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11月2日 ミッフィー模倣事件 |
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蘭アムステルダム地裁/決定・仮処分認容(異議申立)
ウサギの女の子のキャラクター「ミッフィー」のオランダ人作者ディック・ブルーナ氏の著作権を管理する会社が、サンリオのキャラクター「キャシー」はミッフィーを模倣し著作権を侵害しているとして差止めを求めた係争で、アムステルダムの裁判所はサンリオによる模倣を認定、オランダなど3ヶ国でのキャシーの生産の即時停止を命じた。サンリオがこれに応じない場合は、最大で2億2400万円の罰金が科せられるという。 |
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11月10日 鉄道DVD無断編集・販売事件(2) |
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知財高裁/判決・変更(確定)
100円ショップ「ダイソー」を経営する企業が販売した世界のSLを映したDVD「SL世界の車窓」をめぐって、旅行作家が無断で映像を使われたとして販売差し止めや損害賠償を求めた事件の控訴審。原審では旅行作家が映像制作会社に著作権を譲渡したとは認められないとして著作権侵害を認め、被告に約300万円の支払いを命じていたが、原告が判決を不服として控訴していた。
裁判所は原判決と異なり過失相殺に関する被告の主張を採用しなかった他は原審の判断をほぼ踏襲し、支払額を約330万円と変更する判決を下した。 |

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11月10日 NHKニュース番組の写真無断使用事件 |
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札幌地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
2008年4月にNHKが企業の風力発電事業に関するニュースを全国に放送した際に、道内の風車を撮影した写真作品を無断で使用されたとして、写真家がNHKと取材を担当した記者などに合計約1080万円の損害賠償などを求めた事件。
裁判所はNHKなどが著作権・著作者人格権を侵害したと認めて、40万円の支払いを命じた。 |
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11月15日 商標“喜多方ラーメン”審決取消事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却(上告受理申立)
福島県喜多方市のラーメン店約40店が加盟する協同組合「蔵のまち喜多方老麺会」が、「喜多方ラーメン」の地域団体商標登録を認めなかった特許庁の審決を取り消すよう求めた事件。06年に創設された地域団体商標制度をめぐる司法判断は初めて。老麺会は制度発足と同時に登録を申請したが特許庁は認めず、同会の不服申し立てに対しても、申し立てを退ける審決を下していた。
裁判所は、同会会員でなくても長期にわたって「喜多方ラーメン」の名称を使用している店があるなどとして、特許庁の審決を妥当と判断し、請求を棄却した。 |

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11月16日 立体商標“ヤクルト”事件B(2) |
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知財高裁/判決・請求認容(確定)
ヤクルト本社が販売する乳酸菌飲料の、特徴的なくびれのあるプラスチック容器の立体商標登録をめぐって、同社が特許庁に対し、登録を認めなかった審決の取消しを求めた事件。同社は08年9月に登録を出願したが、特許庁は登録を認めず、今年4月の審決でも同社の不服申し立てを退けていた。
裁判所は容器の形状だけで商品識別力を獲得しているとして、審決を取り消した。文字や図柄のない容器の形そのものが立体商標として認められたのは、08年5月のコカ・コーラの瓶に続いて2度目。 |

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11月16日 飯島勲元首相秘書官への名誉棄損事件(毎日新聞)(2) |
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東京高裁/判決・控訴棄却
小泉純一郎元首相の元秘書官飯島勲氏が、発言内容の誤報で名誉を傷つけられたとして毎日新聞社に1000万円の損害賠償を求めた事件の控訴審。毎日新聞は08年9月26日付朝刊の記事で「次期衆院選で小泉氏が応援しても小泉チルドレンは負けるだろう」と飯島氏が発言したと報道。原審は名誉毀損を認めて100万円の支払いを命じたが、毎日新聞社側が控訴していた。
高裁は「記事は正確性を欠いたまま要約された」と指摘して原審を支持し、控訴を棄却した。 |
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11月18日 類似“子供椅子”事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
子供用椅子の形態類似性があるとして、ノルウェーのデザイナーの権利保有者と家具製造販売会社が、育児用品国内大手会社に対して、著作権や著作権の独占使用権侵害による、また不正競争防止法に基づく製造販売の差し止めと約5780万円の損害賠償などを求めた事件。椅子はどちらも背もたれの角度が65°前後、足を置く板の高さを変える溝が13、4本であった。
裁判所は、著作物性については応用美術論に言及して、著作権法による保護の対象とは認めなかったが、形態模倣行為の不正競争行為性については、形態の周知性、類似性、混同のおそれを認めて、国内大手会社に製品の製造販売の差し止めと廃棄、および約245万円の支払いを命じた。 |

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11月18日 「弁護士のくず」著作権侵害事件(3) |
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最高裁(一小)/決定・上告不受理(確定)
漫画雑誌ビッグコミックオリジナルの人気漫画「弁護士のくず」に自分の小説と類似した部分があるとして、小説の作者である弁護士が漫画家と発行元の小学館に対し、著作権侵害による損害賠償などを求めた事件。一審二審とも著作権侵害を認めず請求を棄却していたが、最高裁は18日付で、弁護士の上告を受理しない決定をし、一、二審判決が確定した。 |
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11月22日 商標“どん兵衛”侵害事件 |
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大阪地裁/和解
カップ入り即席うどんとして知られる「どん兵衛」の製造元である日清食品が、山口県の外食チェーン「どん兵衛」に対して、名称を勝手に使われたとして、使用差し止めなどを求めた事件。日清側は08年に外食チェーンの存在を知り、原告商品の顧客吸引力にただ乗りして利益を得ようとしているとして10年7月に提訴した。
両者は、外食チェーン側が店名や社名を変更することを条件に、22日和解が成立した。 |
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11月24日 「日経新聞の黒い霧」名誉棄損事件(2) |
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東京高裁/判決・控訴棄却(上告)
日本経済新聞社が、同社元部長の著書『日経新聞の黒い霧』など2冊は虚偽の内容を含んでおり名誉毀損だとして、元部長に対して損害賠償などを求めた事件の控訴審。原審は名誉毀損を認め、元部長に200万円の損害賠償を命じたが、元部長側が控訴していた。
裁判所は一審判決を支持、元部長側の控訴を棄却した。 |
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11月24日 「週刊新潮」の吉本興業社長への名誉棄損事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
「週刊新潮」の記事で名誉を傷つけられたとして、吉本興業と同社社長が発行元の新潮社に対して計2200万円の損害賠償などを求めた事件。問題となったのは09年7月2日号の「『吉本興業社長』の口座に振り込まれた不審な1800万円」と題する記事で、吉本興業の子会社で約20億円の資金が消え、社長が不正な利益を得たなどと報じた。
判決は資金が減ったのは別の理由であり、記事は真実とは認められないとして名誉毀損を認め、新潮社に約440万円の支払いを命じた。 |
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11月24日 JASRAC vs KTJAPAN事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
JASRACが、音楽著作物のダウンロードサービスを行っていたKTJAPANとその代表者に対して、管理楽曲利用許諾契約に基づく著作物使用料の支払いを遅滞したとして、支払いを求めた事件。
裁判所は被告会社KTJAPANの不履行を認め、未払い使用料と遅滞損害金の支払い約300万円を命じたが、被告会社代表者に対する任務懈怠を理由とする損害賠償請求は認めなかった。 |

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11月25日 商標“塾なのに家庭教師”侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(確定)
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11月29日 公安テロ資料流出書籍の出版差止事件 |
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東京地裁/決定・仮処分認容
インターネット上に流出した警視庁公安部などが作成したとみられる国際テロ捜査関連文書を、東京の出版社・第三書館が出版したことに対し、個人データを掲載されたイスラム教徒らが出版と販売を差し止める仮処分を申し立てていた事件。
裁判所は、仮に情報流出を問題にするとしても個人情報自体は公共の利益に関わらないとし、また「容疑」と記載されてテロ犯罪の容疑者であるかのような記述がある、として申し立てを認め、データを削除しない限り出版と販売を禁じる決定をした。 |
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11月30日 「週刊新潮」の横峯良郎参院議員への名誉毀損事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
賭けゴルフをしたなどと報じた「週刊新潮」の記事で名誉を傷つけられたとして、民主党の横峯良郎参院議員が発行元の新潮社などに5500万円の損害賠償などを求めた事件。問題となったのは2007年8月30日号から4回にわたって掲載された記事で、横峯氏が知人らと高額の賭けゴルフをし、飲食店で品位を欠くふるまいをしたなどと報じていた。
裁判所は、記事の重要部分は真実で、掲載は公益目的であったと認めて、横峯氏の請求を棄却した。 |
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11月30日 切り餅の「切り込み」特許事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
側面に切込みを入れた切り餅を製造販売している食品製造販売会社が、側面と上下の面に切込みを入れた切り餅を販売している同業の食品会社を、特許権を侵害されたとして、製造販売の差し止めや14億8500万円の損害賠償を求めた事件。原告会社は焼いても形が崩れずふっくら焼きあがるように側面に切込みを入れた切り餅を開発し、03年より販売、08年に特許登録された。一方被告会社は側面以外に上下面にも十字の切込みを入れて販売していた。
裁判所は原告会社の特許の範囲を側面部分の切り込みと判断し、被告会社の切り込みは上下面にもあるから特許権の侵害にならないとして、請求を棄却した。 |

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12月6日 ナビシステムの特許事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
カーナビ装置に関する特許を得ている電機メーカーのパイオニアが、携帯電話向けのナビゲーションサービスを提供しているナビタイムジャパンに対して、特許権を侵害されたとして訴えた事件。被告会社のシステムは車の同乗者が目的地を検索できる「EZ助手席ナビ」。
判決は、被告会社のサービスは車外サーバとの通信で得られた情報が携帯電話に提供されるもので、車外サーバを使用しない原告会社の装置とは異なると判断して、請求を棄却した。 |

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12月7日 駒込大観音の頭部すげ替え事件(3) |
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最高裁(三小)/決定・上告棄却(確定)
東京都文京区の光源寺にある駒込大観音の頭部を無断ですげ替えたのは著作権侵害に当たるとして、制作者の遺族が寺に対して元の頭部に戻すよう求めた事件の上告審。一審は元の頭部に戻すよう命じ、二審は著作権侵害は認めて広告文の新聞掲載は命じたが、頭部の原状回復については退け、遺族側が上告していた。
最高裁は7日付で遺族側の上告を棄却する決定をし、二審の判決が確定した。 |
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12月7日 商標“讃岐”取消事件(台湾) |
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台湾知的財産局/決定・申立認容(控訴)
台湾の食品会社が「讃岐」を商標登録したことに対し、台湾に進出した日本の讃岐うどん店経営者が、地名を一企業が独占するのはおかしいとして審判を申し立てた事件。
判決は、台湾の消費者は「讃岐」をうどんで有名な日本の地名と認識している、商標登録は産地を誤認させる恐れがある、として、登録を無効とした。 |
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12月10日 広告文言の著作物性事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
PCデータ復旧請負会社(原告)がコンピュータ機器開発販売会社(被告)に対して、被告がネット上の自社サイトに掲載したデータ復旧サービスに関する文章は、原告が創作し自社サイトに掲載したものを無断で複製または翻案したものであり著作権侵害および著作者人格権侵害だとして、損害賠償金約1650万円等と謝罪広告の掲載を請求し、同時に予備的に、一般不法行為に当たるとして同等の請求をした事件。
裁判所は、原告文章と被告文章を対比・検討し、このような構成や記述順序は広く一般的な表現であり、文章の類似部分には創作性がないとして、侵害を認めず、一般不法行為の訴えに対しては、被告文章の原告文章への依拠性は認めつつも、社会的に許容される限度を超えた行為とは言えないとして、不法行為の成立も否定した。 |

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12月13日 女子プロレスの放映権事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
全日本女子プロレス興業株式会社(以下、全女)が主催した女子プロレス興行を中継するテレビ番組を制作し放送した株式会社フジテレビジョンと、同番組を収録した映像素材を編集して衛星放送を行った株式会社スカパー・ブロードキャスティングに対して、全女に前払い金返還請求権を有する債権者である写真集制作業者が、全女はフジテレビに地上波放送は許諾したがCS放送については許諾しておらず、またCS放送には実演家である女子レスラーの報酬請求権が発生し、これは全女に帰属すると主張して、損害賠償金など160万円の支払いを求めた事件の控訴審。原審は、契約書その他の書面はないものの、証人の供述から全女と放送会社との間で映像素材の無償提供の合意があったと認定し、また実演家の報酬請求権は発生しないとして、原告の主張を否定し、請求を棄却したが、原告側が控訴した。
裁判所は原審の判断を維持し、控訴を棄却した。 |

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12月15日 銚子市長選候補者“市税滞納”報道事件 |
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東京地裁/判決・本訴請求一部認容、一部棄却、反訴請求棄却
(控訴・一部変更、一部控訴棄却・上告受理申立)
2009年5月の銚子市長選に立候補して落選した候補者をめぐる市税滞納問題を報じた読売新聞社に対して、候補者が事実無根だとする記者会見やビラ配布をしたのは名誉毀損であるとして、読売新聞社が候補者に対して1100万円の損害賠償等を求めた事件。
裁判所は、報道は事実無根とはいえないとして、被告の行為は原告の報道機関としての信用を毀損するものと判断、被告に330万円の支払いを命じた。 |
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12月21日 廃墟写真の模倣事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
廃墟写真を手がけるプロ写真家(原告)が、同業の写真家(被告)に自分の作品を真似されたとして、著作権・著作者人格権侵害および名誉毀損を主張して訴えた事件。原告写真家は、被告写真家の写真集に掲載された5点の廃屋等の写真が自分の写真に似ているとして提訴、また被写体発見には多大な労力がかかるのに自ら発見したように発表され名誉を毀損されたと主張した。
判決は、被写体の選択はアイデアであって表現ではなく、写真全体の印象は双方に大きな違いがあるとして著作権侵害を認めず、また被写体発見に多大な労力を要したとしても、他社の撮影を制限はできず法的保護には値しないとして、原告の請求を棄却した。 |

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12月21日 “住宅ローン金利比較表”の著作物性事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
金融情報サイトの運営者(原告)が、住宅金融普及協会(被告)がウェブ上に公開している情報ページに掲載されている図表は原告の著作物である図表を複製したものであり、著作権侵害だとして、約700万円の損害賠償等を求めた事件。
裁判所は当該図表の著作物性を否定、更に原告の主張する編集著作物性やデータベース著作物性もありふれたものとして否定し、原告の請求を棄却した。 |

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12月22日 診療報酬プログラムの著作権確認事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
医療に関するコンサルティング業務等を行う会社(原告)が、同会社の取締役であった被告に対し、被告が取締役就任前後に作成した、診療報酬に関する診断群分類別包括評価制度の元でコンサルティング業務を行うために用いられる各プログラムについて、職務著作に該当するとして、原告が著作権を有することの確認を求めた事件。
裁判所は、各プログラムのうち、元著作物であるDAVE02については、被告が作成当時に業務に従事する者に当たったかどうかを検討し、本業とは別にプログラムを開発していたので職務著作には当たらないと判断した。そして被告が原告会社の取締役として本格的に関わったDAVE02をヴァージョンアップした3つのプログラムについては、職務著作として、原告が著作権を有することを認容した。 |

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12月24日 “ひこにゃん”瓜二つ事件 |
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大阪地裁/決定・申立棄却(抗告)
滋賀県彦根市の人気キャラクター「ひこにゃん」は、彦根市が原作者から著作権を買い取って商標登録しているが、原作者は07年11月に、自分が考案した3ポーズの図柄以外のグッズが出回っているとして、彦根簡裁に民事調停を依頼し、市側は3ポーズに限り業者に製造販売を依頼する、原作者は「ひこにゃん」以外の創作活動をするという形で合意した。だが、原作者の考案した「ひこねのよいにゃんこ」のグッズが出回るようになり、市はこのグッズに対して不正競争防止法に基づき販売差止めを求める仮処分を申請した。
大阪地裁は、市が合意に違反して3ポーズ以外のグッズを許可し続けているとし、差し止め請求を権利の乱用として却下した。 |
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12月27日 “私的録画補償金”不払い事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
映画や音楽関係の団体で作る社団法人「私的録画補償金管理団体(SARVH)」が、家電大手の東芝がデジタル放送専用DVDレコーダーの代金に上乗せして課金する「私的録画補償金」を納付していないとして、約1億4600万円の損害賠償を求めた事件。東芝は機器はダビング10に対応しており、著作権は保護されていると主張していた。
裁判所は、補償金の支払いは法的強制力を伴わない抽象的な義務に過ぎないとして、SARVHの請求を棄却した。同協会は判決を不服として翌28日に控訴した。 |

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12月28日 「サーキットの狼」DVD化事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、追加請求棄却
漫画「サーキットの狼」を題材にしたテレビ番組のDVD商品化許諾をめぐって、下請け制作会社とナレーション実演家が、映像製作会社=著作権管理会社に追加請負代金の支払い等を求めた事件の控訴審。
裁判所は原告の請求を棄却した一審の判断を維持し、また原告らの期待権侵害という新たな主張も認めず、控訴を棄却した。 |

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