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【事件名】ケーブルテレビの再送信使用料事件(周南ケーブルサービス)
【年月日】平成13年6月27日
 東京地裁 平成13年(ワ)第8591号 著作権使用料請求事件
 (口頭弁論終結日 平成13年6月25日)

判決
原告 協同組合日本脚本家連盟
訴訟代理人弁護士 田倉栄美
被告 周南ケーブルサービス株式会社


主文
1 被告は,原告に対し,金120万5709円及びこれに対する平成13年5月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 この判決は,仮に執行することができる。

事実及び理由
第1 請求
1 原告
 主文と同旨
2 被告
 請求棄却
第2 理由
 請求原因は、別紙訴状及び訴状訂正申立書のとおりである。
 証拠(甲1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば,請求原因事実はすべて認められる。以上によれば原告の請求は理由がある。

東京地方裁判所民事第29部
 裁判長裁判官 飯村敏明
 裁判官 今井弘晃
 裁判官 石村智


別紙 訴状
第1 請求の趣旨
1被告は、原告に対し、金1,241,877円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払いずみまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 仮執行宣言

第2 請求の原因
1 原告は、「著作権に関する仲介業務に関する法律」第2条に基づき文化庁長官により脚本の著作権に関する仲介業務の許可を受けた団体である。
2 原告は、平成4年10月29日被告と次の約定による契約を締結した(以下「A契約」という)。
(1〕原告及び訴外社団法人日本音楽著作権協会、同協同組合日本シナリオ作家協会、同社団法人日本文芸著作権保護同盟(以下「原告ら」という)は、被告に対し、被告が次の2に掲げる使用料を支払うことを条件に、原告らがコントロールを及ぼしうる範囲に属する著作物を使用して制作されたテレビ放送番組をケーブルによって変更を加えないで同時再送信することを許諾する。
 訴外社団法人日本芸能実演家団体協議会(以下「芸団協」という)は、被告に対し、被告が次の2に掲げる補償金を支払うことを条件に、芸団協の会員の実演によって制作された放送番組を、被告がケーブルによって変更を加えないで同時再送信することに対し、放送事業者に異議を申し立てない。
(2)上記使用料と補償金の合計金額は、被告が当該年度に受領すべき受信料総額に、各々次の料率を乗じて算出した額とし、被告は、原告ら及び芸団協の代表者である原告に対し、当該年度終了後2ケ月以内に原告の事務所に持参又は送金して支払う。
@区域内再送信は、1波について0,015%
A区域外再送信は、1波について0・09%
3 原告は、平成4年10月29日被告と次の約定による契約を締結した(以下「B契約」という)。
(1)原告及び訴外協同組合日本シナリオ作家協会、同社団法人日本文芸著作権保護同盟(以下「原告ら」という)は、被告に対し、被告が次の(2〕に掲げる使用料を支払うことを条件に、原告らがコントロールを及ぼしうる範囲に属する著作物を使用して制作されたラジオ放送番組を、ケーブルによって変更を加えないで同時再送信することを許諾する。
 訴外社団法人日本芸能実演家団体協議会(以下「芸団協」という)は、被告に対し、被告が次の(2)に掲げる補償金を支払うことを条件に芸団協の会員の実演によって制作されたラジオ放送番組を、被告がケーブルによって変更を加えないで同時再送信することに対し、放送事業者に異議を申し立てない。
(2)上記使用料と補償金の合計金額は、被告が当該年度に受領すべき受信料総額に、各々次の料率を乗じて算出した額とし、被告は、原告ら及び芸団協の代表者である原告に対し、当該年度終了後2ケ月以内に原告の事務所に持参又は送金して支払う。
@区域内再送信は、1波について0・015%×10/100
A区域外再送信は、1波について0・09%×10/1000
4 前記2ないし3記載のA・Bの各契約に基づく使用料(補償金を含む)は次のとおりである。
(1)A契約 平成7年から平成11年度分迄 金1,172,695円
(2)B契約 平成7年から平成11年度分迄 金10,045円
(3)(1)十(2)十消費税(5%)の合計金1,241,877円。
5 被告は、原告に対し、4の金員の支払をしない。
6 よって、原告は、被告に対し、前記4の使用料等の合計金1,241,877円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払ずみまで民事法定利率年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。

第3 証拠方法
 1 甲第1号証 契約書(A契約)
 2 甲第2号証 契約書(B契約)

第4 添付書類
 1 甲骨証(写)
 2 会社登記簿謄本 2通
 3 訴訟委任状 1通

別紙 訴状訂正申立書
平成13年(ワ)第8591号事件
原告 協同組合日本脚本家連盟
被告 周南ケーブルサービス株式会社

平成13年6月11日
訴状訂正申立書

原告訴訟代理人弁護士 田倉栄美

東京地方裁判所 民事29部 御中
第1 請求の趣旨1項を次のとおり訂正する。
1 被告は、原告に対し、金1,205,709円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払いずみまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 請求の原因4項・6項を次のとおり訂正する。
4 前記2ないし3記載のA・Bの各契約に基づく使用料(補償金を含む)は次とおりである。
(1)A契約 平成7年から平成11年度分迄 金1,138,540円
(2)B契約 平成7年から平成11年度分迄 金9,755円
(3)(1)十(2)十消費税(5%)の合計金1,205,709円。
6 よって、原告は、被告に対し、前記4の使用料等の合計金1,205,709円及びこれに対する本訴状送達の日の翌日から支払ずみまで民事法定利率年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。

第3準備書面(原告一1)を次のとおり訂正する。

1 A契約(テレビ放送番組)
(1) 被告の年間の利用料収入 65,059,468円
(2) 料率 0.0035
@ 区域内再送信7波×O.015%(1波)=0,105%
A 区域外再送信5波×O.09%(1波)=0.45%
B @十A=O.555%
   但し、上限利率がO.35%(O. O035)
(3) 単年度使用料 (1)×(2)=227,708円
(4)請求年度 平成7年〜11年の5年
(5) 使用料合計 (3)×5年=1,138,540円
2 B契約(ラジオ放送番組)
(1)被告の年間の利用料収入 1の(1〕と同=65,059,468円
(2) 料率 O.00035
@ 区域内再送信 2波xO.O015%(1波)=0.O03%
A 区域外再送信 なし
B @十A:0,003%(0.00003)
(3)単年度使用料 (1)×(2)=1,951円
(4)請求年度 平成7年〜11年の5年
(5〕使用料合計 (3)×5年=9,755円
3 本件請求金額(1,205,709円)
(1) 1の(5)(1,138,540円)十2の(5)(9,755円)=1,148,295円
(2)(1)十(1)x消費税(0.05)=1,205,709円
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日本ユニ著作権センター
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