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3月3日 「弁護士のくず」著作権侵害事件 |
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東京地裁/提訴
弁護士の内田雅敏さんは、人気漫画「弁護士のくず」に自著を盗用され、発行元の小学館やマンガ家によって著作権を侵害されたとして、500万円の損害賠償を求めて提訴した。
2月13日、東京地裁に、「ビッグコミックオリジナル」4回連載の最終回(3月5日号)への掲載差止めなどを求める仮処分を申請したが、地裁が判断を示さないままに最終号が発行されたので、正式に提訴した。
小学館側は、事実関係については著書を参考にしたが、ストーリーは独創的であり、指摘された類似点は客観的事実であり、著作権は侵害していないとしている。 |
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3月6日 住基ネット・プライバシー侵害事件(関東、近畿66人)(3) |
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最高裁(一小)/判決・破棄自判(確定)
大阪府吹田市、守口市の住民が、住基ネットの運用はプライバシー権を侵害し憲法違反だとして、国や自治体に個人情報の削除や損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷は裁判官の全員一致で、住基ネットは「合憲」との初の判断を示した。
「制度自体の欠陥により・・・人格権を違法に侵害する」とした大阪高裁の判決を破棄し、住基ネットの導入によりさまざまな利点があること、技術面では、システム構成機器等について相当厳重なセキュリティ対策が講じられていること、公務員の守秘義務違反は刑罰の対象となること、情報の適切な取扱いを担保する制度的な措置を講じていることなどに照らせば、憲法13条に保証する個人のプライバシー権その他の人格権を侵害するものではないとした。
第一小法廷は、この日、石川、愛知、千葉県の住民による住基ネット差止め請求についても、いずれも住民側の上告を棄却した。これにより、二審判決が確定し、いずれも住民側の敗訴となった。 |

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3月8日 ソフトバンク携帯デザイン酷似事件 |
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東京地裁/仮処分申請
NTTドコモと富士通の両社は、ソフトバンクモバイルが発売した東芝製携帯端末が、デザインやUI等、複数の項目で酷似しているとして、不正競争防止法に基づいて製造・販売差止等の仮処分申請を東京地裁に申し立てた。 |
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3月11日 商標“DAKS”侵害事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
英国企業ダックス・シンプソン・グループと日本での商標の専用使用権を有する三共生興は、被告会社が、ダックス社の商標を付した「英国王室御用達DAKS社リバーシブルベルト」と称するベルトを、韓国より輸入し、ダイレクトメールやウェブサイトで販売して、商標権、専用使用権等を侵害され、信用を毀損されたとして損害賠償、謝罪広告等を求めて提訴した。
大阪地裁は、被告使用の標章はいずれも原告の商標と外観、称呼及び観念が同一又は類似であり、原告の商標権を侵害し、専用使用権等を侵害しているとした。また、ダックスブランドは、英国王室御用達の詔勅を授与される等、高級ブランドとして著名だが、「粗悪品の評価を免れない」低品質商品を正規品と称して著しい低価格で輸入・販売され、ブランド価値が相当に毀損された等として、損害賠償とともに、輸入・販売の禁止、在庫品の破棄及び謝罪広告等を命じた。 |

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3月11日 予備校教材への作品無断使用事件(河合塾) |
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東京地裁/提訴
なだいなださん等9人が、大手予備校「河合塾」に対して、作品を無断で教材に使用されたとして、損害賠償を求めて、東京地裁に提訴した。 |
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3月11日 予備校教材への作品無断使用事件(東進ハイスクール) |
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東京地裁/仮処分申請
妹尾河童、五味太郎さん等13人は、国公私立大学の入試問題を大手進学塾「東進スクール」のホームページに無断掲載されたとして、掲載差止めを求める仮処分を、東京地裁に申し立てた。 |
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3月12日 スナック“シャネル”の営業表示使用禁止事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
ココシャネル商品の商標権を管理するスイス法人は、「スナック シャネル」「SNACK CHANEL」等の店名で飲食店を営業していた経営者に、「シャネル」「CHANEL」の使用差し止め、損害賠償を求めて東京地裁に提訴していた。
東京地裁は、被告が口頭弁論に出頭せず、答弁書の提出もないので、自白とみなして、不正競争法第2条1項二号「他人の著名な商品表示と同一若しくは類似のもの」を使用する不正競争行為に該当するとして、店名の使用禁止と250万円の損害賠償を命じた。 |

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3月13日 写真の“水彩画”模写事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
原告のアマチュア写真家が、自分の撮影した京都祇園祭りの写真を、許諾なく掲載した出版社、祇園祭りの広告に写真を利用した新聞社、写真ポスターや水彩画ポスターを使用した八坂神社、無断でこれらにポジフィルムを提供したデザイン会社代表取締役等に対して、複製権、氏名表示権・同一性保持権侵害による損害賠償請求訴訟を起こした。
東京地裁は、いずれも著作権侵害を認め、それぞれに損害賠償を命じた。
八坂神社は、原告に対して本殿内部等の報道陣でさえ撮影できない場所の撮影も許可し、「(八坂神社が)写真を必要とした時は、これを無償で提供する」旨記載の許可書を発行しているとしたが、東京地裁は、再度の撮影許可書では、本殿の撮影は禁止され、撮影範囲は一般観光客と変わらないものとなり「無償提供条項」は削除されているとした。
また、原告からクレームを受けたので、写真使用を止めて水彩画ポスターを使用したとの主張に対しては、「本件水彩画の創作的表現から本件写真の表現上の本質的特徴を直接感得することができる」と認められるから、「本件水彩画は、本件写真を翻案したもの」であるとし、翻案権侵害であるとした。 |

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3月13日 ゲーム画像のPV無断利用事件(韓国) |
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ソウル中央地方法院/判決・請求一部認容、一部棄却
スクウェア・エニックス社は、韓国のファントム社所属の人気歌手“IVY”の新曲「誘惑のソナタ」のプロモーションビデオ(PV)中に、「ファイナルファンタジーZ アドベントチルドレン」の一場面が無断で改変され、実写化されて使用されたとして、ファントム社とホン・ジョン監督に対して、著作権侵害による損害賠償請求を提起していた。
ソウル中央地方法院は、この日、スクウェア・エニックス社の主張を認め、総額3億ウォン(2800万円)の損害賠償を命じた。
単独作品の損害賠償額としては、韓国では過去最高額だという。 |
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3月14日 黒澤作品のDVD化事件B |
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東京地裁/提訴
東宝は、この日、「姿三四郎」などの黒沢明監督8作品の廉価版DVDを製造販売していた「コスモ・コーディネート」に対して、約1億2200万円の損害賠償を求める訴えを起こした。「コスモ・コーディネート」が販売した16万本の廉価版DVDを、通常価格で販売した際にかかる著作権料を賠償額とした。 |
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3月18日 商標“マイクロクロス”侵害事件C |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
超極細繊維を使った布製品について「マイクロクロス」の商標権を有する原告会社「ワンズハート」とその商標専用使用権を持つとする原告「マイクロクロス」社が、被告会社が「マイクロクロス」の標章を付した「ふきん」を販売したとして、販売差止と損害賠償を求めて提訴した。
大阪地裁は、原告マイクロクロス社については、その専用使用権の設定は登録されていないので専用使用権者ではなく、平成17年6月1日以降は、単なる通常使用権者にすぎず、非独占的通常使用権者には差止・廃棄請求権、損害賠償請求権はないとした。
また、被告は平成18年に「商標無断使用警告書」を受けるや、商品名を「マイクロクロス」から「マイクロふきん」と変更して販売したとして、ワンズハート社の損害額として約4万円の賠償を命じた。 |

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3月19日 商標“ELLE”侵害事件(ロックバンド)(2) |
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知財高裁/判決・変更(確定)
「エル」「ELLE」等の周知・著名商標を有するアシェット社(一審原告)が、ロックバンド「ELLEGARDEN」等の商標を付したTシャツやリストバンド等を販売する会社グローイングアップ(一審被告)に対して商標使用差止、不正競争防止法に基づく商品の廃棄などを求めた一審判決では、被告商標は原告商標に類似するとして、アシェット社の請求の大部分が認容された。これを不服として、グローイングアップが控訴した。
知財高裁は、グローイングアップの商標である「ELLEGARDEN」は、(1)同大・同色・同フォントで一連一体にまとまりよく表記してあり、殊更に2語に分割して把握する事情はない、(2)骸骨や血溜まりといったデザインと一体として用いられているので、「ELLE」ブランドのイメージと重なる余地はない等とし、2商標は非類似であるとした。
しかし、音楽CDに付した“被告標章10”は、「ELLE」「GARDEN」と2段に書き分け、「GARDEN」を小さく表記しており、この標章の要部は「ELLE」である。したがって、本件商標と“被告標章10”は外観、称呼及び観念において類似するとした。
知財高裁は、一審判決を変更し、“被告標章10”についてのみ、音楽CDに付したり、同標章を付した音楽CDの販売・展示・ウェブサイト上で表示することを禁止した。 |

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3月19日 商標“NEC”侵害事件 |
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東京地裁/判決・主意的請求棄却、予備的請求棄却(控訴)
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3月27日 ケネス・ハワード著作物の譲渡事件(2) |
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知財高裁/判決・変更
ケネス・ハワードの著作権は、共同相続した2人の子供A及びBから、上野商会へ著作権譲渡(本件譲渡契約1)され、上野商会からさらに「フォン・ダッチ・オリジナルズ」(控訴人)へ譲渡(本件譲渡契約2)された。
ところが、A及びBからさらに被控訴人へ著作権譲渡(本件譲渡契約3)されたために、ケネス・ハワードの著作権をめぐっては二重譲渡の関係が成立した。
一審の東京地裁判決は、日本の著作権法77条により、著作権の移転については登録しなければ第三者に対抗できないとして、譲渡登録を完了した被控訴人を著作権者として、控訴人の請求をすべて棄却した。これを不服として控訴したものである。
これに対し知財高裁は、本件譲渡契約1及び2は有効に締結されており、本件著作権はA及びBから上野商会を経て控訴人に移転している。A及びBから被控訴人への「本件譲渡契約3は成立していないかまたは虚偽表示により無効であって、本件著作権は譲渡されておらず」、 被控訴人は背信的悪意者と認められるから、控訴人に対して著作権法77条の対抗要件の欠缺(けんけつ)を主張できない等として、控訴人を著作権者と認定し、被控訴人に譲渡登録の抹消手続きを命じた。 |

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3月27日 商標“AJ”審決取消事件(2) |
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知財高裁/判決・請求認容
イタリアの著名デザイナーのジョルジオ・アルマーニの、墨塗り長方形の中に「AJ」の2字を白抜きにした商標登録申請に対し、特許庁は、「簡単かつありふれた標章からなる商標であり、自他商品の識別力がない」として拒絶査定をした。これに対する不服審判請求が「成り立たない」との審決を得たので、控訴した。
知財高裁は、審決は「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」という商標法3条1項五号該当性については検討しているが、本件の主要な争点である同条2項使用による顕著性、「使用された結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」についての検討をしていない。したがって、審決は、理由不備の違法があるので取消すとした。 |

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3月27日 安倍前首相元秘書への名誉毀損事件(週刊現代) |
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山口地裁下関支部/判決・請求棄却(控訴・控訴棄却・確定)
2006年8月から10月にかけて「週刊現代」(講談社)にフリージャーナリストが連載した連載記事中で、安倍氏が元秘書に語ったとされる虚偽の記事によって地元の声望が地に落ち、名誉を傷つけられたとして、元秘書が慰謝料と謝罪広告を求めて提訴したが、山口地裁は、「原告の発言内容がおおむねその通りに掲載されているとして」請求を棄却した。 |
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3月28日 「沖縄ノート」の“集団自決”名誉棄損事件 |
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大阪地裁/判決・請求棄却(控訴)
大江健三郎著「沖縄ノート」(岩波書店刊)で、太平洋戦争後期、沖縄の座間味島、渡嘉敷島の住民に集団自決を命じ、自分は生き延びたとする虚偽の事実を指摘されて名誉を傷つけられたとして、当時の座間味島守備隊長と渡嘉敷島隊長(故人)の弟が、大江氏と出版社に謝罪文の掲載や損害賠償を求めて訴訟を起こした。
大阪地裁は、「沖縄ノート」では氏名を特定していないが同定は可能であり、原告の社会的評価を低下させたとしながらも、専ら公益目的で出版されたものであり、原告が「本件書籍にあるような内容の自決命令を出したことを真実と断定できないとしても、これらの事実については合理的資料又は根拠がある」として、名誉棄損を認めず、請求を棄却した。 |

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3月28日 書籍の増刷確認事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
平成11年11月、原告は文芸社と著書「世界初、大発見地震予知確立」の出版契約を交わした。翌12年5月、文芸社は初版1200部を本体価格1000円で発行し、同年9月、初版に係る著作権使用料を支払った。
原告は、平成17年度〜19年度の著作権使用料の支払いに関する支払調書控えの閲覧及び著作権使用料の支払いを求めて提訴した。
東京地裁は、初版1200部を超えて発行された証拠がないこと、したがって著作権使用料の支払いがないので、そもそも支払調書が作成されることがないとして請求を棄却した。 |

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3月31日 マリリン・モンローの肖像権事件B |
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ロサンゼルス連邦地裁/判決・請求認容
モンローを撮影した写真家の遺族が、1962年に死亡した女優マリリン・モンローの肖像権をめぐって訴訟を起こし、ロサンゼルス連邦地裁は、肖像権は死亡時に消滅しており、モンローの遺産管理団体に使用料を払う必要はないとする判決を言い渡した。
ニューヨーク州では死亡と同時に肖像権は消滅すると規定されているが、カリフォルニア州では死後も保護される。モンローがどちらの市民であったかが争われ、ロサンゼルス連邦地裁は、元家政婦の証言を重視し、死亡時はニューヨーク州民であったと認定した。 |
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4月7日 映画「Shall we ダンス?」の振り付け侵害事件 |
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東京地裁/提訴
社交ダンスブームを生んだ周防正行監督の映画「SHALL we ダンス?」のダンスシーンの振り付けを担当したわたりとしお氏は、無断でテレビ放映やDVD化等に二次利用されたとして、角川映画を被告として、著作権侵害による損害賠償請求訴訟を東京地裁に提起した。
わたり氏は、映画のダンス振り付けは、社交ダンスの基本ステップにない振り付けも多く、独創性、創作性があり、著作権法10条1項三号「舞踊又は無言劇の著作物」に当たり、二次使用料を受け取る権利があるとしている。 |
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4月15日 高校生の海賊版ソフト ネット販売事件(刑) |
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宮城県警/書類送検
宮城県警生活環境課と大河原署は、ファイル共有ソフトを通じて入手したアドビシステムズのソフトやマイクロソフトのソフト等、約100タイトルを、権利者に無断でCD−RやDVDに複製し、小遣い稼ぎのために販売していた札幌市の男子高校生(17歳)を著作権侵害事件として仙台地検に書類送検した。 |
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4月16日 HPへの教材無断掲載事件(ジョージア州立大学) |
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ジョージア州連邦地裁/提訴
学術出版物も多い英米の大手出版社3社は、米ジョージア州立大学が、教材としている書籍を出版社の許諾なく同大学のオンライン・システムにアップロードして、学生がデジタル・コピーをダウンロード出来る環境を提供しているのは著作権侵害行為であるとして、デジタル・コピー配布の永久差止めを求めて提訴した。
提訴したのは、英国Oxford University Press、英国Cambridge University Press、米国Sage Publicationsの3社。 |
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4月17日 商標“青森”侵害事件(中国)B |
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中国商標局/異議申立
中国の果物取引業者が「青森」にそっくりな商標(「青森」の「森」が、「木」ではなく「水」3つ)の登録を申請し、告示されたため、全農青森県本部など5団体は連名で中国商標局に異議申立書を提出した。
2003年、広州市の業者がリンゴ等を指定商品とした「青森」の商標申請対しては、青森県の異議申立を認める裁定が下されている。 |
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4月18日 イラストの無断転用事件B |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
原告は、被告(広告代理店)に発注した雑誌広告用のイラストを自社製品のパッケージに使用したが、これが第三者の著作権を侵害したとされ、1200万円の損害賠償金を払ってイラストレーターと和解した。
原告は、この損害金はイラスト使用に関与した被告広告代理店の債務不履行、不法行為に起因するとして損害賠償を求めた。
イラストは、著作権・著作者人格権の処理に関する契約書がないまま、平成5年、原告が被告に発注し、外部デザイン会社を経て、山梨県在住のイラストレーターによって描かれ、納入された。被告広告代理店は、当初はイラストのデザイン変更等の改変を把握していたが、平成12年から他の広告会社や原告自らデザインの変更を担当し、被告広告代理店は、広告掲載の取次をするだけとなった。この状況下で、被告広告代理店にどのような著作権法上の義務があったかが争われた。
東京地裁は、被告代理店には「著作者から翻案の許諾を得、著作者人格権が行使されないように権利処理を行う義務があり」、原告にその使用をしないように連絡するなどして、原告の被害の拡大を防止する義務を負っているとした。被告は、原告には伝えたと主張したが、判決では、「被告としては、以後責任を負えないことを明確に伝え、本件イラストの使用中止を強く求める」ものではなかった、著作権法上の問題が生じないように権利処理を行う義務を履行していないことは明らかである等として、前訴の和解金1200万円は被告の債務不履行に起因すると認め、約3012万円の損害金の支払いを命じた。 |

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4月18日 研修マニュアルの著作権侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
原告会社を退社して被告会社を設立し、原告の発行するネットワーク研修用教本に2章を加えて書籍名を変えて出版した「アドバンサーブ」社、被告教本を販売した研修講師の派遣を請け負う被告会社「ウチダ人材開発センタ」の両社に対して、原告は自社の著作権(複製権)を侵害されたとして、複製・販売の禁止、損害賠償を求めて提訴した。
東京地裁は、アドバンサーブについては、原告教本に依拠してこれを異なる書名で複製し、原告を著作者として表示せずに被告教本を作成したものであるとして、原告の著作権及び著作者人格権を侵害したと認めたが、被告ウチダに対する請求については、被告教本が原告の著作権を侵害して作成されたことを認識していたとは言えず、したがって、著作権法113条1項二号の「情を知って頒布した」とみなすことはできないとして、被告ウチダに対する請求を棄却した。 |

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4月22日 「オリコン」中傷記事事件 |
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東京地裁/判決・本訴請求一部認容、一部棄却、反訴請求棄却(控訴)
音楽情報提供最大手のオリコンが、月刊誌「サイゾー」に掲載された烏賀陽氏のコメントで名誉を傷つけられたとして、5000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は100万円の支払いを命じた。
「コメントがそのまま掲載されることに同意していた場合は、取材に応じた側も例外的に責任を負う」とした。 |
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4月23日 JASRAC「包括利用許諾契約」事件 |
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公正取引委員会/立入り検査
公正取引委員会は、著作権管理事業者である日本音楽著作権協会(JASRAC)を独占禁止法違反(私的独占)の疑いで立ち入り検査した。
JASRACは音楽を大量に使う放送局と楽曲利用に関して包括契約を結んでいて、放送事業収入の一定割合を支払うことで、楽曲数や使用頻度に関係なく自由に使用することができる。放送局は楽曲ごとの利用状況を報告する手間が省け、JASRAC側のチェック業務も軽減される。“どんぶり勘定”ではあるが、双方にとって便利な契約である。しかし一方では、新規参入した音楽著作権管理事業者の場合は、使用数と頻度によって支払額も違ってくることから、放送局側が手続きの煩雑さや新たな負担を嫌って、管理楽曲の使用を見合わせる傾向もあるという。
公取委は、包括契約が新規事業者の著作権管理市場への参入を不当に締め出し、競争を妨げる要因ではないかと判断したようである。 |
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4月25日 複製写真の不正競争事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
四国八十八ケ所霊場会(被告霊場会)が所有し著作権を有している仏像画を写真に撮影した原告は、同写真を使った写真集を出版した。被告霊場会等は、原告に無断でこの写真集から仏像画を写真撮影してお札を製作し、販売した。そこで原告は、被告の行為は旧不正競争防止法2条1項三号の「他人の商品の形態の模倣行為(デッドコピー)」にあたり、不正競争行為、不法行為である等として損害賠償を求めて提訴した。
東京地裁は、この場合「他人の商品」とは本件書籍であって、原告の写真ではない等として原告の主張を退け、また、被告霊場会が原告の写真を掲載した書籍から写真撮影したことは、原告の成果にただ乗りした面があることは明らかだが、仏像画の著作権に基づき被告霊場会がお札を製作し、販売することに何ら問題はないとした。
逆に、原告が被告霊場会の仏像画写真をお札として製作・販売することは被告霊場会の著作権を侵害する行為であり、札所でない原告には実際上これをすることが出来ない。したがって、原告と被告霊場会とはお札の製作・販売に関して競合する関係になく、不法行為に当たらない等として請求を棄却した。 |

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4月25日 商標“ほっかほっか亭”侵害事件 |
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東京地裁/判決・本訴請求棄却、
反訴主意的請求棄却、反訴予備的請求一部認容、一部棄却
持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」を買収し、九州や東日本でチェーン店を展開する「プレナス」が、営業権管理会社の「ほっかほっか亭総本部」に対して、商標使用料の一部約9000万円の支払いを求めた訴訟(本訴)に対して、ほっかほっか亭総本部は、商標の無償専用使用権を有することの確認を求める訴訟(反訴)を提起していた。
東京地裁は、プレナスが商標権者であることは認めたが、プレナスが商標権者から買収する以前に、ほっかほっか亭総本部に商標使用権を設定する黙示の合意が商標権者との間に成立しており、この合意は終了していない等として、プレナスの請求を棄却し、4商標中の3商標について、ほっかほっか亭総本部が無償の独占的通常使用権を有するとした。 |

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4月25日 受刑者モデル小説事件(2) |
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福岡高裁/判決・控訴棄却
熊本刑務所の男性受刑者が、所内誌に、自分が関与した殺人事件を題材にした小説が掲載され、受刑者は所内誌の回収を求めたが応じられなかったので、国に慰謝料等を求めて起こした訴訟の控訴審である。
福岡高裁は、5万円の支払いを命じた一審判決を支持し、国の控訴を棄却した。「事件とほぼ同じ内容の詳細な事実が記載されており、プライバシー権を侵害している」として、刑務所側の過失を認めた。 |
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