管理レコードに関し、取引拒絶等の措置を取る場合、被告の会員レコード製作者の著作物についての取引をすべて拒絶することになるから、会員レコード製作者が共同して取引拒絶等の行為をしているものとして、実質的には、違法性が推定される共同の取引拒絶に該当する行為といえる。しかも、各原告がレコード制作者から個別に直接利用許諾を得て音楽番組を制作することは現実的には不可能ないし著しく困難である。 そして、被告は、日本の主要レコード製作者61社(平成27年4月1日現在)を会員とする著作権管理事業団体であり、音楽ソフト業界シェア上位5社を含む、日本の音楽メジャーレーベルのレコード製作者ほぼすべてを会員とし、平成25年には二次使用料として64億円、貸レコード使用料・報酬として40億円を得ている巨大団体であるのだから、被告の本件更新拒絶は、市場における有力な事業者による、実質的には、「共同の取引拒絶」に匹敵するほどの競争への悪影響を有する行為である。 また、被告の行為は、被告の会員であるレコード製作者の競争者であるMTIの排除する目的を有するものである。すなわち、被告の会員であるSME(ソニーミュージックエンタテイメント)は、自ら定額制音楽配信アプリケーションを提供し、エイベックス・デジタル株式会社、LINE株式会社とともに、LINE MUSIC株式会社を立ち上げており、これら各種の定額音楽配信サービスを運営するレコード製作者らにとって、無料で音楽が聴き放題となるリスラジアプリ等は競争上大きな脅威となる。そこで、レコード製作者とMTIの音楽配信市場における競争関係を前提とし、MTIを排除する目的で本件更新拒絶を行ったものにほかならない。このことは、被告も、本件各番組を、リスラジで配信することは被告に著作隣接権の管理を委託しているレコード製作者自ら行う音楽配信事業等と正面から衝突するものと述べ、自認している。 さらに、被告の本件更新拒絶により、「Find Your Music!」番組企画への参加が不可能となり、MTIに地上波放送枠のスポンサーとなってもらうことも不可能となる。 ウ したがって、被告の本件更新拒絶は、「共同の取引拒絶」か、少なくとも、「不当に、ある事業者に対し取引を拒絶」すること、すなわち「その他の取引拒絶」に該当する。本件更新拒絶が「その他の取引拒絶」に該当することは、公取委警告昭和57年12月15日において、被告が、会員のレコード製作業者とともに、貸レコード店へのレコード供給の遮断を企図し、レコード販売業者の一部に対するレコード供給を停止させる等したことが「取引拒絶」の規定に違反するおそれがあるとされたのと同様である。 【被告の主張】 争う。 被告は、他のコミュニテイ放送事業者と同様、原告らについても、3月6日契約書案での申込みがあれば、契約締結に応じる意向を明確に示しているのであるから、原告らとの取引を拒絶した事実もない。 (4) 争点4(被告の本件更新拒絶は、「取引条件等の差別的取扱い」(独禁法19条、2条9項6号、一般指定4項)に該当するため、無効(民法90条)といえるか)について 【原告らの主張】 ア 本件更新拒絶は、次の点において、「取引条件等の差別的取扱い」(独禁法19条、同2条9項6号イ、一般指定4項)にも該当する。被告は、各原告、リスラジに参加しながら本件において原告として訴えを提起しなかった放送局及び本件訴えを提起しながら後に取り下げた放送局に対しては、3月6日契約書案による申込みを誘引し、現在の各原告以外の放送局との間では、同契約書案に基づき利用許諾契約を締結している。他方、被告は、リスラジに参加していなかったコミュニティ放送局との間では、本件利用許諾契約と同一の内容で利用許諾契約を締結し、更新している。このような二種類の契約書の使い分けに何ら合理性はなく、「ある事業者に対して取引の状況又は実施について有利又は不利な取り扱いをすること」に該当する。 イ 取引条件等の差別的取扱いにおける「不当」性とは、@独禁法上、違法とされている行為の実効性確保手段として用いられる場合や、独禁法上不当な目的を達成するための実行手段とされる場合、又は、A取引の相手方を競争上著しく有利又は不利にさせることを通じて取引の相手方で生じる自由競争減殺をいう。被告の行為は、市場における有力な事業者が、競争者を市場から排除するなどの独禁法上不当な目的を達成するための手段として本件更新拒絶を行い、これによって取引を拒絶される事業者の通常の事業活動が困難となるおそれを生じさせるものである。そうである以上、上記の差別的な取引条件設定により、取引条件に格差が設けられ、さらに各原告の通常の事業活動が困難となるおそれが増幅され、取引拒絶の影響が強められる。 したがって、被告による差別的な取引条件の設定は、@独禁法上不当な目的を達成するための実行手段とされる場合に該当する。 また、被告の行為により、各原告は、音楽番組の提供が著しく困難になる一方で、本件利用許諾契約により契約を締結しているコミュニティ放送局にとっては、「Find Your Music!」番組放送企画と同様の番組へ参加が可能となる余地があり、各原告は、それらのコミュニティ放送局と比べて著しく不利な立場に置かれ、自由競争減殺効果が生じることからすれば、上記Aにも該当する。 ウ 以上のとおり、被告の本件更新拒絶の行為が、コミュニティ放送事業に係る市場において「不当に」取引を制限していること、すなわち公正競争阻害性を有していることは明らかであり、「不当に、ある事業者に対し取引の条件又は実施について有利な又は不利な取り扱いをする」ものとして、取引条件等の差別的取扱いに該当する。 【被告の主張】 争う。 被告は、各原告に対し、3月6日契約書案を提示して以降、すべての許諾申込者との間で同案による許諾契約を締結しており、同日以降に本件利用許諾契約書と同一の内容で許諾したケースはない。同日以前に、本件利用許諾契約の自動更新が確定していたコミュニティ放送局との関係では、平成27年4月1日から平成28年3月31日まで、本件利用許諾契約と同一内容の契約が存在するが、それは、契約不更新の通知が平成27年2月28日までに間に合わなかったという手続上の都合のため、本件利用許諾契約が自動的に存続することになったにすぎない。むしろ、平成28年4月以降の契約は、自動更新させないことを意思表示し、同月以降については、3月6日契約書案による申込みの誘引の通知を行っている。 したがって、被告による2種類の契約書の使い分けなどしていない。 第4 当裁判所の判断 1 本件各番組配信にかかる事実関係等について 前記前提事実及び後掲各証拠によれば、以下の事実関係が認められる。 (1) 本件番組配信に係る関係者について ア CSRAについて CSRAは、コミュニティ放送局同士がアライアンスを組む任意団体であり、逗子・葉山コミュニティ放送株式会社代表者でフリージャーナリスト・ニュースキャスターである木村太郎の提唱により、全国のコミュニティFM放送局がサイマル配信を行うことを目的として、平成20年に設立された(なお、その前身は、サイマル・ウェッブキャスト・ラボラトリー〔Simultaneous Webcasting Laborataory〕というが、特に断らない限り、CSRA設立前の時期も含めて「CSRA」という。)。 CSRA事務局は、各コミュニティ放送局がお互いを補い合い、共同事業や番組ネットワークの連携を図るなどの協力関係を行うための事務を行う。各原告は、CSRAに加盟し、CSRA事務局が管理運営するサイマルラジオのウェブサイトを通じて、各原告において放送するラジオ番組をサイマル配信している。 各原告は、年間5000円程度をCSRA事務局に支払い、CSRA事務局は、これを自己が管理運営するサイマルラジオのウェブサイトの管理維持費などに使用している。 また、本件各音楽番組は、24時間の放送枠の中で、各原告の放送が重複しないように放送枠を調整されているところ、この放送枠の調整及びMTIからの本件各音楽番組のスポンサー料を各原告に配分する業務について、次項のCWLが設立されるまでの間、CSRA事務局が行っていた。 (以上につき、甲40ないし42、89、94、弁論の全趣旨) イ CWLについて CWLは、デジタルコミュニティ放送(コミュニティ放送の放送内容をデジタル化して放送する放送)に関する企画・コンサルティング事業、放送、通信、新聞、雑誌等の広告代理業などを目的として、平成26年1月29日に設立登記された株式会社である。CWLは、CSRA事務局が行っていた本件各音楽番組の放送枠の調整、MTIからのスポンサー料を各原告に配分する業務を引き継ぎ、MTIの広告代理店的立場でその業務を行っている(甲86、89)。 ウ MTIについて MTIは、インターネット情報関連のコンテンツ事業者であり、インターネットを利用した音楽ファイルや電子書籍のダウンロード販売等を行う「music.jp」などのサービスを行っている株式会社である(甲90、弁論の全趣旨)。 (2) コミュニティ放送について ア 総務省手引き(乙4・3頁)によれば、「コミュニティ放送局とは」として、以下のとおり記載されている。 @ 市区町村の一部の区域において、地域に密着した情報を提供するために、平成4年1月に制度化されたFM放送局 A 地域の特色を活かした番組や防災・災害情報等を提供することにより、地域情報の発信拠点として、豊かで安全な街づくりに貢献できる放送局 B 76.1MHzから94.9MHzのFM放送の周波数帯の電波を利用するため、一般に市販されているFMラジオやカーラジオで聴くことができる。 C コミュニティ放送局ならではの小回りの利いた取材で、地域のイベントや身近な話題を取り上げるなど、地域の特性を生かした番組作りを行っている。 D 平成7年1月の阪神淡路大震災、平成23年3月の東日本大震災において災害情報等がリアルタイムにきめ細かく提供されたことなどをきっかけに、災害時においてコミュニティ放送が大きな役割を担うことが期待されている。 イ 無線局の免許を受けようとする者は、電波法6条による免許の申請を総務大臣に対して行い、総務大臣の免許(同法12条)を受けなければならないところ、総務省手引き(乙4・7頁、11頁)によれば、コミュニティ放送局を開設するには、同法7条2項の規定により種々の審査が予定され、地上基幹放送の業務を行うことについては、放送法関係審査基準(平成23年総務省訓令第30号)に適合することなどが要求されている。特に、コミュニティ放送局が行う放送においては、コミュニティ放送局の特色である地域密着性の確保のため、地域に密着した各種の情報(地域の行政情報・タウン情報・交通情報・観光情報等)に関する番組等、地域住民の要望に応える放送が、できる限り1週間の放送時間(1日につき午前8時から午後8時までの間に限る。)の50%以上を占めていることなどが定められ、免許申請手続における申請書類の一つとして、週間放送番組の編集に関する事項(様式2−13)として、1週間の放送番組の代表例を記載することなどが定められている。 また、上記様式2−13においては、「ア 放送番組表」として、1週間の放送番組の内容を記載することとされ、報道、教育、娯楽、その他の分離にしたがい、個々の放送番組の開始と終了時刻などを記載し、「イ 放送の目的別種類による放送時間」では、「報道、教育、教養、娯楽、その他」の種類ごとに1週間の放送時間及び比率を記載するほか、「エ 自社において制作する放送番組及びその制作体制」として、自社において制作する放送番組として「@完全局制作、A制作会社協力、B共同制作、C制作委託、D再放送」と「他から供給を受ける放送番組」のそれぞれにおける時間と比率(%)を記載することとされている。 (3) 自社において制作する番組 総務省開催の「ラジオと地域情報メディアの今後に関する研究会」の平成22年7月9日付け報告書(甲96、97)には、「自社において制作する放送番組」とは、「自社が『制作著作』となるものをいい、「制作著作」とは、「発意と責任を有し、制作に必要な手配をするものとしての権利と責任の主体の表示とする。」とし、「自社において制作する番組」は次の5つの区分により分けられる。 @ 完全局制作・・・番組の企画および制作スタッフが自社社員により構成されている番組 A 制作会社協力・・・番組企画又は制作において、外部制作会社が相当程度協力していることが認められる番組 B 共同制作・・・自社と外部制作会社が共同して番組を制作し「制作著作」が自社および共同制作者である外部協力会社の表記がなされる番組 C 制作委託・・・自社の委託により外部制作会社が一括して制作する番組 D 再放送・・上記@〜Cのうち再放送の番組 (4) 被告の管理レコードのサイマル配信にかかる集中管理権限の導入について ア 被告は、日本コミュニティ放送協会会員社に対し、被告作成の平成18年3月3日付けの「商業用レコードを用いた放送番組のネット利用に係る集中管理」と題する資料(甲45)を配布し、放送番組をネット送信するいわゆるサイマル配信における送信可能化権について、これまではレコード会社で個別に許諾の判断をしていたところ、被告において包括許諾する形式の集中管理を行うこと(同1頁)、コミュニティ放送のネット利用に関する集中管理の対象となる放送番組は、「コミュニティ放送事業者が自らの放送のために制作したラジオ放送番組(ただし、コマーシャルを除く)」とし、対象となる利用方法については、「コミュニティ放送と同時に送信可能化し、ストリーム送信する方法」とし、使用レコードについては、「全曲の報告をお願いする」旨の方針を発表した(同2頁の図の赤枠中の青色欄、及び同3頁)。 イ 被告は、商業用レコードを録音した放送番組のネットワークにおける二次利用を促進するため、当該利用に係るレコード製作者の権利の一任型管理事業を開始することとし、平成18年9月8日付で、管理事業法に基づき使用料規程及び管理委託契約約款等を文化庁に届出し、その際、届出までの被告の集中管理事業に関する取り組みを説明した被告事務局長高杉健二による報告書(乙8)において、レコードを録音した放送番組のインターネットでの利用についての取り組みが行われたことを紹介した。すなわち、インターネットの急速な普及により、レコードを録音した放送番組のインターネットでの利用に当たり、レコード製作者の送信可能化権の集中管理化を求める声が高まり、平成14年1月に被告の法制委員会内に専門のワーキングチームを設置して検討を開始し、ようやく平成18年10月に事業開始にこぎつけたものの、新たなこの管理事業は限定した範囲内でスタートするものであり、現時点では、レコード製作者自らの音楽配信事業等と競合しないと考えられる範囲の利用を対象とし、今後のインターネットにおけるコンテンツの流通状況やビジネス環境の変化等により、必要に応じて見直しすることが予定されていることなどとされていた。 ウ 被告作成の平成25年9月付け「コミュニテイFMのネット同時配信(サイマルラジオ)に係るレコード利用許諾契約のご案内」(甲8)には、レコードの利用許諾範囲として、「1 配信サイト・配信サーバ」の欄に、「利用許諾契約書に記載の配信サイト・配信サーバのみが許諾対象です。配信サイト・配信サーバーを変更するときは、事前にレコード協会(判決注:被告)宛てに書面にてお知らせ下さい。」、「各局様が送出するサイマルラジオのストリームを、第三者が受信して更に公衆向けに配信する行為は許諾対象外です。」と記載され、「2 配信番組」の欄には、「各局様が自ら制作し放送するラジオ番組(コマーシャルを除く)のみが許諾対象です。」、「他社への制作発注番組、他社との共同制作番組等の取扱いにつきましては、各局様から個別具体的なご相談を承った上で諾否を判断します。」などと記載されていた。 (5) サイマル配信についての被告とCSRAとの交渉経緯 CSRAは、小規模なコミュニティ放送局でもサイマル配信が行うことができるよう、平成16年6月頃から、音楽著作物等の権利許諾を求め、被告を含め、一般社団法人音楽著作権協会(以下「JASRAC」という。)等に働きかけた。当初、CSRAは、JASRACの許諾を受けることはできたものの、レコード会社のうち数社はサイマル配信に消極であり、配信を許諾しない旨の回答があったことから、配信許諾を得られないレコード会社の楽曲を除いてサイマル配信を行うなどしつつ、被告などと協議を重ねていった。 CSRA(当時はサイマル・ウェブキャスティング・ラボラトリー)は、被告に対し、平成18年3月13日付け「『商業用レコードを用いた放送番組のネット利用に係る集中管理』における協議の申し入れについて」と題する書面において、コミュニティ放送の自主制作番組に限っての同時ストリーム送信を利用する者として、「サイマル・ウェッブキャスティング・ラボラトリー」を申し入れ者とし、「サイマルラジオ」を地上波放送の同時ストリーム送信の名称とし、「使用料規定(案)」における使用料(案)」について協議を申し入れた(乙17)。 その後、被告とCSRAは、ビジネスベースで行われる配信と放送の補完目的で配信される場合の使用料規程を別建てにする、具体的な使用料金の設定として、放送の補完目的で、かつ、一定の要件を満たす場合には、放送の二次使用料金と同額(最低年額5万円、最高年額24万円で調整)すること、放送の補完目的で行われるサイマル配信は、使用料規程とは別に細則として規定することなどの方向で協議、調整していった。 (以上につき、甲67ないし69、89) (6) 本件各音楽番組の配信に関する経緯 ア 「Find Your Music!」番組の立ち上げ MTIは、スマートフォンやタブレット端末を媒体として、音楽産業のさらなる活性化を図り、その収益を向上させるため、平成22年末ころ、コミュニティ放送局の番組放送枠を買い取り、スポンサーとなることで、音楽情報番組である「Find Your Music!」番組を各コミュニティ放送局に流してもらい、これをサイマル配信するアプリケーションソフトであるリスラジ(リスラジアプリ)を開発提供することを企画した。そして、MTI及びリッスンジャパン株式会社(以下「リッスンジャパン」という。同社は、MTIの子会社であったが、現在はMTIに事業譲渡されている会社である。)により、「Find Your Music!」番組を提供し始めた平成23年3月頃は、8局のコミュニティ放送局が参加し、1週間に8時間だけ「Find Your Music!」番組をリスラジアプリを通じて配信していた。 MTI及びリッスンジャパンは、上記放送時間枠以外の未放送時間枠を活用するため、「番組内プロモーション枠のご提案」と題する資料(甲44)を作成し、アーティストのプロモーション枠として無料で提供するが、ストリーミング音声放送なので、できれば原盤使用料免除を希望するなどとして、レコード製作者等に対し、未放送時間枠の利用を呼びかけていた。なお、上記資料には、「Find Your Music!」番組は、「リッスンジャパンが全国のコミュニティ放送局に提供している音楽番組で、music.jpの速報着うたチャートを始め、・・・を放送しています。」などと紹介され、サイマル放送アプリについては、「CSRAと協力の下、この番組がスマートフォンで聴ける『ListenRadioβ』というアプリを開発・提供し、スマートフォンでのサイマル放送実験を行っています。」などと紹介されていた(甲44、90)。 イ 「Find Your Music!」番組のスマートフォンでの配信開始 コミュニティ放送局にとって、地上波放送の時間帯としてはスポンサーの付きにくい夜間・深夜の時間枠について、MTIがスポンサーとして放送枠を購入してもらえること、コミュニティ放送局が、自前で音源を調達し音楽情報番組を制作することは、多大なコスト・時間・労力を要し、極めて困難であり、ローカル情報番組が中心とならざるを得ないところ、「Find Your Music!」番組の企画への参加は、音楽情報番組を自局にラインナップできるメリットがあったことなどから、徐々に、「Find Your Music!」番組に参加するコミュニティ放送局が増加した。 そして、MTIは、1週間の放送枠をほぼコミュニティ放送局による放送番組で埋めることができたため、平成24年4月27日より、iPhone及びAndroidスマートフォンで24時間自由に聴ける無料サイマル放送ラジオサービスとして、「ListenRadio」を開始することを発表した。MTIは、リスラジでアプリを使用したサービスにつき、「当サービスは、CSRA加盟局で放送する音楽番組『Find Your Music!』を、スマートフォンで同時に楽しめるサービス」、「他のアプリや地上波のラジオが休止中の、日曜深夜〜早朝も含めた24時間放送を行っているので、いつでも聴けるのが特長です。」、「『music.jp』のダウンロードランキングを全曲紹介する「週刊ランキングTOP30」を始め、邦楽・洋楽・アニメソング・韓流などのヒット曲や最新曲を幅広く放送しています。」などと広告を行い、リスラジアプリのサービス概要として、「24時間、日本全国いつでもどこでも音楽を楽しめる、音楽番組に特化した無料ラジオアプリ」と紹介し、アプリケーションにかかる課金額は無料とした(乙7、弁論の全趣旨)。 ウ 「Find Your Music!」番組のパソコン向け配信の開始 MTIは、平成24年12月17日、リスラジにおいて、パソコン向け配信をスタートしたことを発表し、「◆いつでもどこでも、ひたすら音楽だけが流れる音楽サービス!」、「通常のラジオのようなニュースやパーソナリティトークはほとんど入らず、曲名とアーティスト紹介以外は、ひたすら楽曲が流れるので、純粋に音楽を楽しむことができます。」、「JASRACをはじめとした権利者の許諾に基づいて楽曲を配信しているので、いつでも安心して音楽番組を楽しめます。」などと紹介した(乙14の2)。 エ リスラジの内容拡大 MTIは、平成25年7月16日には、リスラジのチャンネル数を115に拡大することを発表し、リスラジのチャンネルラインナップとして、「【最新ヒット“Find Your Music!”】最新のJ−POPやヒット曲が流れる『ListenRadio』のメインチャネル」、「【シチュエーションや気持ちで選ぶ“シチュエーション”“気持ち”】・・・」、「【全国のコミュニティ放送局から選ぶ“コミュニティ放送局”】CSRAに加盟する全国のコミュニティFM局のサイマル番組を数多く放送。地域情報なども放送されるので、都会での地方の今を知りたい時、旅行先の情報を知りたい時などに便利な69チャンネル」などがあることを紹介した(乙14の1)。 また、リスラジの画面上に、「番組への楽曲リクエスト」を設け、リスラジを通して楽曲を聴いているリスナーが、楽曲のリクエストをリスラジに対して送信できるようになっており、また、ツイッターに投稿すると、リクエスト曲の放送日を事前に知らせることができる仕組みも備えた(乙15の1・2、16の1ないし4)。 (7) リスラジによる24時間サイマル配信後の被告とCSRAとの交渉 上記のとおり、平成24年7月には、ほぼ24時間にわたり、「Find Your Music!」番組が放送されるようになったところ、被告から、CSRA事務局に対し、同年12月、リスラジアプリの内容について問合せがあった。その後、被告とCSRA事務局との間でリスラジアプリについての協議が重ねられ、平成25年7月頃には、被告は、CSRA事務局に対し、リスラジでのサイマル配信は利用許諾契約の範囲外であることを示唆する文書を送付するなどした上、同年9月には、平成25年度の使用料規程細則の適用基準を変更し、同細則による利用者に対して届出書の提出を要求した(甲8)。被告は、同文書において、同細則第2条における「情報料又は広告料等収入がなく、放送区域内における電波不到達地域の解消を目的とした送信で別に定める基準」の意味として掲げる下記三要件についての変更を行った(甲5)。 「(1) 放送番組の同時ストリーム送信から得る収入がないこと」を「(1) コミュニティ放送事業者その他の者が放送番組の同時ストリーム送信から一切の情報料及び広告料収入を得ないこと」に、「(2) 放送区域内に電波不到達地域が存在し、著しく大きな支障が生じていること」を「(2) 放送区域内における電波不到達地域の解消を専らの目的として送信すること」に、「(3) 以下のいずれかの条件を満たすこと @ 同時ストリーム送信の対象となる番組時間のうち、放送事項別分類が「報道」、「教育」、「教養」、「行政情報」、「生活情報」又は「観光情報」に該当する番組時間が8割を超える(放送事項別分類は、年2回総務省に提出する事業計画変更届けに記載する分類に基づくものとする)。A 送信する曲名等の事前告知を行わず、なおかつ、楽曲のフルサイズを送信しない。」のうち、「(放送事項別分類は、年2回総務省に提出する事業計画変更届けに記載する分類に基づくものとする)」の部分を削除した。 また、被告は、同文書に添付された「届出書の記載に係る注意点」(甲74)において、上記変更後の文言についての解釈を示した。 その後、被告は、平成26年3月には、原告らとの利用許諾契約を自動更新したものの、引き続きリスラジによるサイマル配信について協議が続けられ、被告とMTIとの間での同年5月の打合せ時には、「基本的にはリスラジについてはサービスを停止してほしい。」、「インターネット放送部分とサイマル放送部分についてはサービスは可能としても、「Find Your Music!」番組についてはすぐにでもサービスを停止して欲しい旨申し入れたい。」などとその意思を表明していた。また、今後の対応についても、被告としては、文書か口頭か何らかの形で被告からサービス停止要請を行うか、別の形で調整を行うかを検討したいなどの方向性を伝えていた。また、被告とCSRA事務局との間での同年6月の協議においては、被告は、「Find Your Music!」番組について、ユーザやレコード会社としては音楽アプリに見えてしまうし、MTIに許諾をしていない楽曲も流れているのが問題としていること、リスラジのサービスは、レコード会社のビジネスとバッティングするので看過できないこと、SONYに関しては、被告に信託ができなくなるので引き上げるとも言っているなどと伝えていた。 さらに、平成27年1月末の被告とMTIとの協議において、MTIは、番組まとめ機能の一時停止、ユーザが既存の番組を任意に登録したマイ番組表(ユーザオリジナルの番組表)を作成し、マイ番組表を選択すると、登録された通りに番組を視聴できる仕組に変更するなどの一定の変更を検討した案も提案していた。 (以上につき、甲71ないし77。枝番号のあるものは枝番号を含む。) (8) 本件各音楽番組のリスラジアプリによる配信構造等について 本件各音楽番組で使用される楽曲は、FM KENTOが、CDレンタルやiTuneで購入し、FM KENTOは、予めCWLによって調整された1時間単位の放送枠に合わせて、原告ごとに1時間から8時間枠で楽曲を編成して音楽番組(以下「放送音声部分」ともいう。)を制作し、各原告に納入している。FM KENTOが、放送音声部分を制作する際、数曲(7〜8曲)の楽曲と数曲の楽曲との間に、MTIが運営する音楽等配信事業の「music.jp」や「リスラジ」のCM(30秒から40秒程度のもの)が流れるように編成し、本件各音楽番組に使用される楽曲はフルサイズ(一つの楽曲の始めから終わりまで)で使用しないで制作していた。また、FM KENTOは、放送音声部分に対応した本件各音楽番組の番組表及びタイムテーブルのテキストデータ(以下「放送番組データ」という。甲53ないし55参照)を作成し、これをMTIの管理する管理システムへと送付することになっており、その放送番組データには、各原告の番組配信開始時刻における各放送局の情報(URLを含む)と本件各音楽番組において放送される楽曲等の文字情報データ等が含まれている。 各原告は、FM KENTOから納入された音楽番組(放送音声)について、番組送出システムを使用して、地上波放送として放送するところ、地上波放送はアナログの放送音声で送出されるため、地上波放送と同時に、各原告のエンコーダサーバーを使用して、アナログ放送音声をデジタル放送音声にエンコードした上、デジタル放送音声は、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクトが提供するインターネット向けマルチデバイス配信サービス「SmartsSTREAM」で使用されるサーバー(番組配信用リアルタイムクラウドサーバー)に送信する。この番組配信用リアルタイムクラウドサーバーは、MTIが、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクトから提供を受けているものである。このデジタル放送音声については、ストリーム送信されるため、リスナーが、リスラジアプリを起動・操作して本件各音楽番組を視聴する際、デジタル放送音声については、リスナーの端末(受信機)に一定期間保存することはできない。リスナーが、スマートフォン向け配信及びリスラジパソコン向け配信のデジタル放送音声をストリーミングする際のサーバーのネットワーク上の接続先は「mtist.as.smartstream.ne.jp」である。 他方、リスナーは、サイマル配信されている放送音声を受信するのと同時に、MTIに送られた放送番組データを通じて、本件各音楽番組において放送されている楽曲等の情報を入手することができる。すなわち、受信機となるリスナーの端末(スマートフォン等)の画面上には、上記の放送番組データにより、「楽曲名」、「アーティスト名」、「ラジオ局名」、「ラジオ局ロゴ」、「番組名」、「番組説明文」などが表示される。例えば、甲第52号証の1の画面では、原告海老名エフエム放送株式会社の放送局名「FMカオン」の提供する「カオン音楽堂」という音楽番組において、現在放送中であることが示される「♪))」のマークとともに、楽曲名「その向こうへ」及びアーティスト名「10−FEET」と画面上表示されるため、リスナーは、現在放送中の楽曲等の情報を入手することができる。 また、上記のほか、リスラジのウェブサイト上の画面には、画面上部下部に広告主企業のバナー広告が常時表示され、アプリケーション起動時、終了時及び再生時には画面中央部に広告主企業の広告が表示され、楽曲名表示画面上には、常時、広告主企業の広告が表示され、それぞれリスラジアプリのユーザが、当該企業広告を押下すると、広告主側が用意した詳細ページやマーケットに画面が遷移する仕組みになっている。 (以上につき、甲20ないし22、52ないし55、89、90、107、乙12、13及び弁論の全趣旨。枝番号があるものについては、枝番号をすべて含む。) (9) リスラジ以外のアプリケーションソフトによるサイマル配信 リスラジ以外でラジオ放送番組のサイマル配信を行うアプリケーションとして、「radiko.jp」、FM聴、i−コミュラジなどがある。このうち、コミュニティ放送を行う放送局を主な対象としているのは、FM聴及びi−コミュラジである。 これらのアプリケーションを利用して、サイマル配信されたラジオ番組を聴きたいリスナーは、まず、スマートフォンなどにアプリケーションをダウンロードしなければならない(その際、「radiko.jp」は無料だが、FM聴及びi−コミュラジでは一定額の料金を支払う。)。その後、リスナーは、アプリケーションを利用して、それぞれのウェブサイトにアクセスし、自分の聴きたいコミュニティ放送局を選択すると、同放送局のサイマル配信を個別に視聴することができる。ただし、いずれのアプリケーションにおいても、複数のコミュニティ放送局において時間ごとに分散して配信されている番組を自動的に連続して聴くことができるような機能、設定は設けられていない。 FM聴に参加しているコミュニティ放送局のうち、本件訴訟において原告となっているコミュニティ放送局は、原告エフエム高松コミュニティ放送株式会社、原告株式会社いわき市民コミュニティ放送、原告株式会社エフエム会津、原告株式会社けんと放送、原告水戸コミュニティ放送株式会社、原告エフエムベイエリア株式会社、原告株式会社フラワーコミュニティ放送、原告エフエムよっかいち株式会社、原告せんだい泉エフエム放送株式会社、原告株式会社クレスト、原告株式会社Mot.COMもとみや、原告エフエムラジオ立川株式会社、原告すまいるエフエム株式会社、原告つくばコミュニティ放送株式会社、原告沖縄ラジオ株式会社、原告株式会社FMうるま、原告海老名エフエム放送株式会社、株式会社FMしまじりの18局である。 また、i−コミュラジに参加しているコミュニティ放送局のうち、本件訴訟において原告となっているコミュニティ放送局は、原告株式会社えふえむ・エヌ・ワン、原告株式会社フラワーコミュニティ放送、原告株式会社MID−FM、原告株式会社らむれす、原告株式会社仙台シティエフエム、原告エフエムよっかいち株式会社、原告水戸コミュニティ放送株式会社、原告株式会社エフエム会津、原告株式会社ニセコリゾート観光協会の9局である。 (以上につき、甲24、51の1及び2、70、乙20ないし22) (10) 各アプリケーションによるサイマル配信等の比較 原告株式会社フラワーコミュニティ放送が放送する「フラワーラジオ」の地上波ラジオ放送における音楽番組を、FM聴、i−コミュラジ、リスラジのアプリを利用して、サイマル配信を受信し、音楽番組を視聴した結果(甲91の1ないし6)によれば、FM聴、i−コミュラジ、リスラジの全国のラジオ局のチャンネルにおいては、原告株式会社フラワーコミュニティ放送の地上波ラジオ放送と同様、午前10時58分前後から同放送地域の店舗のCM(以下「地域店舗のCM」という。なお、甲91の1ないし3、及び5では、山本青果、お好み焼きの保りか和(ほりかわ)、久保田燃料の店舗のCMが流れている。)などが流れた後、午前11時頃、「ウィークリースペシャル 今週のテーマは、アッパー男性ボーカル特集・・」などとしてフラワーラジオの音楽番組が始まる(ただし、FM聴やi−コミュラジでは、地上波ラジオ放送と比較すると多少の時間的遅延が生じている。)。また、FM聴、i−コミュラジ及びリスラジの全国のラジオ局のチャンネルの画面上では、放送した楽曲名やアーティストなどがすべて表示されるわけではなく、「11:00−12:00娯楽・音楽番組」といった包括的な表示、又は、現に放送中の楽曲の楽曲名及びアーティスト名だけが表示される。これに対し、リスラジのおすすめ番組まとめチャンネルを利用すると、「フラワーラジオ」による音楽番組に切り替わる直前まで、フラワーラジオの直前の放送枠が割り当てられている原告株式会社エフエム会津が放送する「FM愛’s」による音楽番組が放送されていることにより、「FM愛’s」で流れている楽曲の途中で、「ウィークリースペシャル 今週のテーマは、アッパー男性ボーカル特集・・」などとしてフラワーラジオの音楽番組が始まり、当該放送地域に特有の地域店舗のCMは流れない。また、画面上は、現に放送中の楽曲のみならず、それまでに放送された楽曲名及びアーティスト名が表示されるほか、企業のバナー広告等も常時表示されている。 (以上につき、甲91の1ないし6、107、弁論の全趣旨) 2 検討 以上の事実関係を前提として、各争点について検討する。 (1) 争点1(被告の本件更新拒絶は、管理事業法16条にいう「正当な理由がなく」利用の許諾を拒んでいるものとして無効(民法90条)といえるか)について 前記前提事実及び上記1で認定した事実関係のもとでは、被告による本件更新拒絶は、管理事業法16条所定の正当な理由のない利用の許諾の拒否には当たらないというべきである。以下、理由を述べる。 ア 本件各音楽番組が本件利用許諾契約における「自ら制作し放送するラジオ番組」(自主制作番組)といえるかについて (ア) 前記1(1)及び(2)において認定したところによれば、各原告は、市区町村の一部の区域において、地域に密着した情報を提供するために制度化されたFM放送局であるコミュニティ放送局を運営するものである。コミュニティ放送局を開設するに当たっては、総務大臣の免許を受けなければならず、特に、コミュニティ放送局が行う放送においては、コミュニティ放送局の特色である地域密着性の確保のため、地域に密着した各種の情報に関する番組等、地域住民の要望に応える放送が、できる限り1週間の放送時間の50%以上を占めていることなどが定められているほか、「自社において制作する放送番組」と「他から供給を受ける放送番組」の時間と比率も定められている。また、一般に、コミュニティ放送における「自社において制作する放送番組」とは、「自社が『制作著作』となるものをいい、「制作著作」とは、「発意と責任を有し、制作に必要な手配をするものとしての権利と責任の主体の表示とする。」と解される(前記1(2)イ)から、コミュニティ放送局である各原告と被告との間の本件利用許諾契約における「自ら制作し放送するラジオ番組」の意義についても、上記コミュニティ放送局の特徴に鑑み、本件各音楽番組が、各原告の発意と責任により制作されたものといえるかどうかという観点から解釈されるべきものといえる。その際、コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送する番組は、限定された区域の需要に応える放送を行うためのものであるから、コミュニティ放送事業者が自ら主体となり、放送する番組コミュニティ放送事業者が制作に関する法律上の権利義務が帰属し、制作に関する経済的な収入・支出の主体となって制作するとともに、制作業務の主要な部分を自ら担当することが必要である。 そこで、本件各音楽番組についてみると、前記のとおり、本件各音楽番組を個々的に見れば、各原告が地上波放送している音楽番組のサイマル配信である一面を有するものの、これらは、すべてリスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルに提供されることを予定されているものであり、1日24時間の放送時間枠及び1週間の放送日までをFM KENTOが調整の上、その放送する音楽番組の内容が決められ、放送音声部分が作成されているものである。しかも、FM KENTOは、当該放送音声部分に対応する放送番組データを作成し、MTIの管理する管理システムだけに提供し、各原告にどのように送付しているかは定かではなく、仮に送付されていたとした場合でも、本来、各原告の依頼によって制作された音楽番組であれば、放送音声データのみならず、サイマル配信を予定している各原告に対して放送番組データを送付すれば足りるのに、これをMTIにも送付していることからみても、本件各音楽番組は、MTIが企画する24時間連続して音楽番組を流すという特徴を有するリスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルの番組編成に合うように作成された音楽番組であり、単に、そのMTIが提供する音楽番組チャンネルの構成の一部にすぎないというべきである。しかも、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルの配信では、MTIが運営するmusic.jpや24時間音楽番組が流れることを特徴とするリスラジの宣伝は放送されるのに、地域店舗のCMが流れないように本件各音楽番組を編成することもできる(前記1(10)のとおり、実際に、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じて本件各音楽番組を連続して視聴すると、例えば、Aの放送時間枠(午前11時から12時)の午前11時直前に地域店舗のCMを入れ、直前の放送時間枠を有している放送局Bは、放送時間枠(午前10時から午前11時まで)の午前11時まで音楽を流すように編成することで、Aコミュニティ放送局の放送地域に所在する地域店舗のCM(午前11時直前に放送されているもの)は放送されず、そのまま午前11時にA放送局に切り替わることによって、A放送局の地域店舗のCMが放送されないよう巧妙に編成されていることも認められる。)上、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルのウェブサイト上にバナー広告が常時現れ、当該広告掲載についての対価をMTIが得ているのであって、各コミュニティ放送局から地上波放送された番組を単にサイマル配信したものとみることはできず、実質的には、MTIの責任において配信されているものとみるべきである。 この点、原告らにおいても、リスラジのアプリケーションは、ザッピング機能を有していることにより、実質的に視聴者に無料で最新の音楽番組を常時提供することが可能なアプリケーションとなっていることは認めているところ(平成27年5月11日付け訴状訂正申立書10頁)であり、リスラジアプリを通じて本件各音楽番組を視聴したリスナーがリクエスト曲等をリスラジに対して行い、これが番組内容に反映される仕組みも備えていること(前記1(6)エ)、リスラジアプリを通じた本件各音楽番組は、地上波のラジオが休止中であっても聴けることをうたっていること(前記1(6)イ)、実際に、他のアプリケーションによる地上波放送のサイマル配信が休止中であっても、リスラジアプリの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じてであれば、本件各音楽番組を視聴できる時間帯が認められること(乙20)などからすると、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じた配信は、単に各コミュニティ放送局が地上波放送をしているラジオ番組をサイマル配信としたものとはいえないというべきである。 以上を総合すると、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じた本件各音楽番組の配信は、MTIの発意によるMTIの責任により配信されているものと認められる以上、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルに提供される本件各音楽番組を、各原告の発意と責任によって制作された番組と認めることはできない。 (イ) この点、原告らは、本件各音楽番組は、「自社において制作する放送番組」のうち、「B共同制作(自社と外部制作会社が共同して番組を制作し「制作著作」が自社および共同製作者である外部協力会社の表記がなされる番組)」か、「C制作委託(自社の委託により外部制作会社が一括して制作する番組)」に当たる旨主張するものの、制作委託に関する契約書などは存在せず、口頭で番組の意向を伝えているなどとし、その理由として、原告らは、コミュニティ放送局という中小企業同士の取引であって、事務処理コストをかけて法律関係を明確化するよりも、相互の信頼関係の方が重視され、コミュニティ放送局同士の信頼関係があるからだとする原告フラワーコミュニティ放送株式会社の従業員の陳述書(甲89)や原告株式会社えふえむ・エヌ・ワンの取締役の陳述書(甲92)などを提出する。 しかし、FM KENTOを除く各原告により、本件各音楽番組の制作を担当するというFM KENTOに対し、具体的にどのような意向や要望が伝えられ、それに対し、FM KENTOがどのような内容の音楽番組を提供していたかなどの詳細が不明である以上、上記証拠によっては、本件各音楽番組の制作が、共同制作であるとか、制作委託による制作であると認めることはできない。なお、FM KENTOについては、自ら制作しているという点が認められるとしても、上述のとおり、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じて配信されることを前提とし、他の各原告の音楽番組との内容や放送時間枠に鑑みながら制作されるものである以上、自己の発意と責任において配信される音楽番組とはいえず、FM KENTOの制作する番組であっても、リスラジの「おすすめ」番組チャンネルを通じて配信される音楽番組は自主制作番組とはいえないとみるべきである(仮に、原告らが主張するように、24時間音楽番組だけを放送する番組(チャンネル)に提供されることを予定した本件各音楽番組を各原告らの共同制作番組であると認めるとすれば、本来、放送内容の配分等が制約されたコミュニティ放送局単体では行えないはずの、音楽番組だけを1週間、24時間連続して配信するという形態を、コミュニティ放送局が共同して行う目的で制作された音楽番組を共同制作しているとみることもでき、本件各音楽番組を共同制作と認めることは、コミュニティ放送局としての許可の範囲を逸脱するものというべきであろう。)。 (ウ) また、原告らは、本件各音楽番組が、各原告の意向を反映している例として、原告水戸コミュニティ放送株式会社が、平成25年9月10日当時、CSRAの事務局に対し、「『Find Your Music』番組のうちの2チャンネル目の放送に関し「社内の反対案が多く金曜日の15時からのみと、して下さい。」と通知し、その理由として「今、放送している分が、同じ音楽しか流れない」ことや「毎週・毎週・AKBの同じ曲しか流れない」ことを挙げている(甲47等)が、むしろ、各原告の意向が反映され、各原告の発意によって制作された音楽番組であれば、このような問題は生じないというべきである。 このことは、各原告とMTIの代理として放送枠を調整しているCSRAとの間で以下のようなやりとりがされていることからも裏付けられる。すなわち、FM KENTOによりMTIに送られている放送番組データを通じ、リスラジのウェブサイト上で表示された楽曲等が放送音声と異なった(1週間前の放送番組データが表示されたために生じたもの)際に、リスラジを通じたリスナーから楽曲名と放送内容が異なるとしてMTIに問合せが来たため、CSRA事務局が、株式会社宮崎サンシャインエフエム(本件訴え提起時には原告であったが、その後、訴えを取り下げた。)に対し、番組内容と放送日は合致することが重要であること、放送内容が異なった番組について番組枠料は減額とすること、今後は、データの運行については、MTIとCSRAにデータ運行が完了した段階で報告することなどを依頼し、これに対し、株式会社宮崎サンシャインエフエム従業員がCSRA事務局に宛てて謝罪し、今後は、MTIとCSRAにデータ運行完了を報告する旨約していることなどのやりとりがされたメール(甲56)、放送音源の誤りのため、放送音声とリスラジの画面上に表示された楽曲等の食い違いをCSRAに謝罪した原告株式会社クレストのメール(甲57の1・2)、地域の災害に見舞われ、リスラジにおいて自己に割り当てられた放送枠の中で、地域で起こった災害情報を放送しなければならない際に、事前にCSRAに宛てて、災害に関するお知らせを放送することに理解を求めるメールを送り、今後はどういう対処をとるべきかなどの指示を求めている非営利活動法人ディ(あまみエフエム)のメール(甲59、60)などは、リスラジのまとめチャンネルを通じて配信される本件各音楽番組が、MTIが提供する24時間音楽番組を流すチャンネルの構成の一部にすぎず、各原告の発意と責任による音楽番組でないことを示しているものというべきである(なお、甲60には、CSRA事務局の対応として、リスラジアプリ上でも災害対応の番組内容を放送する旨の記載があるが、コミュニティ放送局の開設時の申請書類には、災害放送に関する事項を定めた様式が定められているように(総務省手引き〔様式2−16〕参照)、災害に関する情報をコミュニティ放送局が放送することは、コミュニティ放送局として当然の使命であり、本来CSRAやMTIなどに承諾を求めるべき事項とはいえず、コミュニティ放送局の独自の判断で放送すべき事項であり、第三者であるMTIに承諾を求めていること自体、リスラジのまとめチャンネルを通じて配信される本件各音楽番組が各コミュニティ放送局(原告ら)の発意と責任に基づかないことを裏付けているというべきである。)。 (エ) さらに、原告らは、花火大会やサッカーの試合などの特番がある場合には放送枠の単価をより高く設定できるため、MTIより有利なスポンサーを確保した場合、各コミュニティ放送局はリスラジの番組への参加を一時的に取り止める場合があること(甲48)、コミュニティ放送局が新番組を始める際にも、リスラジの番組への参加を取り止めることがあること(甲49)などを挙げて、各コミュニティ放送局が、自らの番組編成方針や志向に合致する限りにおいて、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルに参加するかしないかについて決定していると主張する。 しかし、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルが、単に、原告らコミュニティ放送局が地上波放送をしている番組と同様の番組をサイマル配信するものであれば、原告らが放送する番組の内容によって、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルに一時的に参加するかしないかなどについて変える必要はないというべきであって、むしろ、参加の有無を変更しなければならないのは、MTIの企画による24時間音楽番組を流す番組(チャンネル)に提供されるという条件があるためであって、本件各音楽番組は、各原告が地上波放送している音楽番組のサイマル配信である一面を有するものの、これらは、すべてリスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルに提供されることを予定されており、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルは、MTIが企画する24時間連続して音楽番組を流すという特徴を有する番組(チャンネル)として構成されているため、その構成の一部となっている本件各音楽番組が、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルの特徴に反する内容を放送すると、MTIの企画する「おすすめ番組まとめ」チャンネルとして成り立たなくなるためである。このことは、まさに、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルが、MTIの発意によるMTIの責任をもって配信される音楽番組であることを裏付けているものである。 (オ) また、原告らは、CWLの行う放送枠の調整は、規模こそ違えども、大手広告代理店である株式会社電通や株式会社博報堂が、大企業であるトヨタ自動車株式会社や株式会社東芝などのスポンサーの意向を受けて、日本テレビ放送網株式会社や株式会社フジテレビジョンに対して営業活動を行っているのと何ら異なるところはないとか、スポンサーの意向を受けて番組内容が編成されるのは通常のことであるとし、放送枠の調整などが行われていても自主制作番組であることを否定するものではないとも主張する。 しかし、本件各音楽番組の放送枠の調整は、MTIが24時間音楽番組を配信するチャンネルのために、原告ら各放送局の放送時間枠を調整するもので、本来、原告らは、自己が放送する番組について、その内容、時間枠も含め、自分で管理すべきものであり、他の放送局との時間枠と調整する必要はないはずであって、CWLの行う放送枠の調整が、株式会社電通などが行っている広告代理店業務と同様であるとはいえない。 また、放送局が、自己の放送する番組のスポンサーの意向を反映させることがあるとしても、本件各音楽番組は、MTI自身が運営する24時間音楽番組を配信するというリスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを編成するために、各原告の放送時間枠を買い取っているものであり、単なるスポンサーとはいえないから、原告らの主張は採用することができない。 (カ) 以上からすれば、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルにおいては、ザッピング機能を使用して、音楽番組のみ継続して聴くことを希望する全国のユーザの需要に応えることを主要な目的とするMTIの発意によるMTIが責任を有するチャンネルであって、このリスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じて配信されることを予定された本件各音楽番組は、各原告の発意と責任によって自主的に制作する番組とはいえないから、原告らの主張は採用することができない。 イ 被告の利用許諾の権限について (ア) 管理事業法16条において著作物等の利用許諾の拒否を制限する趣旨は、委託者は、管理事業者に対し、利用許諾を積極的に行うことによりなるべく多くの使用料を徴収してもらうことを期待して、著作物等の管理の委託をし、また、管理事業者が利用者の許諾の申込みを自由に拒絶できることとすると、著作物等は代替性が低い場合が多く、利用者側に多大な不都合を生じさせることにもなることから、委託者・利用者双方の利益の保護を図るため、管理事業者に対し、正当な理由がなければ取り扱っている著作物等の利用を拒んではならない義務を課したものである。 したがって、「正当な理由」がある場合とは、委託者の意思に反する等、利用を拒絶してもやむを得ない理由がある場合をいい、許諾をすることが委託者の意思に反する場合とは、管理委託契約締結の際に、委託者が、環境破壊や飲酒・喫煙の助長につながるような方法による利用を拒絶するように依頼していたなど、特定の態様の利用行為に対して委託者の拒絶の意思が明らかにされている場合、また、許諾をすることが、通常、委託者の合理的意思に反する(委託者であれば通常許諾を望まない)と認められる場合をいうものと解される。 (イ) そして、前記前提事実によれば、管理委託契約約款3条において、管理委託の範囲が定められ、同条(2)アBで、「コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送するラジオ番組(コマーシャルを除く。)」と定められていることが認められるから、被告の利用許諾の権限は、この範囲に限定されているところ、前記のとおり、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じて配信されることを前提とした本件各音楽番組は、コミュニティ放送事業者が自ら制作し放送するラジオ番組といえないというべきであるから、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルに提供されることを前提とした本件各音楽番組についての配信に関する利用許諾権限を被告が有していないことは明らかである。 しかも、被告の管理レコードのサイマル配信にかかる集中管理権限の導入に当たっては、前記1(4)で認定したとおり、被告の管理権限は限定された範囲で開始されたものであり、被告の管理レコードの利用許諾範囲は、利用許諾契約書に記載の配信サイト・配信サーバーのみが対象となっているものである。 本件についてみると、各原告の利用許諾契約書においては、各原告は、いずれもCSRAのウェブサイトである「サイマルラジオ」を通じたサイマル配信を配信サイトとして掲げているから、この限りにおいて、被告は、被告の管理レコードに関するサイマル配信に係る権限を有し、各原告に対し、被告の管理レコードの利用を許諾していたものであり、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じて本件各音楽番組を配信することについて、被告が許諾する権限を有していないことは、本件利用許諾契約書上、明らかというべきである。 この点、原告らは、本件利用許諾契約書に記載が要求されていた配信サーバー・配信サイトには特段の意味はなく、適当に何か書いてあればよい旨の示唆を被告から受けた旨主張し、これに沿う陳述書(甲89、92)なども提出するが、通常、契約書に記載されている事項が、何の意味も持たないということはあり得ず、しかも、被告の管理レコードに係るサイマル配信についての集中管理権限が導入された経緯にかんがみても、配信サーバー等の記載に特段の意味はないという上記原告らの主張は、不合理であり、採用することができない。 さらに、3月6日契約書案は、被告が上記権限内での許諾を前提としたことを明確にするために本件利用許諾契約書の文言に加筆部分@ないしBを加えたものと認められ、その内容に不合理な点はない。 (ウ) 以上のとおり、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じての本件各音楽番組の配信については、本件利用許諾契約の効力は及ばないものと解されるものの、そもそも、このような配信に係る被告の管理レコードの許諾は、被告に与えられた許諾の権限外であり、利用許諾契約に反するものであることを明確にするため、被告が、本件利用許諾契約の自動更新を阻止するため、本件更新拒絶をし、上記趣旨を明確にした3月6日契約書案(別紙「届出書の記載に係る注意点」と題する書面を含む。)を提示して、新たな契約文言での利用許諾契約締結の申込みの誘引をした被告の対応は、正当なものであり、本件更新拒絶は、管理事業法16条所定の正当な理由のない利用の許諾の拒絶には該当しないというべきである。 ウ 原告らの主張について (ア) 原告らは、被告が、他のサイマル配信を行っているアプリケーションについて問題にしていないことをもって、本件更新拒絶に理由がないことを主張する。 しかし、本来、本件利用許諾契約において許諾されていないウェブサイト上での配信は、同契約違反であるというべきであるといえるところ、上記認定のとおり、「FM聴(てい)fo Community」のアプリケーション、「コミュニティFM for iPhone(i−コミュラジ)」のアプリケーションでは、各コミュニティ放送局を選択し、そのサイマル配信を個別に視聴することはできるが、複数のコミュニティ放送局において時間ごとに分散して配信されている番組を自動的に連続して聴くことができるリスラジのまとめチャンネル機能(ザッピング機能)のような機能は備わっていない(甲24、乙20ないし22参照)。 したがって、被告の対応が異なっていたとしても不合理とはいえず(許諾しているサイマルラジオにおける配信と同様の形式で配信されている限りにおいて、被告が問題にしていないことは十分あり得るところである。)、他のアプリケーションを被告が問題にしていないからといって、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを問題にする被告の対応が不合理とはいえない。 (イ) また、原告らは、利用許諾契約により配信可能化の許諾を得て、放送音声として配信可能化を実行しているのは、各原告のエンコーダーサーバーであるから、利用許諾の範囲内である旨も主張する(原告ら第7準備書面9頁等)。 しかし、放送音声を地上波放送と同時にストリーム送信するには、単にアナログ放送音声をデジタル放送音声にエンコードするだけでは足りず、デジタル放送音声を自動公衆送信装置に入力してはじめて送信可能化されるものである。そして、本件各音楽番組のデジタル放送音声が入力されている自動公衆装置が、エヌ・ティ・ティ・スマートコネクトが提供するインターネット向けマルチデバイス配信サービス「SmartsSTREAM」で使用されるサーバー(番組配信用リアルタイムクラウドサーバー)に送信するもので、本件各音楽番組の放送音声データの送信可能化については、この番組配信用リアルタイムクラウドサーバー装置における送信準備までを含むものと解すべきである。 原告らは、リスラジの配信サーバーの構成が、他のサイマル配信サイト(FM聴、i−コミュラジ、radiko.jp)の配信サーバーと同様の構成をとっているとして、証拠(甲102、103、105等)を示すが、配信サーバーの構成が同様の構成をとっているとしても、上記のとおり、利用許諾契約に記載されていない配信サーバーからの配信は、利用許諾契約の範囲に含まれていないものであって、利用許諾契約に記載された配信サイト又は配信サーバー以外の配信サイト又は配信サーバーからのサイマル配信には、本来、利用許諾契約書の変更ないし追加を求めるべきものといえ、他のサイマル配信サイトがこれらをしていないからといって、MTIの管理するリアルタイムクラウドサーバー装置からの配信が正当化されるわけではなく、原告らの主張は採用することができない。 エ まとめ 以上から、本件更新拒絶は、管理事業法16条指定の正当な理由のない利用の許諾の拒否の制限には当たらないというべきである。 (2) 争点2(被告の本件更新拒絶は、信義則に反し、無効であるといえるか)について 原告らは、被告は、これまで、リスラジと同様の機能を有する他のアプリケーションの利用について何ら問題視しておらず、リスラジのアプリの利用についても、被告と十分に事前協議を重ねており、事実上、被告は、原告らの行為を明示的又は黙示的に承認してきたにもかかわらず、本件更新拒絶を行ったものであって、被告の本件更新拒絶は、信義則に反し、無効である旨主張する。 しかし、前記1の(7)において認定したところによれば、被告は、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルについて、配信開始直後の平成24年12月から問題視し、CSRAなどと協議を重ねてきており、協議の経過においては、明確に、被告の利用許諾権限の範囲外であることも伝えていたことが認められるのであって、被告が、最終的に、協議が整う見込みがないと判断して、本件利用許諾契約を自動更新させないという対応をとったことが、信義則に反するとはいえないし、協議の継続中に自動更新されたことをもって、直ちに被告が黙示に承諾したとか、黙認したと評価することは、相当とは言い難い。しかも、これまでの経緯(前記第2の前提事実(6)など参照)からみて、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じた本件各番組配信を明確に除外する意図で規定された3月6日契約書案の内容は合理的であり、被告は、本件更新拒絶の後も、この3月6日契約書案を原告らに提示し、利用許諾の範囲内での契約締結に応じる旨も明らかにしていたのであるから、被告の原告らに対する本件更新拒絶が信義則に反し、無効であるとは認められない。 なお、MTIは、利用許諾契約の自動更新を阻止するために必要な更新拒絶の期限が1か月後に迫っていた平成27年1月末の時点で、被告に対し、一時的にリスラジのザッピング機能を停止するなどの案を提示しているが、一時的な停止をしたからといって、利用許諾に反する状態が抜本的に解消するものでないことは明らかであるから、上記判断が左右されるものではない。 (3) 争点3(被告の本件更新拒絶は、「共同の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項1号イ又は同項6号イ、一般指定1項)又は「その他の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項6号イ、一般指定2項)に該当するため、無効(民法90条)といえるか)について 原告らは、被告が、各原告に対し、本件更新拒絶により、本件利用許諾契約における契約上の地位を認めないことは、「共同の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項1号イ又は同項6号イ、一般指定1項)又は「その他の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項6号イ、一般指定2項)に該当するため、無効(民法90条)である旨主張する。 しかし、前記(1)において説示したとおり、本件更新拒絶には正当な理由があるといえるし、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じた配信を前提とする本件各音楽番組は、「自主制作番組」に当たらないところ、被告は、自主制作番組に当たらない番組に関し、被告の管理レコードについての許諾権限を有していない。そうすると、被告は、そもそも、本件各音楽番組に関し、各原告と取引をする権限も、拒絶する権限も、有していないというべきであって、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルを通じた配信を前提とした本件各音楽番組を配信するために本件利用許諾契約上の地位についての確認を求める原告らの主張は、その前提を欠くものである。 また、証拠(甲16ないし19)によれば、複数のレコード制作会社が、定額制の音楽配信サービスなどを立ちあげ、リスラジなどの音楽配信について問題視していることが認められるとしても、上記権限を有していない被告が、原告らを排除する目的で本件更新拒絶を行ったとみることは、困難というべきである。 以上から、本件更新拒絶は、「共同の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項1号イ又は同項6号イ、一般指定1項)にも、「その他の取引拒絶」(独禁法19条、2条9項6号、一般指定2項)にも該当せず、原告らの上記主張は、採用することができない。 (4) 争点4(被告の本件更新拒絶は、「取引条件等の差別的取扱い」(独禁法19条、2条9項6号イ、一般指定4項)に該当するため、無効(民法90条)といえるか)について 原告らは、本件更新拒絶は、リスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルに参加しているコミュニティ放送局だけを差別的に取り扱うために行われたもので、取引条件等の差別的取扱い(独禁法19条、2条9項6号イ、一般指定4項)に該当するため、無効(民法90条)である旨主張する。 しかし、証拠(甲28、29、乙11の1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば、平成27年4月1日以降、本件利用許諾契約の内容で被告と利用許諾契約を締結し又は自動更新したコミュニティFM局が存在しているものの、それは、単なる手続上の事情によるものであって、被告は、現に、これらの契約先に対して、平成28年4月1日以降、契約を自動更新させない旨の通知をし、3月6日契約書案による契約の申込みを誘引していることが認められるところであるから、本件更新拒絶がリスラジの「おすすめ番組まとめ」チャンネルに参加しているコミュニティ放送局だけを差別的に取り扱うために行われたということはできない。 原告らは、他のアプリケーションにおけるサイマル配信との取扱いの相違についても主張するが、前述のとおり、これらは、ザッピング機能を有しておらず、被告が許諾したCSRAのウェブサイトでのサイマル配信と同様の形式(各コミュニティ放送局を選択し、そのサイマル配信を個別に視聴することができる形式)であるから、本件各音楽番組の配信と同列に論ずることができない。したがって、仮に、被告が、他のアプリケーションにおけるサイマル配信について問題とせず、本件各音楽番組が配信されているリスラジアプリだけを問題にして、本件更新拒絶を行ったとしても、そのことが差別的な取扱いであるとはいえない。 以上から、原告らの上記主張は、採用することができない。 第5 結論 以上によれば、本件更新拒絶は、管理事業法16条所定の正当な理由のない利用の許諾の拒否には当たらないし、信義則に反するとか、独禁法所定の不公正な取引方法に該当するということもできないのであって、私法上、無効とは認められない。したがって、本件利用許諾契約は、使用料規程の本則が適用されるか、細則が適用されるかにかかわらず、本件更新拒絶の結果、自動更新されずに、平成27年3月31日をもって、契約期間満了により終了したものというべきである。 よって、原告らの請求は、いずれも理由がないことが明らかであるから、これらを全て棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 嶋末和秀 裁判官 鈴木千帆 裁判官 笹本哲朗 (別紙)当事者目録 (原告)
同 國吉雅男 同訴訟復代理人弁護士 菅原啓嗣 (被告)
同 中川達也 同 福田祐実 (別紙) 原告らの請求 1(主位的請求) (1) 原告株式会社えふえむ・エヌ・ワンは、被告との間で締結した被告の管理にかかる商業用レコード製作者の複製権、譲渡権及び送信可能化権等に関する権利の利用許諾契約(以下、本別紙において、各原告共通して、単に「利用許諾契約」という。)に基づき、被告作成の使用料規程(平成14年3月1日届出、平成26年6月30日最終変更届出。以下、本別紙において、各原告共通して、単に「使用料規程」という。)の第3節1.(2)の備考@に基づき作成された使用料規程細則(以下、本別紙において、各原告共通して、単に「細則」という。)第3節「レコードを録音した放送番組の送信可能化」第3条に定める使用料を支払うことによって、被告による著作隣接権管理に係る商業用レコードを録音したコミュニティ放送番組をインターネット上で同時に配信することを目的として当該商業用レコードを複製及び送信可能化する方法で利用することができる契約上の地位(以下、本別紙において、各原告共通して、単に「本件契約上の地位」という。)にあることを確認する。 (2) 原告株式会社フラワーコミュニティ放送は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (3) 原告株式会社クレストは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (4) 原告株式会社MID―FMは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (5) 原告株式会社らむれすは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (6) 原告株式会社仙台シティエフエムは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (7) 原告株式会社いわき市民コミュニティ放送は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (8) 原告株式会社エフエムびざんは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (9) 原告株式会社FMうるまは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (10) 原告敦賀FM放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (11) 原告大和ラジオ放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (12) 原告エフエムよっかいち株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (13) 原告株式会社ラヂオもりおかは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (14) 原告せんだい泉エフエム放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (15) 原告株式会社Mot.Comもとみやは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (16) 原告つくばコミュニティ放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (17) 原告水戸コミュニティ放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (18) 原告エフエム高松コミュニティ放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (19) 原告すまいるエフエム株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (20) 原告株式会社エフエム会津は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (21) 原告エフエムラジオ立川株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (22) 原告株式会社おびひろ市民ラジオは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (23) 原告株式会社けんと放送は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (24) 原告株式会社DARAZコミュニティ放送は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (25) 原告株式会社FMしまじりは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (26) 原告エフエムベイエリア株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (27) 原告海老名エフエム放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (28) 原告沖縄ラジオ株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (29) 原告株式会社ニセコリゾート観光協会は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の細則第3節第3条に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 2 (予備的請求) (1) 原告株式会社えふえむ・エヌ・ワンは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の第3節1.(2)本表(以下、本別紙において、各原告共通して、単に「本則」という。)に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (2) 原告株式会社フラワーコミュニティ放送は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (3) 原告株式会社クレストは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (4) 原告株式会社MID−FMは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (5) 原告株式会社らむれすは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (6) 原告株式会社仙台シティエフエムは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (7) 原告株式会社いわき市民コミュニティ放送は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (8) 原告株式会社エフエムびざんは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (9) 原告株式会社FMうるまは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (10) 原告敦賀FM放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (11) 原告大和ラジオ放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (12) 原告エフエムよっかいち株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (13) 原告株式会社ラヂオもりおかは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (14) 原告せんだい泉エフエム放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (15) 原告株式会社Mot.Comもとみやは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (16) 原告つくばコミュニティ放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (17) 原告水戸コミュニティ放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (18) 原告エフエム高松コミュニティ放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (19) 原告すまいるエフエム株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (20) 原告株式会社エフエム会津は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (21) 原告エフエムラジオ立川株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (22) 原告株式会社おびひろ市民ラジオは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (23) 原告株式会社けんと放送は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (24) 原告株式会社DARAZコミュニティ放送は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (25) 原告株式会社FMしまじりは、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (26) 原告エフエムベイエリア株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (27) 原告海老名エフエム放送株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (28) 原告沖縄ラジオ株式会社は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 (29) 原告株式会社ニセコリゾート観光協会は、被告との間で締結した利用許諾契約に基づき、使用料規程の本則に定める使用料を支払うことによって、本件契約上の地位にあることを確認する。 以上 (別紙)各原告の音楽番組名
(別紙)各原告の配信内容
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