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【事件名】文学館の“解説パネル”事件B 【年月日】令和6年12月23日 東京地裁 令和6年(ワ)第70126号 使用差止め等請求事件 (口頭弁論終結日 令和6年10月17日) 判決 原告 Ai 被告 渋川市 同訴訟代理人弁護士 田島義康 同指定代理人 山田健司 同 宮下眞範 同 小林弘朋 同 萩原喬史 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は、徳富蘆花記念文学館の常設展示室に設置されている解説パネル全部(ただし、壁面設置部分に限る。)のうち解説文部分を使用してはならない。 2 被告は、徳富蘆花記念文学館の常設展示室等で上映されている映像付き脚本朗読作品「不如帰」の脚本部分を使用してはならない。 3 被告は、原告に対し、100万円を支払え。 第2 事案の概要 本判決本文中で用いる略語は、別紙略語表のとおりである。 1 本件は、被告の元職員である原告が、本件文学館に展示等されている本件解説文及び本件脚本に係る著作権は原告に帰属していると主張し、被告は上記展示等により原告の当該著作権を侵害しているとして、被告に対し、著作権法112条1項に基づき本件解説文及び本件脚本の使用差止めを求めるとともに、民法709条、著作権法114条2項、3項に基づき、損害賠償金の一部として100万円の支払を求める事案である(第1回口頭弁論調書参照)。 2 前提事実(証拠等の記載のないものは当事者間に争いがない。) (1)当事者 ア 被告は、平成18年2月、伊香保町及びその近隣の市町村の合併により設置された地方自治体であり、伊香保町の権利義務を承継している(公知の事実)。 イ 原告は、被告(原告が採用された当時は「伊香保町」であったが、以下、合併の前後を問わず「被告」という。)の元職員である(弁論の全趣旨)。 (2)本件解説文及び本件脚本 ア 本件解説文は、本件文学館の常設展示室に設置されているパネル(本件パネル)の内容部分を構成する文章(解説文部分)である(弁論の全趣旨)。なお、本件解説文は、本件図録のうち、「徳富蘆花(健次郎)譜」の部分を含むものではなく、本件図録のその余の言語の部分と、本件解説文は、ほぼ同一のものである(甲10)。 イ 本件脚本は、本件文学館の常設展示室等で上映されている映像付き脚本朗読作品「不如帰」の内容部分を構成する朗読部分の文章(脚本部分)である(弁論の全趣旨)。 (3)本件パネルの作成経緯等 ア 被告は、平成元年3月6日、徳富蘆花記念会館展示計画検討委員会議を開催した。 イ 原告は、平成元年3月22日、本件文学館の学芸員として、被告に臨時職員として採用され、同年4月1日、被告の正職員(伊香保町事務吏員)として採用された(乙11ないし14、弁論の全趣旨)。 ウ 本件文学館は、平成元年11月1日に開館した。なお、本件パネル(本件解説文を含む。)は、開館当初から設置されていた(第2回弁論準備手続調書参照)。 エ 原告は、平成9年9月1日、本件図録を発行した。本件図録には、本件解説文が各見開き頁の右上に記載された上で、徳富蘆花の生涯に係る写真が各見開き頁の右下及び左頁の右側に掲載されているほか、「徳富蘆花(健次郎)譜」として徳富蘆花の生涯が各見開き頁の左側に記載されている(甲3、10、弁論の全趣旨)。 (4)前訴 ア 前訴1 原告は、前訴1において、被告に対し、@本件図録の利用対価相当額の支払を求めるとともに、A本件図録の著作権を有することの確認を求めた。これに対し、前訴1の控訴審は、利用対価に係る合意がないとして@の請求を棄却した原審の判断を是認し、控訴を棄却するとともに、控訴審で追加されたAの請求を認容した。(甲1) イ 前訴2 原告は、前訴2において、被告に対し、本件各展示物の著作権者であることの確認を求めるとともに(本件各展示物は原告が著作権及び著作者人格権を有する著作物であることの中間確認の訴えを含む。)、本件各展示物の公開等の差止め等を求めたほか、不法行為に基づく損害賠償金の支払を求めた。これに対し、第1審は、中間確認の訴えを却下するとともに、いずれの請求も棄却し、控訴審は、控訴を棄却するとともに、不当利得の返還を求める追加請求も棄却した。(乙1、2) ウ 前訴3 原告は、前訴3の第1審において、被告に対し、@本件パネルに係る被告の著作権は本件パネルの内容部分を構成する本件解説文又は本件図録の著作者の権利には影響を及ぼさないことのほか、本件映像作品に係る被告の著作権は本件映像作品の内容部分を構成する本件脚本の著作者の権利には影響を及ぼさないことなどの確認を求めるとともに、A本件パネル及び本件映像作品の使用が原告の本件解説文及び本件脚本に係る著作権を侵害するとして、本件パネル及び本件映像作品の使用の差止めを求め、B本件パネルの使用が本件解説文に係る原告の著作権を侵害するとして、不法行為に基づく損害賠償金の支払を求めた。これに対し、第1審は、@について訴えを却下し、A及びBについて請求をいずれも棄却したため、原告は、控訴するとともに、控訴審において、Aの請求を、本件パネルの使用差止請求から本件解説文の使用差止請求一般に、本件映像作品の使用差止請求から本件脚本の使用差止請求一般に、それぞれ拡張したが、控訴審は、控訴を棄却するとともに、拡張した請求に係る訴えを却下した。(乙6、7) (5)消滅時効の援用 被告は、第2回弁論準備手続期日(令和6年10月17日)において、原告に対し、損害賠償請求権のうち令和5年11月22日までの請求部分に対し、消滅時効を援用する旨の意思表示をした。また、被告は、同期日において、予備的に、損害賠償請求権のうち令和3年2月28日までの請求部分に対し、消滅時効を援用する旨の意思表示をした。(当裁判所に顕著な事実) 3 争点 本件の争点は、次のとおりである。なお、本件解説文及び本件脚本について使用許諾があったことは当事者間に争いがなく、この点に係る争点は、当該使用許諾に錯誤があったか否かという点である(下記(3)。第2回弁論準備手続調書参照)。 (1)本案前の争点(争点1) (2)著作権の帰属先(争点2) (3)使用許諾に係る錯誤の有無(争点3) (4)消滅時効の成否(争点4) 第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(本案前の争点)について (被告の主張) (1)前訴2判決では、解説文「蘆花の生涯」を含めた解説パネル全部及びタイトルパネル全部(本件パネル)と本件脚本を含めた本件映像作品について、職務著作として被告が著作者であることを認めた上で、これらを公開、展示及び上映してはならないことを求めた請求が棄却されている。そのため、本件解説文及び本件脚本を使用してはならないことを求める本件訴えは、前訴2判決の既判力に抵触するものとして、却下を免れない。 仮に、本件の訴訟物が前訴2の訴訟物とは異なるとしても、本件と前訴2は、債権の発生原因として主張されている事実関係が同一であり、本件の訴えは、実質的には敗訴に終わった前訴2の蒸し返しに当たるため、信義則に反するものとして不適法却下されるべきものである。 (2)前訴3判決では、本件解説文及び本件脚本の著作権の帰属について、職務著作として被告が著作権を有すると判断されており、当該判断には既判力が生じている。また、本件訴訟でそれらの点を再度審理することは、被告に二重の応訴の負担を強いるものであり、信義則に反して許されない。 (原告の主張) 本件において、原告は、本件パネルや本件映像作品ではなく、本件解説文及び本件脚本に係る著作権を訴訟物とする訴えを提起しており、前訴2及び3とは訴訟物が異なる。また、蒸し返しや信義則違反との主張も当たらない。 2 争点2(著作権の帰属先)について (原告の主張) (1)原告は、平成9年9月1日、本件パネルを複製し、文学館案内記事や過去の企画展紹介の記事も併せて、本件図録を発行した。そして、前訴1判決により、本件図録の著作権者が原告であることは確定しているところ、本件図録は、本件解説文をそのまま複製したものであり、同一の著作物の著作権者が別個になることはないのであるから、本件解説文の著作権も原告に帰属する。 (2)被告は、本件解説文及び本件脚本について、職務著作に当たり被告に著作権が帰属する旨主張する。しかしながら、原告は、被告に採用される前に、本件解説文及び本件脚本を創作していたから、「法人等の業務に従事する者」であったとはいえない。また、徳富蘆花記念会館展示計画検討委員会議においては、展示内容を構想するための基本となる創作について、何ら話に上らなかった。さらに、被告が職員の募集を行っていたのではなく、原告から被告教育委員会に電話をして採用された上、公務員が職務として出費を伴う業務を行う場合は、起案書の作成が必要となるが、原告は、本件文学館が開館するまで、多くの出費を伴う業務に関して起案書の作成を求められたことはなく、実態としては請負作業のような業務をしていた。また、名義公表性についても、被告が所有している展示室で展示しているからといって、被告の名義で公表されたということはできない。 (被告の主張) (1)前訴1判決は、本件図録について、編集著作物として原告に著作権を認めたが、それを構成する本件解説文についての著作権については、直接判断していない。したがって、前訴1判決が確定しても、原告が本件解説文について著作権を有するとの既判力が生じるわけではない。 そもそも、本件解説文が本件図録よりも8年近く前に作成されており、本件図録の中の解説文は、解説パネルを翻案したものであると原告自ら認めていることからすれば、本件解説文について、原告が著作権を有することはない。 (2)著作権法15条1項により、業務従事者が作成した著作物の著作者が法人等の使用者となるには、@発意性、A業務従事者性、B職務上創作性、C名義公表性、D作成時特約不存在性が必要であるところ、本件において、被告は、原告を臨時職員として採用する前に展示構想等について協議しているから、@発意性を満たし、また、原告は、被告に臨時職員(後に正職員)として採用され、解説パネル等の作成に従事してきたから、A業務従事者性及びB職務上創作性を満たす。そして、観覧者は本件パネルや本件映像作品を鑑賞する対価として、本件文学館を運営する被告に対し観覧料を支払っているのであるから、本件解説文や本件脚本は被告の著作名義で公表されていると解することができるので、C名義公表性の要件も満たす。また、特約もないのでD作成時特約不存在性も満たす。したがって、本件解説文及び本件脚本は、職務著作として被告に著作権が帰属する。 3 争点3(使用許諾に係る錯誤の有無)について (原告の主張) 原告が被告に対し、本件解説文及び本件脚本を対価なく使用できることを許諾したのは、処遇や採用に係る約束があったからである。しかるに、東京高等裁判所平成17年(行コ)第240号事件の判決(甲6)で不法行為と認定されたとおり、原告は学芸員資格職として採用されたにもかかわらず、被告が原告の同意なく原告を無関係な場所に配転したことは、上記約束を逸脱したものである。したがって、上記使用許諾の意思表示には錯誤があったといえる。 (被告の主張) 原告は、前訴1において、館長にすると言われたが実行されなかったため使用許諾の意思表示には瑕疵があった旨の主張はしていなかったのであるから、使用許諾の意思表示には錯誤があるとの主張は、事後的に考えた虚偽主張である。また、原告に美術館等の勤務歴があることに照らせば、原告が採用後近いうちに館長になれると考えて、使用許諾の意思表示をしたのであれば、原告には重大な過失があるので、当該意思表示の取消しをすることはできない。 さらに、仮に使用許諾の意思表示に錯誤があるとしても、対価の支払を求めない状況が15年以上も続いていたにもかかわらず、今更対価の支払を求めるのは、権利の濫用に当たり許されない。 4 争点4(消滅時効の成否)について (被告の主張) 被告は、前訴2において、消滅時効の抗弁を主張しているため、本件文学館が開館した平成元年11月1日から前訴2が提起された平成31年4月27日より3年前の平成28年4月27日までの損害賠償請求権は、時効により消滅している。 また、前訴3判決は、令和5年11月22日に確定しており、同日以前の損害賠償請求権について、消滅時効が成立する。 仮に、本件の損害賠償請求権が、前訴3とは訴訟物を異にする新たな損害賠償請求権であるとしても、本件訴えを提起した令和6年2月28日から3年前の令和3年2月28日以前の損害賠償請求権は、時効により消滅している。 (原告の主張) 前訴2及び前訴3と本件では訴訟物が異なるから、前訴2や前訴3における消滅時効の主張や判決の確定は、本件の損害賠償請求権に影響を与えない。 また、そもそも原告は、平成30年12月19日に、本件の著作権侵害に係る「加害者及び損害」を現実的に知ったから、消滅時効の起算点は同日である。 そして、原告は、前訴2以降、裁判上の請求を継続しているから、仮に、本件の損害賠償請求権が前訴2や前訴3と同一の損害賠償請求権であるとしても、時効完成の猶予が継続している。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(本案前の争点)について (1)前訴2判決の既判力の及ぶ範囲 前訴2判決で判断の対象とされた訴訟物は、編集著作物としての本件各展示物に係る著作権及び著作者人格権に基づく請求権であるのに対し、本件差止請求に係る訴訟物は、本件各展示物のうち、言語の著作物としての本件解説文及び本件脚本に係る著作権に基づく請求権である。 そうすると、前訴2判決と本件差止請求は、訴訟物を明らかに異にするものであり、編集著作物はその編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼすものではないから(著作権法12条2項)、前訴2判決の既判力が本件に及ぶとする被告の主張は、編集著作物の意義を正解しないものといえる。この理は、訴訟物が明らかに異なる以上、信義則違反をいう被告の主張にも同様に当てはまるといえる。 したがって、被告の主張は、いずれも採用することができない。 (2)前訴3判決の既判力の及ぶ範囲 本件における差止請求に係る訴訟物は、前訴3の控訴審における請求拡張部分の趣旨をいうものであり(令和6年7月4日付け原告準備書面2の1頁末尾参照)、当該請求拡張部分は、同控訴審において全部却下されている以上、前訴3判決の既判力は、本件における差止請求に係る訴訟物に直ちに及ぶものとはいえない。 そして、前訴3判決では、本件解説文及び本件脚本に係る職務著作該当性が判断されているものの、本件図録と本件解説文との関係が必ずしも明らかではなく(甲10、乙6〔13頁〕)、本件解説文及び本件脚本が言語の著作物であるのに、その内容が必ずしも具体的に特定されておらず、前記第2の2(4)に係る訴訟の経緯及び弁論の全趣旨を踏まえても、原告が前訴3判決の判断内容を十分に理解できなかったことがうかがわれる。これらの事情を踏まえると、前記第2の2(4)の前訴の経緯に照らしても、本件の訴えが信義則に反するものとまでいうことはできない。 したがって、被告の主張は、いずれも採用することができない。 2 争点2(著作権の帰属先)について (1)前訴1判決の既判力の及ぶ範囲 原告は、前訴1判決により、本件図録の著作権者が原告であることは確定しているところ、本件図録は本件解説文をそのまま複製したものであり、同一の著作物の著作権者が別個になることはないのであるから、本件解説文の著作権も、本件図録と同様に原告に帰属する旨主張する。 しかしながら、前記前提事実及び証拠(甲1)によれば、原告に帰属する権利として前訴1判決が確認したのは、編集著作物としての本件図録(本件解説文のほか、徳富蘆花の生涯に係る多数の写真や、「徳富蘆花(健次郎)譜」に係る記事等が掲載されているもの)の著作権であり、本件図録に収録されている本件解説文に係る著作権ではないのであるから、原告の主張は、その前提を欠く。上記において説示したとおり、編集著作物は、その編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼすものではなく、前訴1判決において本件図録の著作権が原告に帰属すると判断されたとしても、その既判力は、本件図録の部分を構成するにすぎない本件解説文に及ぶものではない。 したがって、原告の主張は、編集著作物の意義を正解しないものに帰し、採用することができない。 (2)職務著作該当性 前記前提事実、証拠(甲5、乙10)及び弁論の全趣旨によれば、被告は、平成元年3月6日に徳富蘆花記念会館展示計画検討委員会議を開催し、本件文学館の展示室における展示テーマ等について協議したこと、原告は、同月22日に、同展示計画に関する業務に従事するために学芸員として被告に採用され、その後本件各展示物の作成など当該展示室の製作に従事してきたこと、本件文学館は、原告の在職中である平成元年11月1日に開館して、本件解説文を含む本件パネルや、本件脚本を用いた本件映像作品は、本件文学館において公開されたこと、以上の事実が認められる。 上記認定事実によれば、本件パネルを構成する本件解説文及び本件映像作品の脚本部分である本件脚本は、被告の発意に基づき、被告の業務に従事する原告が、職務上作成し、被告が、本件文学館を運営する被告名義の趣旨で公表したものであると認めるのが相当であるから、本件解説文及び本件脚本は、職務著作に該当するものといえる。したがって、本件解説文及び本件脚本の著作権は、被告に帰属すると認められる。 これに対し、原告は、被告に採用される前に、本件解説文及び本件脚本を創作していたと主張するが、これを裏付ける客観的な証拠はない一方、原告が学芸員として採用されてから、約7か月かけて本件解説文を含む本件パネルや、本件脚本を用いた本件映像作品を製作していたという上記経緯を踏まえると、本件解説文及び本件脚本は、被告に採用されてから創作されたものと推認するのが相当であり、これを覆すに足りる的確な証拠はない。 また、原告は、実態としては請負作業のような業務をしていた旨主張するが、これを裏付ける契約書その他の客観的な証拠はない上、原告が被告の学芸員として正式に採用されていた事実関係に整合するものとはいえない。 さらに、原告は、徳富蘆花記念会館展示計画検討委員会議においては、展示内容を構想するための基本となる創作については話し合われなかった旨主張するが、証拠(甲5、乙10)及び弁論の全趣旨によれば、本件文学館の展示構想として「考えられる展示テーマ」を、「蘆花の一生(年表・系図含)」、「蘆花の作品」、「不如帰」、「徳富蘆花とその時代の人々(映像)」とすることなどが話し合われたことが認められる。そうすると、徳富蘆花記念会館展示計画検討委員会議においては、現に、展示内容として本件解説文を含む本件パネルや、本件脚本を用いた本件映像作品を構想していたといえるから、原告の主張は、その前提を欠く。 そもそも、原告は、本件文学館の展示室に関する業務に従事するために学芸員として被告に採用され、その展示室の完成まで当該業務に従事してきたのであるから、仮に、原告がその業務に多大な貢献をしたのに本件文学館の館長に任命されなかったとしても、これらの原告に酌むべき事情は、職務著作該当性という著作権の帰属を左右するものとはいえない。 したがって、原告の主張は、いずれも採用することができない。 (3)その他 その他に、原告の主張及び提出証拠を検討しても、本件解説文及び本件脚本について原告に著作権が帰属する旨の原告の主張は、前訴1判決の既判力の範囲及び上記(2)の事実経過等を踏まえると、前記判断を左右するものではない。原告の主張は、いずれも採用することができない。 第5 結論 よって、原告の請求は、その余の点について判断するまでもなく、いずれも理由がないから、これらをいずれも棄却することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 中島基至 裁判官 武富可南 裁判官 古賀千尋 (別紙)略語表
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