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11月5日 「オールイン」差止め請求事件 |
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東京地裁/仮処分申請
韓国の人気俳優イ・ビョンホンさんの主演でNHKが放送した「オールイン 運命の愛」をめぐり、原作者の盧承日さんが日本で小説とマンガを無断で出版され、著作権を侵害されたとして、NHK出版と講談社に販売差止めを求め東京地裁に仮処分を申し立てた。 |
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11月9日 「韓流スター」肖像権侵害事件 |
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ソウル中央地裁/提訴
ペ・ヨンジュンさんら「韓流スター」5人が、出演した音楽ビデオの映像を無断で販売促進用DVDに使われ肖像権を侵害されたとして、日本の菓子メーカーのカバヤ食品(岡山市)や韓国の芸能プロダクションなど3社に対し、9億5000ウォン(約1億円)の損害賠償を求める訴えをソウル中央地裁に起こした。原告にはチェ・ジウさんやイ・ビョンホンさんも含まれている。 |
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11月10日 「フォーカス」の法廷内の隠し撮り事件(3) |
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最高裁(一小)/判決・上告一部棄却、一部破棄差戻し
写真やイラストを本人の承諾なしに撮影・描写して公表することが、どんな場合に違法となるかという肖像権の問題が争われた訴訟で、最高裁第一小法廷は「場所や目的、必要性などを総合的に判断して決める」との基準を初めて示した。具体的には、法廷で手錠や腰縄によって身柄を拘束されている場面については、「社会生活上、我慢をできる限度を超える」とし、写真もイラスト画も公表をともに違法とした。
この判断は、和歌山市のカレー毒物混入事件で殺人罪などに問われた被告(一、二審で死刑、上告中)が、写真週刊誌「フォーカス」に法廷内の写真やイラスト画を掲載されたことをめぐり、「肖像権を侵害された」として新潮社側に計2200万円の賠償などを求めた訴訟の上告審判決で示された。
新潮社に440万円の支払いを命じた二審・大阪高裁判決は、掲載された写真とイラスト画すべてを違法としていたが、第一小法廷は今回示した判断に基づき、イラスト画の一部について「違法とは言えない」として審理を同高裁に差戻した。
二審判決のうち、写真についての違法性を認めて、新潮社に220万円の支払いを命じた部分は確定。差戻し審では、イラスト画についての賠償額を減額する方向で審理し直されることになる。 |
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11月10日 ゲームソフト複製競売事件(刑) |
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千葉県警旭署/書類送検
無断でコピーしたパソコン用ゲームソフトをインターネットのオークションで販売したとして、千葉県警旭署は旭市の男子高校生を著作権法違反の疑いで書類送検した。
高校生は成人向けゲームソフトをハードディスクにコピーし、ネット競売で川口市の男性ら3人に計6万6300円で販売した疑い。高校生のディスクには約60本のゲームが入っていた。 |
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11月10日 読売新聞社への信用毀損事件(週刊現代) |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
巨人戦のチケット販売に不公正があったという「週刊現代」の記事で社会的評価を傷つけられたとして、読売新聞社が講談社や元旅行代理店社員に5500万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決で、東京地裁は講談社に110万円の支払いを命じた。
判決によると、同誌2004年9月18日号は「実名告発 もうひとつの裏金疑惑『巨人戦チケットは独禁法違反』で訴えられた」との見出しで、読売新聞のスポーツ事業部が旅行代理店に巨人戦のチケットを販売する際、協賛金の支払いを要求したり、売れない座席との抱合せ販売をしたりし、独禁法に触れるとする記事を掲載した。
佐藤陽一裁判長は「抱合せ販売は事業部と旅行代理店との交渉の結果で、協賛金支払いの強要も真実とは認められない」と指摘。「記事は読売新聞の社会的評価を低下させた」との判断を示した。 |
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11月11日 飯島勲首相秘書官への名誉棄損事件(週刊新潮) |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
「週刊新潮」の虚偽の記事で名誉を傷つけられたとして、首相秘書官の飯島勲氏が新潮社に計1100万円の損害賠償と謝罪文の掲載を求めた訴訟で、東京地裁は同社に330万円の支払いを命じた。滝沢泉裁判長は「論評の前提となっている事実が、重要な部分で真実とは認められず、真実と信じた相当の理由もない」と述べた。
問題となったのは、2004年5月23日号の「首相秘書官の『謀略リーク』に破れた『福田』」と題する記事。福田康夫元官房長官の年金未納問題をめぐり、「未納情報を週刊誌にリークしたのは飯島氏だった」などと報じた。 |
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11月15日 海外向けテレビ番組録画サービス事件(2) |
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知財高裁/決定・抗告棄却
「エフエービジュン社」が、テレビパソコンに映像を録画し、録画されたファイルを海外の友人、知人等のパソコンに転送できる「録画ネットサービス」を行うのは複製権の違反であるとして、日本放送協会が停止を求め、その請求を認めた東京地裁の仮処分決定を不服として、エフ社が抗告した訴えで、知財高裁は棄却する決定をした。
抗告人は「海外在留邦人の知る権利を侵害する」などと主張したが、知財高裁は認めなかった。 |
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11月17日 図表と説明文の著作物性事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
蒸気システム制御機器メーカーの英国法人「スパイラックス・サーコリミテッド」が、自社が創案した圧力制御機器などの図表、説明文に類似したものを使用され、著作権を侵害されたとして、同種メーカーの「テイエルブイ社」に対し、図表、説明文の複写、印刷、頒布の禁止と200万円の損害賠償、謝罪広告の掲載を求めた訴訟で、東京地裁は説明文の一部に著作物性を認めたものの、「技術的知見やアイデアは著作権の保護範囲とはならない」として、請求を退けた。 |
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11月17日 中村元法相への名誉棄損事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
写真週刊誌「フラッシュ」の記事で名誉を傷つけられたとして、中村正三郎元法相らが光文社に約1100万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟で、東京地裁は同社に対し、110万円を元法相に支払うよう命じた。
問題となったのは、2003年9月16日号掲載の「違法と糾弾された中村元法相『石垣島リゾート開発』」と題する記事で、違法な土地の売買契約を進めたとするもの。 |
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11月21日 『植民地朝鮮の日本人』の記念文集引用事件(2) |
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知財高裁/判決・控訴棄却
岩波新書『植民地朝鮮の日本人』に、小学校の記念文集『鉄石と千草 京城三坂小学校記念文集』(昭和58年刊)掲載の文章が誤った趣旨で引用されたのは著作者人格権(同一性保持権)の侵害に当たるとして、文集の編集責任者らが岩波書店と編著者に損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟で、知財高裁は控訴をいずれも棄却した。
原告側は控訴審において、編集著作物における著作者の権利の有無について争ったが、判決は「利用の態様は、文集を構成する個々の著作物の一部を個別に取り出して引用するものであるから、編集著作者の権利を侵害するものとはいえない」と指摘した。 |
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11月24日 「新しい歴史教科書をつくる会」書籍の廃棄処分事件(2) |
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東京高裁/判決・変更(上告)
船橋市立西図書館の司書が「新しい歴史教科書をつくる会」や関係者の著作などを処分したことをめぐり、著者らが「人格的利益を侵害された」として、市に損害賠償を求めた訴訟の差戻し審判決があった。
最高裁が7月、違法性を認めて東京高裁に差戻し、賠償額が焦点となっていたが、浜野惺裁判長は「廃棄されたのと同じ本が再び図書館に備えられている」などとして、一人当たり3000円の賠償を同市に命じた。
一人当たり300万円の賠償を求めていた著者側は「3000円では図書を棄てたことへの懲罰にならず、安すぎる」と、再上告を検討することを明らかにした。 |
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11月24日 類似「正露丸」販売事件 |
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大阪地裁/提訴
「ラッパのマーク」のCMで知られる大幸薬品(吹田市)の胃腸薬「正露丸」に極めて似た包装で同様の薬を販売するのは不正競争防止法に違反するとして、同社が和泉薬品工業(和泉市)を相手に、販売差止めや約6400万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。
訴状によると、和泉薬品は瓶詰めタイプの胃腸薬製品の包装箱正面に、大幸薬品製と同様のオレンジ色の背景に赤字で「正露丸」と表示。含有成分などが若干異なり、大幸側のラッパの代わりにひょうたんマークがついている。大幸薬品側は「類似性は明らかで、製品の混同を生じる恐れがあり、販売は違法だ」と主張している。 |
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11月28日 ニセ「ヤフー」の虚偽ニュース事件(刑) |
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警視庁生活経済課/逮捕
国内最大手のインターネット検索サイト「ヤフー」のニュースサイトを真似たホームページに、共同通信の配信を装った虚偽のニュースが掲載された事件で、警視庁生活経済課と愛宕署は長崎市の元プログラマーを著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕した。
元プログラマーは、ヤフーのニュースサイトの画面やプログラムを自宅のパソコンにコピーして取り込んだ上で、共同通信が配信したと装った「中国軍が沖縄に侵攻」という虚偽のニュース記事を掲載して、ネットで公開。ヤフーの著作権を侵害した疑い。記事には約6万7000件のアクセスがあった。 |
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11月28日 アイコラのネット掲載事件(刑) |
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警視庁目黒署/逮捕
タレントの顔写真にヌード画像を組み合わせた合成写真「アイコラ」(アイドルコラージュ)をインターネットのサイトに掲載したとして、警視庁目黒署はサイト管理者の会社員と、投稿者3人を名誉棄損容疑で逮捕した。ネットに掲載されたアイコラの摘発は警視庁として初めて。
4人は2004年8月から2005年2月、会社員が管理するアイコラ専門サイトに、人気タレント新山千春さんを使った猥褻な合成写真を掲載した疑い。新山さん側が告訴していた。 |
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12月5日 ノースリーブ型カットソー事件(2) |
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知財高裁/判決・変更
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12月5日 入試問題集の著作権侵害事件(英俊社) |
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東京地裁/仮処分申請
作家のねじめ正一さん、脚本家の倉本聡さん、児童文学者の灰谷健次郎さんら26人の著作者が、近畿地方の有名中学、高校の受験生向け入試過去問題集(通称・赤本シリーズ)を出版している「英俊社」に「作品を無断で使用され、著作権を侵害された」として、過去問題集の印刷や出版、販売の差止めとインターネット上での問題集の送信停止を求める仮処分を申立て、併せて約260万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。
同社は近畿地方の有名中学校120校の学校別入試対策用「赤本シリーズ」を出版。バックナンバーのネット販売も行っている。
文学作品の入試過去問題集への無断使用をめぐっては2005年4月、大学受験生用の「赤本」で12人の作家らが著作権を侵害されたとして、京都府の「世界思想社教学社」に賠償請求訴訟を起こしている。 |
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12月5日 慰安婦法廷番組の改変事件(2) |
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東京高裁/口頭弁論
旧日本軍による性暴力を法律の専門家を含む民間人が裁く「女性国際戦犯法廷」を取上げたNHKの番組が、放送直前に改変された問題をめぐる訴訟の口頭弁論があった。
当時のNHK放送総局長が証人として出廷し、政治家の圧力はなかったと述べるとともに、放送前の中川昭一衆議院議員との面会を否定し、従来のNHK側の見解に沿った証言をした。 |
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12月6日 「新しい歴史教科書をつくる会」書籍の廃棄処分事件(3) |
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最高裁/上告
船橋市立西図書館の司書が「新しい歴史教科書をつくる会」や関係者の著作を処分したことをめぐる訴訟で、著者側は、原告一人につき3000円の支払いを同市に命じた東京高裁の差戻し審判決を不服として、最高裁に再び上告した。 |
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12月7日 カーナビ用ソフトの無断複製事件(刑) |
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鳥取署/逮捕
カーナビ用ソフトウエアを複製し、インターネット・オークションを通じて販売したとして、鳥取署は著作権法違反の疑いで横浜市の会社役員とホテル従業員を逮捕した。
二人は共謀して住宅地図会社「ゼンリン」のカーナビ用ソフトを無断で複製したCD−Rをネットオークションに出品、販売した疑い。容疑者らが代金の振込先に指定した銀行口座には、5月から8月にかけて約1000回、計約300万円の入金があった。 |
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12月8日 “NOVAうさぎ”商品化事件 |
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大阪地裁/判決・請求棄却
テレビCMで人気のキャラクター“NOVAうさぎ”の商品化権をめぐり、衣料用繊維製品を販売するサクラインターナショナル(株)ら2社が、契約の債務不履行によって損害を被ったとして、“NOVAうさぎ”の商標権、著作権を持つ(株)ノヴァに対し、約9億1000万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は原告側の請求を退ける判決を言い渡した。
原告側はTシャツ等にキャラクターを使用して販売することを目的に契約交渉を行い、主要部分については口頭による合意が成立していたと主張し、3年分の逸失利益を算定して請求したが、判決は契約が不成立と認定、原告側の請求を認めなかった。 |
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12月8日 写真利用委託契約終了後の著作権侵害事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
広告・宣伝業を目的とする(株)JALブランドコミュニケーションとの間で、自分の撮った写真を第三者に使用させるための受委託契約を締結していた写真家が、契約期間終了後も許可なく第三者が発行するパンフレットに写真を利用させ、被害を被ったとして、約600万円の損害賠償とパンフレットの頒布差止めや廃棄を求めた訴訟で、大阪地裁は写真家の請求を一部認め、被告側に約6万円の支払いとパンフレットの廃棄を命じる判決を言い渡した。 |
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12月12日 谷垣財務相への名誉棄損事件(週刊文春) |
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東京地裁/提訴
谷垣禎一財務相は「週刊文春」12月8日号の記事「中国人女性『買春』疑惑」で名誉を著しく傷つけられたとして、文藝春秋社に対し謝罪広告の掲載と2200万円の損害賠償の支払いを求める訴えを起こした。
財務相は「記事の内容はまったく事実無根であり、虚偽と臆測によって作られたもので名誉を著しく棄損するだけでなく、国政に対する不信をいたずらに煽った」と批判している。一方、「週刊文春」の鈴木洋嗣編集長は「記事は事実で、百パーセントの自信がある。大臣が説明責任も果たせぬまま訴訟を起こすのは、訴権の濫用にあたるのではないか」とのコメントを出した。 |
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12月12日 筋弛緩剤事件被告への名誉棄損事件 |
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仙台地裁/判決・請求棄却
仙台市の北陵クリニックの筋弛緩剤混入事件で殺人罪などに問われた被告が、「週刊朝日」の記事で名誉を傷つけられたとして、朝日新聞社と同誌のインタビューに応じた東北大大学院教授に約1000万円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は請求を棄却する判決を言い渡した。小野洋一裁判長は「記事の扱いは公正中立性を欠いておらず、内容も教授の見解を公表したもので、違法性はない」と指摘した。
問題となったのは、「週刊朝日」2004年4月2日号の「被告はウソをついている」の記事。同クリニックの実質的経営者だった教授がインタビューに答える形で、無罪を主張する被告の法廷供述は事実と違うなどと指摘していた。 |
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12月12日 人工衛星設計プログラムの職務著作事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
宇宙開発事業団(現宇宙航空研究開発機構)の職員が、ロケットや人工衛星の制御データ解析プログラムについて著作権、著作者人格権が自分にあることの確認を求めて、同事業団と関連業務を行うコンピュータソフト開発会社を訴えた。裁判所は、「各プログラムは職務著作として、事業団がそれらの著作者となる」と認め、職員が求めた「二次的著作物と位置づけたプログラムの原著作者の権利が自分にある」という主張も理由がないと退け、請求を棄却した。 |
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12月15日 類似アイディア家電の不正競争・取扱説明書事件(2) |
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大阪高裁/判決・控訴棄却
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12月15日 ワープロソフト「一太郎」等の無断複製事件(刑) |
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警視庁岐阜県警/逮捕
コンピュータソフトを違法に複製し、インターネット上のサイトで売りさばいていたとして、警視庁と岐阜県警の合同捜査本部は、男女7人を著作権法違反の疑いで逮捕した。
容疑者らは「激安ソフト直売」などと謳ったサイトを開設。「一太郎2005」など、約500種類のソフトを違法にコピーし、約2億円を売り上げていたと警視庁はみている。 |
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12月15日 株式情報誌の著作権侵害事件 |
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東京地裁/仮処分申請
ダイヤモンド社が創刊した情報誌「『株』データブック全銘柄版」に、東洋経済新報社が9月に発行した「会社四季報秋号」と酷似した表現があり、著作権侵害に当たるとして、東洋経済は「データブック」の販売差止めを求める仮処分を東京地裁に申請した。 |
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12月16日 毎日新聞の輸血ミス報道事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
病院の輸血ミスをめぐる記事で名誉を傷つけられたとして、医療法人「気象会」が毎日新聞と執筆した記者に計2000万円の損害賠償などを求めた訴訟で、大阪地裁の横山光雄裁判長は「輸血ミスと患者の死亡に因果関係があるかのような印象を与えた」として、被告側に100万円の支払いを命じた。 |
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12月16日 「5年間ワックス不要」表示事件(3) |
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最高裁(二小)/決定・上告棄却
ワックス製造会社「ウイルソン」が、「5年間ノーワックス」を宣伝文句にした他社製品は虚偽表示に当たるとして、不正競争防止法に基づき、販売元の「中央自動車工業」を相手に表示差止めなどを求めた訴訟で、最高裁第二小法廷は原告側の上告を退ける決定をした。原告側逆転敗訴の二審・知財高裁判決が確定した。 |
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12月16日 出会い系サイトの顔写真使用事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
出会い系サイトの広告に顔写真を無断で使われ精神的苦痛を受けたとして、神奈川県の20代の女性が戸田市の情報サービス会社などに550万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は120万円の支払いを命じる判決を言い渡した。井上哲男裁判官は肖像権の侵害を認め、「女性は今後控えている就職において不利益を被るのではないかと不安にかられた」と指摘した。 |
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12月20日 商標“CARTIER”侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
有名ブランド「カルティエ」の腕時計にダイヤを埋め込むなどの加工品の販売は、商標権の侵害だとして「カルティエ・インターナショナル・ビー・ブイ」が装飾品販売店「とらや」(東京都中央区)に2億円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は「とらや」に製造、販売の中止と製品の廃棄、約3500万円の賠償を命じた。
高部真規子裁判長は「とらやの製品は、原告製品の品質にも影響を及ぼす改造を加えており、原告の商標の品質保証機能などを害した」とした。 |
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12月21日 商標“本当にあったHな話”侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
成人男子向けの漫画雑誌「本当にあったHな話」を発行する「ぶんか社」が、同様のコンセプトで「本当に出会ったHな話」を発行したのは商標権の侵害であるとして、「竹書房」に対し、雑誌の販売差止めと約2875万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は竹書房に約338万円の支払いを命じた。
裁判は「あった」と「出会った」の類似混同が争われたが、「外観、呼称、観念のいずれも類似しており、誤認混同を生じる」として、原告側の請求を認めた。 |
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12月21日 「ダスキン」への名誉棄損事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
清掃関連サービス大手「ダスキン」の特別背任事件をめぐって、朝日新聞と「週刊朝日」が掲載した記事について、同社の元会長が名誉を傷つけられたとして、朝日新聞社に1650万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟で、東京地裁は元会長の請求を棄却する判決を言い渡した。
判決は、記事のほとんどについて真実と認定し、新聞、雑誌記事のいずれも不法行為は成立しないと結論づけた。 |
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12月22日 商標“産業と経済”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求棄却
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12月22日 TV番組挿入曲の二次使用事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(一部確定、一部控訴・控訴後取下)
テレビ番組に使用される楽曲を作曲、編曲し、静岡放送に20年余にわたって提供してきた音楽家が、許諾契約に反して楽曲を使用し、他局へ譲渡したとして、静岡放送に対し、著作権侵害に基づく5億円の損害賠償と著作権の確認を求めた訴訟で、東京地裁は著作権の存在は認めたものの、賠償請求を退ける判決を言い渡した。
音楽家は「自分の提供する楽曲の使用許諾は、静岡県内における『ローカル番組放送一回分の使用』であるのに、静岡放送は数次にわたって再放送し、全国放送、他局への放送権の許諾、譲渡も行った。約22年にわたり対価を受け取っていない」と主張したが、判決は「明確な契約書がないことは事実であるが、楽曲の使用について包括的な使用許諾がなされていた」と認定した。 |
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12月26日 「天台宗法則文」の出版権侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
『天台宗開眼法要集』と題する書籍を出版する日本ソアー(株)が、『天台宗祈願作法手文』と題する書籍の出版によって自社の出版権を侵害されたとして、監修者の調布市、深大寺住職や出版元の四季社に対し、約5315万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は原告の請求を棄却した。
法則文とは仏教の法要に際し、その趣旨を述べる文言。判決は「原告の主張する法則文は既に公表されている法則文を単に転記したもので、創作的な表現であるとはいえない」と判断した。 |
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12月26日 講演録の複製権侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
宗教法人「ジー・エル・エー総合本部」がその創始者で、故Bの著作権の信託を遺族から受けているとして、Bの講演の録画、録音をCD−ROMに複製し、論文を電子ブック等に複製して販売するのは著作権の侵害であるとして、被告Aに対し複製物の廃棄と約1312万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は被告Aに複製物の廃棄と約11万円の支払いを命じる判決を言い渡した。 |
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12月27日 商標“自由学園”侵害事件(2) |
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知財高裁/判決・請求認容
卓越した女性教育者として知られた羽仁もと子が、キリスト教の精神を取り入れて大正10年に創立した「自由学園」(東京都)が、「国際自由学園」という専修学校を運営する学校法人「神戸創志学園」(神戸市)を相手に、神戸側の登録商標を認めた特許庁の審決の取消しを求めた訴訟の差戻し審で、知財高裁は原告側の請求を認め、審決を取り消した。逆転判決となった。
この裁判は、東京高裁で2004年8月31日に原告側の請求棄却の判決があり、これを不服として上告、最高裁第二小法廷が2005年7月22日の前判決を破棄して知財高裁に審理を差戻していた。 |
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12月27日 “阪神優勝”商標事件(2) |
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大阪地裁/判決・変更
「阪神優勝」のロゴを商標登録した千葉県の男性に使用料を支払い商品を販売したが、登録が無効となり損害を受けたとする「西本靴下販売」(加古川市)が、「ロゴが使えなくなる可能性を説明しなかった」として、男性に約1200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、大阪高裁は男性に100万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
2005年3月の一審・神戸地裁姫路支部判決は「商標登録は無効となる危険性が常にある」として、西本靴下販売の請求を棄却していた。 |
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12月27日 貴乃花親方夫妻への名誉棄損事件 |
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東京地裁/提訴
大相撲の貴乃花親方と妻の代理人弁護士は、2005年5月の二子山親方死去前後の報道をめぐり、講談社と新潮社に損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴訟を東京地裁に起こした、と発表した。請求額は「興味本位で取上げられたくない」と明かしていない。 |
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