判例全文 line
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【事件名】詐欺事件元被告への名誉棄損事件
【年月日】令和4年7月19日
 東京地裁 令和2年(ワ)第33192号 損害賠償請求事件
 (口頭弁論終結日 令和4年5月13日)

判決
原告 甲
同訴訟代理人弁護士 田邉一隆
被告 株式会社講談社
同訴訟代理人弁護士 弘中惇一郎
同 大木勇
同 竹ア裕
 ほか


主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。

事実及び理由
第1 請求
 被告は、原告に対し、660万円及びこれに対する平成29年8月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 事案の概要
1 本件は、原告が、被告に対し、被告の発行する雑誌に掲載された記事のうち、別紙記事目録記載1ないし4の各記載は、原告の社会的評価を低下させる事実を公然と摘示したものであるから、同記載の掲載は名誉毀損に当たり、別紙写真目録写真1ないし4の各写真は、いずれも、原告の容ぼうが写っており、原告が著作権を有するものであるから、同写真の掲載は、原告の肖像権及び著作権を侵害するとして、不法行為に基づき、損害賠償金600万円(名誉毀損につき400万円並びに肖像権侵害及び著作権侵害につき各100万円)及び弁護士費用60万円の合計660万円と、上記雑誌の発行日である平成29年8月17日から平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を、それぞれ求めた事案である。
2 前提事実(証拠等の記載のないものは当事者間に争いがない。)
(1)当事者
ア 原告は、プロデュース業やライセンス商品の製造販売事業を営むST&M株式会社(以下「ST&M社」という。)と、飲食業を営む株式会社A&Aオーケストラ(以下「A&A社」という。)の2社で事業を行っていた者である。(甲16、原告本人)
イ 被告は、出版を業とする株式会社である。
(2)記事及び写真の公開
 被告は、平成29年8月17日、「元嫁乙の名も利用した前夫の『怪しすぎる出資話』」と題する記事(以下「本件記事」という。)が掲載された雑誌(以下「本件雑誌」という。)を発行した。本件記事は、原告の出資話の被害者として「Aさん」(以下「A」という。なお、本件記事中のAは、丙のことである。)が原告の事業に出資した経緯等を語る内容となっており、別紙記事目録記載1ないし4の各記載が含まれている。(甲1)
 また、本件記事には、別紙写真目録写真1ないし4の各写真(以下「本件写真」という。)が掲載されており、同写真には、いずれも原告の容ぼうが写っている。
(3)刑事判決
 原告は、プロ野球グッズへの出資名目で知人から金員を詐取したとして、平成30年に逮捕され、令和2年12月に有罪判決が確定した。(甲16、乙2、弁論の全趣旨)
(4)消滅時効の援用
 被告は、令和4年3月9日の本件第2回口頭弁論期日において、原告に対し、本件記事に係る名誉毀損、肖像権侵害及び著作権侵害の各損害賠償請求権について、消滅時効を援用するとの意思表示をした。(当裁判所に顕著な事実)
3 争点
(1)名誉毀損の成否(争点1)
(2)肖像権侵害の成否(争点2)
(3)著作権侵害の成否(争点3)
(4)消滅時効の成否(争点4)
(5)損害(争点5)
第3 争点に関する当事者の主張
1 争点1(名誉毀損の成否)について
(原告の主張)
(1)社会的評価の低下について
ア 別紙記事目録記載1の記載(以下「本件記載1」という。)は、一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、原告の度重なる借金問題などが原因となって原告が元妻と離婚したという事実を摘示するものであるところ、原告が、元妻と離婚に至るほどの深刻な借金問題を複数抱えており、このような借金問題などが原因となって現実に離婚に至ったとの印象を与えるものであるから、会社経営者である原告の経済的信用や人格に対する信頼を損ね、原告の社会的評価を低下させるものである。
イ 別紙記事目録記載2の記載(以下「本件記載2」という。)及び同4の記載(以下「本件記載4」という。)は、一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、原告がプロ野球グッズの製造販売事業を営んでおらず、毎月億単位の売上げもなく、各球団に数千万円の請求書を送ってもおらず、出資金に対し売上げの15%を支払う意思も能力もないのに、Aに対し、それらがあるかのように申し向け、Aをしてその旨信じさせ、合計約2億8000万円を交付させたが、後に原告の話は虚偽であることが判明し、原告が詐欺を認めてAに謝罪したとの事実を摘示するものである。そうすると、本件記載2及び4は、会社経営者である原告の経済的信用や人格に対する信頼を損ね、原告の社会的評価を低下させるものといえる。
ウ 別紙記事目録記載3の記載(以下「本件記載3」という。)は、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、本件記載2及び4と併せ読めば、原告が、上記イ記載の詐欺行為をA以外の複数の相手方に対して行い、出資させたとの事実を摘示するものであるところ、原告が多数の相手方に対して出資詐欺を行ったとの印象を与えるものであるから、会社経営者である原告の経済的信用や人格に対する信頼を損ね、原告の社会的評価を低下させるものである。
(2)公共性及び公益目的性について
 原告がAに対し出資詐欺を行ったとの本件記事の内容は、Aが被告の記者に情報提供をしたものであるが、Aは、原告に対する出資金の返済を得るために、警察やマスコミを利用して原告に圧力をかけ続けていたところ、被告の記者もAの私的利益の追求に同調したにすぎない。
 すなわち、本件記事はAの私的利益追求のために公表されたものであるから、公共性及び公益目的性に欠けるものである。
(3)真実性及び真実相当性について
ア 本件記載1について
 原告が元妻と2009年に離婚したことは真実であるが、離婚原因が原告の度重なる借金問題などであったことは真実ではない。
 また、離婚原因は離婚当事者しか知り得ないことであるから、真実であると信じる相当な理由となり得る資料としては、当事者への取材しかあり得ないところ、被告の記者は、原告にも原告の元妻にも取材をしていないのであるから、上記離婚原因を真実であると信じる相当な理由があったとはいえない。
イ 本件記載2及び4について
(ア)本件記載2及び4は、前記(1)イのとおり、原告がプロ野球グッズの製造販売事業を営んでいないにもかかわらず同事業を行っているかのようにAに対して申し向けたとの事実を摘示していると解することができるが、実際には、原告が実質的に経営していたST&M社は、平成28年当時、プロ野球グッズの製造販売事業を行っていた。
(イ)原告がAに対し、「売上げは毎月億単位です」と言ったことは真実ではなく、プロ野球グッズ、東京メトロ関連グッズ及びボトルウォーターを全て合算し、かつ、現在受注している分の売上げが数億円であると言ったにすぎない。
(ウ)原告が「資金を出してくれたら、売上げの15%をお支払いします」と言ったことは真実ではなく、原告は、出資金の10%又は15%の利益を上乗せすると言っただけである。
(エ)原告がAから詐欺ではないかと詰問された際に、「すみません、そう言われても仕方がありません」と認めたことは真実ではない。原告は、プロ野球グッズの売上規模についてAに虚偽を申し向けたことを謝罪したにすぎず、詐欺を認め謝罪したわけではない。また、原告は、Aの息子をなだめるために上記発言をしたにすぎない。
(オ)Aは、原告が約定の期日までに出資金及び利息を返済できないであろうことを認識した上で、ST&M社及びA&A社を買収するために出資したのであるから、Aは、出資金等の返済可能性について錯誤に陥っていない。すなわち、Aは、出資に際してST&M社及びA&A社の全株式に譲渡担保権を設定し、後に譲渡担保権を実行するとA&A社の実質的経営者として振る舞っているから、Aは、出資時点において、原告が出資金を約定の期限までに返済できないことを認識しつつ、上記2社を買収するために出資したにすぎない。
(カ)Aは、上記のとおり、期限までに返済できないことを認識した上で出資したのであるから、原告の欺罔行為とAの出資との間に因果関係は存在しない。
(キ)被告の記者は、原告が各球団に請求書を送っているかのように申し向けた点については相当な資料に基づきこれを信じたといえるが、その余の点については、相当な資料に基づきこれを信じたということはできない。特に、プロ野球グッズの製造販売事業を行っていないにもかかわらず行っているかのように申し向けたことについては、明らかにこれに反する資料があるにもかかわらず、あえて当該事実を摘示している。
 また、原告が詐欺を認めて謝罪した内容の録音については、当該録音に係る音声ファイルの最終更新日時が本件雑誌の発行日より後であることなどから、被告の記者は、本件記事執筆前に当該録音を聞いていたとはいえない。仮に本件記事執筆前に当該録音を聞いていたとしても、原告が謝罪した部分のみを聞いたにすぎないと考えられるから、原告が詐欺を認めて謝罪したことについて、相当な資料に基づきこれを信じたということはできない。
ウ 本件記載3について
 原告は、出資金の債権者らに対して分割で返済していたから、原告とA以外の債権者らとの間では、債権者らが出資した時点で、出資金を分割して返済する旨の黙示の合意が成立していたということができ、原告において出資金を返済する意思及び能力がなかったということはできないし、債権者らについて錯誤及び因果関係は存在しない。したがって、本件記載3は真実ではない。
 また、被告の記者は、Aからの取材のみに基づいて本件記載3を執筆しているから、相当な資料に基づきこれを信じたということもできない。
(被告の主張)
(1)社会的評価の低下について
ア 本件記載1について、借入れや離婚が直ちに否定的に評価されるわけではないから、このような事実を摘示したからといって、原告の社会的評価を低下させることにはならない。また、原告の経営する会社が借入れをしていたことや、原告が離婚したことは、本件雑誌の発行以前に大きく報道されていたから、本件記載1によって原告の社会的評価が低下する余地はない。
イ 本件記載2は、原告がAに売上げの証拠を示し、それを信じたAが原告に投資をしたというものであるから、原告の社会的評価を低下させるものではない。
ウ 本件記載3は、Aの他にも原告の言葉を信じて原告に投資をした者が複数いるという事実を摘示したものにすぎないから、原告の社会的評価を低下させるものではない。
(2)公共性及び公益目的性について
 原告は、本件雑誌発行当時、著名な元プロテニス選手で、著名な会社経営者でもあったから、相当程度の社会的地位と社会的影響力を有していた。そのような原告が、虚偽の事実を述べて投資をさせたが返済せず、原告自身、詐欺と言われても仕方がないと述べ、これについて捜査が始まっているという事実は、公共の利害に関する事実であることは明らかである。
 そして、本件記事は、このような社会的に重大な関心事について報じるものであり、国民の知る権利に資するために掲載されたものであるから、専ら公益を図る目的で掲載されたものである。
 具体的には、本件記載2ないし4は、上記社会的関心事の核心をなすものであるから、当然に公共性及び公益目的性が認められる。また、本件記載1は、読者の理解を促進するために、原告が上記行為に至った経緯の一環として原告の来歴を紹介するものであり、上記社会的関心事との関連性を有するから、公共性及び公益目的性が認められる。
(3)真実性及び真実相当性について
ア 本件記載1について
 本件記載1は、原告が離婚した事実、原告が離婚するまでに度重なる借金問題を抱えていた事実及び原告の離婚の原因が原告の借金問題にあるという事実を摘示したものであるが、これらの事実は、他の報道でも報じられているとおり、真実であるし、仮に真実でないとしても、真実であると信じたことについて相当の理由がある。
イ 本件記載2及び4について
 本件記載2は、原告がAに対して売上げは毎月億単位と述べた上でグッズの請求書やグッズを見せたという事実、原告がAに対して資金を出したら売上げの15%を支払うと述べた事実及びAが原告の言葉を信じて原告に約2億8000万円を渡したという事実を摘示したものであるが、これらの事実は、被告の記者がAから聞き取りをしたとおりのものであり、聞き取りの際には、原告が経営する会社からプロ野球球団等に宛てられた請求書等の提供を受けていた。
 したがって、上記各事実は真実であるし、仮に真実でないとしても、Aの話とAから提供された資料が合致していることから、被告がAの話を信じたことについて相当の理由がある。
 本件記載4は、Aが原告に対し、詐欺ではないのかと詰問したところ、原告が謝罪した上で、そう言われても仕方がないと答えたという事実を摘示したものであるが、当該事実は、被告の記者がAから聞き取りをしたとおりのものであって真実であるし、仮に真実でないとしても、上記のとおり、被告がAの話を信じたことについて相当の理由がある。
ウ 本件記載3について
 本件記載3は、原告に金銭を渡した者が、Aの他にも複数いるという事実を摘示したものであるが、当該事実は、被告の記者がAから聞き取りをしたとおりのものであって真実であるし、仮に真実でないとしても、上記イのとおり、被告がAの話を信じたことについて相当の理由がある。
2 争点2(肖像権侵害の成否)について
(原告の主張)
 本件記事には、原告の容ぼうが写った本件写真が掲載されているから、被告は、本件記事を公表したことにより、原告の肖像権を侵害した。
 本件記事は、原告の社会的評価を著しく低下させる記載を含むものであるから、原告に一定の知名度があったとしても、原告の容姿を撮影した写真を掲載されない利益は、なお保護に値する。
 また、本件写真を見た程度で、数億円の出資を決断するはずはないから、Aが原告に出資したことは、本件写真と無関係である。したがって、本件写真を本件記事に掲載する必要性はない。
(被告の主張)
 原告は、本件雑誌発行当時、著名な元プロテニス選手であり、著名な会社経営者でもあった上、自らの姿を現した上でメディアに出て活動をしていた時期もあったから、肖像権の要保護性は相対的に低い。
 また、本件写真は、いずれもプライベートな場面を写したものではなく、原告が著名人と一緒にいる場面を不特定多数人に撮影させたもののようである。すなわち、そもそも本件写真は、不特定多数人に見られることを前提に撮影されたものであるから、本件写真が公表されないことの利益は小さい。
 さらに、本件写真は、原告にとって単なる取引相手であるAが、原告の事務所を訪れた際に、特に制限を加えられることもなく原告から交付されたものであるから、原告にとって、公表されないことに特段の利益があるものとは考えにくい。
 他方で、本件写真は、原告が著名人と親交のあることをAに示し、Aが原告の言葉を信じて投資する一因となったものであり、本件記事の報道目的との関係で掲載が必要なものであった。
 したがって、本件写真を公表されないという原告の利益は極めて小さい一方で、本件記事に本件写真を掲載する必要性は高いから、本件写真の掲載は、社会通念上受忍の限度を超えて原告の人格的利益を侵害するものとはいえず、同掲載について不法行為は成立しない。
3 争点3(著作権侵害の成否)について
(原告の主張)
 本件写真は、原告が、補助者を使って、原告の指示どおりの構図やアングル等で撮影したものであり、本件写真には原告の思想が表明されているから、本件写真の著作権はいずれも原告に帰属するし、本件写真は著作物性を有する。
 したがって、被告は、本件写真が掲載された本件記事を公表したことにより、原告の著作権を侵害した。
(被告の主張)
 本件写真のようなスナップ写真については、シャッターチャンスの捉え方に著作物性が認められるとされており、シャッターチャンスが原告の指示によって左右されたとは考えられないから、本件写真の著作権者は、原告ではなく実際に撮影した者である。
 仮に著作権侵害に当たるとしても、上記2のとおり、本件写真は本件記事の報道目的との関係で掲載が必要なものであったから、時事の事件の報道のための利用(著作権法41条)に当たり、違法性が阻却される。
4 争点4(消滅時効の成否)について
(被告の主張)
 被告の記者は、平成29年8月14日、原告に架電し、本件記事が本件雑誌に掲載されることを伝えており、同記事の掲載後には、原告からAに対して同記事に関する問合せの連絡が来ている。そうすると、原告は、同月18日の本件雑誌の発売後間もなく本件記事の存在と内容を知ったと考えられる。
 したがって、仮に名誉毀損、肖像権侵害又は著作権侵害の各不法行為が成立したとしても、令和2年8月18日頃には各損害賠償請求権の消滅時効は完成している。
 この点について、原告は、被告が当該消滅時効を援用することが信義誠実の原則に反し、権利の濫用に当たると主張するが、被告が消滅時効を援用しないとの信頼を原告に生じさせたという事情はないし、被告が原告による訴え提起を不可能又は著しく困難にさせたという事情もないから、原告の主張は理由がない。
(原告の主張)
 原告が平成29年8月18日頃に本件記事の存在及びその内容を知ったことは否認する。同月頃、被告の記者から原告に対し架電があったことは認めるが、本件記事の詳細な内容は知らされなかった。そのため、原告が本件記事を読み損害の発生を現実に認識したのは、早くとも平成30年6月1日である。
 仮に原告が本件記事の存在及びその内容を平成29年8月18日頃知っていたとしても、本件で請求している各損害賠償請求権の消滅時効完成時には、原告は刑事事件で勾留中であったから、同時効完成時に原告が同損害賠償を求める訴訟を提起することは社会通念上不可能又は著しく困難であった。したがって、原告が当時そのような状況にいたことを知っている被告が、上記各損害賠償請求権の消滅時効を援用することは、信義誠実の原則に反し、権利の濫用に当たる。
5 争点5(損害)について
(原告の主張)
 前記1ないし3の名誉毀損、肖像権侵害及び著作権侵害の各不法行為によって原告が被った損害を金銭的に評価すると、600万円(名誉毀損につき400万円、肖像権侵害及び著作権侵害につき各100万円)は下らない。
 また、原告は、本件訴訟の提起を弁護士に依頼しなければならなかったところ、弁護士費用は60万円を下らない。
(被告の主張)
 争う。
第4 当裁判所の判断
1 争点1(名誉毀損の成否)について
(1)本件記載1について
ア 社会的評価の低下について
(ア)新聞記事等の報道の内容が人の社会的評価を低下させるか否かについては、一般の読者の普通の注意と読み方とを基準として判断すべきものである(最高裁昭和29年(オ)第634号同31年7月20日第二小法廷判決・民集10巻8号1059頁参照)。
 これを本件についてみると、前記前提事実によれば、本件記載1は、一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、原告の度重なる借金問題などが原因となって原告が元妻と離婚したという事実を摘示するものと認められるから、本件記載1が、原告の社会的評価を低下させるものであることは明らかである。
(イ)これに対し、被告は、借入れや離婚の事実が社会的評価を低下させることにはならない旨主張するが、原告が離婚に至るほど複数の借金を抱えていた事実は、原告の経済的信用を著しく低下させるものであるから、本件記載1によって原告の社会的評価が低下することは明らかである。
 また、被告は、原告の経営する会社が借入れをしていたことや原告が離婚したことは、本件雑誌の発行以前に大きく報道されていたから、本件記載1によって原告の社会的評価が低下する余地はないと主張する。
 しかしながら、証拠(乙1の1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば、当該報道は、本件雑誌の発行よりも数年ないし10年程度前のものである上、本件全証拠によっても、本件雑誌発行当時、当該報道によって、本件記載1の摘示する上記事実が、更に原告の社会的評価を低下させる余地のないほど広く社会に周知されていたと認めることはできず、被告の主張は、前提を欠くものといえる。
 したがって、被告の主張は、採用することができない。
イ 公共性及び公益目的性について
(ア)民事上の不法行為である名誉毀損については、その行為が公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的に出た場合には、摘示された事実が真実であることが証明されたときは、上記行為には違法性がなく、不法行為は成立しないものと解するのが相当であり、もし、上記事実が真実であることが証明されなくても、その行為者においてその事実を真実と信じるについて相当の理由があるときには、上記行為には故意若しくは過失がなく、結局、不法行為は成立しないものと解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第815号同41年6月23日第一小法廷判決・民集20巻5号1118頁参照)。
 これを本件についてみると、前記前提事実によれば、本件記事の内容は、原告が虚偽の事実を述べてAに出資させ、後に原告自身も詐欺と言われても仕方がないとAに認めた旨を記載するものであり、それ自体、社会的に強い非難の対象とされる行為である。そして、証拠(甲16、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、元プロテニス選手であり、本件雑誌発行当時、会社を経営するなどして、社会的地位を有していたことが認められる。
 これらの事情を踏まえると、社会的地位を有していた原告が社会的に強い非難の対象とされる行為を犯したのであるから、その行為に対する社会の関心は高かったものといえる。そうすると、本件記載1は、その行為に関連する事情を摘示するものとして、公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的で掲載されたものと認めるのが相当である。
(イ)これに対し、原告は、本件記事は、原告に対する出資金の返済を得るために、警察やマスコミを利用して原告に圧力をかけ続けていたAの私的利益追求のために公表されたものであるから、公共性及び公益目的性に欠けると主張する。しかしながら、Aが原告に圧力をかけ続けていた事実を認めるに足りる証拠はなく、原告の主張は、その前提を欠く。そもそも、上記において説示したとおり、社会的地位を有していた原告の上記行為に対する社会的な関心の高さを踏まえると、原告の主張は、上記判断を左右するものとはいえない。
 したがって、原告の主張は、採用することができない。
ウ 真実性及び真実相当性について
(ア)証拠(乙1の1ないし4)及び弁論の全趣旨によれば、原告が元妻と2009年に離婚したこと、当時原告は借金を重ね、その総額が莫大なものになっていたこと、借金が当該離婚の一因となったこと、以上の事実が認められる。
 したがって、本件記載1に摘示された事実は、真実であると認められる。
(イ)これに対し、原告は、離婚原因が原告の度重なる借金問題などであったことは真実ではないと主張するが、前掲証拠によれば、少なくとも借金問題が離婚の一因であったものと認めるのが相当であり、原告の主張は、上記判断を左右するに至らない。
 したがって、原告の主張は、採用することができない。
(2)本件記載2及び4について
ア 社会的評価の低下について
(ア)前記前提事実によれば、本件記載2及び4は、一般の読者の普通の注意と読み方を基準とすれば、Aが、原告からグッズの製造費用としてプロ野球球団に送ったという請求書を示された上、出資をしたら売上げの15%を支払うとの原告の発言を信じ、約2億8000万円もの金銭を原告に渡したものの、後に原告は各球団に請求書を送っていないことを認めるとともに、原告自身が詐欺だと言われても仕方がない旨認めたという事実を摘示するものであることが認められる。そうすると、本件記載2及び4は、Aが騙されて原告に金銭を払い、原告もこれを認める事実を摘示するものであるから、原告の社会的評価を低下させるものであることは明らかである。
(イ)これに対し、被告は、本件記載2は、原告がAに売上げの証拠を示し、それを信じたAが原告に投資をしたというものであるから、原告の社会的評価を低下させるものではないと主張する。しかしながら、本件記載2は、本件記載4と併せ読めば、単にAが原告に金銭を払ったという事実ではなく、Aが騙されて原告に金銭を払い、原告もこれを認めたという事実を摘示するものである。そうすると、被告の主張は、上記事実とは異なる事実を前提とするものである。
 したがって、被告の主張は、採用することができない。
イ 公共性及び公益目的性について
 本件記載2及び4が、公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的に出たものであることは、前記(1)イにおいて説示したところと異なるところはない。
ウ 本件記載2の真実性及び真実相当性について
 証拠(甲16、乙3の1ないし9、乙8、証人丙、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、原告が、平成28年9月初め頃、A(丙)に対し、グッズの製造・販売に係るプロ野球球団への請求書や、ボトルウォーターの製造・販売に係る食品会社等への請求書(乙3の1ないし9。以下「本件請求書」という。)を見せた上で、当該事業への発注が数億円あると話したこと、実際に本件請求書の同年8月分の合計請求額が数億円に上ること、その際に原告がA(丙)に対し、出資してくれれば売上げの15%を支払う旨話し、A(丙)が原告に対し、同月以降、3回にわたって約2億4600万円を渡したこと、以上の事実が認められる。
 そして、本件記載2は、A(丙)が、原告から毎月億単位の売上げがあると言われ、グッズの製造費用として各球団に送ったという数千万円の額の請求書を渡されるなどされ、出資してくれたら売上げの15%を支払うとの原告の言葉を信じ、原告に合計2億8000万円ほどを渡した旨を摘示しているところ、上記認定事実によれば、これらの記載は真実であると認められる。
(イ)これに対し、原告は、本件記載2は、@原告がプロ野球グッズの製造販売事業を営んでいないにもかかわらず同事業を行っているかのようにAに対して申し向けたとの事実を摘示しているところ、実際には、原告が実質的に経営していたST&M社は、平成28年当時、プロ野球グッズの製造販売事業を行っていた、A原告はAに対し、売上げは毎月億単位であるとは言っておらず、プロ野球グッズ、東京メトロ関連グッズ及びボトルウォーターを全て合算し、かつ、現在受注している分の売上げが数億円であると言ったにすぎない、B原告は出資してくれたら売上げの15%を支払うとは言っておらず、出資金の10%又は15%の利益を上乗せすると言っただけである、CAは、原告が約定の期日までに出資金及び利息を返済できないであろうことを認識した上で、ST&M社及びA&A社を買収するために出資したのであるから、Aは、出資金等の返済可能性について錯誤に陥っていないし、原告の欺罔行為とAの出資との間に因果関係は存在しないと主張する。
 しかしながら、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として本件記載2を読めば、本件記載2において原告がプロ野球グッズの製造販売事業を営んでいないという事実まで摘示しているものと認めることはできず、原告の主張は、その前提を欠く。したがって、原告の上記@の主張は、採用することができない。
 また、平成28年8月分のプロ野球球団や食品会社等への合計請求額が数億円に上ること及び当該数億円の本件請求書を示したこと自体は原告も認めていること(原告本人)からすれば、毎月の売上げが億単位だとは言っていない旨の原告の供述は、それ自体信用性が低いものといえる。したがって、原告の上記Aの主張は、採用することができない。次に、原告は、A(丙)に対し、本件請求書を見せながら、プロ野球グッズや飲料水の製造代金の立替えを依頼したところ、証拠(乙8、証人丙、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、本件事実関係においては、当該立替金額(出資金額)は、本件請求書記載の金額である売上金額と実質的には異ならないものと認めるのが相当であるから、原告は、丙に対し、出資してくれたら売上げ(すなわち出資金)の15%を支払う旨述べたものといえる。したがって、原告の上記Bの主張は、採用することができない。
 さらに、証拠(甲16、乙8、証人丙、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、丙は、原告に出資するに際し、ST&M社及びA&A社の各株式に譲渡担保権を設定し、その後返済期限までに返済がなかったため譲渡担保権を実行したことが認められるものの、証拠(証人丙、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、そもそもST&M社は丙の出資に係る事業を行っていたところ、丙に対し当該出資金を一部しか返済できないような経営状況の会社であったことが認められるのであるから、ST&M社の株式に、約2億4600万円の出資金額に見合うほどの価値があったものと認めることはできず、A&A社についても、当該出資金額に見合うほどの価値があることを認めるに足りる的確な証拠はない。その他に、丙が当時ST&M社及びA&A社を買収するために原告に出資したことを認めるに足りる証拠はなく、かえって、丙は、上記のとおり、ひと月分の合計請求額が数億円に上る本件請求書を示された上で原告に出資をしているのであるから、極めて多額の当該売上げを前提として約2億4600万円を出資したと認めるのが相当である。
 そうすると、丙が上記各株式に譲渡担保権を設定したのは、原告には株式のほかに資産がなかったからとみるのが自然であって、原告の主張が、丙が結果的に上記各株式を取得したことを踏まえた後付けのものにすぎないことは、上記の事情に照らし、明らかであるといえる。
 したがって、原告の上記Cの主張は、採用することができない。
エ 本件記載4の真実性及び真実相当性について
(ア)証拠(甲16、乙4の1ないし6、乙5の1、2、乙8、証人丙、原告本人)及び弁論の全趣旨によれば、原告が本件請求書をプロ野球球団や食品会社等に送付していないこと、当該事実について問い詰められた原告が、プロ野球球団等に本件請求書を送付していないことを認めたこと、詐欺ではないかと問い詰められた原告が、結果的にはそうなる旨A(丙)に認めたこと、以上の事実が認められる。
 そして、本件記載4は、原告が、各球団へ請求書を送付しておらず、詐欺に当たると言われても仕方がないことをAに認めた旨を摘示しているところ、上記認定事実によれば、これらの記載は真実であると認められる。
(イ)これに対し、原告は、プロ野球グッズの売上規模について丙に虚偽を申し向けたことを謝罪したにすぎず、詐欺を認めて謝罪したわけではないし、原告の事務所に押し掛けて暴れる丙の息子をなだめるために、同人に同調したにすぎないと主張し、これに沿う供述をする。
 しかしながら、証拠(乙5の1、2)によれば、「全部ふたを開けてみたら、これ、詐欺じゃないですか。どうなんですか、答えてみてください。これ全部詐欺じゃないですか。」と言われた原告が、「でも、結果そう言われたら、ほんとそうですね。」と発言していることが認められることからすると、原告が詐欺を認めたことは明らかである。のみならず、証拠(乙5の1、2)及び弁論の全趣旨によれば、丙の息子が暴れている様子はうかがわれず、かえって、丙の息子は、原告との間で、入出金明細や本件請求書等の書類を見るなどして一つずつ事実関係を確認していることが認められるから、原告は、暴れる丙の息子をなだめるために上記発言をしたものとも認めることはできない。
 また、原告は、乙5の1の音声ファイルの最終更新日時が平成29年8月19日であることから、乙5の会話が本件雑誌発行後の同月18日になされた可能性があると主張する。しかしながら、音声ファイルの更新日時は、当該ファイル内の音声が録音された日時を直ちに示すものではなく、かえって、証拠(乙11、証人丁)及び弁論の全趣旨によれば、丙は、本件雑誌発行前である取材時の同月13日には、上記発言については録音がある旨述べていたことが認められることからすると、乙5の会話が、本件雑誌発行後の同月18日になされたものと認めることはできない。
 したがって、原告の主張は、いずれも採用することができない。
(3)本件記載3について
ア 社会的評価の低下について
(ア)前記前提事実によれば、本件記載3は、Aの他にも複数人がAと同様に原告に出資した事実が摘示されているところ、一般の読者の普通の注意と読み方を基準として、本件記載2及び4と併せ読めば、Aの他にも複数人が原告に虚偽の事実を告げられ出資したという事実を摘示するものと認められる。そうすると、本件記載3が、原告の社会的評価を低下させるものであることは明らかである。
(イ)これに対し、被告は、本件記載3は、Aの他にも原告の言葉を信じて原告に投資をした者が複数いるという事実を摘示したものにすぎないから、原告の社会的評価を低下させるものではないと主張する。しかしながら、本件記載3は、本件記載2及び4と併せ読めば、Aの他にも複数人が原告に虚偽の事実を告げられ出資したという事実を摘示するものといえることは、上記において説示したとおりである。そうすると、被告の主張は、本件記事のうち本件記載3の部分のみを取り出して摘示事実を理解するものであって、一般の読者の普通の注意と読み方を基準とするものとはいえない。したがって、被告の主張は、採用することができない。
イ 公共性及び公益目的性について
 本件記載2及び4は、Aが騙されて原告に金銭を払い、原告も詐欺である旨認めたという事実を摘示するものであるところ、これらが公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的に出たものであることは、前記(2)イにおいて説示したとおりである。そして、本件記載3は、Aの他にも同様に原告に金銭を払った者がいるというものであって、本件記載2及び4と同様の事実を摘示するものであるから、公共性及び公益目的性において本件記載2及び4と異なるところはないというべきである。
 したがって、本件記載3も、公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的に出たものであることが認められる。
ウ 真実性及び真実相当性について
(ア)証拠(乙8、10、11、証人丙、証人丁)及び弁論の全趣旨によれば、丙の他にも、原告に虚偽の請求書を示された上で、原告に出資した人が複数いることが認められる。そうすると、A(丙)の他にも複数人が原告に虚偽の事実を告げられ出資したという事実を摘示している本件記載3は、真実であると認められる。
(イ)これに対し、原告は、出資金の債権者らに対して分割で返済していたから、原告とA以外の債権者らとの間では、債権者らが出資した時点で、出資金を分割して返済する旨の黙示の合意が成立していたということができ、原告において出資金を返済する意思及び能力がなかったということはできないし、債権者らについて錯誤及び因果関係は存在しないと主張する。しかしながら、出資金を債権者らに分割で返済していたことや、A以外の債権者らとの間で出資金を分割して返済する旨の黙示の合意が成立していたことを認めるに足りる証拠はなく、原告の主張は、具体的な裏付けを欠くというほかない。
 したがって、原告の主張は、採用することができない。
(4)小括
 以上によれば、本件記載1ないし4は、いずれも原告の社会的評価を低下させるものであると認められるものの、いずれも公共の利害に関する事実に係り専ら公益を図る目的に出たものであり、摘示された事実が真実であると認められるから、本件記載1ないし4を掲載した行為は、違法性がなく、不法行為を構成するものとはいえない。仮に、摘示された事実が真実ではないとする原告の主張を前提としたとしても、証拠(乙7、9ないし11、証人丁)及び弁論の全趣旨によれば、被告の担当者は、A(丙)を直接取材の上、本件記載1ないし4につき詳細な供述の裏付けを入手していたことが認められるのであるから、被告においてその事実を真実と信じるについて相当の理由があるといえ、上記主張は、結論を左右するものではない。
 その他に、原告提出に係る準備書面及び証拠を改めて検討しても、上記判断を左右するものとはいえない。原告の主張は、いずれも採用することができない。
2 争点2(肖像権侵害の成否)について
 肖像は、個人の人格の象徴であるから、当該個人は、人格権に由来するものとして、みだりに自己の容ぼう等を撮影等されず、又は自己の容ぼう等を撮影等された写真等をみだりに公表されない権利を有すると解するのが相当である(最高裁昭和40年(あ)第1187号同44年12月24日大法廷判決・刑集23巻12号1625頁、最高裁平成15年(受)第281号同17年11月10日第一小法廷判決・民集59巻9号2428頁、最高裁平成21年(受)第2056号同24年2月2日第一小法廷判決・民集66巻2号89頁各参照)。他方、人の容ぼう等の撮影、公表が正当な表現行為、創作行為等として許されるべき場合もあるというべきである。そうすると、肖像等を無断で撮影、公表等する行為は、@撮影等された者(以下「被撮影者」という。)の私的領域において撮影し又は撮影された情報を公表する場合において、当該情報が公共の利害に関する事項ではないとき、A公的領域において撮影し又は撮影された情報を公表する場合において、当該情報が社会通念上受忍すべき限度を超えて被撮影者を侮辱するものであるとき、B公的領域において撮影し又は撮影された情報を公表する場合において、当該情報が公表されることによって社会通念上受忍すべき限度を超えて平穏に日常生活を送る被撮影者の利益を害するおそれがあるときなど、被撮影者の被る精神的苦痛が社会通念上受忍すべき限度を超える場合に限り、肖像権を侵害するものとして、不法行為法上違法となると解するのが相当である。
 これを本件についてみると、証拠(甲1、16)及び弁論の全趣旨によれば、本件写真は、元プロテニス選手で当時社会的地位もあった原告が、いずれも、著名人と並んで笑顔で握手等をしている場面を撮影したものであるから、公的領域において撮影されたものと認めるのが相当である。そして、本件写真の上記の内容によれば、原告を侮辱するものではなく、原告のブログで公開されていた写真であったという事情も考慮すれば、平穏に日常生活を送る原告の利益を害するものともいえない。仮に、本件写真が私的領域において撮影されたものと認定したとしても、証拠(甲1、16、乙6の1ないし4、乙7、8、証人丙、証人丁)及び弁論の全趣旨によれば、本件写真は、原告と著名人との親交を示すものであり、A(丙)をして原告が億単位の出資をするに足りる人物であると思わせて、A(丙)が原告に出資する理由の一つとなったものと認められることからすると、本件写真は、原告が社会的に強い非難の対象とされる行為を犯した旨を摘示する本件記事を補足するものであるから、公共の利害に関する事項であるといえることは明らかである。そうすると、仮に上記のとおり認定したとしても、上記の結論を左右するものとはいえない。
 したがって、被告が本件写真を原告に無断で本件雑誌に掲載する行為は、肖像権を侵害するものとして不法行為法上違法であるということはできない。
 以上によれば、肖像権侵害をいう原告の主張は、採用することができない。
3 争点3(著作権侵害の成否)について
 原告は、本件写真につき、原告が補助者を使って原告の指示どおりに撮影させたものであり、本件写真の著作権は、いずれも原告に帰属すると主張するものの、当該事実を認めるに足りる証拠がなく、本件写真の著作権が原告に帰属するものと認めることはできない。
 したがって、著作権侵害をいう原告の主張は、採用することができない。
4 結論
 よって、その余の点について判断するまでもなく、原告の請求は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第40部
 裁判長裁判官 中島基至
 裁判官 小田誉太郎
 裁判官 古賀千尋


(別紙)記事目録
  記載
甲氏の度重なる借金問題などで、'09年に離婚した。
甲は、「売り上げは毎月億単位です」と言っていて、グッズの製造費用として各球団に送ったという数千万円の額の請求書を渡され、見せられた。実際に作っているというグッズも見せられました。「資金を出して くれたら、売り上げの15%をお支払いします」という甲の言葉を信じてしまったのです。結局、去年の9月から何度かに分けて、合計で2億8000万円ほどを渡してしまったのです。
私の他にも何人もの人が同じように彼にカネを渡してしまっています。
甲を問い詰めると、各球団への請求書など送っていないことを認めたん です。後に私が弁護士を通じて各球団に問い合わせたら、彼の話はまるでデタラメだということもわかった。私が「詐欺じゃないか」と詰問し たら「すみません、そう言われても仕方がありません」と認めました。

(別紙)写真目録 省略
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