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3月2日 小型USBメモリの類似事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
台湾法人である電子機器製造メーカーが、小型USBフラッシュメモリを台湾の会社に製造委託してこれを輸入・販売するソニー株式会社に対して、当該メモリは自分のところの製造する商品の形態を模倣したものであるから、製造や輸入・販売は不正競争防止法の不正競争行為であり、メモリは自分のところのメモリの設計図の著作権侵害であるとして、20億円の損害賠償を求めた事件。原被告間でメモリ製造委託の際に技術情報のやり取りがあり、その情報の取り扱いをめぐって紛争になった。
裁判所は、不正競争防止法の該当性を否定し、原告側メモリ設計図の著作物性を否定して、請求を棄却した。 |
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3月4日 「生命の實相」復刻出版事件 |
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東京地裁/判決・第1事件請求一部認容、一部棄却、第2事件請求棄却、
第3事件請求棄却(控訴)
この裁判には3つの訴訟が絡んでいる。
【第1事件】財団法人である生長の家社会事業団が、生長の家の創始者である故谷口雅春が戦前に創作した多数の著作物の集合体としての「生命の實相」の著作権は、創始者が財団法人の設立者として行なった寄付行為により財団法人に帰属しているが、出版契約を締結して「生命の實相」復刻版を刊行した日本教文社には印税に未払いがある上、復刻版に無断で真実と異なる著作権表示をしたとして、財団法人が日本教文社を訴えた事件。【第2事件】生長の家および創始者の遺族が、「生命の實相」の著作権は生長の家に帰属すると主張して、財団法人及び出版社光明思想社(以下、出版社)が出版した谷口雅春の書籍は著作権・著作者人格権を侵害したものであるとして、財団法人と出版社を訴えた事件。【第3事件】日本教文社が、財団法人から出版権の設定を受けたにもかかわらず、財団法人と出版社が日本教文社に無断で谷口雅春の書籍を刊行し又は刊行しようとしているとして、財団法人に対しては出版権が日本教文社に帰属することの確認を、財団法人と出版社の双方に対しては出版等の差し止めを求めた事件。
裁判所は、【第1事件】について、創始者の寄付行為により著作権は財団法人に帰属していると認め、印税支払いについては消滅時効を援用して50万円の限度で認めた。著作権表示については日本教文社の不法行為と判断したが、謝罪広告掲載は認めなかった。【第2事件】については、生長の家および創始者の遺族の主張を容れなかった。【第3事件】については、生長の家の管理・指示のもとに財団法人と合意して日本教文社が出版を行ったという日本教文社の主張を認めず、また契約は出版権設定契約ではないとして、差し止め請求を認めなかった。 |
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3月4日 大相撲「八百長疑惑」報道事件D |
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東京地裁/提訴
大相撲の八百長疑惑を報じた2007年の「週刊現代」記事をめぐって、日本相撲協会から名誉毀損訴訟を起こされ、2010年に最高裁で敗訴が確定したフリーライターが、最近の八百長メール発覚を受けて、協会に1000万円の慰謝料を求める訴訟を東京地裁に起こした。ライターは、協会が八百長は存在しないという虚偽の主張をしたため、本来はあり得ない判決が確定して、名誉を傷つけられた、再審請求はせずに、新たな訴訟で立証したい、としている。 |
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3月8日 「アルゼ王国の闇」不競法違反事件(2) |
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知財高裁/判決・変更、控訴棄却、予備的請求棄却
パチスロ遊技機メーカーの旧社名アルゼが、アルゼと競合関係にあるSNKとサミーが、アルゼの営業上の信用を害する虚偽の内容を掲載した『アルゼ王国の闇』等4点の書籍を鹿砦社に出版させ、これを多数買い上げて全国のパチンコ店等に頒布させた行為は不競法に定める不法行為であるとして、20億円の損害賠償を求めた事件の第二審。第一審では、出版行為の主体は鹿砦社であり、被告らの行為は書籍の内容を提供して出版行為を幇助したに過ぎないから、不正競争行為とは認められない等として、請求を棄却していたが、アルゼ側が控訴していた。
裁判所は、SNKが4点のうち1点の書籍に付された虚偽事実一覧表の1項目が虚偽でありアルゼの営業上の信用を害するものであることを十分に知りながらこれを流布したとして、原審判決を変更してSNKに200万円の支払い等を命じ、その他の請求およびサミーに対する控訴を棄却した。 |
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3月10日 「読むサプリ」出版事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
医療器具の製造販売会社(原告)が、出版社(被告)に対して、出版権設定契約を交わした書籍「読むサプリ」シリーズ(全24種)の未払い代金約700万円の支払いと、引き渡した原稿の返却を求めて提訴した事件の第二審。原告会社は、株主である株式会社への納品を目的として出版コードを持たない書籍を作成したが、株主である株式会社への納入後に大量の在庫を抱えていた。そこで被告出版社と契約を締結し、被告出版社は出版コードを取得し表紙および奥付に修正シールを添付して、自社の書籍として販売していた。第一審は原告の主張をほぼ認め、出版社に対し約600万円の支払い等を命じたが、被告が控訴した。
裁判所は、第一審の判断を引用して、原判決認容部分を認容し、控訴を棄却した。 |
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3月10日 経営戦略書の職務著作事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
医療・福祉経営コンサル会社(原告)が、この会社の元従業員である被告がある出版社から発行しようとした『病院の新経営管理項目読本(仮題)』と題する著作物は、職務著作物であり原告に著作権があるとして、その書籍の出版差止めと損害賠償を求めて提訴した事件の控訴審。原審では職務著作性を否定して請求を棄却したが、原告側が控訴していた。
裁判所は、この著作物は原告が具体的に被告に作成を命じたものとも、被告が原告の承諾を得て作成したものとも、また原告との契約に従って被告が作成したものともいうことはできないとして、原審同様、職務著作の要件を欠くとして、控訴を棄却した。 |
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3月15日 データベースソフトの著作権確認事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、予備的請求棄却
(上告・上告棄却、上告受理申立・上告不受理、確定)
被告会社元従業員(原告)は、被告「中国塗料(株)」から子会社「信友」に出向の際に、被告会社専務から「船舶情報管理システム」の作成を命じられ、その後、子会社「中国塗料技研」の社長に就任して後も、同システムの開発の続行を命じられて、船舶塗料に関するデータベース、新造船受注システム、塗装仕様発行システム等を含む「船舶情報管理システム」を作成した。原告は、このプログラムの著作権が原告に属することの確認、及びこのシステムに対する原告の寄与分割合の確定を求めて提訴したが、第一審の大阪地裁は職務著作物性を認めて著作者は被告法人であるとし、原告の請求を棄却、原告が控訴していた。
裁判所は、従業員が職務としてシステム開発を行った場合に、開発過程において会社から具体的な指示がない場合であっても、職務著作は成り立つとして、第一審の判断を維持して控訴を棄却した。 |
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3月16日 「ストリートビュー」プライバシー権侵害事件 |
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福岡地裁/判決・請求棄却(控訴)
福岡県に住む女性が、グーグル社のストリートビューによって、自宅のベランダに干していた洋服や下着を撮影されインターネット上で公開されたとして、同社をプライバシー権侵害、個人情報保護法違反で訴え、損害賠償金60万円を求めた事件。
裁判所は、映像からは洗濯物らしきものが干してあるのは分かるがそれが何であるかは分からず、原告個人を特定できるものではないこと、公道から撮影されており、訴状の送達と同時に映像の公開を停止していることなどから、プライバシー権の侵害を否定、またこれらが個人情報に当たるかどうか疑問であり、仮に当たるとしても、保護法の規定に違反しているとは到底言えないとして、請求を棄却した。 |
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3月17日 元「コメディNo.1」前田五郎氏への名誉棄損事件(週刊朝日)(2) |
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大阪高裁/和解
漫才師の中田カウスさん宅に脅迫状が送られた事件をめぐり、「週刊朝日」に犯人と疑われるような記事を掲載され名誉を傷つけられたとして、元「コメディNo.1」の前田五郎氏が、発行元の朝日新聞出版と記事執筆者に計8300万円の損害賠償等を求めた事件。第一審は名誉毀損の成立を認め朝日新聞社等に550万円の支払いを命じたが、朝日新聞社等が控訴していた。
大阪高裁では、朝日新聞社と記事執筆者が550万円を前田氏に支払い、誌面にお詫び記事を掲載することで和解が成立した。 |
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3月17日 商標“天使のチョコリング”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
人気のドーナツ「天使のチョコリング」を作る製パン会社CLUB ANTIQUEが、商品名の商標登録を、森永製菓が「天使」の商標権を有していることを理由に無効とした特許庁の審決に対して、取消しを求めた事件。CLUB社は2009年9月に「天使のチョコリング」を商標登録したが、「天使」の商標権を持っていた森永製菓が特許庁に審判を求め、昨年9月の審決でCLUB側の登録は無効とされていた。
裁判所は、CLUB社の商標は出所を誤認、混同させる恐れがあるとして、特許庁の審決を妥当とし、請求を棄却した。 |
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3月22日 “売上高データ”の著作物性事件C(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
2010年1月27日および2月25日東京地裁判決の事件と被告書籍を同じくする裁判の控訴審(原審判決は2010年6月17日)。原告出版社が刊行する雑誌「月刊ネット販売」に掲載された図表9点が、被告が執筆した書籍『図解入門業界研究 通販業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』に無断で使用されたとして損害賠償等を請求した事件。第一審は原告図表の編集著作物性を否定し、原告の主張する財産権侵害の不法行為や名誉・信用毀損も否定して、請求をすべて棄却した。
裁判所は、第一審同様、各原告図表の編集著作物性を否定し、不法行為の成立も否定して、控訴を棄却した。 |
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3月22日 Google書籍電子化事件(米) |
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米ニューヨーク州連邦地裁/決定・和解案承認拒絶
米Googleによる書籍電子化訴訟で、ニューヨークの連邦地裁は、2009年11月にGoogleと作家・出版者協会とから出された修正和解案を認めない判断を下した。チン判事の判断によれば、修正和解案はGoogleに有利になりすぎており、著作権者の承認を得た書籍のみを電子化の対象とするように和解案を更に修正すべきだという。原告の作家出版者側と、被告Googleの双方は、更なる修正を策定するか、それとも従来の訴訟を続けるかを検討することになる。 |
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3月23日 映画「やわらかい生活」シナリオ収録拒否事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、拡張請求一部棄却、一部却下(上告受理申立)
芥川賞受賞作家の著作である小説を原作とする映画「やわらかい生活」のシナリオを、シナリオ作家協会が発行する『年鑑代表シナリオ集』に収録・刊行しようとしたところ、作家に拒絶されたため、シナリオを執筆した脚本家とシナリオ作家協会が、作家に対して収録を妨害しないよう求めた事件。第一審は、原作者が収録を許諾しなかったことに違法性はないなどとして、原告の請求を棄却したが、原告側が請求を一部変更して控訴した。
裁判所は、原作者の行為は正当な権利行使の範囲内のものであるとして、原告側の主張を認めず、控訴を棄却した。また、変更追加した差止請求権不存在確認の訴えについては却下した。 |
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3月24日 TBS「愛の劇場」テーマ曲事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
作曲家らが、彼らの作曲した楽曲が東京放送の制作するテレビ番組「愛の劇場」のオープニングテーマとして長期間にわたって使用されたものの、一部の期間については彼らの許諾を得ずに使用されたとして、TBSテレビに対して使用料相当額の不当利得の返還を求めて提訴した事件。作曲家らは2003年に映像制作会社の依頼を受けて作曲し納品して20万円を受け取っていた。楽曲は2004年から使用されたが、2006年4月1日からは、彼らが音楽出版社と著作権譲渡契約を締結し、音楽出版社がJASRACに信託譲渡したことにより、使用料の配分を受けていた。作曲家らは2006年4月1日以前の使用料の支払いを求めた。
裁判所は、(1)東京放送と映像制作会社との間で権利処理された上で納品することが確認されていること、(2)作曲家らは楽曲使用の事実を知りながら5年間使用料を請求していないこと、(3)7秒程度の短い楽曲であるので20万円という額が使用料を含むものであると考えても不自然ではないこと、(4)JASRACへの信託譲渡は着メロ配信のためであって東京放送に支払い義務があることを前提としたものではないこと、などの点から、作曲家らは20万円を対価としてオープニング映像に使用することを許諾していたと判断して、請求を棄却した。 |
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3月28日 商標“ドーナツ”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
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3月29日 “ひこにゃん”瓜二つ事件(2) |
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大阪高裁/決定・仮処分認容
滋賀県彦根市の人気キャラクター「ひこにゃん」は、彦根市が原作者から著作権を買い取って商標登録しているが、市と原作者の間で、市側は3ポーズに限り業者に製造販売を依頼する、原作者は「ひこにゃん」以外の創作活動をするという形で合意している。だが、原作者の考案した「ひこねのよいにゃんこ」のグッズが出回るようになり、市はこのグッズに対して不正競争防止法に基づき販売差止めを求める仮処分を申請した。大阪地裁は差し止め請求を権利の乱用として却下したが、市側が即時抗告していた。
高裁は、合意は「ひこねのよいにゃんこ」の新作絵本の出版を念頭においてなされたもので、グッズの製造・販売を承諾したとはいえないとして、地裁の決定を変更し、原作者が所属するデザイン会社による販売の差止めを命じた。 |
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3月31日 “ミンサー織”不正競争事件 |
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那覇地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
八重山ミンサーを加工した小物などを製造・販売する石垣市の会社が、福岡県で製造した織物をミンサー織と表示して販売していた糸満市の業者に対して、類似商品の販売差し止めを求めて提訴した事件。
裁判所は、「ミンサー」「ミンサー織」と呼ばれる織物は沖縄県外にはなく、「ミンサー織」の表示は消費者に商品の産地を県内と誤認させ、不正競争に該当すると判断し、被告業者に、商品に「ミンサー織」を表示して販売してはならない等と命じて、損賠賠償金約700万円の支払いを命じた。 |
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4月19日 “住宅ローン金利比較表”の著作物性事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却、追加請求棄却
金融情報サイトの運営者が、住宅金融普及協会がウェブ上に公開している情報ページに掲載されている図表は自分の著作物である図表を複製したものであり、著作権侵害だとして、約700万円の損害賠償等を求めた事件の第二審。一審東京地裁では当該図表の著作物性を否定し原告の請求を棄却したが、原告は、被告ウェブサイトの運営は原告の営業活動に対する侵害行為である等の、一般不法行為の成立を追加主張して控訴した。
第二審裁判所では、原審の判断を維持して著作物性を否定した上、追加主張も認めず、控訴を棄却した。 |
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4月19日 大相撲「八百長疑惑」報道事件(刑) |
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警視庁/告訴
大相撲の八百長疑惑を報じた「週刊現代」の記事をめぐって、日本相撲協会側から名誉毀損訴訟を起こされて敗訴が確定した講談社は、相撲協会側が虚偽の主張や立証で勝訴し同社から賠償金を騙し取ったとして、同協会の理事長だった北の湖親方など5人について、警視庁に詐欺容疑での告訴状を提出した。
「週刊現代」の八百長報道をめぐっては、同じく敗訴が確定したフリーライターが協会に対して慰謝料を求める訴訟を起こしている。 |
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4月21日 「沖縄ノート」の“集団自決”名誉棄損事件(3) |
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最高裁(一小)/決定・上告棄却(確定)
太平洋戦争末期の沖縄戦で旧日本軍が住民に「集団自決」を命じたとする、作家・大江健三郎の「沖縄ノート」をめぐり、旧日本軍の当時の守備隊長らが虚偽の記述で名誉を傷つけられたとして、大江氏と版元の岩波書店に、出版差止めと損害賠償などを求めた事件の上告審。2008年3月の一審大阪地裁は、記述には合理的根拠があり、真実と信じる相当の理由があったとして原告の請求を棄却し、同年10月の二審大阪高裁も一審を支持して原告側控訴を棄却していたが、原告側が上告していた。
最高裁第一小法廷は、原告側の上告理由は事実誤認や単なる法令違反の主張で、民事訴訟で上告が許される場合に該当しないとして上告を退ける決定をし、大江氏側の勝訴が確定した。 |
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4月21日 立体商標“ゴルチエ・クラシック”事件(2) |
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知財高裁/判決・請求認容(確定)
女性の胴体をモチーフにした「ジャンポール・ゴルチエ」ブランドの香水瓶の形状に対して、立体商標としての登録を認めなかった特許庁の審決は不当であるとして、販売元のフランスの化粧品会社が審決の取消しを求めた事件。対象となったのは1994年に日本で販売された香水「クラシック」で、女性の胸部から腹部のラインをかたどったデザインの瓶に、首の部分が噴霧器になったもの。2006年4月に特許庁に国際商標の出願をしたが認められず、10年7月の不服審判の審決でも登録を拒否されていた。
裁判所は、「クラシック」は女性の体をモチーフとした香水容器の中でも、ほかに見当たらない形状をしていると指摘し、ファッション雑誌などでも評価されていてゴルチエの商品と認識できると認定、特許庁の審決を取り消した。コカコーラの瓶やヤクルトの容器に続き、香水「クラシック」の容器が立体商標として認められた。 |
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4月21日 立体商標“ローディッセイ”事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却(確定)
同日判決が下った“ゴルチエ・クラシック”事件と同時に、原告は香水瓶「ローデイッセイ」の形状に立体商標を認めなかった特許庁の審決の取消しを求めて提訴していたが、知財高裁は形状に特異性がないなどとして取消し請求を棄却した。 |
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4月21日 立体商標“ゴルチエ・ルマル”事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却(確定)
同日判決が下った“ゴルチエ・クラシック”事件と同時に、原告は香水瓶「ゴルチエ・ルマル」の形状に立体商標を認めなかった特許庁の審決の取消しを求めて提訴していたが、知財高裁は形状に特異性がないなどとして取消し請求を棄却した。 |
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4月25日 「ロス疑惑」三浦和義さんへの名誉棄損事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
ロス疑惑の容疑者として米自治領サイパンで拘束され、ロス市警の留置場で自殺した三浦和義元会社社長の妻が、掲載記事で名誉を傷つけられたとして「日刊ゲンダイ」に990万円の損害賠償を求めた事件。問題とされたのは2008年に掲載された、「量刑は死刑か終身刑」「ロス市警は有罪にする絶対の自信を持っている」等の見出しで三浦氏の逮捕などを報じた3本の記事。
裁判所は、記事掲載当時、三浦氏は東京高裁の無罪判決が確定しており、事件の犯人であるという社会的評価が形成されていたとはいえないとして、記事の一部に名誉毀損を認め、同社に220万円の支払いを命じた。 |
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4月27日 “取扱説明文”の著作物性事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
ご飯に具を振りかけてお弁当を作る際の枠を作ったり型を抜いたりする道具である商品の、台紙裏面およびリーフレットに掲載された取り扱い説明文と写真が、自分が実用新案登録出願した際の手続補正書に書いたものの著作権を侵害している等として、原告男性が、商品の製造販売をしている日用品雑貨販売会社に300万円の損害賠償を求めた事件。
裁判所はまず、原告の主張する本件手続き補正書の編集著作物性についてこれを退け、次に言語または美術の著作物としてもこれを認めず、更に本件出願願書は著作物として登録されており、手続き補正書はこれと実質的に同一であるから著作物であるという原告の主張も、本件願書の登録は第一発行年月日の登録であって、登録に係る対象が著作物性を有することが推定されるものではないとしてこれを退けた。 |
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4月28日 医療事故報道の名誉棄損事件(共同通信)(3) |
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最高裁(一小)/判決・上告棄却(確定)
東京女子医大で心臓手術を受けた女児が死亡した事故で業務上過失致死罪に問われ、無罪が確定した医師が、共同通信配信記事で名誉を棄損されたとして、記事を掲載した地方紙3紙に損害賠償を求めた事件の上告審。共同通信に対する上告は既に退けられている。
裁判所は、通信社に賠償責任がなければ、記事を掲載した地方紙も賠償責任を負わないとして医師の上告を棄却した。 |
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4月28日 顧客データの不正競争事件(保安用品販売) |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
繊維、雑貨等輸出入販売会社(原告)が、かつて取引先であった保安用品販売会社(被告会社)と原告の元上司・同僚ら(被告個人)が、原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を第三者に告知した等として、不正競争防止法による差し止め、損害賠償等を求めると同時に、被告らが営業に用いている保安用品カタログは、原告のカタログを利用したものだとして、著作権侵害に基づく差し止め、廃棄を求めた事件。
裁判所は、不正競争防止法上の争点については「粉飾決算」についてのみ該当性を認め損害賠償額等13万円を認容、他の要求を認めなかった。カタログについては原被告両社の共同著作物と位置付けて、原告が被告に対して、共同著作物の著作権者としての権利を行使して被告カタログの利用行為の差し止めを求めることは許されないとした。 |
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