裁判の記録 line
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2001年
(平成13年)
[1月〜6月]
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1月23日 清酒「菊正宗」の標章事件(3)
   最高裁(三小)/判決・上告棄却
 大手酒造会社「菊正宗酒造」(神戸市)が「金盃酒造」(同)を相手取り、同社の清酒「金盃菊正宗」の標章差し止めを求めた訴訟の上告審は、使用中止を命じた一、二審を支持、金盃側の上告を棄却した。これにより菊正宗側の勝訴が確定した。金盃酒造は1997年、「金盃菊正宗」の製造、販売を始めたため、「菊正宗」の商標権を持つ菊正宗側が提訴した。一、二審判決は「『菊正宗』は菊正宗酒造の商品の標章として古くから著名。一般消費者に誤認混同を生じる恐れがある」と認定していた。

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1月23日 史跡ガイドブック著作権侵害事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
 新撰組にまつわる東京・多摩地区の史跡を紹介するガイドブック『ふぃーるどわーく多摩』を出版した歴史研究者が「自分の作品を模倣され、著作権を侵害された」として、出版社「のんぶる舎」(八王子市)などに出版差し止めや損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は請求を認め、出版差し止めや約230万円の支払いを命じた。三村量一裁判長は「研究者の作品は、一般に知られていない史跡を紹介するなど創作性が認められる」とした上で、「出版社側の書籍には研究者のものと一字一句まで同じ部分があり、模倣したと認めざるを得ない」と述べた。歴史研究者は1995年、『ふぃーるどわーく多摩』を出版。「のんぶる舎」側は98年、類似したガイドブック『土方歳三の歩いた道―多摩に生まれ多摩に帰る』を発行した。
判例全文
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1月23日 街路灯デザインの著作物性事件(2)
   大阪高裁/判決・控訴棄却
 平成9年大阪市が行った、通称「新世界」界隈の装飾街路灯の設置工事について、そのデザイン画の著作権をめぐる争いの控訴審である。市を相手に訴えたのは、昭和53年頃、当地通天閣界隈の街路灯設置を担当した電気工事業者(以下、業者)だった。当地商店会は、従来から保守、補修を行う業者を交え改修を検討、業者は新たな照明デザイン画を作成するなど対応した。その後、市の補助金利用の目途が立ち競争入札が行われたが、この業者は指名資格がないため改修工事を受注できなかった。市は別の業者に発注し、商店会のデザインの要望を取り入れつつ設計図デザインを描き、街路灯を設置した。
 高裁判断は一審と同様「業者作成のデザインは産業デザインの一種」だとして、著作権は認めず、複製権、翻案権侵害を否定した。また、営業上の利益を侵害されたとの訴えにも不法行為にかかる事情の存在は証拠上ないと判断を示し、原審は相当、控訴棄却とした。
判例全文
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1月23日 ケロケロケロッピ事件(2)
   東京高裁/判決・控訴棄却(確定)
 サンリオのキャラクター・ケロケロケロッピに対して、15年以上先に着目してカエルをモチーフにしたイラストレーションを描き、童話の原画を制作してきた作家が著作権侵害を理由に提訴していた。一審判決では、複製権、翻案権の侵害には当たらないと全ての請求が却下され、原判決取り消しの控訴請求を行った。
 高裁では、作家は「基本となるキャラクターが同一である限り、特徴を同じくする同種の図柄であれば、見る者は同じ図柄と認識する」との主張を加えた。だが、裁判所は「カエルを擬人化するという手法は日本では周知である」との前提のもとに、著作権法で保護されるのは現実になされた具体的な表現のみだとの判断を示し、作家の論点を認めなかった。結論として、対比しても共通箇所はなく、サンリオの図柄からは作家の著作物を感得出来ないと、著作権侵害は認めず、控訴請求を棄却した。
判例全文
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1月26日 ドメイン名の使用差し止め事件(ソニー)
   工業所有権仲裁センター/申立
 今年前半のインターネット専業銀行の開業を目指しているソニーは、SONYBANK(ソニーバンク)という名称を使ったインターネットのドメイン名を無断で登録されたとして、登録取り消しを求める訴えを民間紛争の仲裁機関である工業所有権仲裁センターに提出した。ソニーはネット専業銀行の名称を決めていないが、考えられ得る名前を先取りしたドメイン名の登録を黙認すれば、今後も無断登録が増えかねないことから対抗策を取ることにした。同社は「確立したブランドを使ったドメイン名の登録は明らかな商標権の侵害にも当たる」としている。

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1月26日 「ステューシー」の偽ブランド事件(刑)
   千葉地裁/求刑
 紳士服量販の「大三紳士服」が偽ブランド服を販売したとされる事件で、商標法違反の罪に問われた同社と元社員の初公判があった。罪状認否で同社の社長と元社員は、いずれも起訴事実を全面的に認め、検察側は同社に罰金500万円、元社員に懲役2年を求刑した。同社と元社員は千葉県四街道市などの51店舗で、若者に人気のブランド「ステューシー」の偽ジャンパー約200着を販売した。

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1月30日 ユトリロの展覧会事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却、一部却下
 故ユトリロの絵画の鑑定人が、その著作権の二分の一を有するとして、国内5か所で開かれた展覧会について、贋作を真作として展示しカタログに複製したうえ、しかもカタログ制作は無許諾であったことを取り上げて、その主催者(大阪読売新聞社他)、カタログ制作者、カタログ販売業者らを、著作権(複製権、人格権)侵害を主張して訴えた。
 カタログの複製、頒布の差止め、謝罪広告の掲載、損害賠償を求め、また、日本国に対しては、「主催者に贋作を展示したりしないよう、カタログについては許諾を得るように」指示、注意すべき注意義務を怠ったと国家賠償を求めた。
 裁判所は「国への請求は却下し、人格権侵害、差止め、広告については認めず、複製権侵害は認め個別に算定して主催者、カタログ制作・販売業者に損害賠償」を命じた。
判例全文
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1月30日 ショルダーバッグの不正競争事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 
判例全文
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1月31日 「フライデー」二子山親方夫人への接近禁止事件
   東京地裁/提訴
 二子山親方夫人が、写真週刊誌「フライデー」記者から私生活を盗み撮りされ、プライバシーや肖像権を侵害されたとして、発行元の講談社に1100万円の損害賠償と記者を近づかせないよう求める訴訟を起こした。「フライデー」は今年2月2日号に「初場所中は二子山部屋にお泊り、夫人がなぜか渋谷でバーゲン買い漁り」の写真と記事を掲載、2月9日号にも自宅前にいる夫人の写真を載せた。夫人は「常に自分を監視してつけまわし、写真を盗み撮りしたもので、平穏な生活が送れなくなった」と主張。損害賠償に加え、「今後もつきまとわれる可能性がある」として、記者が半径50メートル以内に接近しないよう求めている。

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2月6日 Nシステムの肖像権侵害事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 警察庁が広域犯罪の捜査などを目的に全国の幹線道路に設置している「自動車ナンバー自動読み取りシステム」(Nシステム)をめぐり、東京など5都県の13人のドライバーが「不当な監視により肖像権を侵害され、行動の自由も制限される」として、国に1人あたり100万円の損害賠償を求めた訴訟は、請求が棄却された。西村則夫裁判長は「一時的に運転者が撮影されるとしても、すぐに消去されるので、肖像権を侵害するとは認められない」とした。Nシステムは警察庁が1986年から導入、全国500ヵ所以上に設置されているが、設置場所は明らかにされていない。
判例全文
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2月6日 ドメイン名の使用差し止め事件(アイコム)
   工業所有権仲裁センター/申立
 アマチュア無線機大手のアイコム(大阪市)は、icomの名称を使ったインターネットのドメイン名を勝手に登録されたとして、ドメイン名の明け渡しを求める訴えを民間紛争の仲裁機関、工業所有権仲裁センターに提出した。アイコムは社名と同じブランドの無線機器を販売しており、ドメイン名を勝手に取得したのは商標権侵害の可能性があるとして、取得した相手にドメイン名の移転を求めたが、聞き入れられなかったため訴えたとしている。

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2月7日 ドメイン名の移転請求事件(NTT−X)
   工業所有権仲裁センター/裁定・請求認容
 NTT関連会社でインターネット検索サービスのNTT−Xが、よく似たドメイン名を利用しポルノサイトを運営されるのは、企業イメージの低下につながるとして、岡山県の企業にドメイン名の明け渡し(移転)を求めていた紛争で、移転を命じる裁定が下った。国内の民間機関がネット上の住所にあたるドメイン名紛争をめぐる裁定を出したのは初めて。同センターにはソニーなども訴えを出しており、今後の紛争解決に果たす役割が高まりそうだ。問題のドメイン名は「goo.co.jp」。関係者によると、このドメイン名は岡山県内の有限会社「ポップコーン」が1996年に取得。NTT−Xが99年に「goo.ne.jp」のドメイン名で情報検索サービスを始めると、「goo.co.jp」からポルノサイトに自動的につながるようになり、NTT−Xは広く知られた「goo」の商標権を傷つけられたと判断、昨年11月にドメイン名移転を申し立てていた。

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2月13日 「ときめきメモリアル」無断改変事件A(3)
   最高裁(三小)/判決・上告棄却
 人気ゲームソフト『ときめきメモリアル』をめぐり、途中のストーリーを省略できるメモリーカードの販売で著作権を侵害されたとして、ソフトメーカー「コナミ」(東京)がソフト販売会社「スペックコンピュータ」(福岡市)に損害賠償などを求めた訴訟の上告審判決があった。奥田昌道裁判長は「メモリーカードの使用により、ストーリーが予定された範囲を超えて展開、改変をもたらし、著作権上の同一性保持権を侵害する」と指摘。ス社に約115万円の支払いを命じた二審大阪高裁の判決を支持、ス社の上告を棄却した。これでス社の敗訴が確定した。ス社は1995年末から、コナミのソフトと併用すると、ゲーム途中のストーリーを省略し、一気にラストシーンから始めることのできる作者不明のメモリーカードを輸入、販売した。一審大阪地裁は97年11月、主人公の絵柄の無断使用だけを著作権侵害とし、「プログラム自体が書き換えられるわけではなく、ストーリー改変とまではいえない」と約15万円の賠償をス社に命令。二審大阪高裁は99年4月、「ストーリーの重大な改変」と認定していた。
判例全文
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2月15日 『石に泳ぐ魚』のプライバシー侵害事件(2)
   東京高裁/判決・控訴棄却(上告・上告受理申立)
 雑誌「新潮」に発表された小説『石に泳ぐ魚』で、登場人物のモデルになった女性が「プライバシーを侵害された」として出版差し止めなどを求めた訴訟で、東京高裁は戦後初めて小説の出版差し止めと130万円の慰謝料支払いを命じた東京地裁判決を支持し、著者と新潮社側の控訴を棄却した。
 浅生重機裁判長は差し止めの理由について「出版によって体に障害のある者の精神的苦痛は倍加する。このような人間的存在にかかわることは、表現の自由の名の下にあっても、発生させてはならない」と述べた。
 99年6月の東京地裁判決は、作品公表の場合は訂正版を出版することで両者が合意していたと判断して、出版差し止めを命じたが、浅生裁判長はこの合意の存在を認めなかった。むしろ表現の問題点を正面からとらえ、(1)原告は公的な存在ではない、(2)問題の表現は公共の利益に関するものではない、(3)体に障害のある者の苦痛が倍加し、本を読む者が増えるごとに苦痛は倍加する−との理由を挙げて、「賠償金ですますことはできない」と判断した。
 この前提として判決は、体の障害を無断で公表した点について「障害の苦痛に加え、好奇の目で受ける苦しみを倍加させる」と述べて、人格権とプライバシーの侵害を認めた。また「文学の社会的価値は否定してはならない」としながら、特に障害者をモデルにする時は心の痛みに敏感であるべきだと指摘し、「ことは人間の尊厳にかかわり、芸術の名によっても容認できない」と述べた。また原告側の控訴がないことを理由に変更しなかったが、地裁判決の慰謝料130万円は「低額にすぎる」と異例の言及をした。
 著者側は控訴審で「小説は虚構で、登場人物は現実の人間とは異なるというのが、純文学の常識」と訴えた。腫瘍を表現した部分についても、「誰の心にもある偏見を浮き上がらせるため必要不可欠な描写。困難にみちた生をどう生き抜くかというテーマの普遍性を高めている」と反論していた。
 著者は「このような判決が出たのは痛恨の極みです。プライバシー、名誉権の尊重は当然ですが、表現の自由との間には一定の規範が必要です」と言い、判決が「現実に表現を求める場合は、小説は現実と切断しなければいけない」とした点について、さらに「法の側が出す言葉として危険。一審よりも表現の自由にかなり介入してきている。私小説が書けなくなる恐れが強まった」と反発、「上告することは文学の世界に身を置いている限り、私の責任だと思う」と語った。
判例全文
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2月15日 顧客情報の提供差し止め事件
   東京地裁/提訴
 情報交換会社「テラネット」を通して消費者金融の顧客情報を銀行系ローン会社などに提供するのは、顧客のプライバシーを侵害するとして「武富士」など計55社とその顧客が、テラネットと情報管理会社「ジャパンデータバンク」に信用情報の提供差し止めなどを求める訴訟を起こした。
 消費者金融の顧客情報はこれまで「全国信用情報センター連合会」が管理し、会員の消費者金融会社だけに情報を提供していたが、昨年12月からはテラネットを通し銀行系会社などにも情報を流すことになった。
 このため武富士などは「消費者金融以外に情報を提供する同意を顧客から取り付けておらず、顧客のプライバシーが侵害される」と主張。顧客側も侵害を理由に一人110万円の損害賠償を求めている。
 この件は昨年12月、武富士などが東京地裁に仮処分を申し立てていたが、受け入れられないため訴訟に切り替えたもの。

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2月23日 住民票データ流出事件
   京都地裁/判決・請求認容(控訴)
 京都府宇治市の住民基本台帳のデータが流出した問題で、同市議の片岡英治さんら市民三人が「プライバシーを侵害された」として、宇治市とデータ作成に携わった大阪市北区のシステム開発会社の双方に、一人あたり33万円の損害賠償を求めた二つの訴訟の判決があった。
 八木良一裁判長は「開発会社の社員を指揮、監督して、データ管理に万全を尽くすことが要請されていた」と宇治市の使用者責任を認め、慰謝料など一人あたり1万5千円の支払いを命じた。開発会社にも同額の賠償を言い渡した。
 宇治市は「名簿を販売した男性は市の職員ではないので使用者責任はない」などと主張していたが、裁判長は原告側の主張を全面的に認めたうえで「自分のデータを不特定の者にいつ購入され、いかなる目的で利用されるか分からない、という不安感を原告に生じさせた」とプライバシーの侵害を認定した。

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2月26日 大原麗子さんの名誉毀損事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 女優大原麗子さんの私生活を取り上げた週刊誌「女性自身」の記事や広告について、大原さんが「名誉を傷つけられた」として発行元の光文社に5000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は500万円の支払いを命じる判決を言い渡した。500万円の認容は同種の名誉毀損訴訟では極めて高額。
 難波孝一裁判長は「記事の内容が真実と認められる証拠はない。著名な女優といえども私生活の平穏は保護されるべきで、好奇心の対象にすることが許されてよいわけではない」と述べた。
 記事は「トラブル続出でご近所大パニック」などと同誌昨年3月7日・14日合併号に掲載されたもの。光文社側は控訴する。

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2月26日 商標共有者の一人による無効審決取消しの効力訴訟事件(2)
   東京高裁/判決・請求却下(上告)
 
判例全文
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2月28日 映画「市民ケーン」等の著作権譲渡事件
   東京地裁/判決・請求棄却(確定)
 米国の破産手続きにおいて742作の長編と900作の短編からなる映画「RKOライブラリー」の日本、沖縄、韓国、台湾におけるすべての著作権を譲り受けたと主張する(有)ユタカインダストリー社(以下、ユタカという)は、ソニー、東芝他合わせて20社に対して、以下を訴えた。対象の映画をリスト化して、(1)ビデオグラムにして販売したこと、(2)映画著作物の一部をテレビ放映したこと、(3)子会社にビデオ販売行為をさせたこと等を理由に、ユタカの著作権及び営業権を侵害したと主張して、損害賠償を求めた。
 裁判所は、破産会社に至る権利承継について1955年契約から始めて、複数社間で何度か交わされた契約内容の推移と破産手続きの経緯について事実確認を行った。地裁判断は「ユタカの権利範囲はフィルム使用の劇場上映権に限定され、ビデオテープを用いてテレビ放送する権利やビデオカセットを頒布する権利を取得していない」として、請求に理由が無く、営業権侵害の主張も認められないと、請求棄却とした。
判例全文
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2月28日 映画のビデオ化事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 映画の著作物の著作権を取得したとする(有)ユタカインダストリー社(以下、ユタカという)は、映画著作物及びそのビデオグラムの複製販売をした東北新社とその代表取締役に対して、著作権(複製権及び頒布権)侵害だと、販売差止め、複製物の廃棄、各自5億円の損害賠償を求めた。
 当該映画の著作物は、米国で1955年以来、数次にわたり数社間で契約が交わされ、一部の権利・映画フィルムの劇場上演権は移転していた。1971年、当時権利を所持していた会社の破産手続きがあり、その手続き最終段階でユタカに、日本、沖縄、韓国及び台湾についてに限り、権利移転範囲内の著作権譲渡が行われた。なお、本件映画著作物の著作権を持つ会社は健在し、東北新社はその社に残存する正当なビデオグラム権についてライセンスを受けたと争った。
 裁判所は数次の権利移転に関する契約書及び破産手続きの経緯の事実確認を行い、ユタカはビデオグラム化の権利は取得していないとして、請求は失当とした。
判例全文
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2月28日 デール・カーネギー商標事件(2)
   東京高裁/判決・請求棄却(上告)
 
判例全文
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3月1日 『石に泳ぐ魚』のプライバシー侵害事件(3)
   最高裁/上告
 雑誌「新潮」に発表された小説『石に泳ぐ魚』をめぐり、在日韓国人女性がプライバシー侵害を理由に単行本の出版差し止めなどを求めた訴訟で、著者が一審に続き出版差し止めと賠償を命じた東京高裁判決を不服として最高裁に上告した。
 著者は「判決は表現の自由に対する理解に甚だしく欠けるもので、文学者として到底認めることはできません」とのコメントを発表した。発行元の新潮社側も2月28日に上告している。

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3月1日 中川秀直前官房長官の名誉毀損事件
   広島地裁/提訴
 右翼団体幹部との交際や元交際相手の女性に捜査情報を漏らしたなどの疑惑が浮上し、官房長官を辞任した中川秀直衆議院議員が、疑惑の記事を掲載した写真週刊誌「フォーカス」を出版する新潮社と編集長、元交際相手の女性に対し、名誉を毀損されたとして、謝罪広告掲載と慰謝料1000万円の支払いを求める訴えを起こした。
 訴状によると、同誌は昨年10月頃、無断で女性を中川氏の自宅寝室などに入れ撮影した写真を、中川氏が撮影したとして同誌に掲載。また女性は中川氏にストーカー行為を繰り返した上、愛人だったかのように装って同誌に虚偽の記事を掲載させ、それぞれ中川氏の名誉を傷つけ、損害を与えたとしている。

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3月2日 カラオケ無断使用事件(水戸市)(3)
   最高裁(二小)/判決・一部破棄自判、一部上告棄却
 スナックがカラオケの著作権料を支払わないのはカラオケ機器リース業者にも責任があるかどうかが争われた訴訟で、最高裁第2小法廷の亀山継夫裁判長は「業者はリース契約の締結時、相手方(スナック)が著作権者との間で著作物使用許諾契約を結ぶか、申し込みをしたことを確認したうえで機器を引き渡す注意義務を負う」との初判断を示した。そのうえで、茨城県つくば市のリース業者に対して、約754万円を日本音楽著作権協会(JASRAC)に支払うよう命じた。
 一審の水戸地裁はスナック経営(茨城県伊奈町)の夫婦に約1250万円の支払いや機器撤去などを命じ、業者には約117万円を連帯して支払うよう命じた。二審の東京高裁は、スナックがJASRACと使用許諾契約を結んでいないことを知った後に再リース契約した1995年9月以降については業者に過失があると判断し、JASRAC側の控訴を棄却した。
 このためJASRAC側が上告し、第2小法廷は「業者は漫然と機器を引き渡し、注意義務に違反した」と述べて、最初の契約時から業者に過失があったと判断し、一審判決よりも賠償額を増額した。
判例全文
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3月8日 名馬の名前パブリシティ権事件(2)
   名古屋高裁/判決・変更(上告)
 ゲームソフトに競走馬の名前を無断使用したのは馬主の財産的権利(パブリシティ権)の侵害として、馬主がゲームソフト会社「テクモ」(東京都)に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決があり、名古屋高裁はテクモ側に約340万円の支払いを命じた一審判決を変更、約230万円の賠償を言い渡した。
 小川克介裁判長は「著名人に限らず競走馬などの物のパブリシティ権も保護する必要があり、G1優勝馬の名称は顧客吸引力がある」とし、オグリキャップなど19頭のG1優勝馬に限定してパブリシティ権の侵害を認定した。

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3月14日 ドメイン名の使用差し止め事件(イトーヨーカ堂)
   工業所有権仲裁センター/裁定・認容
 大手スーパーのイトーヨーカ堂の社名を使ったインターネットのドメイン名を同社と無関係の会社が不当に登録、使用したとして、仲裁センターは、この会社にドメイン名登録をイトーヨーカ堂に移転するよう命ずる裁定を下した。
 問題のドメイン名は「itoyokado.co.jp」で、神奈川県内の不動産会社が1999年に登録し、ホームページを開設した。その後、ホームページ上にドメイン名を「お譲りします」などと掲示したほか、2000年11月には「最低落札価格十億円」としてネットオークションに出品した。
 仲裁センターは「イトーヨーカ堂の商標などと誤認混同を引き起こすほど類似している。ドメイン名販売を主たる目的として登録したと推認せざるを得ない」とした。

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3月21日 和菓子「ういろう」の商標事件(2)
   東京高裁/判決・請求棄却(上告)
 
判例全文
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3月22日 ドメイン名の使用差し止め事件(ソニー)
   工業所有権仲裁センター/裁定・認容
 ソニーがドメイン名「sonybannk.co.jp」を無断で取得されたとして、その明け渡しを求めていた問題で、仲裁センターは、ドメイン名を取得していた新潟県長岡市の投資コンサルタント会社に対し、名義の移転を命じる裁定を下した。
 このドメイン名は、ソニーがインターネット専業の銀行に参入すると報じられた直後の昨年1月、ソニーと関係のない会社によって登録され、昨年暮に現在の会社に移転登録されていた。

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3月26日 『大地の子』の著作権侵害事件
   東京地裁/判決・請求棄却(確定)
 中国残留孤児を描いた小説『大地の子』をめぐり、筑波大教授が「自分の著作物の表現などを無断で引用された」として、著者に出版差し止めや損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は教授の請求を棄却した。
 飯村敏明裁判長は「小説で他者の著作物と共通する事実を素材として利用することは、ある程度許される」とした上で、二人の作品について「大筋で共通点もあり、歴史的事実の範囲内では類似しているが、ストーリー展開や描写方法などに重要な相違点がある」と述べた。
 教授は自分の引き揚げ体験を基にした作品『不条理のかなた』などを1983年から85年にかけて発表。『大地の子』は87年から91年にかけて「文芸春秋」に連載され、その後、単行本化された。
 教授は「中国での悲惨な体験についての『大地の子』の記述は、自分の作品から引用したもの」と97年に提訴。50ヵ所以上を類似部分として指摘し、「著作者人格権を傷つけられた」と主張した。
 著者は「現地で取材を重ねて書いた作品で、教授の著作物を不当に利用したということはない」と反論していた。
判例全文
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3月27日 中古のゲームソフト販売事件(エニックス)(2)
   東京高裁/判決・控訴棄却(上告)
 中古のゲームソフトをめぐり、ゲーム販売会社「上昇」(山口県下松市)が「著作権侵害を理由に販売を禁止するのは不当」として、大手ソフトメーカー「エニックス」(東京都)に販売を差し止める権利がないことの確認を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は販売会社側の勝訴とした一審東京地裁判決を支持し、メーカー側の控訴を棄却した。
 山下和明裁判長は「ゲームソフトは映画に類似することから、著作権法で作者の権利が保護された『映画の著作物』にあたる」と指摘。しかし「映画の作者に流通形態を決めることを認めた頒布権は、少数の複製物を製造し、多数の者が視聴する配給制度を前提としており、大量に製造され、少数にしか視聴されないゲームソフトには及ばない」と述べた。
 さらに「現行制度ではゲームソフトの著作権保護は不充分で、作者に中古販売による利益を還元する立法措置が必要となる議論は成立しうる」としたが、「だからといって、ゲームソフトに映画のような強力な頒布権を認めることはできない」とした。
 ゲームソフト販売では、著作権法が作者に流通手段をコントロールする権利を与えた「映画の著作物」にあたるかどうかをめぐって、メーカー側が販売業者と対立。一審の東京、大阪両地裁で正反対の判断が示され、高裁段階では今回が初の判決。大阪高裁の控訴審判決は29日に言い渡される。
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3月27日 珠算学習用ソフト事件
   大阪地裁/判決・請求認容
 珠算学習用ソフトのプログラムを作成し、本件ソフトの著作権を有するとするソフト開発会社・エスジーエムソフト(原告)が、本件ソフトの複製物を公衆送信、頒布等をしているとしてシステムトラスト社(被告)に対し、それらの行為の差止めを求めた。
 裁判所は事実関係を確認し「本件ソフトを制作したのは原告であり、被告は発注者にすぎず、著作権は原告に帰属する」とした。原告は訴外アドバンスシステムズ社を介して、被告から再委託を受けてソフト開発をしたが、アドバンスシステムズ社と被告との契約条項に基づき「本件ソフトの権利は被告へ移転していない」と、事実認定をした。次に被告の販売する同ソフトのフォルダ内のファイルのサイズ、更新日付等を検証し、原告ソフトと同一のものであると認めた。被告ソフトについては、複製、翻案、公衆送信、及び頒布の差止めと廃棄を命じた。
判例全文
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3月27日 清原和博選手の名誉毀損事件
   東京地裁/判決・一部認容、一部棄却(控訴)
 
判例全文
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3月28日 『企業主義の興隆』事件(2)
   東京高裁/判決・控訴棄却
 『企業主義の興隆』と題する書籍の著者(控訴人・一審原告)が、『ヒューマン・キャピタリズム』等と題する書籍の著者(被控訴人・一審被告)及びその出版社である講談社(被控訴人・一審被告)に対して、著作権(翻案権)侵害を理由に謝罪広告と損害賠償を求め、講談社には製作、販売の差止めも加えて請求した事件の控訴審である。一審では請求棄却となっていたが、同一の請求理由に著作者人格権(氏名表示権)の侵害も併せて控訴した。
 高裁は、控訴人が主張する46の対比箇所について地裁に引き続き対象とし、表現内容の共通性の有無や程度、論理展開上の位置づけの類似性等について総合的に判断すると方針を示し、判断を下した。書籍全体としても、個別の対比箇所を取り上げても「被控訴人書籍からは、控訴人書籍の著作物としての表現形式上の本質的な特徴を感得できない」として翻案権侵害を認めず、また、著作者人格権の侵害をいう控訴人の主張も採用できないとして、原判決は相当だと、控訴を棄却した。
判例全文
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3月29日 中古のゲームソフト販売事件B(アクト)(2)
   大阪高裁/判決・控訴棄却(上告)
 ソフトメーカーの「コナミ」(神戸市)など六社が、ゲーム販売会社「アクト」(岡山市)と同社のフランチャイズ店経営者に、中古ソフトの販売差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決があった。
 鳥越健治裁判長は「ゲームソフトは『映画の著作物』にあたり、頒布権もある」としたが、自由市場保護の観点から「頒布権は一回の販売で消滅する」との初判断を示し、中古ソフト販売が著作権侵害にあたるとした一審大阪地裁判決を取り消し、メーカー側の請求を棄却した。
 メーカー側は「劇場用映画に与えられた頒布権は消滅しないから、映画と同等のゲームソフトも消滅しない」と主張。一方、販売業者側は「欧米では、一回の販売で消滅する国がほとんどだ」と反論していた。
 27日の東京高裁と同じ結論になったが、メーカー側は上告を検討している。
判例全文
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3月29日 ドメイン名の移転請求事件(三共)
   世界知的所有権機構(WIPO)/裁定・認容
 大手製薬会社の「三共」はドメイン名「三共.com」を第三者に登録され、競売にかけられていた問題で、国際的な紛争処理機関のWIPOに申し立てていたドメイン名の三共への移転請求が認められた、と発表した。
 WIPOが昨年11月から登録が始まったアルファベット以外の多言語ドメイン名に対して裁定を下したのは初めて。
 三共の申し立ての相手は大阪在住の男性で、インターネット上の競売サイトで高額の値段をつけて売り出していた。裁定から10日以内に男性が不服をWIPOに申し立てなかった場合、ドメインの使用権は自動的に同社に移転する。

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3月30日 カラオケ著作権料不払い事件(名古屋市)
   名古屋地裁/強制執行
 長期にわたりカラオケ使用料の支払いに応じない飲食店に対し、名古屋地裁は日本音楽著作権協会(JASRAC)の申立てによりカラオケ機器撤去の強制執行を行なった。カラオケ著作権料をめぐり、機器そのものが撤去されたのは全国で初めて。
 撤去を受けたスナックでは、1ヵ月3500円の使用料が必要なのに、1996年の開店以来、使用料を払っていない。
 JASRACは97年から99年にかけ、同店に対し著作権侵害差し止めの仮処分申請や損害賠償を求める法的措置を取ってきた。しかし同店側は約80万円の使用料の支払いを命じた判決が確定した後も、責任者の名義を変えるなどして支払いを拒否してきた。

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4月11日 早稲田大学の名簿提供事件A
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 早稲田大学で1998年11月に行なわれた江沢民・中国国家主席の講演会の警備のため、参加者の名簿を大学が警察と外務省に提供したのは個人情報の漏洩として、学生6人が約200万円の賠償を大学に求めた訴訟は請求が棄却された。
 加藤新太郎裁判長は、氏名、学籍番号、住所、電話番号を記した名簿提出が不適切で、プライバシー侵害と認めたものの「外国要人の警備という必要性があり、名前などの情報は他人に知られたくないと感じる程度が低い」と述べ、違法性はないと判断した。
 また「行政の要求に安易に応じて個人情報を提供した行為は学問の自由に反し、講演会への参加を警察に知られ、思想の自由も侵害された」との学生側の主張についても「学問研究活動が制約されたとは認められない」などと述べて、退けた。
 原告側は「大学によるプライバシーの侵害と学内規則違反を認めたことは画期的だ」と評価。しかし、「警視庁に名簿を提供することが、大学の自治との関連でどういう意味を持つのかに関して、判決は極めて浅い考えに止まっている。人権の制約を軽く考えた、歴史的な感覚に欠けた判決だ」と厳しく批判し、直ちに控訴する方針を明らかにした。
判例全文
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4月11日 中古のゲームソフト販売事件B(アクト)(3)
   最高裁/上告
 中古のゲームソフトの販売をめぐり、ソフトメーカーの「コナミ」(神戸市)など六社が販売会社の「アクト」(岡山市)と同社のフランチャイズ店経営者に販売差し止めなどを求めた訴訟で、メーカー六社は、メーカー側の請求を退けた3月29日の二審・大阪高裁判決を不服として、最高裁に上告した。

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4月16日 中小ホテル旅館フロントシステムソフト事件(2)
   東京高裁/判決・控訴棄却
 「中・小ホテル旅館フロントシステム」との名称の、ホテルの事務処理支援を目的とするコンピュータ・プログラムについて著作権を有するソフト会社(控訴人・一審原告)が、電気・電子機器販売会社(被控訴人・一審被告)相手に訴えた事件の控訴審。一審では、同プログラムの使用許諾契約が締結された旨主張して未払いの使用許諾料の支払いと、顧客へのソフト商品納入が著作権(複製権又は翻案権)を侵害したとして、損害賠償合わせて1,648万円を求めていた。一審東京地裁では請求棄却されていた。
 高裁は一審の認定事実を追認しつつ、使用許諾契約書の第7条にある使用権の対価支払い時期を両者間協議と定めた条項にも関わらず「被控訴人から契約実施の無期限延期通告された際、延期はできないとの申し入れを控訴人はしたが、同7条があったから延期に関する協議申し入れをそれ以上は行わなかった」とする控訴人陳述に着目した。控訴人からはこの協議が成立したとの主張立証がされていないと指摘したうえで、使用許諾契約が成立していたとしても、両者間協議が非成立ならば同契約に基づく使用料請求を認める余地はないとの判断を加えた。次に、同プログラムの商品納入、保守業務の事実経過を検証し、被控訴人が複製、翻案を行ったとしても、著作物の利用につき控訴人の明示または黙示の許諾があったとして著作権侵害を理由とする請求にも理由がないと、控訴を棄却した。
判例全文
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4月24日 ドメイン名の使用差し止め事件(ジェイフォン東日本)
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 
判例全文
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5月15日 「ニュースステーション」のダイオキシン報道事件
   さいたま地裁/判決・請求棄却(控訴)
 
判例全文
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5月16日 パソコンソフトの違法コピー事件(東京リーガルマインド)
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 アメリカの大手ソフトメーカー、マイクロソフト、アップルコンピュータ、アドビシステムズの3社が、自社のソフトが違法にコピーされ、著作権を侵害されたとして、司法試験などの国家試験予備校「東京リーガルマインド」(LEC)を相手に、ソフトの使用中止と約1億1400万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁はLECに約8500万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
 LECは高田馬場西校(東京都)で使用している219台のコンピュータに、許諾を得ずに表計算ソフト「エクセル」や写真処理ソフト「フォトショップ」など、3社11種のソフトをインストール。司法試験用の教材作成や成績管理に使った。
 飯村敏明裁判長は「著作権侵害はプログラムを複製した時点で成立し、損害額は正規品と同額と認められる」と述べ、「侵害を防ぐため」として販売額の2倍相当の賠償を求めた原告側3社の主張を退けた。
 パソコンソフトの不正使用をめぐる訴訟で損害額に関する裁判所の判断が出たのは初めてのケース。
判例全文
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5月22日 『チーズはどこへ消えた?』の「類似本」事件A
   東京地裁/仮処分申請
 ビジネス書のベストセラー『チーズはどこへ消えた?』の出版元の扶桑社は、「外見のよく似た本を作られ損害を受けた」として、同種の『バターはどこへ溶けた?』を出した道出版(東京都)に不正競争防止法に基づく出版差し止めを求める仮処分を申請した。
 『チーズ』は昨年11月に出版された翻訳本で、2匹のネズミと2人の小人が幸福や財産を象徴するチーズを探し求める物語。状況に応じた自己変革で前向きに、とのメッセージが込められ、ビジネスマンや若い女性を中心に315万部売れている。

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5月25日 自動車整備用システムソフトの無断複製事件
   東京地裁/中間判決・甲事件請求原因認容
 原告・翼システム社は、自動車整備における見積書・作業指示書の作成、顧客管理などの業務に活用できるシステム「スーパーフロントマン」を昭和61年に開発、販売していた。被告・システムジャパン社も同年同種のシステム「トムキャット」を製造、販売した。
 原告は、被告システムの構成要素であるデータベースに対して、原告システムを同じく構成する要素、実在自動車情報を集積したデータベースを無断複製していると、著作権侵害、不法行為を主張し、被告システムの製造差止めと9億5千万円の損害賠償を求めた。裁判所は、当該データベースの著作物性は認めなかったが、原告システムのダミーデータが被告システムに全て含まれ、誤入力、車名の独自な命名まで合致する事例があることから、被告のデータベース複製行為は認め、不公正な手段を用いていると不法行為の構成も認め、不法行為に基づく損害賠償請求の原因には理由があるとした。
判例全文
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5月26日 データベースの無断複製事件
   東京地裁/中間判決・請求一部認容
 車の情報を収録したデータベースの無断複製をめぐる訴訟で、東京地裁は中間判決を出し、「情報の選択や構成に創作性がなく、著作物とは認められないデータベースでも、作成に費用や労力がかかる点で法的保護に値する」との判断を示した。賠償責任を認めた判決に基づき、今後の審理で賠償額を算定することになる。
 データベースなどの無体財産をめぐり、著作権法などに照らした厳密な法律上の権利侵害がなくても、「複製・販売が不法行為になる場合がある」と裁判所が判断したのは初めてとみられる。
 このデータベースは自動車整備業者向けに、官報やカタログなどで公表された情報で作られている。東京都の会社が名古屋市の会社を相手に、販売差し止めと9億5000万円の損害賠償を求めている。
 中間判決では、このデータベースについて「主に車検証に記載すべき事項を収録したもので、他社も同様の商品を作っている」として著作物とは認めなかった。
 一方で、「費用・労力をかけて作ったデータベースを複製し、競合する地域で販売することは不正行為になりうる」と指摘した。その上で、原告会社が開発に5億円以上、維持費に年間4000万円以上をかけていることなどから、「被告会社の行為は公正かつ自由な競争として許される範囲を甚だしく逸脱している」として、営業活動を侵害した賠償責任があると判断した。
 被告会社側は「データベースが法的保護を受けるには、著作物であることが必要だ」と主張していた。

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5月29日 読売テレビの実名報道事件
   大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 収賄罪で有罪判決を受けた大阪府田尻町の元町長が「実名で前科を報道され、プライバシーを侵害された」として、読売テレビなどを相手に、慰謝料1000万円の支払いを求めた訴訟で、大阪地裁は同社と同社の報道部長に50万円の支払いを命じた。
 同町では汚職事件で2000年2月に当時の町長が辞職。読売テレビは出直し選挙が告示された同年4月にニュース番組を放映し、この中で記者が「同町では一代前の6年前にも現職町長が汚職で逮捕されている」と述べ、1994年11月に収賄容疑で逮捕され、辞職した元町長がインタビューに答えている動画像に実名の字幕をつけて放送した。
 山下寛裁判長は「実名の報道には公益性があるが、有罪判決の執行猶予期間が経過しており、容姿の映像を流す必要性はなかった」と指摘、原告の請求を認めた。
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5月29日 ゲームソフト「ワールドサッカー」事件(2)
   東京高裁/判決・請求棄却(確定)
 
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5月30日 読売テレビの実名報道事件(2)
   大阪高裁/控訴
 大阪府田尻町長選のテレビ報道で、顔などの映像とともに収賄罪の前歴を放送された元町長が「プライバシー権の侵害」と読売テレビなどに損害賠償を求めた訴訟で、同社と当時の報道部長は大阪地裁の判決を不服として控訴した。
 同社広報部長は「判決は、実名報道を認めたものの、映像の使用を認めていない。テレビ報道の特性を否定するもので承服しがたい」としている。

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5月30日 交通安全標語の類似事件
   東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
 「ボク安心 ママの膝より チャイルドシート」という交通標語を作った会社員が、「盗作された」として広告代理店の電通などに5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があり、飯村敏明裁判長はこうした標語を「著作物」と認める初の判断を示した。一方で「標語に共通点はあっても、同一とはいえない」とし、賠償請求そのものは棄却した。
 原告の標語は、94年に日本交通安全協会の標語コンクールで優秀賞に選ばれた。一方、被告の日本損害保険協会と電通は97年、電通が作った「ママの胸より チャイルドシート」という標語を交通事故防止キャンペーンのテレビ広告に使った。
 裁判長は原告の標語について「リズミカルな表現で、家庭的な情景が効果的に描かれ、筆者の個性が十分反映されている」と判断し、著作物性を認定した。その上で「原告の作品は五七五調で、電通の作品は七五調である。ママの膝と胸とではイメージに違いがある」と著作権侵害を否定した。
判例全文
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5月30日 カラオケ無断使用事件(東京都練馬区)
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
 
判例全文
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5月30日 「キューピー」著作権侵害事件A(日本興業銀行AB)(2)
   東京高裁/判決・取消、追加請求認容(上告)
 「キューピー」人形の著作権を有するローズ・オニール遺産財団(アメリカ)に代わり、日本における権利行使を譲渡されたキューピー愛好家が、日本興業銀行のマスコット人形に対して、イラストおよび人形の複製禁止と破棄を求めた裁判の控訴審。一審判決で財団が訴訟から脱退するという請求者交代に起因して、裁判手続きに伴う判断(請求棄却)が示されていた。「本件著作物は、キューピーイラストを変形した二次的著作物として創作性が加わった部分のみが著作権の効力がおよぶところで、銀行の人形とは大きな違いが有る」として、控訴請求は棄却、また、原判決は取り消された。なお、控訴人が追加請求した著作権確認は認容した。
判例全文
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5月30日 「キューピー」著作権侵害事件B(キューピー株式会社A)(2)
   東京高裁/判決・控訴棄却、追加請求認容
 (上告、上告棄却/上告受理申立、上告不受理・確定)
 「キューピー」人形の著作権を有するローズ・オニール遺産財団(アメリカ)に代わり、日本における権利行使を譲渡されたキューピー愛好家が、キューピー(株)のイラストおよび人形の商標使用、商品包装、容器、HP等への複製禁止と破棄を求めた裁判の控訴審。高裁は、愛好家が著作権譲渡を受けた著作物については、ローズ・オニール著作の原形イラストを立体的に表現した点においてのみ創作性が認められる二次的著作物として著作権存在を確認する判断を示した。だが、キューピー(株)が使用するイラスト等は訴え根拠の本件著作物とは相違して、印象が異なることから複製物・翻案物には当たらないと著作権侵害は認めず原判決は相当と控訴請求を棄却した。
判例全文
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5月31日 ハウスvsエスビー パッケージ酷似事件
   東京地裁/提訴
 ハウス食品はエスビー食品が2月に発売した固形カレールー「とろけるカレー」のパッケージデザインが、自社の主力商品「こくまろカレー」に酷似しているとして、不正競争防止法に基づいて、デザインの使用差し止めを求める訴えを起こした。
 ハウス食品によると、パッケージの字体、文字の色、ひらがな四文字の商品名などが酷似しているという。これまでに約10回交渉を持ったが、「歩み寄る回答が得られなかった」ため提訴に踏み切った。
 固形カレールー市場は700億円規模で成熟化しつつある。ハウスの「こくまろ」は96年の発売から累計3億個を売るヒット商品。エスビーの「とろける」も発売から3ヵ月あまりでシェア10%を獲得するなど急成長している。

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5月31日 ゲームソフトの公衆送信権侵害事件(刑)
   徳島簡裁/略式命令
 徳島区検は佐賀市の会社員を著作権法違反(公衆送信権侵害)の罪で略式起訴。徳島簡裁は罰金50万円の略式命令を出し、会社員は仮納付した。
 会社員は1月16日から同月末までの間、米国のプロバイダーが管理するサーバーコンピュータに、任天堂などが著作権を持つ「ポケットモンスター金」など三つのソフトを複製した。また自宅のパソコン上にも複製、自分のホームページにアクセスした人が無料でソフトを受信できるようにした。

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5月31日 高校総体HP事件
   京都地裁/判決・請求棄却
 京都市で開催された平成9年度の「全国高校総合体育大会」のインターネットHPを制作した会社が、そのHP等をCD−ROM化した会社に対して、著作権侵害、著作者人格権侵害を理由に訴えた。裁判所は、京都市と被告会社の間に高校総体HPの制作委託契約が結ばれ、また、被告が原告にCD−ROM制作を委託した下請契約の締結があることで、CD−ROMの著作権が京都市にあることに原告と被告の双方に争いがないことを背景に判断を示した。争点が、イベント検索やマップナビゲーション等のシステムの複製、改変に絞られ「ホームページの記録保存という事業目的の限度で、システムの一部をサンプルとして複製することは許されるとの被告の認識は十分な合理性を有する」として請求を棄却した。
判例全文
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6月8日 「ウルトラマン」裁判管轄事件(3)
   最高裁(二小)/判決・差戻し
 「ウルトラマン」の著作権をめぐって、円谷プロダクションが「商品化を許可したバンダイなどに警告書を送りつけ、業務を妨害した」として、タイ人実業家を相手に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決があった。
 日本国内で裁判できるかどうかが争点となったが、河合伸一裁判長は、国内での裁判を認めなかった二審・東京高裁判決を「是認できない」と破棄し、一審・東京地裁判決も取り消して審理を同地裁に差し戻した。
 不法行為による国際間の紛争はどの国で裁判ができるかという「国際裁判管轄」は、民事訴訟法に基づき、不法行為があった場所で決まる。二審判決は、不法行為の存在が証明されていないことを理由に円谷プロの訴えを却下したが、第二小法廷は、裁判ができる基準について「日本国内での被告の行為によって、原告に損害が生じた客観的事実が証明されれば足りる」とする初めての判断を示した。
 タイ人実業家は「ウルトラマンの生みの親の故円谷英二さんにアイデアも出し、円谷プロと著作権を共有している」と主張。タイでウルトラマンを商品化しているバンダイなどに対し、「自分が独占権を持っている」と警告書を送った。これに対し円谷プロは「タイ人が独占権の根拠とする契約書は偽物。不当な警告で事業が妨害された」と提訴していた。
判例全文
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6月13日 略称「JF」の使用差し止め事件
   東京地裁/仮処分申請
 略称や商標に「JF」を使っている外食産業の業界団体「日本フードサービス協会」は、全国漁業協同組合連合会(全漁連)が組織の統一呼称に「JF」の使用を決めたのは、業界関係者や消費者の混乱を招くなどとして、呼称の使用差し止めを求める仮処分命令を申請した。
 同協会は1974年の設立以来、略称に「JF」を使用。商標登録も行い、協会の広報資料、会員企業が共同購入する農水産物や食材などに表示してきた。
 一方、全漁連は昨年12月、漁協の統一呼称やロゴマークに「JF」を使用することを決定。6月末から正式に使うが、すでにホームページなどで使用している。
 文字のデザインが違い、読み方も協会が「ジェフ」で、全漁連は「ジェイエフ」と異なるが、同協会は「混同や誤認の恐れがある上、商標権も侵害している」と主張している。

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6月13日 ベストセラー『絶対音感』の無断利用事件
   東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
 ベストセラー『絶対音感』をめぐり、オーストラリア在住の翻訳家が「作品を無断引用された」として、著者と発行元の小学館に950万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は著者と小学館に100万円の支払いを命じた。
 飯村敏明裁判長は「調査をすれば著作者を容易に知ることができたのに、これを怠り、許諾を得ていない上、著作者名も公表しておらず、適法な引用とはいえない」と述べた。
 オーストラリアで台本作家や翻訳家などとして活躍している原告は1996年、米国の作曲家レナード・バーンスタインが書いた演劇の台本を日本で上演するため翻訳した。被告は作品の一部に、許可を得ずに原告のその翻訳を使用した。
 被告側は「引用は適法で、翻訳を使い日本での上演を企画した会社代表者から了承を得た」と主張したが、飯村裁判長は「代表者には許諾を与える権限がない」と退けた。
判例全文
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6月13日 ビジネスソフトの著作物性事件
   東京地裁/決定・請求一部認容、一部却下
 コンピューターソフトウェアの開発、販売、保守等を業とするサイボウズ社が、同業のネオジャパンを訴えた。裁判事案は、ビジネスソフト「サイボウズオフィス」のプログラム及びインターフェイスを複製ないし改変した同種商品を、ネオジャパンが開発・販売するのは「著作権侵害」だとして、仮処分申立てを求めたものだった。
 申立て対象ソフトは二つあったが、両社のソフトについて、各画面の表示や配列・階層などの相互関係性を裁判所は対比・検討した。その一つについて「各画面の構成・選択・配置が同一と言えるほどに類似」し、「外面的な形式を若干改変し・翻案された」ものと認められ、「依拠した事実」も認められると言うべきとして、著作権侵害を理由に、差止相当とした。なお、もう一つのソフトについては、差止却下とされた。
判例全文
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6月15日 血友病の病名公開事件
   高松地裁/和解
 高松市内の保育園で女性保育士に血友病の息子の病名を明かされ、プライバシーを侵害されたとして、両親らが保育園を経営する社会福祉法人などに総額150万円の損害賠償を求めた訴訟は和解した。
 和解の内容は明らかにされていないが、原告側代理人は「両親も納得しており、満足できる内容だ」と話した。
 訴えによると、両親は入園前、「病気のことは秘密にして欲しい」と園に要請したが、女性保育士は1998年4月の入園式当日、男児を「血友病のため一年間、(別の)園に通えませんでした」と保護者らに紹介するなどして、原告の名誉やプライバシーを侵害した。

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6月20日 ドメイン名の使用差し止め事件(JACCS)(2)
   名古屋高裁金沢支部/第一回口頭弁論
 商標「JACCS」をインターネットのドメイン名に使われたとして、信販会社ジャックスが簡易トイレ組み立て販売会社日本海パクト(富山市)に使用差し止めを求めた控訴審の第一回口頭弁論があった。
 日本海パクト側は「一審判決ではメールアドレスの差し止めは命じられていない」とした上で「ドメイン名を使用して営業活動をすることは企図していない」と主張した。これに対しジャックス側は「今後、商品などの宣伝がなされる可能性が高い。予防請求権として差し止め請求権を認める実益は大きい」などと反論した。

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6月21日 泉北ニュータウン建設計画書の著作物性事件(2)
   大阪高裁/判決・控訴棄却、予備的請求棄却
 大阪・泉北ニュータウンの分譲開発事業を巡っての係争事件の控訴審。建築設計監理業を営むA社は、先行して立案し描いた「企画書」「建築設計図書」に基づき、遅れて参画した大手建設会社B社と分譲申込を行った大手商社C社に対して、両社の提出した分譲計画書はA社文書を複製したものだと、著作権侵害、不法行為を理由とした訴えを行ったが、原判決では、棄却されていた。A社には、事業主体となるには資金不足等の理由から分譲申込失効の通知が府より出されていた。A社の2回目の申込からB社は参加していた。
 控訴するに当たって、(1)共同事業を目指した過程でA社はB社に企画書等の文書を交付したが、その合意において寄託契約が成立した。(2)遅れてB社が単独で分譲申込をした際に、A社の改良企画書をそのまま添付していたが、それにはABの2社間合意があった。以上二つが成立していたという予備的請求が加えられた。高裁は、原判決不服という請求に対しては、AB2社の文書を対比して著作権侵害の有無の検討について補足説明を加え「複製権侵害を判断するに当たり、著作物性のない部分についてこれを比較するのは無意味」と退け、(1)寄託契約等が存在した事実は認められない、(2)2社間合意の存在も認められない、以上のように判じて、控訴請求を棄却した。
判例全文
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6月21日 すいか写真翻案等事件(2)
   東京高裁/判決・一部変更(上告)
 すいか写真の類似性をめぐり原告写真家が被告写真家と被告写真をカタログに掲載したさっぽろフォトライブ社を相手に、著作者人格権(同一性保持権)、翻案権侵害に基づいた訴えを起こした事件の控訴審。
 一審東京地裁は類似性を否定し請求棄却としたが、控訴審は原判決を取り消して、著作権侵害を認めた。「先行写真において被写体の決定自体、つまり素材の選択、組み合わせ配置について独自性が認められる場合、その創作的な表現部分の共通性の有無を考慮しなければならない」と判断根拠を示し、被控訴人(一審被告)写真が著しく類似し、裁判上で明らかになった諸事情から依拠性も強く推認できるとした。「控訴人写真の表現を変更しあるいは一部切除してこれを改変した」と同一性保持権の侵害を認めた。なお、既刊カタログの回収廃棄、謝罪広告は必要性がないとし、慰謝料として金100万円の支払いを命じた。
判例全文
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6月27日 カラオケ著作権料不払い事件(山梨県田富町ほか)
   甲府地裁/提訴
 山梨県田富町のカラオケボックスは、昨年12月に廃業するまでのおよそ10年間、音楽著作権協会が何度も警告を発したにもかかわらず、著作権の手続きをせずに営業をしてきた。
 このため協会はカラオケボックスの経営者に対して、著作権料の未払い分、およそ733万円の損害賠償を求める訴えを起こした。
 また、甲府市と富士吉田市の2飲食店に対しても、カラオケ設備の使用を差し止める仮処分命令を出すよう甲府地裁に申し立てた。

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6月27日 ケーブルテレビの再送信使用料事件(周南ケーブルサービス)
   東京地裁/判決・請求認容(控訴)
 日本脚本家連盟は周南ケーブルサービス社を相手に、締結した契約に基づいたラジオ放送番組のケーブル配信の使用料の支払いがないことを理由に、補償金請求の提訴をした。
 裁判所は当該契約書の記載内容を確認し、原告の請求には理由があると認め、約120万円の著作権使用料支払いを命じた。
判例全文
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6月28日 偽たばこの商標法違反事件(刑)
   水戸地裁/判決・有罪
 日本たばこ産業(JT)の人気銘柄「セブンスター」などの偽造品が大量に出回った事件で、関税法違反(禁制品の輸入)と商標法違反(商標権の侵害)の罪に問われた茨城県の整体師に対する判決があった。
 村田鋭治裁判官は「JTの社会的信用を失墜させ、消費者の権利を侵害した」として、被告に懲役5年、追徴金243万円、偽たばこ1万5145個の没収を言い渡した。

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6月28日 小説『ブタペスト悲歌』改変放送事件(3)
   最高裁(一小)/判決・破棄自判
 北海道の民謡「江差追分」をテーマにした番組で、自分の著書を無断で模倣されたとして、元朝日新聞記者がNHKなどに損害賠償を求めた訴訟の上告審判決があった。最高裁は二審判決を破棄、元記者の請求を棄却し、NHK側の勝訴が確定した。
 井嶋一友裁判長は「番組のナレーションは元記者の著作物を参考文献の一つにして、これに基づきつくられた」と指摘。しかし「著作物との同一性が認められる部分は、事実関係など創作性がない部分で、著作権を侵害するものとはいえない」と述べた。
 一審東京地裁は96年「元記者の独創的な説を番組は一般論のように扱い、名誉を傷つけた」として、NHK側に240万円の賠償を命令した。これに対し、二審東京高裁は99年「元記者は独創的な説の提唱者として評価されていなかった」と名誉毀損を否定、ナレーションについての著作権侵害だけを認めていた。
判例全文
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6月28日 渡し舟の情報公開事件(2)
   名古屋高裁/判決・変更
 岐阜県内の住民グループが、利用者が殆んどいない県営の長良川の渡し舟について、その運営に関する情報を公開するよう求めていた訴訟の二審判決があった。
 高裁は「個人が特定できる情報を非公開とした岐阜県の判断は違法とまではいえない」として、一審岐阜地裁が公開を命じた情報についても、一部非公開とする判決を言い渡した。
 笹本淳子裁判長は「渡し舟の操業は県の委託とはいえ、私的な団体が行っていて、船頭の名前など個人が特定できる情報を公開するのはプライバシーにあたる」と述べた。

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6月29日 静岡市長の懇談相手、情報公開請求事件
   静岡地裁/判決・請求棄却
 静岡市が同市の情報公開条例に基づき、小島善吉市長の交際費に関する公文書の一部交際相手を非公開としたのは違法として、市民団体の代表、西脇征嘉さんが、市長に非公開決定処分の取り消しを求めた訴訟で、静岡地裁は原告の請求を棄却した。
 笹村将文裁判長は「当時の条例はプライバシーを最大に保護したもので、個人が識別できる情報は非公開との趣旨になっている」と指摘した。

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