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【事件名】「キューピー」著作権侵害事件A(日本興業銀行A)
【年月日】平成11年2月15日
 東京地裁 平成10年(ワ)第2533号 著作権侵害差止請求事件
 (口頭弁論終結日 平成11年2月15日)

判決
原告 ローズ・オニール遺産財団右代表者法定代理人 デビッド・オニール
右訴訟代理人弁護士 山本隆司
右訴訟復代理人弁護士 足立佳丈
被告 株式会社日本興業銀行
右代表者代表取締役 西村正雄
右訴訟代理人弁護士 岩倉正和
同 三村まり子
同 太田洋
同 井上健二
同 田中久也
同 松本真輔
右訴訟復代理人弁護士 檀綾子


主文
一 原告の請求をいずれも棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由
一 原告の求めた裁判
1 被告は、別紙物件目録記載のイラスト及び人形を複製してはならない。
2 被告は、前項記載の各イラスト及び人形の複製物を廃棄せよ。
3 被告は、原告に対し、金10億円及びこれに対する平成10年2月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
二 事案の概要及び判断
 本件は、原告が、「キューピー」人形についての著作権を有すると主張して、被告に対し、別紙物件目録記載のイラスト及び人形の複製の差止め等及び損害賠償を求めた事案である。
 原告は、平成10年5月1日に、本件請求原因に係る著作権、不当利得返還請求権及び損害賠償請求権を訴外北川和夫に譲渡したとして、平成10年9月14日の口頭弁論期日に訴訟脱退したが、被告は、右訴訟脱退に承諾しなかった。訴外北川からは、訴訟の目的である権利を譲り受けたとして、訴訟参加がされ、被告に対して、同一内容の請求がされている。(なお、原告と訴外北川との間には、主張上の争いがなく、対立関係もない。)。このような場合、原告の被告に対する請求について、終局判決をすることは許されるものと解すべきである。
 以上の経緯を踏まえて判断する。弁論の全趣旨及び甲第12号証によれば、右譲渡の事実が認められる。よって、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第29部
 裁判長裁判官 飯村敏明
 裁判官 八木貴美子
 裁判官 沖中康人


物件目録
一 イラスト
1 イラストの形状 添付図面(1)ないし(17)のとおり
2 イラストの大きさ 問わない
3 イラストの色彩 問わない

二 人形
1 人形の形状 添付写真(18)ないし(21)のとおり
2 人形の大きさ 問わない
3 人形の色彩 問わない
4 人形の腕 肩を起点として可動なものとそうでないものを含む
5 人形の頭部 首を起点として可動なものとそうでないものを含む

添付図面(1)〜(17) 略
添付写真(18)〜(21) 略
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