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11月2日 偽ブランド品大量輸入事件A(刑) |
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福岡地裁/判決・有罪
海外の人気ブランドの偽物商品を輸入しようとして関税法違反の罪に問われた大阪の会社社長に、商標権を侵害し、わが国の国際的な信用を危うくさせ、輸入場所を変えるなど計画的かつ巧妙な犯行として、二つの実刑判決がいいわたされた。被告は平成7年7月から10月にかけ、香港で作らせた海外人気ブランドの偽物商品合わせて6万点余りを、福岡空港など国内3か所の空港から15回にわたって輸入しようとしたほか、平成9年10月には偽物の衣類合わせて3万点余りを名古屋港から3回にわたって輸入しようとしていた。被告は、福岡空港での事件の後、覚せい剤取締法違反の罪で確定判決を受けたにもかかわらず、さらに名古屋港での事件を起こしていたため、福岡地裁は刑を一つにまとめず、空港での罪について懲役2年、名古屋港での罪については1年2か月とする二つの実刑判決になったもの。 |
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11月2日 巨人軍によるホームページ閉鎖請求事件 |
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東京地裁/和解
一部の美容外科医で構成されている日本美容外科医師会が、巨人選手の名前を無断使用した懸賞募集をホームページに掲載したのに対し、読売巨人軍がホームページの閉鎖を求めて仮処分を申請していた事件で、和解が成立した。ホームページの閉鎖と同医師会が巨人軍に迷惑をかけたことを認めるという内容のものである。同医師会の有志は今年8月から、巨人軍ルーキーを激励する形の名称を使い、同ルーキーの本塁打数などを当てる懸賞をホームページに掲載した。これに対し読売巨人軍は氏名権・肖像権は選手にとってかけがえのないもとし、仮処分申請した。9月に同地裁で審尋が開かれたが、最終的に同医師会側は、法的な問題になるとは知らなかったとして和解に応じた。 |
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11月4日 ケーキ商標登録名の権利乱用事件 |
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東京地裁/決定・仮処分認容
ミルクレープの名を商標登録した洋菓子業製造業者ドゥリエール(港区)が、その名を使った菓子の販売禁止を要求するのは権利の乱用という、同じ業者ピー・エムファクトリー(港区)の申し立てを認め、その要求を禁じる仮処分を決定した。決定の理由は、ミルクレープは極薄のクレープを幾重にも重ね、間にクリームを挟んだケーキで、1980年代以降、日本で普通名称として広く認識されていたとする判断を示したため。ピー・エムファクトリーはドゥリエールから独立した会社で、社員の移籍などをめぐってトラブルが起き、ドゥリエールはピー・エムファクトリーに洋菓子の販売差し止めを求めて訴訟を起こすなど対立を続けていた。差し止め訴訟は97年暮に和解したが、98年1月に特許庁がミルクレープの商標登録を認め、ドゥリエールが全国の洋菓子店にミルクレープの名称を使わないよう求めたので争いが再燃し、今回の申し立てとなった経緯がある。 |
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11月9日 トンガ国王合成写真事件 |
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大阪地裁/証拠保全申請
トンガ国王が女性と腕を組んでいる合成写真が勝手に合成され、観光用の広告などに使われた事件で、国王の肖像権が侵害されたとするトンガ政府の申し立てに基づき、広告代理店(大阪)に対して証拠を保全する手続きが取られ、裁判官が検証したが、問題の写真のネガなどはすべて廃棄されていた。
トンガ政府によると、この代理店の依頼で1996年6月国王は宮殿での写真撮影に応じた。だが代理店はこれをもとに女性と腕を組んでいる合成写真を勝手に作り、観光用の雑誌の広告などに使い、国王の肖像権を侵害したとして合成写真に関する証拠保全を申し立てたという。トンガ政府は、国王は妃とでさえ人前で腕を組むようなことはありえない、このような合成写真でトンガの文化が傷つけられたと怒っている。一方、広告代理店は合成写真を作ることは当時口頭で説明。両国の友好のための広告だけに、このような結果になったのは残念といっている。 |
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11月10日 SMAP追っかけ本事件A(3) |
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最高裁(三小)/決定・上告棄却
人気タレントグループのメンバーが、自宅の住所や電話番号などが記載される予定だった「おっかけ本」について、出版・販売の差し止めを不服として、発行元の鹿砦社が起こした上告が棄却され一審・東京地裁の判決が確定した。一、二審の判決によると、鹿砦社は1996年9月、SMAPなど4の人気タレント・グループ18人に無断で、実家や自宅の所在地とその地図、周辺の写真などを掲載した「ジャニーズおっかけマップ」を出版した。そのうえで、同年12月にはさらに、より詳細な自宅の住所や電話番号などのデータを加えた「ジャニーズ・ゴールド・マップ」の出版を計画した。一審の東京地裁は、表現・出版の自由を考慮しても、平穏な私生活を送るタレントの人格的利益を優先して保護すべきであると判断して、人気タレントの訴えに基づき、出版・販売の差し止めを判決していた。それに不満な鹿砦社側の控訴を東京高裁が棄却したため、さらに上告していたもの。 |
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11月16日 広告主vs制作プロダクション事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
受験指導の四谷大塚の通信教育システムを、新聞雑誌その他に広告するに際し、広告代理店からその製作を依頼されたプロダクションが、その後自社製作の広告が、無断で利用されているとして、四谷大塚を訴えた。裁判所は、使用広告に著作物性ありとして、謝罪広告以外の請求は認めた。 |
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11月18日 パチンコ店、ピアノ演奏差し止め請求事件 |
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大阪地裁/提訴
日本音楽著作権協会(JASRAC)は、住専の大口融資先の不動産会社が経営する大阪市のパチンコ店が著作権料を支払わず、ピアノの生演奏のほか、カラオケ教室を開いたとして、同社に店での演奏中止などを求める仮処分をに申し立てた。このパチンコ店は1995年9月開店以来、サービスとして休憩所で電子ピアノの生演奏をしたり、女性客向けのカラオケ教室を開催していた。JASRACは生演奏などは営利目的と判断して、著作権料の支払いを求めたが、不動産会社が拒否したので訴えたもの。未払いの著作権料は約360万円に上るという。同社はすでに前月から演奏をやめ、請求された著作権料の分割払いを検討中といっている。 |
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11月18日 教師用指導書、錦絵無断掲載事件 |
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大阪地裁/提訴
江戸時代から明治時代の多色刷り木版画・錦絵の1万点所蔵しているコレクターが、教師用指導書に20年間無断使用されたとして、教科書出版社大阪書籍を相手に、約2千2百万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。コレクターによると、出版社などが自分の所蔵品を出版物や放送に使う場合、一定の使用料を受け取って許可している。大阪書籍に対しては、江戸末期から明治末期までの錦絵計8点を、小学校6年の社会科教科書への掲載に限って許可してきたという。ところが同社は、1978年度から今年度にかけて、教科書から毎年発行する教師用指導書に転載して、許諾外の写真使用を続けていたことが判明。同社に使用料の支払いを求めたが、「契約には関連出版物への使用も含まれるとして大半の支払いを拒否されたため提訴した。大阪書籍は事前交渉の過程での双方の主張が食い違うと話している。 |
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11月20日 バレエ振り付け、無断上演事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
フランス人舞踊家が自分の振りつけのバレエを無断で上演されたと訴えた裁判で、公演主催者が上演主体であると認定、著作権の侵害が認められ、損害賠償を命じた。この裁判は、フランス人舞踊家がマーラーの交響曲に合わせて振り付けた『アダージェット』というバレエを、ロシア・バレエ団の日本公演で無断で上演され、著作権を侵害されたとして、日本の二つの公演主催者に損害賠償を求めたもの。公演主催者側は、無断上演の責任はダンサーにあり、主催者に責任はないと反論していまた。判決では、観客の証言などから舞踊家の振り付けた踊り方だったとして著作権を侵害したことを認めた上、ダンサーだけでなく、公演の主催者にも内容を変更させなかった責任があるとして、二つの社に合わせて180万円余りの支払いを命じた。 |
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11月26日 コーヒー・チェーンの写真無断複製事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
コーヒーの栽培と生産をテーマにするプロの写真家が、フランチャイズ方式のコーヒー店ドトールコーヒーに、ディスプレー用に貸し出した写真を無断で複製され、著作権を侵害されたとして、同社に損害賠償を求めた訴訟で、同社に604万円の支払いを命じる判決がいいわたされた。判決によると、同社は1994年10月ごろ、プロ写真家の作品を二子玉川店の店内装飾用に使用したいと申し入れ、貸出書に1回の使用料10万円を払うことで合意をみたにもかかわらず、同社は借り受けたフィルムを使い、1997年11月ごろまでの間、同店だけでなく104店のディスプレイに利用したもの。 |
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11月26日 在宅介護に関する書籍7種の著作権帰属事件(2) |
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東京高裁/判決・変更(上告)
夫婦関係にあった時代、夫が経営者で、夫妻が編集に関わった在宅介護書籍について、離婚後の著作権の帰属で争われた事件。一審の東京地裁は、1点づつ妻の貢献度を検討して、妻に帰属を認めたものについては一部発行頒布の禁止、廃棄を命じたが、すでに頒布の終わっているものについては、話し合いによって問題を解決し一般に販売することを勧めた。それに不満の元妻が、敗訴部分を不服として控訴したが、訴えの変更、事実認定の変更などはありはしたものの、大筋において一審の判断を認めた。 |
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11月27日 歴史研究書籍著作権侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
日露戦争後にロシア将校らが起こした詐欺事件など20世紀初頭の歴史を取り上げた茨城大名誉教授の著書に対して、オーストラリア在住の歴史研究家がテレビ企画用に書いた原稿を無断使用され、著作権を侵害されたとして、教授と発行元の講談社に賠償などを求めた訴訟で、発行禁止と計80万円の支払いを命じる判決をいいわたされた。判決によると、詐欺事件を扱った記述のうち、事件の裁判記録や欧州の新聞を翻訳して紹介した部分などが原告の原稿とほぼ同一と判断(本文574頁のうち7、8頁分。教授と原告は、NHKが1991年4月に放映した歴史番組の企画段階で日露戦争や、問題の詐欺事件を共同研究しており、原稿はその際に歴史研究家から教授に渡されていた。もっとも訴訟では教授側は、原資料から翻訳したところ、結果的に同じ文になったと反論していた。判決では歴史研究家の意訳や補足部分まで利用されていると認定している。 |
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11月27日 ギタリスト、名誉棄損事件 |
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大阪地裁/判決・請求棄却
ギタリストのクロード・チアリ氏が、『週刊文春』でパソコンネットワークの独裁者などと書かれ名誉を傷つけられたとして、文芸春秋と記者に謝罪広告の掲載と3千万円の慰謝料を求めた訴訟で、請求を棄却する判決が下りた。判決によると、ギタリストはパソコン通信ネットPC−VAN(NEC系)内で情報交換の場を主宰。その「チアリ
コンピュータワールド」に掲載された会員作成のフリーソフトが無断で販売されたことで、ソフトの著作権をめぐる議論が起きていた。この議論を『週刊文春』は1994年8月、パソコンネットワークの独裁者という記事を掲載。「フリーソフトには著作権がないと決めつけた」や「言論弾圧」などの表現で、ギタリストを批判した。判決は文春の記事は、原告の社会的評価を低下させる表現だが、その批判の前提とした事実は重要な部分で真実と認められるし、著名なギタリストの言動の報道目的は公益にかなうと判断している。 |
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11月27日 プログラム使用許諾事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
コンピュータ・ソフトウエア会社が、雇用促進事業団の経営する小山職業訓練短期大学の使用するコンピュータ・プログラムをめぐって、その使用料と使用期間の終了によるその返還を求めて訴えた。裁判所は、書証から雇用促進事業団との契約はなく、また、そのプログラムを他から購入したものと認め、その請求を棄却した。 |
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11月27日 ELLEが商標権裁判B |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴・取下)
仏女性誌『ELLE』発行のアシェット社と、「ELLE」ブランドのバッグなどの製造、販売の日本の2社が、「ELLE CLUB」の商標権を持つ会社などを相手取り、不正競争防止法に基づく商標の使用差し止めなどを求めた訴訟の判決がでた。判決によれば、被告はELLEの著名性に便乗したとし、類似商標の使用禁止を命じた。 |
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11月30日 ジャル、JAL使用禁止事件 |
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東京地裁/判決・請求認容
埼玉の保険代理業ジャル合資会社が広告などに「JAL保険」や「ジャル保険」などと表示して営業していることに対し、日本航空が不正競争防止法の不正競争にあたるとして「ジャル」という表示の使用差し止めと140万円余りの損害賠償を求めた訴訟の判決がいいわたされた。判決は、日本航空が1951年の創立当初から『JAL』の表示を使い、その表示が全国的にも著名であることを認め、被告会社が営業のためにこうした表示を使うことは不正競争にあたるとし、その表示の使用差し止めと約55万円の損害賠償などを命じている。一昨年2月に設立された被告合資会社は、電話帳の広告にJAL保険としたほか、宣伝用看板や営業用自動車などに「ジャル」の表示を使い、原告の営業利益を侵害したと判断。 |
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11月30日 虚偽事実の加筆事件 |
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奈良地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
スポーツ新聞に寄稿した自分の連載記事の一部に、過去に売春歴があるとの虚偽の事実を書き加えて掲載され、人格権を侵害されたとして、奈良市の女性フリーライターが、スポーツ新聞の発行元、産経新聞社に慰謝料など1100万円の賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決で、被告に80万円の支払いを命じた。判決によると、女性は昨年2月から3月まで6回にわたり、「サンケイスポーツ」に、金融会社勤務をやめパチプロになった体験を連載した。原告が読者の興味をそそるための新聞社側の加筆を認めていたが、過去に売春歴があるとまで書き加えたのは明確な人格権と名誉の侵害とした。産経新聞社側は、昨年4月、女性の抗議におわびの記事を掲載したが、損害賠償については5回目までの加筆には抗議しなかったため、原告が著作者人格権を放棄したとして、それには応じなかった。 |
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11月30日 SMAP追っかけ本事件B |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
すでに鹿砦社が1996年9月に発行した、人気タレントグループSMAPのメンバーら「ジャニーズ事務所」に所属するタレントの住所などを掲載した「おっかけ本」は、最高裁まで争われ、販売が差し止められているが、今回のは同じく鹿砦社から1997年10月に出版された「ジャニーズおっかけマップ・スペシャル」が対象。やはり、SMAPのメンバーらがプライバシーを侵害されたとして、販売の差し止めなどを求めた訴訟。いち早く同年12月に、神戸地裁尼崎支部で販売禁止の仮処分を受けている。今回の判決の特徴は、「職業柄、一般人よりプライバシーの範囲が狭く解される場合があるとしても、けん騒状態の中に身を置くことが多い芸能人は、住居が知られることを望むはずがない」と同書の出版・販売禁止に加え、将来にわたって同種の出版物を出版・販売しないよう命じたことである。タイトルも決まらず出版予定もまだない書籍について、内容を指定して出版差し止めを命じる判決は珍しい。 |
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11月30日 版画写真の著作物事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
版画雑誌用に作成された版画の写真、作家のポートレイト、記事を、編集に携わった外部者が『版画事典』に使用したことについて、著作権侵害として訴えられた事件。裁判所は、版画写真は平面的な作品の複製物であって創作性はないとしたが、作家のポートレイトには著作権があるとした。 |
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11月30日 パチンコ攻略本事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
『九星パチンコ術で大連チャン』という攻略本の記載によって、パチンコやギャンブルについて自分が著した書籍、雑誌の記述を複製または翻案されたとする著作者が、この攻略本の著者及び出版社を相手に、著作権侵害を理由として、印刷等の差止と損害賠償を求めた事案である。
原告、被告双方の書籍とも、パチンコ機種名の画数に九星占術を応用して勝てる年や日、相性の強い人を明らかにするものであった。裁判所は、合わせて7か所の記述を対比して検証し、すべてが「表現形式上の特徴に類似性があるとはいえない」とした。そして、九星占術と姓名学を融合させパチンコに応用したことは、いずれもアイディアそのものであり、アイディアにおいて類似があったとしても著作権を侵害することにはならないと、その請求を棄却した。 |
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12月1日 「フライデー」のパンチラ掲載事件 |
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東京地裁/和解
フジテレビが写真週刊誌「フライデー」を相手取り、放映したバラエティ番組の録画写真を無断掲載に、著作権侵害として発行元の講談社に総額2千万円の損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟(9月29日)が和解成立。和解条項は講談社側が著作権侵害を認め、和解金として100万円を支払うことになった。問題とされたのは、フライデー側が主張するように、「14秒間パンチラを見たか」として載せた写真が、著作権法第41条の「時事の事件の報道」に当たるかどうかであった。フジテレビ側は、今回の和解で報道利用や引用の度を超えてテレビ画像の複写写真が雑誌などに掲載されている現状に一定のルールが引けたと評価している。 |
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12月9日 パソコン用プログラム無断複製・頒布事件(刑) |
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山口地裁下関支部/判決・有罪
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12月16日 昭和天皇コラージュ訴訟事件 |
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富山地裁/判決・請求一部認容、一部棄却、一部却下(控訴)
昭和天皇と人体解剖図などを組み合わせたコラージュを、富山県議2人と右翼団体などが不快と批判し、抗議したため、版画を所蔵していた富山県立近代美術館が作者に無断で売却、版画を載せた図録を焼却したのは、憲法の表現の自由に基づく作品を鑑賞する権利の侵害として、作者や美術評論家ら35人が、富山県にコラージュの買い戻し、400万円余りの損害賠償などを求めた訴訟の判決が、提訴してから4年ぶりにいい渡された。表現の自由をめぐり美術館の所蔵作品の取り扱いについての司法判断は初めて。判決では、県の条例に基づいく研究目的の作品鑑賞の申請を拒否する正当な理由はないとして、23万円の損害賠償を命じた。また天皇の肖像権については、象徴としての地位からプライバシー権、肖像権の保証は制約を受けるとし、このコラージュが昭和天皇の肖像権を侵害していないとの判断を示した。ただコラージュの買い戻しは、認めなかったため、著作者を含む28人は、名古屋高裁に控訴することを決めた。 |
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12月21日 テレビゲーム「NEO・GEO」事件(2) |
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大阪高裁/判決・控訴棄却
テレビゲーム機のネオ、NEOという名前を付するのは、「新しい」という意味をつけたに過ぎないという主張に、同じテレビゲーム機NEO・GEOが不正競争防止法の違反になると訴えたのに対して、一審はそれを認め、損害賠償を命じた。それを不服とした被告は控訴したが、裁判所は訴えを棄却した。 |
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12月25日 ゴルフクラブ販売差し止め事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
米国のゴルフ用品メーカー「キャラウェイ・ゴルフ・カンパニー」が「正規の流通ルート以外から自社商標の入ったクラブヘッドを輸入販売され、商標権を侵害された」などとして、スポーツ用品輸入販売会社(群馬県高崎市)を相手取り、販売差し止めと損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁はキャラウェイ社の請求を認めた。裁判長は「キャラウェイ社は完成品のゴルフクラブのみを販売、輸出し、部品を単体では販売していない。販売されたクラブヘッドは同社の意思に基づいて流通させた真正の商品とはいえない」と述べ、「ミニボックス」側にクラブヘッドなどの販売差し止めと約4200万円の支払いを命じた。 |
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12月28日 昭和天皇コラージュ訴訟事件(2) |
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名古屋高裁金沢支部/控訴
富山県立近代美術館が昭和天皇をあしらった版画を非公開にしたため、「作品を鑑賞する権利を奪われた」として美術評論家や版画の作者らが損害賠償を求めていた裁判で、原告側は一審の判決を不服として名古屋高裁金沢支部に控訴した。この問題は昭和61年、富山県立近代美術館が右翼団体の抗議を受けたあと版画作品を非公開とし、その後に売却していたもの。これに対し、原告側35人は県に400万円余りの損害賠償や作品の買い戻しを求めていた。一審の富山地裁は「県の条例に基づいて研究目的で作品を鑑賞する許可を申請した11人については、これを拒否する正当な理由がない」と述べて違法性を認め、県に23万円の損害賠償を命じた。しかし、版画作品の買い戻しを認めなかったため、原告側のうち版画の作者を含む28人が控訴したもの。 |
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