著作権トピックス line
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【事件名】「ドラゴンクエストユア・ストーリー」事件(2)
【年月日】令和6年4月23日
【裁判所】知座高裁/判決・控訴棄却、追加請求棄却
【事件番号】令和5年(ネ)第10104号 名誉回復措置等請求控訴事件
 (原審・東京地裁令和3年(ワ)第27154号)
 
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【要旨】 控訴人は、被控訴人スクウェア・エニックスが販売したゲームソフト「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」を原作とする小説を、同社と協議をしながら執筆した小説家である。被控訴人らは、同ゲームソフトの制作者であり、かつ上記小説を原作とする映画の制作委員会の構成員らである。ゲームの設定上、主人公の名称はプレイヤーが任意に入力できるところ、控訴人は小説執筆に際して「リュケイロム・エル・ケル・グランバニア」(通称リュカ)という名称を発案し名付け、同小説の映画化において被控訴人らが同名称を使用したことについて、その使用が原告の著作権侵害等にあたると主張して損害賠償及び謝罪広告を求めて提訴したが第一審で敗訴した。
 本件の争点は、@主人公の名称に著作物性が認められるか、A被控訴人には控訴人との間で本件名称を使用することにつき協議をする出版契約上または、事務管理者としての義務があるかであった。控訴人は、争点@の追加主張として、a原判決は人物名称は当該人物の特定のための符号であるとして創作性を認めなかったが、商品のロゴも対象の特定のための符号という性質では本件と変わりがないところ、デザイン書体に創作性を認めた判例(東京高判平成6年(ネ)第1470号判決、上告審である最高裁8年(オ)第1022号)のように商品ロゴも対象の特定であるが美的創作性が認められる限り著作権が認められる余地はある、bキャラクターの名称だけで他のキャラクターと区別しうることを前提に、名前を呼び掛ける場面が描写されているのであって、その描写されている場面は、「ドラゴンクエストの主人公を」「リュケイロム・エル・ケル・グランバニア」と呼びかける場面として、著作物性を判断すべきであり、名称であるからといって著作物性を認めない理由にはならない、などと主張した。
 裁判所は、aについて、控訴人が引用する判例は、デザイン書体に著作物性が認められるか否かに関する裁判例であり、本件の判断に関係するものではないとして控訴人の主張を採用せず、bについては、主人公の名称は呼びかけの場面等として併せて用いられているものであるから著作物性が認められる旨の主張は、それらは人物の特定のための符号として用いられていることに変わりはなく、特定の場面において効果的に登場人物名が使用されていることがあっても、これを理由として人物名に著作物性が認められることにはならないとした。そして、控訴審は、「本件正式名称は人物の名称としてはやや長いものの、王族であるという当該人物の出身国名がふされるなどして長くなっているのであって、当該人物の特定のための符号として用いられているものと言え、通称も含め符号として用いられていることが明らかで、著作物ではない」とした原判決の判断を支持した。また、争点Aに関する控訴人の主張も退け、控訴を棄却した。

杉浦尚子(弁護士/虎ノ門総合法律事務所)
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【キーワード】名誉回復措置、主人公、名称、著作物性
【参照条文】著法115条、民法697条2項
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判例全文概要目録
(2025年3月)
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