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4月8日 「キャンディ・キャンディ」事件(いがらしゆみこ美術館) |
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東京地裁/仮処分申請
少女漫画「キャンディ・キャンディ」の著作権をめぐる裁判で、原著作権があると認定された原作者の水木杏子さんが、「勝訴後も主人公の絵を無断使用した商品を販売している業者がある」として、この業者らに販売差し止めなどを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。差し止めを求められたのは、岡山県倉敷市で「いがらしゆみこ美術館」を運営する東京都内の会社と、インターネット上のホームページを通じて商品を通信販売する都内の一男性。美術館の方は絵はがきやシールなど計46点が対象、インターネット接続業者には関係する画像データの削除などを求めている。2月25日の東京地裁の判決で敗訴した漫画家のいがらしゆみこさん側は、それを不服として東京高裁に控訴している。 |
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4月14日 「懐メロ」のCD輸入販売事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
「日本コロンビア」など大手レコード会社5社が、それぞれ専属契約を結んでいた歌手の「懐メロ」などを無断でCDなどに録音、販売され、著作権を侵害されたとして、CDの輸入販売会社3社に販売の禁止と約5500万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は販売の禁止と約4100万円の支払いを命じた。3社は「エー・アール・シー」「エフアイシー」「総通」で、藤山一郎、美空ひばりさんら歌手18人(うち13人は死去)のCDやカセットテープをチェコ共和国で製造して輸入し、約51万枚販売した。対象となった歌は、現行の著作権法が施行された1971年より前に録音されたため、旧著作権法上の著作権の存続期間が問題となったが、裁判長は本件著作隣接権(旧法では著作権)は法人のものではなく、歌手個人のものであり、「旧法の著作権は、歌手が死亡してから30年間存続するが、いずれの歌手(13人)も死亡してから30年経っていない」と述べ、存続を認めた。 |

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4月14日 カラオケ無断使用事件(水戸市) |
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水戸地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
カラオケパブが著作権料を支払わないのはカラオケ機器のリース業者にも責任があるとして、日本音楽著作権協会(JASRAC)がリース会社(茨城県つくば市)とパブ経営者(同県伊奈町)を相手に約1400万円の損害賠償などを求めていた訴訟で、水戸地裁は両者に約1250万円の支払いを命じた。同パブは1995年に著作権侵害差し止めの仮処分の執行を受けたが、その後も同じリース会社から新たに機器を借りて営業した。 |
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4月15日 カラオケ使用料逃れ事件(福岡県田川市) |
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福岡地裁/提訴
日本音楽著作権協会(JASRAC)は、「許可を受けずにカラオケを利用して著作権を侵害した」として、1998年7月に会社を清算した福岡県田川市のカラオケボックス経営者ら3人に、9年分の著作権料など約1200万円の損害賠償とカラオケ使用禁止を求める訴えを起こした。この店は会社清算後も同じ施設を使って営業を続けており、同協会は「著作権料支払いを逃れるための偽装解散」と主張している。同協会はこれまでに全国で25件の訴訟を起こしているが、「偽装解散」を理由として賠償を求めたのは初めて。 |
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4月15日 「函館新聞」商標登録事件(2) |
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東京高裁/提訴
北海道新聞社は「函館新聞」などの新聞題字4件の商標登録を拒絶し、道新の審判請求を退けた特許庁の審決を不服として、特許庁長官を相手取り審決の取消しなどを求める訴訟を東京高裁に起こし、判断を仰ぐことになった。道新は「将来、さまざまな形態の新聞を出す際に使用する題字の候補として商標を出願したもので、函館新聞社(函館市)の題字選択の幅を狭めたとする審決は誤り」、さらに「審決には事実認定に多くの誤りがある」と指摘している。 |
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4月22日 カードリーダー事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却(控訴)
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4月27日 「ときめきメモリアル」無断改変事件A(2) |
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大阪高裁/判決・一部変更、一部控訴棄却(上告)
ゲームソフトのストーリーを省略できるメモリーカードの販売は著作権の侵害にあたるとして、「コナミ」(神戸市)が「スペックコンピュータ」(福岡市)に約1000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は、請求の大半を退けた一審判決を変更、コナミ側の主張を全面的に認め、ス社に約150万円の支払いを命じた。裁判長は「データに保存された映像、音声を再生し、プレーヤーの主体的参加でゲームが進められる点で、『ゲーム映像』というべき著作物を形成している」と判断した。カードはソフト本体のデータを直接改変するものではないが、併用した場合は「内容の重大な改変をし、著作権の侵害にあたる」とした。一審は「許諾を得ず、ソフトの絵柄を使ったカードの販売は著作権の侵害」と、ス社に約15万円の賠償を命じたが、「カードの使用はプレーヤーの選択であり、ストーリーの改変とまではいえない」としていた。 |

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4月27日 女性アナウンサーの紹介本、無断盗用事件 |
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東京地裁/提訴
全国の女性アナウンサーを紹介した本から写真や談話を無断で盗用した本を出版され、著作権を侵害されたとして、株式会社「共同通信社」(通信社の関連会社)は、竹書房に1000万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを起こした。共同通信社は『アナウンサーのすべて』という本をテレビ局や本人の了解を得て出版したが、竹書房の『女子アナ完全バイブル』はその本からの無断盗用というもの。 |
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4月28日 浪曲演目の著作権侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
『猫虎往生』という作品を著作・口演していた浪曲家(原告)が、ラジオ放送で同作品を『猫虎』と題名変更し、口演時間約30分のものを約23分30秒に短縮して口演した浪曲家(被告)を、著作権侵害だとして、損害賠償と謝罪広告を求めた事案である。
裁判所は証拠を確認し、原告が『猫虎往生』を創作したと、著作権者であることを認めた。次に、被告のラジオ放送が無断での口演であったため、上演権、放送権を侵害するとし、時間短縮のため台詞削除などの改変を加えた行為は、同一性保持権を侵害するとも判断、損害額は10万、著作者人格権への慰謝料は10万円で計20万円の支払いを命じ、謝罪広告請求は棄却した。 |

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4月30日 国語副教材への作品無断使用事件
(日本ビジュアル著作権協会) |
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東京地裁/提訴
詩人の谷川俊太郎さんらの作品が国語の教材に無断使用され、「著作権を侵害された」として争われている訴訟をめぐり、日本図書教材協会と新学社や日本標準など出版5社は「違法な仮処分の申立てや提訴で損害を受けた」として、「日本ビジュアル著作権協会」の曽我陽三理事長を相手に1億6000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。訴状によると、「日本ビジュアル著作権協会」の行為は弁護士法に違反しているうえ、全国の教育委員会や学校長宛に「副教材は回収されることになり、使用すれば弊害が起きる」との文書を配付したという。 |
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5月7日 米国の教授父娘射殺報道事件(TBSほか) |
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東京地裁/提訴
1996年5月、米国カリフォルニア州で現地の大学教授と長女が射殺された事件の報道で、「名誉を傷つけられた」として、大学教授の夫人がTBSやテレビ朝日、スポーツニッポン新聞東京本社、AP通信社に総額2000万円の損害賠償を求める二件の訴訟を起こした。夫人は同様の訴訟をすでに7件起こしていて、今回で計9件となる。夫人が事件に関与したかのような報道や自宅の購入価格の公表、事実でない離婚記事などで、プライバシーが侵害されたとしている。夫人の救済申立てを受けた「放送と人権等権利に関する委員会」は昨年3月、「民法の放送に倫理上の問題はあったが権利侵害はなかった」と決定。原告側代理人は「決定で救済措置がとられず、その後テレビ局側が交渉に応じないので提訴した」としている。 |
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5月17日 「大真実!?」事件 |
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水戸地裁龍ヶ崎支部/判決・請求棄却(確定)
被告が原告の書籍の記載、図絵を引用し、内容を検証・批評した書籍が適法引用に当たるかどうか争われた。裁判所は、批評する目的のもので、明瞭に区分された表記であり、主従の関係が認められ、出所の明示もあり、合理的な方法と程度で引用されたと認容した。
また、図絵の加工は、「創作性が認められる部分については何らの加工をしていない」として同一性保持権侵害を認めず、原告の名誉・声望が損なわれたとする著作者人格権侵害と名誉毀損を訴えた原告の主張は理由がないと棄却した。 |

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5月19日 『コルチャック先生』無断舞台化放映事件 |
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大阪地裁/提訴
名作『コルチャック先生』の著者が、朝日新聞社などが同作を無断で舞台化、NHKが放映して著作権を侵害されたとして、朝日新聞社とNHKなどに計1億円の損害賠償を求める訴えを起こした。『コルチャック先生』は第二次大戦中にポーランドで孤児を育て、ナチス・ドイツの犠牲となった教師を描いたもの。1990年に朝日新聞社から出版、95年に舞台化、さらに97年に内容の一部異なるものが原作者の表示なしで上演された。訴えは、97年の公演は著書の内容を断りもなく改変、舞台化したとして、朝日新聞社と脚本家、劇団に計8000万円を請求。NHKについては、95年公演を許可なく放映したとして1000万円の賠償を求めている。 |
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5月19日 昭和天皇コラージュ訴訟事件(2) |
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名古屋高裁金沢支部/口頭弁論
昭和天皇の写真を使ったコラージュ(はり絵)を富山県立近代美術館が非公開にしたうえ、作品を売却、掲載目録を焼却したのは違法として、作者らが県に損害賠償を求めた控訴審の口頭弁論が開かれた。一審の富山地裁は昨年12月、原告の請求を一部認め、県に23万円の支払いを命じた他、「天皇もプライバシーや肖像権が保障されるが、象徴として制約を受ける」と判示。原告被告双方が控訴している。 |
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5月20日 氏名の無断使用事件 |
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東京地裁/提訴
「警視庁の内部書類に情報提供の謝礼を渡した相手として、無断で名前を使われ、人格権(氏名権)が侵害された」として、東京都内の男性二人が東京都を相手取り、国家賠償法に基づいて総額240万円の支払いを求める訴えを起こした。この問題は講談社の写真週刊誌「フライデー」が4月23日号に帳簿類の写真を掲載して報じた。原告は50代と30代の会社員で、いずれも謝礼を受け取った相手として帳簿類に住所や氏名が記載されているという。その書類は警視庁銃器対策課の1997年3月分の「捜査費証拠書類(国費)」。原告2人は警察に情報を提供したり、謝礼を受け取ったりしたことは一切ないのに、表題の書類つづりや同課長代理名義の現金出納簿に、警部と警部補が「拳銃事件捜査費」として受け取った3万円と2万円を、都内の公園や駅で「情報謝礼」として原告2人にそれぞれ渡したと記されていたという。原告代理人の「東京市民オンブズマン」の佃克彦弁護士は「警視庁の職員が無関係の一般市民の名前を使って不正に書類を作り、捜査費の支払いを受けて裏金作りをしていた疑いがある」と主張している。 |
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5月26日 値札の不当表示事件 |
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福井地裁/提訴
家電販売会社の「百満ボルト福井南」と「百満ボルト小松」は、値札に比較対象として表示された自社の製品価格が実売価格より高く、販売業務を妨害されたとして、家電量販会社「ヤマダ電機」(前橋市)に計4000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。ヤマダ電機は4月、テレビなど自社商品の値札に「故障が多い」などと書かれ信用を傷つけられたとして、「百満ボルト福井南」などの親会社である「サンキュー高島屋」(福井市)など4社に、計1500万円の賠償を求める訴えを前橋地裁に起こしている。 |
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5月26日 SMAP追っかけ本事件C(2) |
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東京高裁/判決・控訴棄却
人気タレントグループSMAPの生活ぶりなどを描いたおっかけ本『SMAP大研究』(鹿砦社)をめぐり、雑誌のインタビュー記事を盗用したとして、雑誌発行元の4社が鹿砦社側に出版差し止めなどを求めた訴訟の控訴審は、同書の発行禁止と466万円の損害賠償を命じた一審判決を支持、鹿砦社側の控訴を棄却した。鹿砦社側は「雑誌記事はインタビューの結果を事実として伝えたに過ぎず、引用しても著作権の侵害ではない」と主張したが、裁判長は「記事には作成者の個性が表れており、著作物と認められる」として退けた。 |

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5月26日 「集会の自由」侵害事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
反戦集会を大阪府警に過剰警備され、参加者が写真撮影されるなどして、肖像権や憲法で保障された「集会の自由」が侵害されたとして、集会の主催者が大阪府に550万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は「犯罪が発生する可能性が高くないのに、参加者を写真撮影したり、解散後も尾行したのは警備の許容範囲を超えており違法」とし、大阪府に慰謝料など15万円の支払いを命じた。裁判長は「集会の自由とは、集会に参加する自由だけでなく、集会を主催する自由も含まれる」とした上で、「行き過ぎた警備で、参加者に恐怖や不安を抱かせ、集会を主催する自由を侵害した」と判断した。原告代理人によると、主催者の権利侵害が認められるのは異例という。 |
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5月27日 住民票データ流出事件 |
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京都地裁/提訴
京都府宇治市の住民票データが流出し、プライバシーを侵害されたとして、同市議の片岡英治さんら住民三人が宇治市(久保田勇市長)に慰謝料など約100万円の賠償を求める訴えを起こした。訴状によると、住民基本台帳などに基づいて作成されたデータが漏れ、インターネット上で販売された。市はデータが流出しないよう万全の注意をする義務があった、としている。片岡さんは「市の調査対策委員会のメンバーは市幹部ばかりで構成されており、内部の不祥事を追求するのに限界がある。訴訟で真相を明らかにしたい」と話している。 |
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5月27日 中古のゲームソフト販売事件(エニックス) |
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東京地裁/判決・請求認容(控訴)
中古のゲームソフト販売は著作権法違反に当たらないとして、ゲーム販売会社「上昇」(山口県下松市)が中古ソフトの販売中止を求めた大手ソフトメーカー「エニックス」(東京都渋谷区)に販売差し止め請求権の不存在確認を求めた訴訟で、東京地裁は「差し止め請求権はない」とする原告勝訴の判決を言い渡した。ゲームソフトの中古販売をめぐっては、ソフトを扱う業者と大手メーカーが他でも激しく対立しており、今回の司法判断が関係業界に与える影響は大きい。裁判長は「頒布権は『映画の著作物』にのみ認められている権利だが、ゲームソフトはプレイヤーが能動的にゲーム機を操作して、映像と音声効果を変化させることを特徴にしており、劇場用映画とは異なる」と指摘。さらにゲームソフトは「映画の著作物」には該当しないとした上で、「エニックスには頒布権がなく、販売差し止め請求権がない」と結論づけた。エニックス側は「映像や音楽で表現されたゲームソフトは、映画と同様の著作権上の保護を受け、頒布権がある」と主張していた。 |

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6月4日 偽「だんご3兄弟」Tシャツ事件 |
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岡崎簡裁/略式命令
ヒット曲「だんご3兄弟」の偽キャラクターTシャツを作り、売ったとして、岡崎区検は著作権法違反の罪で名古屋市の衣料品製造販売会社の社員を略式起訴、岡崎簡裁は罰金30万円の略式命令を出した。その社員は使用許諾を得ずに、「だんご3兄弟」のイラストを描いた子供用Tシャツを837枚作り、うち452枚を約49万円で愛知県内の子供服販売会社に売った。 |
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6月8日 偽ブランド品大量輸入事件B(刑) |
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福岡地裁/判決・有罪
有名ブランドの偽物のセーターなど、約4万点を販売する目的で持っていたとして、商標法違反の罪で問われていた衣料販売会社の元社長に対して、福岡地裁は執行猶予5年の付いた懲役3年の有罪判決を言い渡した。元社長はアメリカの有名ブランド「ポロ」が商標登録している「ラルフ・ローレン」の商標に似たマークを付けた偽物のセーターなどを大量に保管していた。裁判長は「規模の大きい悪質な犯行であり、商標に対する信頼を損なわせた」とした。 |
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6月8日 図録写真の無断掲載事件 |
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東京地裁/和解
自分の認めない展示写真を図録に無断で掲載されたとして、彫刻家(東京都在住)が画廊を相手取り、1000万円の損害賠償を求めていた訴訟は、東京地裁の勧告を両者が受入れ、和解が成立した。和解案は、(1)画廊側は彫刻家の意思と異なる写真を載せた行為を詫びる文書を、図録配付者に郵送する、(2)画廊側は彫刻家に和解金40万円を支払う、(3)両者に割り当てられた各100部を除く図録は、原告側の立会いのもとに廃棄する、などとなっている。 |
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6月9日 偽中村玉緒キーホルダー事件 |
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名古屋簡裁/略式命令
「中村玉緒人形付きキーホルダー」の偽物を販売したとして、名古屋区検は不正競争防止法違反の罪で、雑貨卸業の経営者と玩具卸会社の取締役二名を略式起訴、名古屋簡裁は罰金50万円の略式命令を出した。 |
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6月9日 「新潮45」の被告少年の実名報道事件 |
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大阪地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
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6月11日 計算ソフト「ロータス1−2−3」無断複製販売事件 |
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長野地裁/和解
パソコン用の表計算ソフト「ロータス1ー2ー3」の違法コピーで著作権を侵害されたとして、米ロータス・ディペロップメントが長野県信濃町のソフト会社「ディーアイシージャパン」に約2300万円の損害賠償を求めた訴訟で、ディー社が約2000万円の解決金を支払うことで和解が成立した。ディー社は自動車整備工場向けに自社開発した業務用ソフト「一等書記官」をパソコンとセット販売する際、ロータス社のソフトを無断でコピー、抱き合わせて販売していた。同社はその事実を認めたが、賠償額で争っていた。 |
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6月14日 読売新聞のドロボー報道事件 |
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東京地裁/提訴取り下げ
「読売新聞記者が朝日の原稿を『ドロボー』した!」との記事で名誉を傷つけられたとして、読売新聞社が「週刊現代」を発行する講談社に謝罪広告と1000万円の損害賠償を求めていた訴訟は、「週刊現代」の謝罪文掲載を受けて読売側が取り下げた。「週刊現代」1998年7月18日号は、参議院記者クラブに所属する読売記者が、クラブ内の朝日新聞のファクスに送られてきた同社の原稿を無断で持ち出しコピーしたと報じた。読売側は事実と違うと主張。「週刊現代」はこのほど発売の6月26日号で「調査の結果、事実の裏付けがなかった。名誉を傷つけご迷惑をかけたことをおわびします」との謝罪文を掲載した。 |
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6月14日 イラストの著作物性事件 |
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東京地裁/判決・請求棄却
デザイン、イラストの企画制作や広告企画、制作等を業とする会社(原告)が、ローン提携販売に関する融資や割賦購入のあっせん等を業とする会社(被告)を、著作権侵害を理由にイラストの使用差止めと損害賠償を求めて訴えた。係争となったイラストは多数の人物の表情を描いたものだが、被告会社が広告制作会社及びデザイナーと共同して新聞広告や広告宣伝物に使用しているイラストは、原告イラストに依拠して制作したものだという主張であった。
裁判所は原告のイラストの特徴を吟味して、多数の人物イラストに共通する顔の輪郭、目、口、眉などが類型化された表現であり、これらのイラスト表現は抽象的概念ないし画風というべきものであって、具体的な表現ではないので創作的な表現すなわち著作物とはいえないとの判断を示した。そして、原告の請求には理由がないと棄却した。 |

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6月16日 「すだち酢」類似商品事件 |
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徳島地裁/提訴
徳島県名産のスダチを使った酒をめぐり、日新酒類(徳島市)が類似の商品名を使われ損害を受けたとして、畑酒類(鳴門市)に類似商品名の使用中止と謝罪広告の掲載などを求めて提訴した。日新酒類はスダチと焼酎を原料とする「すだち酎」を発売、1993年に「阿波の香りすだち酎」という商品名で商標登録した。畑酒類は99年2月頃から「一番札すだち酎」という商品名で同じ原料の商品の販売を始めた。 |
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6月21日 『コルチャック先生』著作権侵害事件 |
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京都地裁/提訴
ポーランドで孤児を育て、ナチス・ドイツの犠牲となった医師を描いた『コルチャック先生』の著者らは、『コルチャック先生と子どもたち』を1996年に出版した作家らに対し、計1600万円の損害賠償と作家の著書の出版差し止めなどを求める訴えを起こした。同書には『コルチャック先生』から無断で借用した箇所が多数あり、著作権が侵害されたとしている。著者は著書を無断で舞台化したとしてこれまでに戯曲の作者の他、NHKと朝日新聞社などを訴えている。 |
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6月21日 ソフトの違法コピー事件 |
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京都地裁/和解
コンピューター・ソフトウェアの著作権保護団体「ビジネス・ソフトウェア・アライアンス」(BSA)は、ジャストシステムなど7社のソフトを大量に違法コピーしていた京都市内のメーカーが、総額1億円の和解金を支払うことなどを条件に7社と和解したことを明らかにした。和解金以外の条件は、違法コピーの全面廃棄や正規品の購入など。 |
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6月22日 『石に泳ぐ魚』のプライバシー侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
雑誌「新潮」に発表された小説『石に泳ぐ魚』で、登場人物のモデルになった女性が「無断で小説化され、プライバシー権を侵害された」として、著者と新潮社などを相手取り、1500万円の損害賠償と単行本化の差し止めなどを求めた訴訟の判決があった。裁判長は「原告が公開を希望せず、公開された場合に精神的苦痛を受ける私生活上の事実が作品に記載されており、プライバシーを侵害する」と述べ、被告側に130万円の支払いと、作品の出版、放送、映画化など一切の方法での公表禁止を命じた。作品は「新潮」94年9月号に掲載され、著者の友人だった30歳代の在日韓国人女性がモデルになっていて、顔に腫瘍があることや出身大学、父親の職業がそっくり描かれている。原告側弁護団によると「プライバシー侵害を理由に小説の出版差し止めを認めた判決は初めて」という。 |

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6月23日 パソコン通信でのプライバシー侵害事件 |
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神戸地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
大手パソコン通信の掲示板に実名や電話番号を公開され、プライバシーを侵害されたとして、横浜市内の眼科医が兵庫県芦屋市内の男性に対し、慰謝料など約180万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁は男性に慰謝料など約20万円の支払いを命じた。裁判長は「電話帳は診療を希望する人が利用するのであって、一般には知られていない事柄。ネット上に公開されることまでは希望しておらず、保護されるべき利益にあたる」とし、さらに「ネット上での公開は、不特定多数の者に簡易迅速に伝達でき、電話帳掲載とは比較にならない大きないやがらせ発生の危険性をもたらす恐れがある」と判示、プライバシーの侵害を認めた。二人はオンライン情報サービス「ニフティサーブ」の会員。眼科医は「いたずら電話などで、予約業務や診療ができなくなった」として提訴、男性は「公開されている情報であり、プライバシーの侵害には当たらない」と裁判で反論していた。今回の司法判断は電話番号という一種の公開情報をネット上に第三者が掲示したことについてもプライバシーの侵害を認めた初の例で、掲示に至る経緯等を考慮して急速に広がるネット社会に一定の歯止めをかけたケースとして注目される。 |
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6月23日 色画用紙見本帳事件 |
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東京地裁/決定・申立却下(抗告)
色画用紙の製造販売を行うリンテックがその見本帳を作成していたところ、同業の大王製紙が同様な見本帳を作成した。リンテックは色彩及び色名の選択に創作性があり編集著作物であるとの主張に基づき、大王製紙の見本帳は著作権(複製権)を侵害し、また著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権)を侵害するとして、見本帳作成、頒布等の差止めを求める訴えを申し立てた。
リンテックは色名55のうち52が、色彩52のうち51が一致すると訴えたが、裁判所は、「編集著作物の保護とは素材の選択・配列という知的創作活動の成果である具体的な表現を保護するものである」との原則を判示した。そして、双方の見本帳は取扱商品の見本であり、その素材は色画用紙の商品情報であると指摘した。要するに取扱商品である色画用紙の色、材質、用途、サイズ、包装状態等の商品情報が該当見本帳の素材であって、純粋に色彩及び色名を素材にしたものではないとした。色彩や色名が表現されているとしても、各見本帳の用途や記載事項に照らすとこれらを素材とする編集物であるとは認められないとして、リンテックの、色彩、色名を素材とする編集著作物であることを前提とする主張は当たらないと申し立てを却下した。 |

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6月25日 著作権啓発本が著作権侵害事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
著作権の啓発を目的に、中学生向けの冊子を発行した財団法人「消費者教育支援センター」が、同様の啓発本にストーリイなどを利用され、著作権を侵害されたとして、執筆者の男性と発行元の騎虎書房に損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は計50万円の支払いを命じた。同センターは1997年、漫画や解説で『大事にしようあなたの創意』などと題した2冊を発行、被告らは読み物仕立てにして『中学生にもわかる著作権』を発行していた。裁判長は「冊子を複製した部分があり、この著作権侵害に過失があった」と認定した。 |

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6月25日 絵画取引事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
画家である原告と、絵画の売買等を営み美術関係図書の発行等を業とする会社の代表者でもある被告との間で、絵画の販売に関して争いとなった。絵画について販売委託契約が成立していたか、売買代金の支払い方法、ポストカード製作について承諾はあったか等についての主張が交わされた事件である。
裁判所は、契約書が作成されず、取引形式や売買条件について具体的な協議がされていなかった経緯を確認しながらも、当事者間のやり取り等、判明した事実を検討して以下の判断を示した。原告は、被告に販売を委託する趣旨の下で、被告が販売した後にその分配金を受ける意思で絵画を引き渡したと解するのが合理的だと、販売委託契約の成立を認めた。次に、顧客への売却事実に基づき画料の未払い分を算定し、被告に95万円の支払いを命じた。ポストカード製作については、原告が事前に許諾していたとは認められないと、著作権の侵害を認め12万円余の損害賠償を命じ、カード製作・販売の禁止と印刷用原版の廃棄も命じた。 |

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6月29日 シチズン腕時計の模倣事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
大手メーカーのシチズン時計と系列の販売会社が「香港から輸入した腕時計の模倣品を販売され、損害を受けた」として、輸入販売会社を相手に総額5100万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は輸入商品の廃棄と200万円を支払うよう販売会社に命じた。裁判長は「輸入品はシチズン側の商品と実質的に同じで模倣と認められ、不正競争防止法に違反する」とした。 |
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6月29日 三宅一生・服飾デザインの類似事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(確定)
三宅一生氏が代表を務める三宅デザイン事務所が、大ヒットした婦人服ブランド「プリーツ・プリーズ」の類似品の製造、販売で、著作権を侵害されたとして、名鉄百貨店と衣料メーカー「ルルド」に謝罪広告や損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は両者にそれぞれ10万円を支払うよう命じた。名鉄百貨店はルルドが製造した「ルルド・エレガンス」という婦人服の販売を94年4月から開始、三宅事務所側は「デザインが類似しているほか、ロゴマークや展示方法も真似た」と95年7月に提訴していた。裁判長は「商品は類似しており、購入者らが混同する恐れがある。不正競争行為に当たる」と述べたが、著作権については判断しなかった。 |

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6月29日 違法レンタルビデオ店事件 |
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東京地裁/判決・請求一部認容、一部棄却
原告は、ビデオソフトの制作、販売を行う株式会社であり、被告はビデオソフトの貸与を主に行う株式会社である。被告が多数の顧客にビデオソフトをレンタルしていたことが、原告の著作権(映画著作物の頒布権)を侵害するとして損害賠償を求めた事案である。
被告は「本件ビデオソフトがレンタル禁止とは知らなかった。『レンタル禁止』との表示がないものは訴訟の対象にはならない」と主張したが、裁判所は「映画の著作権者が頒布権の権利を行使するためには『貸与禁止』の旨を表示することが前提条件になるものではない」との判断を示し、侵害を認めた。損害額の算定においては、原告、被告双方が示した計算書等に基づき、売上額、変動経費等を勘案し被告の利益額は15万円が相当だとして、支払いを命じた。 |

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6月30日 「週刊文春」の少年法違反事件 |
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名古屋地裁/判決・請求一部認容、一部棄却(控訴)
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