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【事件名】ウェブサイト“エロコミックハンター”事件(2)
【年月日】令和7年7月28日
 知財高裁 令和7年(ネ)第10029号 損害賠償請求控訴事件
 (原審・東京地裁令和5年(ワ)第70115号、同第70146号)
 (口頭弁論終結日 令和7年6月18日)

判決
控訴人 Y
被控訴人 X1
被控訴人 X2
被控訴人 X3
上記3名訴訟代理人弁護士 平野敬
同 ●(はしごたか)井雅秀
同 笠木貴裕


主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は、控訴人の負担とする。

事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決中、控訴人敗訴部分を取り消す。
2 前項の部分につき、被控訴人らの請求をいずれも棄却する。
第2 事案の概要
1 本件は、いずれも漫画家である被控訴人らが、控訴人が被控訴人らの漫画作品を控訴人の管理運営するウェブサイトに無断で掲載し、被控訴人らの著作権(複製権、公衆送信権(送信可能化権を含む。))を侵害したと主張し、控訴人に対し、不法行為に基づく損害賠償請求として、被控訴人X1が、463万9318円及びこれに対する令和4年3月3日(漫画作品が上記ウェブサイトに掲載された日のうち最も遅い日)から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求め、被控訴人X2が、203万3950円及びこれに対する同日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求め、被控訴人X3が、235万4018円及びこれに対する同日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
 原判決は、被控訴人X1の請求につき、71万6251円及びこれに対する令和4年3月3日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、被控訴人X2の請求につき、25万9079円及びこれに対する同日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、被控訴人X3の請求につき、34万7171円及びこれに対する同日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、被控訴人らのその余の請求をいずれも棄却した。
 控訴人が、原判決中控訴人敗訴部分を不服として控訴したが、控訴理由書を提出せず、当審において控訴理由を何ら主張しなかった。被控訴人らは控訴も附帯控訴もしなかった。
2 前提事実、争点及び争点に対する当事者の主張は、原判決「事実及び理由」第2の2から4まで(2頁9行目から14頁2行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
 ただし、原判決別紙略語一覧表(31頁)のうち、「本件サイト1」の定義の記載として、「本件各サイトのうち、ウェブサイト名を『エロコミックハンター』、ドメインを『manga-free-online.com』とするウェブサイト」とあるのを、「本件各サイトのうち、ウェブサイト名を『エロコミックハンター』、ドメインを『https://ero-comic-hunter.net』とするウェブサイト」に訂正する(原判決の記載が誤りであることは、甲2の1、甲3の1〜4から明らかである。)。
第3 当裁判所の判断
1 当裁判所も、被控訴人らの請求のうち、被控訴人X1の請求につき、71万6251円及びこれに対する令和4年3月3日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、被控訴人X2の請求につき、25万9079円及びこれに対する同日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、被控訴人X3の請求につき、34万7171円及びこれに対する同日から支払済みまで年3%の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、被控訴人らのその余の請求はいずれも理由がないから棄却すべきであると判断する。その理由は、原判決「事実及び理由」第3(14頁3行目から28頁22行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
2 結論
 以上によれば、被控訴人らの請求は、上記1に記載の限度で認容し、その余はいずれも理由がないからこれを棄却すべきところ、これと同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がない。
 よって、主文のとおり判決する。

知的財産高等裁判所第3部
 裁判長裁判官 中平健
 裁判官 今井弘晃
 裁判官 水野正則
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