著作権トピックス line
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【事件名】包装デザインの改変事件
【年月日】平成29年11月30日
【裁判所】東京地裁/判決・請求棄却
【事件番号】平成28年(ワ)第23604号 損害賠償請求事件
 
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【要旨】 原告はデザイナーである。
 被告は、紙、セロファン、ポリエチレン及びビニールの印刷、加工、販売等を目的とする株式会社であって、包装フィルムの製造委託を受けている。
 本件は、原告創作の商品包装デザインについての著作権侵害を主争点とするが、同デザインに創作性が無いことを立証する為に、被告が原告創作の絵画を複製して作成した文書を証拠として提出した行為が原告の著作権(複製権)を侵害するかについても争われた事案である(尚、主争点については原告が被告による原告デザインの使用を承諾していたと判断され著作権侵害は否定されている)。
 原告デザインには筆・レモンの絵画が含まれているところ、被告は、平成29年1月16日、原告が筆・レモンを描いた絵画を複製し、他の複数の絵画も複製した上で、これらを掲載した文書を作成し、これを弁論準備手続期日において、「原告主張の「創作的表現」に独創性、美的鑑賞の対象となり得る美的特性が認められないこと等」を立証する目的で証拠として取り調べるよう申し出た。
 原告は当該行為について複製権侵害を主張したが、裁判所は以下の通り著作権法42条1項に基づき複製権侵害を否定した。
 「本件訴訟は民事訴訟であって、著作権法42条1項の「裁判手続」であるところ、上記事実関係によれば、原告絵画はいずれも本件訴訟の争点につき被告の主張を裏付ける証拠とするために複製されたもので、争点に関する証拠を提出するために複製されたということができる。争点に関する証拠を提出することは本件訴訟の審理のために必要であるから、上記複製は「裁判手続のために必要と認められる」ものといえる。また、上記〈3〉〜〈5〉の認定事実によれば、著作物性が争点となった絵画も原告絵画も筆及びレモンのそれぞれ全部が描かれたものであるということができ、また、筆及びレモンの全部について複製して証拠とする必要性があるといえるから、上記複製は必要と認められる限度の複製であるということができる。
 (3) これに対し、原告は、原告が作成したデザインが相互に類似することは当然のことであって、被告が原告のデザインを裁判手続において複製する必要性は全くないと主張する。
 しかし、原告絵画が原告の作成したものであったとしても、前記争点に照らせば、原告絵画の複製は争点に関する証拠を提出するためにされたものであって、著作権法42条1項の要件を満たすというべきであるから、原告の上記主張は採用できない。」

雪丸真吾(弁護士/虎ノ門総合法律事務所)
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【キーワード】裁判手続等における複製
【参照条文】著法42条1項
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判例全文概要目録
(2018年5月)
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