判例全文 line
line
【事件名】将棋の棋譜動画配信事件(2)
【年月日】令和7年1月30日
 大阪高裁 令和6年(ネ)第338号、同第1217号 不正競争行為差止等請求控訴、同附帯控訴事件
 (原審・大阪地裁令和4年(ワ)第11394号)
 (口頭弁論終結日 令和6年11月20日)

判決
控訴人兼附帯被控訴人(一審被告) 株式会社囲碁将棋チャンネル(以下「控訴人」という。)
同代表者代表取締役
同訴訟代理人弁護士 稲垣勝之
同 高藤真人
同 北村直之
被控訴人兼附帯控訴人(一審原告) P1(以下「被控訴人」という。)
同訴訟代理人弁護士 栗須直樹


主文
1 本件控訴に基づき、原判決中控訴人敗訴部分を取り消す。
2 上記部分に係る被控訴人の請求をいずれも棄却する。
3 本件附帯控訴を棄却する。
4 被控訴人の当審における選択的追加請求を棄却する。
5 訴訟費用は、第1、2審とも被控訴人の負担とする。

事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
1 控訴の趣旨
 主文第1、2項と同旨
2 附帯控訴の趣旨
(1)原判決中被控訴人敗訴部分を取り消す。
(2)控訴人は、被控訴人において控訴人が独占配信する将棋の対戦の指し手の情報を同時的に公開する内容を含む動画(原判決別紙「原告動画目録」記載の各動画を除く。)が控訴人の著作権を侵害している旨を第三者に告げてはならない。
(3)控訴人は、GoogleLLCに対し、被控訴人が同社の運営する動画配信サービス「YouTube」に配信した原判決別紙「原告動画目録」記載1ないし8及び10の各動画について控訴人が行った著作権侵害に基づく削除申請に関し、いずれの動画も控訴人の著作権を侵害しないこと及び当該申請が控訴人の過誤によるものでありこれを撤回する旨を通知せよ。
(4)控訴人は、被控訴人に対し、144万6612円及びうち133万1564円に対する令和4年1月10日から、うち11万5048円に対する令和5年1月8日から各支払済みまで年3%の割合による金員を支払え。
(なお、被控訴人は、当審において、上記(4)の請求につき、不競法4条に基づく損害賠償請求を選択的に追加した。)
第2 事案の概要
 以下で使用する略称は、特に断らない限り、原判決の例による。
1 本件は、被控訴人が、ユーチューブ等で配信した別紙「本件動画等目録」記載の各動画(本件動画)について、控訴人がグーグル等に対して利用規約に定められた方法で著作権侵害を理由に削除申請したこと(本件削除申請)が不競法2条1項21号の不正競争(営業誹謗行為)に当たると主張して、控訴人に対し、①同法3条1項に基づき、被控訴人が配信する動画が控訴人の著作権を侵害する旨を第三者に告げることの差止め、②同法14条に基づき、グーグル等の動画配信プラットフォーム事業者(プラットフォーマー)に対して本件動画が控訴人の著作権を侵害しないこと等を通知することを求めるとともに、③民法709条に基づき、損害賠償金338万8360円及びうち312万4510円に対する令和4年1月10日(本件動画1ないし9に係る最終の不法行為の日)から、うち26万2350円に対する令和5年1月8日(本件動画10に係る不法行為の日)から各支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
 原審は、上記①の請求を、本件動画が控訴人の著作権を侵害している旨を第三者に告げる行為の差止めを求める限度で、上記②の請求を、本件ツイキャス動画について信用回復措置をとることを求める限度で、上記③の請求を、損害賠償金118万8960円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度でいずれもこれを認容し、その余の請求をいずれも棄却したところ、控訴人が自己の敗訴部分を不服として本件控訴を提起し、被控訴人も本件附帯控訴を提起した(なお、被控訴人は、当審において、上記①の請求につき、差止めの対象を前記第1の2(2)のとおり変更し、また、上記③の請求につき、不競法4条に基づく損害賠償請求を選択的に追加するとともに、前記第1の2(4)のとおり、請求を減縮した。)。
2 前提事実(争いのない事実並びに後掲の各証拠(以下、書証番号は特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨から容易に認定することができる事実)
(1)当事者
ア 被控訴人は、ユーチューブ(グーグルが運営する動画配信サービス)及びツイキャス(モイ株式会社が運営する動画配信サービス)において、棋戦のいわゆる評価値放送を配信し収益を上げている動画配信者である。
イ 控訴人は、インターネット上で、囲碁、将棋の実況中継等の番組を有料で動画配信する等の事業を営む株式会社である。
(2)被控訴人による本件動画の配信
ア 被控訴人は、本件動画1ないし8及び10につき、別紙「本件動画等目録」の各「配信日」欄記載の日に同「動画タイトル」欄記載の動画をユーチューブでいわゆるライブ配信をした(本件ユーチューブ動画)。
 また、被控訴人は、本件動画9につき、同目録の「配信日」欄記載の日に同「動画タイトル」欄記載の動画をツイキャスでいわゆるライブ配信をした(本件ツイキャス動画)。
イ 本件動画は、公益社団法人日本将棋連盟(以下「日本将棋連盟」という。)等の主催に係る王将戦及び銀河戦につき、控訴人が同連盟等から放送・配信する権利の許諾を受けて行っているインターネットサービスによる有償配信で両棋戦を観戦し、ほぼ同時に被控訴人が配信する動画の盤面上に棋譜情報(盤面の推移と指し手順の情報)を即時に再現するものである。なお、本件動画では、盤面のほかAIによって計算された各対局者の指し手の評価値が表示されるほか、視聴者同士や被控訴人とのチャットでのコミュニケーションが行われるが、本件動画内において、控訴人が配信する動画の映像、画像、音声そのものは表示されない。
(3)控訴人による著作権侵害に基づく動画の削除申請(本件削除申請)
 被控訴人は、本件動画を配信する以前から、リアルタイムの棋譜情報を盤面上に即時に再現してユーチューブ等で配信しており、本件動画についても、控訴人に会員登録して控訴人から配信を受けて棋戦を観戦することにより取得した棋譜情報に基づき配信をしていたところ、控訴人は、別紙「本件動画等目録」の「削除申請日」欄の各日に、グーグルあるいはツイキャスに対し、後記(4)のとおりの所定の方法に従って、著作権侵害を理由として動画の削除申請をし、本件動画は、同別紙の「配信停止期間」欄記載の各始期日に配信が停止された。これに対し、被控訴人は、本件ユーチューブ動画については、所定の手続に従って異議申立てをしたところ、控訴人が期限内に回答をしなかったので、同別紙の「配信停止期間」欄記載の各終期日に配信停止が解除され、いずれも復元された。また、被控訴人に係る新規動画の配信も、同別紙の「配信停止期間」欄記載の期間、停止されていた。
 被控訴人は、本件削除申請後、リアルタイムでの棋譜情報を提供する配信を止めたため、ツイキャスでは視聴率(再生回数)が減少し収益化基準を満たさない状態になっていたが、その後、視聴率を増加させる工夫をすることで視聴率自体は収益化基準を満たすようになった。(甲21ないし25、弁論の全趣旨)
(4)ユーチューブ及びツイキャスにおける動画削除の仕組み
 ユーチューブ及びツイキャスに投稿された動画により権利侵害をされた第三者は、以下のとおり、ユーチューブ及びツイキャスがそれぞれ定める利用規約所定の方法により、著作権侵害等を理由に削除申請することができる。
ア ユーチューブ
 ユーチューブの削除申請フォームには、自己の法的権利を侵害された際に行うことができる削除申請の理由として、「著作権の問題」のほか、「その他の法的問題」等の選択肢が用意されている。「著作権の問題」を選択して正式かつ有効な削除申請がされた場合、ユーチューブは、対象である動画(コンテンツ)を削除し、当該動画の投稿者に著作権侵害の警告をするが、著作権侵害の警告を受けた投稿者が、ユーチューブに対して異議を申し立て、異議申立てに対して削除申請者から法的措置を講じた旨の証拠が提出されない場合には、対象の動画はユーチューブ上で復元されることになる。なお、著作権侵害の警告を3回受けた場合、上記投稿者のアカウントと関連付けられているチャンネルは全て停止され、アカウントに投稿された全ての動画が削除されるとともに、新しいチャンネルを作成することもできなくなることも利用規約上定められている。(乙60、61)
 また、ユーチューブの定める利用規約によれば、ユーチューブには法律を遵守していないコンテンツを投稿することはできず、投稿されたコンテンツがユーチューブの利用規約等に違反し、又は第三者に損害を及ぼす可能性がある場合等には、ユーチューブは独自の裁量により当該コンテンツを削除できるとされている(乙30)。
イ ツイキャス
 ツイキャスにおいても、上記アと同様、削除申請の仕組みが利用規約において定められ、同申請者は自己のアカウントでツイキャスにログインした後に、当該動画のページ内から同申請手続に進み、著作権が侵害されたとする理由等を記入するなどした上で、著作権侵害の報告をすることができる。ツイキャスのサービス利用規約12条では、ユーザーが「法令に違反する行為」(同条第1号)や「第三者の・・・財産権を侵害する行為または侵害するおそれのある行為」(同条第3号)を行うことを禁止しており、禁止行為をした場合には、投稿データの削除、サービスの利用停止、登録アカウントの抹消等の措置が講じられることがある旨が規定されている(20条)。(乙64)
3 争点及び争点に関する当事者の主張
 本件訴訟において控訴人は、棋譜そのものが著作物であるとは主張しておらず、したがって著作権侵害を理由とする本件削除申請が、不競法2条1項21号の要件である「虚偽の事実の告知」に客観的には該当することは争っていない。そこで、本件における争点は、以下の(1)ないし(3)のとおりである。
(1)本件削除申請は被控訴人の「営業上の利益」を侵害するか
(被控訴人の主張)
 被控訴人は、本件削除申請により本件動画の配信が停止され、収益を上げることができなくなるなどした。被控訴人は、本件動画において、将棋の対局における各対局者の指し手の情報(棋譜情報)を利用しているところ、これ自体は単なる事実であり、また、違法な手段で取得したものではないから、これを他者に伝えることが違法行為になるとはいえない。
 これに対し、控訴人は、被控訴人による本件動画の配信が不法行為を構成する旨を主張するが、競合する営業者間で不法行為が成立するというためには、当該行為が自由競争の範囲を逸脱するか、公序良俗に反する等の極めて限定的な場合に限られるというべきである。そうであるところ、本件動画の配信は、虚偽情報を流布して営業上の信用を毀損したり、殊更に競合事業者の妨害のみを目的としたりするものではなく、これらと同等に悪質なものであるとも到底いえないのであって、不法行為を構成するとはいえない。なお、仮に本件動画の配信を適法とすることで控訴人及び日本将棋連盟が採用するビジネスモデルが崩壊するとしても、時代に合った付加価値を創造し、新たなビジネスモデルを創出する努力を怠った控訴人らの責任である。
 したがって、本件削除申請は、法律上保護された被控訴人の営業上の利益を侵害する。
(控訴人の主張)
 本件動画の対象となった棋戦は、王将戦及び銀河戦であるところ、これらの対局における棋士の指し手は、主催者及び協賛者の多大な労力、貢献及び費用負担のもとで成り立っている棋戦から生み出されているものであること、将棋の場合、プロ野球などの他のプロスポーツとは異なり、対局を直接観戦させるために観客を対局場所に入れて入場料を徴収することができないことから、棋戦の放送・配信をする権利を許諾することで対価を得て収益を上げる必要があることなどからすると、少なくとも、棋戦に係る対局者の指し手をリアルタイムで主催者から許諾を受けて放送、配信その他の方法により公衆に提供することによって得られる営業上の利益は、法律上保護される利益である。しかるところ、被控訴人は、控訴人に無断で、営利の目的で、かつ、反復継続して、控訴人が独占的に配信する映像からリアルタイムで棋譜情報を取得した上で、その情報に依拠(フリーライド)した本件動画を控訴人のする配信と同時に配信した。そして、被控訴人は、控訴人を含む主催者及び協賛者の法律上保護される利益を積極的に害する意図をも有していたもので、本件動画の配信の結果、控訴人を含む主催者及び協賛者に深刻かつ重大な損害を生じさせた。したがって、被控訴人による本件動画の配信は、自由競争の範囲を明らかに逸脱する悪質性の高いものであり、控訴人に対する不法行為を構成する。
 以上のとおり、被控訴人による本件動画の配信は、不法行為に該当する違法な営業であるから、同営業に係る被控訴人の営業上の利益は法律上保護される利益に当たらず、本件削除申請により、被控訴人の営業上の利益が侵害されることはない。
(2)損害の発生及びその額
(被控訴人の主張)
 本件削除申請は、控訴人の故意又は重大な過失によるものであるところ、これにより、被控訴人は次の損害を被った。
ア 逸失利益に係る損害
 被控訴人が運営するユーチューブ上のチャンネルの収益は、番組内で表示する広告収入、チャンネル登録者からのスーパーチャット(「投げ銭」に類似するもの)等によるものであり、配信動画1本当たりの平均的な収益は4万3118円である。
 被控訴人は、原判決別紙「配信予定動画目録」記載の各動画(配信予定動画)を配信する予定であったところ、本件ユーチューブ動画は、本件削除申請により、原判決別紙「原告動画目録」の各「配信停止期間」欄記載の期間、配信が停止され、被控訴人は、その間、本件ユーチューブ動画のみならず、その間に配信を予定していた配信予定動画も配信することができなかった。したがって、被控訴人が本件削除申請により被った損害の額は、別紙「損害額計算書」記載のとおり、被控訴人の配信動画1本当たりの平均収益4万3118円に、本件動画及び配信停止期間中に配信が予定されていた同計算書の各「配信予定動画」欄記載の動画の本数の合計数を乗じ、同「実際の収益」欄記載の収益額を控除した同「損害額」欄記載の金額(合計163万6885円)を下らない。
 また、ツイキャスにおける被控訴人の動画配信による1か月当たりの平均収益は9965円であるところ、被控訴人は、本件削除申請により、ツイキャスでの動画配信による収益を上げることができなくなった。したがって、本件ツイキャス動画につき、被控訴人が令和2年10月から令和4年11月までの26か月の間に被った損害の額は、25万9090円(9965円×26か月)を下らない。
イ 精神的損害
 被控訴人は、本件削除申請により、自己表現の場であるユーチューブでの動画配信及びチャンネル登録者との交流を妨げられ、ユーチューブでの動画配信ができなくなるかもしれないという懸念を持つとともに、ツイキャス上での収益化の道を絶たれたことで自己表現の場を失い、甚大な精神的苦痛を受けた。これらの精神的苦痛を慰藉するに足りる金額は100万円を下らないが、当審においては、このうち50万円を請求する。
ウ 弁護士費用
 本件訴訟は弁護士に依頼をしなければ適切な訴訟活動は不可能であるから、控訴人による本件削除申請と相当因果関係のある弁護士費用は、前記ア及びイの損害額合計239万5975円の1割相当額である23万9597円(円未満切り捨て)を下らない。
(控訴人の主張)
 いずれも否認ないし争う。
(3)差止め及び信用回復措置の必要性
(被控訴人の主張)
ア 差止めの必要性
 本件の訴え提起前における被控訴人訴訟代理人と控訴人とのやりとりにおいて、控訴人は、「主催者から各対局の独占的な生中継放送権・ライブ配信権を付与されており、自ら制作・放送・配信する番組に関する権利・利益を有しており、これを保護するための対応を今後も行っていく」と述べるなど、今後も削除申請等をすることを自ら宣言しているのであるから、差止めの必要性があることは明らかである。
イ信用回復措置の必要性被控訴人は、本件削除申請により、著作権侵害をしているのではないかとの疑念を抱かれて、グーグルからはたびたび警告を受け、また、ツイキャスでは、収益化基準を満たしても本件の原審判決が出されるまで動画配信による収益化の道が閉ざされたままになっていた。このような被控訴人の不利益を解消するためには、控訴人自身から、グーグル等のプラットフォーマーに対し、本件動画が控訴人の著作権を侵害していないこと及び本件削除申請が控訴人の過誤によるものでありこれを撤回することを直接伝える必要がある。
(控訴人の主張)
 前記(1)の(控訴人の主張)のとおり、本件動画の配信による被控訴人の営業上の利益は法律上保護される利益に当たらないから、被控訴人の差止め及び信用回復措置の各請求には理由がないが、この点をおくとしても、次のとおり、差止め等の必要性がない。
ア 差止めの必要性がないこと
 被控訴人は、被控訴人が配信する動画から、控訴人が著作権を有する映像又は音声が含まれていることが明らかなものを除外した動画を対象として、著作権侵害を理由とする告知行為の差止めを求めているが、不正競争となり得ないものをも差止めの対象としているから、許されない。
イ 信用回復措置の必要性がないこと
 グーグルに対する信用回復措置につき、被控訴人は、本件ユーチューブ-10-動画の配信停止が解除され、現在は、本件ユーチューブ動画を配信することが可能になっており、被控訴人の信用は既に回復されているから、重ねて特段の措置を講じる必要はない。モイ株式会社に対する信用回復措置につき、被控訴人は、ツイキャスでの収益化が将来的に不可能となったことについて一切立証しておらず、請求の前提を欠く。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所は、被控訴人の請求はいずれも理由がないから棄却すべきであると判断する。その理由は、以下のとおりである。
2 争点(1)(本件削除申請は被控訴人の「営業上の利益」を侵害するか)について
(1)被控訴人は、本件削除申請により本件動画の配信が停止されて収益を上げることができなかったから、控訴人の不競法2条1項21号該当の不正競争により営業上の利益を侵害された旨を主張するところ、これに対し、控訴人は、被控訴人がする本件動画の配信は不法行為に該当するから、被控訴人が侵害されたと主張する営業上の利益は法律上保護される利益とはいえないとして、被控訴人の上記主張を争う。
 そこで、以下においては、まず、被控訴人のする本件動画の配信が不法行為に該当するかの点を検討するに、後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件動画が配信の対象とした王将戦及び銀河戦などの棋戦の主催、棋譜情報の利用等につき、以下の事実が認められる。
ア 本件動画の対象となっている王将戦を含めタイトル戦の多くは、日本将棋連盟と新聞社・通信社が主催し、その対局料・賞金を含む一切の開催・運営費用のほとんどを主催者らが負担している。本件動画の対象となっている銀河戦は、タイトル戦に準じる棋戦として、日本将棋連盟と控訴人が主催しており、その対局料・賞金を含む一切の開催・運営費用を負担している。そして、主催者は、棋譜情報についての独占的な利用権を有することを前提に、それらを自ら商業的に利用し、又はそれらを棋戦に係る番組として放送・配信する権利を控訴人等の配信事業者に許諾することにより、対価を得ている。(乙1、20、51、52)。
 控訴人は、王将戦については協賛者として受けた当該許諾に基づき、銀河戦については主催者として得た許諾に基づき、有償の放送・配信サービスを実施することにより、日本将棋連盟等主催者に支払った協賛金や契約金のほか、有償の放送・配信サービスの提供に要する費用等を回収した上で、利益を上げようとしている(乙1、21、52、53)。
イ 控訴人は、王将戦については協賛金として、銀河戦については契約金として日本将棋連盟に多額の経済的負担をして、上記棋戦をリアルタイムで放送・配信する権利の許諾を受けて、インターネットサービス(「将棋プレミアム」(同サービスは「囲碁将棋プレミアム」に名称変更されたが、令和5年9月に終了した。)及び「囲碁将棋プラス」)において棋戦の対局の有償配信をしている。なお、控訴人のする棋戦の配信は、棋譜情報のみではなく会場の様子や対局する棋士の表情や行動もリアルタイムで視聴できるものである上、高段者の棋士等による実況解説がされるものである。(乙1、21、51、52)。
ウ 日本将棋連盟は、将棋の普及発展等を図るなどして将棋文化の向上発展に寄与することを目的とする公益社団法人であるが、その収益全体の50%超は、棋士の指し手を記録した棋譜の利用権の許諾やリアルタイムでの棋戦の放送・配信の権利の許諾の対価で賄われており、タイトル戦の棋譜は、その主催者である日本将棋連盟及び各新聞社・通信社が管理している(乙8、22)。王将戦の棋譜は王将戦主催者が、銀河戦の棋譜は銀河戦主催者(控訴人含む)が管理し、タイトル戦終了後も自由な使用を許していない(乙2、22ないし24)。
 なお、日本将棋連盟を含む王将戦の主催者は、従来からの取扱いを明示-12-するものとして、令和2年12月14日、主催者は新聞、出版物、電子媒体、放送媒体で棋譜を独占的に掲載・利用する権利及び利用を許諾する権利を有していることを前提として、第三者による棋譜利用に関する遵守事項や手続等を内容とする「王将戦における棋譜利用ガイドライン」(以下「棋譜利用ガイドライン」という。)を策定しており、その中で主催者の許諾を得た放送配信事業者以外は対局中の棋譜の利用を禁じられている。また、日本将棋連盟は他の棋戦についても同様の棋譜利用ガイドラインを定めて棋譜利用の在り方を規制することで棋譜情報を管理している(乙2、22)。
エ ユーチューブ等において被控訴人と同様の棋戦についてのいわゆる評価値放送をする動画配信者で最も人気のある者は、対局終了後に棋譜を利用して配信をするに当たり、上記棋譜利用ガイドラインに従い、所定の利用料を支払っており、その登録者数は20万人を超える。他方、被控訴人以外にも、日本将棋連盟等主催者の許諾を得ずに棋譜を利用して配信をしたことで、何らかの手段で配信の差止めを受けた動画配信者が複数いる。(以上につき、甲19、乙50、55の1)。
(2)前記認定の事実関係によれば、棋戦を主催(新聞社等あるいは控訴人との共催を含む。)する日本将棋連盟は、棋戦を放送・配信する権利を許諾することで収益を上げ、これにより棋戦を主催するための開催・運営費用を賄っていること、そして、上記許諾を受けた控訴人ら放送配信事業者は、当該棋戦を有償配信し、これにより棋戦の配信の権利の許諾を受けるために負担した協賛金ないし契約金を回収し、さらに利益を上げようとしているものと認められるが、日本将棋連盟がリアルタイムの棋戦の放送・配信につき、このようなビジネスモデルを採用する理由は、同連盟の目的を達成するための事業をする上で、将棋はスポーツ競技のように大きな会場を用意して入場者から入場料を徴収することで開催・運営費用等を賄うことができないことから会場を用意する主催者として物理的に独占できるリアルタイムの棋譜情報を、控訴人のような放送配信事業者を介して将棋ファンに提供することで、将棋ファンから上記放送配信事業者を介して対価を徴収し、これにより開催・運営費用等を賄うとともに利益を上げ、もって将棋文化の向上発展に寄与しようとしているものと考えられる。そして、放送配信事業者である控訴人の収益構造も、このようなビジネスモデルに組み込まれたものということができる。
 これに対し、被控訴人のしていた本件動画の配信は、自らは一視聴者として控訴人の配信する棋戦を観戦しながら、そこで得たリアルタイムの棋譜情報をほぼ同時に将棋ファンに対して無料で提供するものであるが、将棋ファンにとっては、被控訴人が配信する動画を視聴すれば無料で棋戦のリアルタイムでの棋譜情報が得られるのであるから、対価を支払ってまでして控訴人から棋戦の配信を受けようとしなくなることが十分考えられ、現に、被控訴人の動画配信の結果、控訴人の有償配信サービスへのアクセス数は減少し、同サービスの加入者からの売上げは減少していることがうかがわれるし(乙25ないし28、42)、被控訴人自身、控訴人による本件削除申請後、リアルタイムでの棋譜情報を提供する動画配信を止めたことで視聴率が下がったというのであるから(前提事実(3))、被控訴人はリアルタイムの棋譜情報を提供することで本件動画の視聴者を増加させていたことも推認できる。そうすると、被控訴人による本件動画の配信は、対価を支払って控訴人から配信を受ける将棋ファンを減少させるものであって、このことによって控訴人に対して直接的に損害を生じさせるものであるし、また、このような行為が多数の動画配信者によって繰り返されるなら、控訴人の収益構造でもある日本将棋連盟がよって立つ上記ビジネスモデルの成立が阻害され、ひいては現状のような規模での棋戦を存続させていくことを危うくしかねないものといえる。
 なお、控訴人のする棋戦の配信が、会場の映像を視聴でき、高段者の棋士等による実況解説もされているものである(前記(1)イ)のに対し、被控訴人のそれは会場の映像を視聴できるものではなく、盤面上に棋譜を再現し、AIによって計算された評価値を表示するほか、被控訴人が視聴者とチャット機能を利用した会話をするというものであって(前提事実(2)イ)、異なる特徴を有するが、棋戦を観戦する将棋ファンにとって重要であるのはリアルタイムでの盤面の推移であって、それは文字情報(たとえば「△4三金」のように表示できる。)のみであっても足りるものと考えられるから、上記の配信内容の違いは、被控訴人がした本件動画の配信が控訴人のする配信の視聴者を減少させ、控訴人に損害を生じさせるとの上記認定を左右するものとはいえない。
 そして、被控訴人は、本件動画の配信に当たり、控訴人から有料で配信を受けていたというのであるから(前提事実(3))、上記のとおりの日本将棋連盟のビジネスモデルに組み込まれた控訴人の収益構造を理解していたはずであり、そうすると本件動画を将棋ファンに無料で配信し視聴させることが、その反射として控訴人から有料で配信を受けていたはずの将棋ファンを減少させ、その結果が控訴人に損害を与えることも認識していたと認められる。そればかりか、被控訴人が、本件動画の配信前からリアルタイムの棋譜情報を提供する動画配信をしており、かつ、これを禁じようとする日本将棋連盟のビジネスモデルの在り方を批判し、本件動画の配信を適法とすることで、そのビジネスモデルが崩壊してもやむを得ないような主張すらしていることからすると、被控訴人は、上記のような動画配信をすることで日本将棋連盟及びそのビジネスモデルに組み込まれた控訴人を害する目的すらあったことさえうかがえる。
 以上のほか、被控訴人は、控訴人のみならず被控訴人同様の棋戦の動画配信者と棋戦の配信を巡って競争する関係にあるといえるが、控訴人はそのために多額の費用負担をしているわけであるし、他の棋戦の動画配信者は主催者の定めるところに従い、リアルタイムでの棋譜情報そのものを配信せず他の部分で工夫をして視聴者を惹きつけることで視聴者獲得の競争をしていることがうかがえるから、一視聴者としての費用を負担するのみでリアルタイムの棋譜情報を取得し、これを動画配信において利用することで視聴者にアピールして収益を上げ、しかも、これにより控訴人に対して故意に損害を与えている被控訴人による本件動画配信は、明らかに上記競争の枠外の行為をしているものということができる。
 なお、被控訴人が主張するようにリアルタイムでの棋譜情報の利用制限というルールは、日本将棋連盟等の主催者が一方的に定めたものにすぎず、また、主催者と契約を結ばない被控訴人は、この利用制限について法的に拘束されないが、被控訴人が侵害されたと主張する営業上の利益は、他の競争者が主催者の定めたルールに従うことで価値が増したリアルタイムの棋譜情報を利用することにより、棋戦を主催・運営するための必要なビジネスモデルが成立している中(他の動画配信者がみな一斉に被控訴人同様の行為に及べば、リアルタイムでの棋譜情報の価値は損なわれて現状のビジネスモデルは成り立たなくなると考えられる。)、他の競争者が従うルールに従わないことで競争上優位に立った上、競争者である控訴人の営業上の利益も侵害することで得ている利益であるといえるから、上記の点を踏まえても、これを社会通念上、許された自由競争で得た利益ということはできない。
 したがって、少なくとも控訴人が棋戦をリアルタイムで配信するまさにそのときになされた被控訴人による本件動画の配信は、自由競争の範囲を逸脱して控訴人の営業上の利益を侵害するものとして違法性を有し、不法行為を構成するというべきである。
(3)被控訴人は、控訴人が、本件動画の配信が著作権侵害には該当しないことを認識しながら、あえてユーチューブ及びツイキャスにおける所定の削除申請手続を利用して著作権侵害を理由として本件削除申請をしたことが、許されない自力救済であって不当である旨も主張する。
 この点、仮に本件削除申請が不当なものであるとの被控訴人の主張が当たっていたとしても、そのことで翻って被控訴人がする本件動画配信という営業に法律上保護される利益があるということにはならないが、その点をおいても、棋譜が著作物ではないとする確定判例は未だないし、棋譜が著作物であるとする学説(乙11)が存在することは被控訴人も否定していない以上、本件削除申請当時、本件動画の配信が著作権侵害には該当しないことを控訴人が認識していたとは断定できない。また、本件削除申請において、著作権侵害を理由としたことが結果的に誤りであったとしても、ユーチューブ及びツイキャスを利用する上で被控訴人も拘束されるそれぞれの利用規約(前提事実(4))によれば、投稿された動画に著作権侵害があった場合だけでなく、第三者に損害を及ぼし、あるいは財産権を侵害するのであれば、ユーチューブ及びツイキャスいずれであっても、当該動画は削除対象になるものとされていることからすると、本件動画の配信が不法行為であるとの裁判所の判断が示されたなら、これを理由に削除するという対応もあり得たと考えられるから、不法行為者である被控訴人との関係では、本件削除申請が不当であったとはいえない。さらにまた、本件削除申請は、対象とした本件動画だけでなく、被控訴人が配信予定としていた動画の配信も阻止する効果を生じたものであるが(別紙「本件動画等目録」の「配信停止期間の放送予定対戦」欄参照)、配信予定の動画も、日本将棋連盟等の主催者から許諾を受けずにリアルタイムの棋譜情報を提供するものであったはずであるから、結果的にこれを予防的に差し止めることになったところで、被控訴人に法律上保護される利益が侵害されたという余地はない。
(4)以上検討したところによれば、被控訴人による本件動画の配信は、控訴人の営業上の利益を侵害する違法なものであって不法行為に該当し、これによって得られる利益は法律上保護される利益に該当しないから、本件動画の配信との関係では、被控訴人には不競法によって保護されるべき「営業上の利益」も「営業上の信用」も存在するとはいえない。
 したがって、被控訴人の控訴人による不競法2条1項21号該当の不正競争を前提とする同法3条1項に基づく差止請求、同法4条に基づく損害賠償請求及び同法14条に基づく信用回復措置請求は、いずれもその余の判断に及ぶまでもなく理由がなく、また、控訴人の本件削除申請により被控訴人は法律上保護される利益を侵害されたとはいえないから、被控訴人の控訴人に対する不法行為に基づく損害賠償請求にも理由がない。
3 以上によると、被控訴人の請求は、いずれも理由がないから棄却すべきところ、これと異なる原判決は相当でないから、本件控訴に基づき、原判決中控訴人敗訴部分を取り消して同部分に係る被控訴人の請求をいずれも棄却するとともに、本件附帯控訴を棄却し、被控訴人の当審における追加請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。

大阪高等裁判所第8民事部
 裁判長裁判官 森崎英二
 裁判官 久末裕子
 裁判官 奥野寿則


(別紙) 本件動画等目録
  配信日 動画タイトル 中継した対戦 削除申請日 配信停止期間 配信停止期間の放送予定対戦
放送予定日 タイトル
1 R2.9.22 P1と一緒に藤井聡太二冠vs羽生善治九段を全力応援しよう! 第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦
藤井聡太二冠vs羽生善治九段
R2.9.22 R2.9.22~R2.10.10 R2.10.1 第79期順位戦A級 羽生善治vs斎藤慎太郎
R2.10.5 第72期王将戦挑戦者決定リーグ戦 藤井聡太vs豊島将之
9 R.2.9.22 将棋の王将戦藤井聡太二冠vs羽生善治九段 第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦
藤井聡太二冠vs羽生善治九段
R2.9.22      
2 R2.11.2 【評価値放送】藤井聡太二冠vs広瀬章人八段(将棋:第70期王将戦挑戦者決定リーグ5回戦) 第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦藤井聡太二冠vs広瀬章人八段 R2.11.2 R2.11.2~R2.11.20 R2.11.3 第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦 羽生善治vs永瀬拓矢
R2.11.7 第33期竜王戦七番勝負第3局1日目 羽生善治vs豊島将之
R2.11.8 第33期竜王戦七番勝負第3局2日目 羽生善治vs豊島将之
R2.11.11 第79期順位戦B級2組7回戦 藤井聡太vs北浜健介
R2.11.17 第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦 羽生善治vs木村一基
3 R2.11.30 【日本一たのしい評価値放送】豊島将之竜王vs永瀬拓矢王座(将棋:第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ 第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ
豊島将之竜王vs永瀬拓矢王座
R2.11.30 R2.11.30~R2.12.18 R2.12.3 第6期叡王戦八段予選二回戦 藤井聡太vs長沼洋
R2.12.3 第6期叡王戦八段予選準決勝 藤井聡太vs杉本昌隆
R2.12.5 第33期竜王戦七番勝負第5局1日目 羽生善治vs豊島将之
R2.12.6 第33期竜王戦七番勝負第5局2日目 羽生善治vs豊島将之
R2.12.10 第14回朝日杯二次予選 羽生善治vs八代弥
R2.12.10 第14回朝日杯二次予選 羽生善治vs野月浩貴
R2.12.16 第79期順位戦B級2組8回戦 藤井聡太vs野月浩貴
4 R3.9.23 【将棋】豊島将之竜王vs広瀬章人八段(第71期ALSOK杯王将戦挑戦者決定リーグ戦1回戦)藤井聡太ファンにも見てほしい対局!【日本一たのしい&見やすい評価値放送】 第71期王将戦挑戦者決定リーグ戦
豊島将之竜王vs広瀬章人八段
R3.9.23 R3.9.23~R3.9.30 R3.9.25 第42回将棋日本シリーズ(JT杯)二回戦 藤井聡太vs千田翔太
R3.9.27 第71期王将戦挑戦者決定リーグ戦 藤井聡太vs糸谷哲郎
5 R3.10.4 【※当ライブは断じて著作権を侵害しておりません】藤井聡太三冠vs広瀬章人八段(将棋:第71期王将戦挑戦者決定リーグ2回戦)【日本一たのしい&見やすい評価値放送】 第71期王将戦挑戦者決定リーグ戦
藤井聡太三冠vs広瀬章人八段
R3.10.4 R3.10.18~R3.10.25 R3.10.19 第80期順位戦B級1組7回戦 藤井聡太vs郷田真隆
R3.10.21 第71期王将戦挑戦者決定リーグ戦 羽生善治vs広瀬章人
R3.10.22 第34期竜王戦七番勝負第2局1日目 藤井聡太vs豊島将之
R3.10.23 第34期竜王戦七番勝負第2局2日目 藤井聡太vs豊島将之
6 R3.11.5 藤井聡太全力応援!日本一たのしい&見やすいスーパー評価値放送【将棋:王将戦vs豊島将之竜王】 第71期王将戦挑戦者決定リーグ戦
豊島将之竜王vs藤井聡太三冠
R3.11.5 R3.11.5~R3.11.12 R3.11.9 第71期王将戦挑戦者決定リーグ戦 藤井聡太vs羽生善治
R3.11.12 第34期竜王戦七番勝負第4局1日目 藤井聡太vs豊島将之
7 R3.12.14 【将棋:盤面あり】藤井聡太銀河vs渡辺明名人(第29期銀河戦決勝トーナメント準決勝)【日本一たのしい&見やすい評価値放送】 第29期銀河戦決勝トーナメント準決勝第1局
藤井聡太銀河vs渡辺明名人
R3.12.15 R3.12.17~R3.12.24 R3.12.18 第93期棋聖戦二次予選2回戦 羽生善治vs木村一基
8 R4.1.10 動画のタイトル:【将棋:盤面あり】みんなで藤井聡太全力応援!vs渡辺明王将(第71期ALSOK杯王将戦七番勝負第1局二日目)【日本一たのしい&見やすいスーパー評価値放送】 第71期王将戦七番勝負第1局
渡辺明王将vs藤井聡太竜王
R4.1.10 R4.1.10~R4.1.17 R4.1.13 第80期順位戦B級1組11回戦 藤井聡太vs千田翔太
R4.1.16 第15回朝日杯本線トーナメント一回戦 藤井聡太vs船江恒平
R4.1.16 第15回朝日杯本線トーナメント二回戦 藤井聡太vs永瀬拓矢
10 R5.1.8 【盤面あり】藤井聡太五冠vs羽生善治九段(将棋:第72期王将戦七番勝負第1局1日目)【日本一たのしい&見やすい評価値放送ライブ】 第72期王将戦七番勝負第1局
藤井聡太王将vs羽生善治九段
R5.1.8 R5.1.8~R5.1.15 R5.1.9 第72期王将戦七番勝負第1局2日目 藤井聡太vs羽生善治
R5.1.12 第81期順位戦B級1組11回戦 羽生善治vs千田翔太
R5.1.15 第16回朝日杯本線トーナメント一回戦 藤井聡太vs阿久津主税
R5.1.15 第16回朝日杯本線トーナメント二回戦 藤井聡太vs増田康宏
※ 番号は、原判決別紙原告動画目録の通し番号である(番号9は、ツイキャス)。

(別紙) 損害額請求書
本件動画 配信予定動画 実際の収益(a) 1本あたり(b) 本数(c) 損害額(b x c - a) 原判決認定
1 1, 2 \6,314 \43,118 3 \123,040 \60,286
2 3~7 \2,077 \43,118 6 \256,631 \131,123
3 8~14 \1,973 \43,118 8 \342,971 \175,627
4 15, 16 \250 \43,118 3 \129,104 \66,350
5 17~20 \2,579 \43,118 5 \213,011 \108,421
6 21, 22 \6,264 \43,118 3 \123,090 \60,336
7 23 \15,923 \43,118 2 \70,313 \28,477
8 24~26 \8,612 \43,118 4 \163,860 \80,188
10 27~30 \725 \43,118 5 \214,865 \110,275
合計 \44,717 \43,118 39 \1,636,885 \821,083
line
 
日本ユニ著作権センター
http://jucc.sakura.ne.jp/