著作権トピックス line
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【事件名】「木枯し紋次郎」事件(2)
【年月日】令和7年9月24日
【裁判所】知財高裁/判決・変更、拡張請求棄却
【事件番号】令和6年(ネ)第10007号 著作権侵害差止等請求控訴事件
 (原審・東京地裁令和5年(ワ)第70139号)
 
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【要旨】 控訴人Xらは、亡Bが執筆した「木枯し紋次郎」シリーズの連載小説(本件小説)の著作権を承継した者及び本件小説の独占利用許諾を受けた広告代理店業等をする会社である。被控訴人Yは、食品の製造販売等を業とする会社である。
 本件小説は、漫画化、テレビ化(以下「本件テレビ作品」)、映画化された。本件は、亡Bの相続人であったA及び控訴人会社が、Yに対し、紋次郎に類似した図柄(「Y図柄」)を各商品(「Y商品」)に付して製造販売し、同商品の画像をウェブサイトに掲載することは、著作権侵害である等と主張し、Y商品の製造販売等の差止め及び廃棄を請求するとともに、損害賠償を求めた事案である。なお、亡Aは控訴審係属中に死亡し、相続人Xらが訴訟承継した。
 主たる争点は、Y図柄が、Xらの複製権又は翻案権の侵害に該当するか否かである。
 原審は、「著作権者は、一話完結形式の連載小説に係る著作権侵害を主張する場合、その連載小説中のどの回の文章表現に係る著作権が侵害されたのかを具体的に特定する必要がある」とした上、原告らは、「著作権が侵害されたという著作物を具体的に特定しないものとして、その主張自体失当」とし、また、特定論の主張にかかわらず、証拠で提出された本件テレビ作品画像と比較してもてもありふれた表現であり著作物とはいえないとして、亡Aらの請求を棄却した。
 これに対し控訴審では、原判決を変更し、Yによる著作権侵害を認めた。
 控訴審は、「別紙『本件テレビ作品紋次郎』の画像」(以下「本件画像」)は、本件テレビ作品の紋次郎の画像を具体的に示すものであるから、本件画像を被控訴人図柄と対比することにより、本件テレビ作品の紋次郎の画像と被控訴人図柄の対比が明らかにされるものと認められる。そして、本件テレビ作品が本件小説の二次的著作物であることからすれば、このような本件テレビ作品の紋次郎の画像は、本件小説の二次的著作物であると認められる。」本件画像の紋次郎は、「@通常のテレビドラマや映画等で用いられるものよりも大きな三度笠をかぶり、A通常のテレビドラマや映画等で用いられるものよりも長く、模様が縦縞模様である道中合羽を身に着け、B細長い楊枝をくわえ、C長脇差を携えているという特徴をすべて兼ね備える者として表現されている。」点が表現上の本質な特徴をなすものと認められ、Y図柄は前記@ないしCの表現上の特徴をすべて感得し得るものと認められる」とした。そして、Y図柄は、「手書きの絵であることによる新たな創作性が加えられた別の著作物であるから、本件テレビ作品の紋次郎の画像の複製には当たらない。しかし、Y図柄は、本件テレビ作品の紋次郎の画像に依拠し、その画像の表現に変更を加えて、新たに思想又は感情を創作的に表現したものであり、Y図柄に接する者が本件テレビ作品の紋次郎の画像に係る表現上の本質的な特徴を直接感得することができるといえるから、Y図柄は、本件テレビ作品の紋次郎の画像の翻案であると認められる。」と判断し、亡Aの各相続人に対して約278万、控訴人会社に対して約4518万円の損害賠償を認めた。

真喜志ちひろ(弁護士/虎ノ門総合法律事務所)
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【キーワード】著作物、翻案権
【参照条文】著法2条1項一号、同27条
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判例全文概要目録
(2026年2月)
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