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【事件名】性格心理テストの検査用紙発行差止事件(2)
【年月日】令和2年8月28日
 大阪高裁 令和2年(ネ)第171号 著作権侵害差止等請求控訴事件
 (原審・大阪地裁平成30年(ワ)第6004号)
 (口頭弁論終結日 令和2年6月24日)

判決
控訴人(一審原告) P1
同訴訟代理人弁護士 西村渡
同 辻本希世士
同 辻本良知
同 松田さとみ
被控訴人(一審被告) 日本心理テスト研究所株式会社
同訴訟代理人弁護士 蝶野弘治
同 平岩佑彦


主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は、原判決別紙商品目録1及び2記載の各用紙を発行し、販売し、又は頒布してはならない。
3 被控訴人は、その占有に係る前項記載の各用紙を廃棄せよ。
4 被控訴人は、控訴人に対し、2640万円及びこれに対する平成30年7月18日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
5 訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。
6 仮執行宣言
第2 事案の概要
 以下で使用する略称は、特に断らない限り、原判決の例による。
1 控訴人の請求と訴訟の経過
 本件は、昭和41年に創作された矢田部ギルフォード性格検査(YG性格検査)の検査用紙(昭和41年用紙)について著作権(本件著作権)を共有しているとする控訴人が、被控訴人は原判決別紙商品目録1及び2記載の各用紙(被告各用紙)を発行、販売及び頒布することにより本件著作権(複製権及び譲渡権)を侵害しているとして、被控訴人に対し、本件著作権の持分権に基づき、被告各用紙の発行等の差止め(著作権法117条2項、1項、112条1項)及びその占有に係る被告各用紙の廃棄(同法117条2項、1項、112条2項)を求めるとともに、本件著作権の持分権侵害の不法行為に基づき、損害賠償金2640万円及びこれに対する不法行為の後の日である平成30年7月18日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めている事案である。
 原審は、控訴人が本件著作権の共有者であることを認めたが、被控訴人は本件著作権に係る著作物について無償での利用許諾を得ているとして、請求をいずれも棄却した。これに対し、控訴人が控訴した。
2 前提事実
 次のとおり補正するほか、原判決2頁11行目から5頁1行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。
(原判決の補正)
(1)原判決3頁26行目から4頁1行目までの「原告に対して本件著作権を生前に譲渡したとも、死因贈与したとも認められないなどとして」を「本件著作権を、控訴人に対して生前に譲渡したとも、被控訴人に対して死因贈与したとも認められないから、P3は法定相続分に従い本件著作権を相続したなどとして」に改める。
(2)原判決4頁5、6行目の「原告に対して本件著作権を生前に譲渡したとも、死因贈与したとも認められず」を「本件著作権を、生前に控訴人ないし被控訴人に譲渡していたとも、控訴人ないし被控訴人に死因贈与する意思を有していたとも認められず」に改める。
(3)原判決4頁12行目の「被告代表者からの辞任」を「被控訴人役員からの離任」に改める。
(4)原判決4頁13行目の「辞任した」を「辞任し、平成29年8月11日、取締役から解任された」に改める。
3 争点
(1)本件著作権の帰属(争点1)
(2)昭和41年用紙の利用に係るP2の被控訴人に対する許諾の有無等(争点2)
(3)被告各用紙の発行等に係る控訴人及び本件各相続人の被控訴人に対する許諾の有無等(争点3)
(4)控訴人の各請求に係る権利濫用の成否(争点4)
(5)控訴人の損害額(争点5)
4 争点に関する当事者の主張
 次のとおり補正し、後記5において当審における当事者の主張を加えるほか、原判決5頁9行目から12頁14行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。
(原判決の補正)
(1)原判決6頁21行目の「そうすると」から22行目末尾までを削る。
(2)原判決8頁25行目の「後にその合意は無効とされたものの、」を削る。
(3)原判決8頁26行目の「遺産分割合意」を「遺産分割協議」に改める。
(4)原判決12頁7行目の「税額」を「印税額」に改める。
5 当審における当事者の主張
(1)争点1(本件著作権の帰属)に関する当審における被控訴人の主張
ア P2は平成5年以降、被控訴人が発行する本件回答方法説明用紙において、「発行所日本心理テスト研究所(株)」の下に「(C)日本心理テスト研究所(株)〔不許複製〕」と付記することを容認した。このような態度からすると、P2は、将来、被控訴人に本件著作権を帰属させる意思があったといえる。
イ 本件公正証書遺言及び本件自筆証書遺言に本件著作権について明確な記載がないのは、昭和41年用紙に関し、著作財産権、著作者人格権、印税請求権と多岐にわたる権利関係を整理しきれなかったためと考えられる。
 本件公正証書遺言8条は、「YG性格検査に関連する著作物(手引き、テープ等)に関する財産権」が被控訴人に属することを確認したが、有体物である著作物を取得するだけでは、P2の相続人から本件著作権の侵害を主張されるおそれがある。被控訴人を通じて昭和41年用紙が広く永続的に利用されることを望んでいたP2が、そのような事態を望んでいたとはいえない。
ウ したがって、P2は、本件公正証書遺言及び本件自筆証書遺言により、被控訴人に本件著作権を取得させる意思を有していたと考えるのが合理的である。
(2)争点2(昭和41年用紙の利用に係るP2の被控訴人に対する許諾の有無等)に関する当審における控訴人の主張
ア P2の意思の合理的解釈からは、P2の被控訴人に対する利用許諾を認定することができないこと
 YG性格検査が広く利用され続けることをP2が期待していたことに間違いはないが、そこから、「被控訴人の事業遂行に当たって」利用されることが優先されていたことは導けない。自らの人生をかけてYG性格検査の開発及び信頼性の維持に努めてきたP2は、その発展が阻害される態様での利用は、たとえ被控訴人の事業遂行のための利用であったとしても中止させたい意思であったはずである。
 学者であるP2にとって、YG性格検査の実用化を実現した控訴人の功績はかけがえのないものであり、本件自筆証書遺言7条の文言も、P2の控訴人に対するそのような思いを示している。P2の死後は、控訴人による助言等の下に改訂が重ねられることによりYG性格検査の検査用紙の利用が永続することが、P2の意思に合致する。
 一方、被控訴人は、昭和41年用紙の利用許諾を受けなくても、YG性格検査に関するコンサルティング活動、関連する著作物の販売及び印税の取得や、YG性格検査以外の心理テストに関する事業など、種々の事業を行うことが可能であり、昭和41年用紙の利用が被控訴人の事業にとって必要不可欠とはいえない。そして、P2は、自身の死後、YG性格検査の検査用紙の発行を控訴人個人に託したのであるから、控訴人が被控訴人の所長の地位を失い、かつ、YG性格検査に係る助言等を行うことが保証されない事態が生じた場合等に、被控訴人においてYG性格検査の検査用紙の発行に係る事業ができなくなることは、むしろP2の意思に合致する。
 したがって、P2の意思の合理的解釈からは、P2が被控訴人に対してその事業のために昭和41年用紙の利用を許諾したと認定することはできない。
イ 控訴人の意思の合理的解釈からも、P2の被控訴人に対する利用許諾を認定することができないこと
 P2が被控訴人に対しその設立時に利用許諾をした(P2と被控訴人が利用許諾契約を締結した)というのであれば、その当時被控訴人の代表者であった控訴人の合理的意思も検討する必要がある。
 控訴人は、当時も、その後も、被控訴人が、P2の意思とは無関係に昭和41年用紙の発行につき許諾を得たなどとは考えていなかった。これが控訴人の合理的意思であり、被控訴人が無期限かつ無制限に利用できる事態は、被控訴人の代表者であった控訴人の意思に反する。
 したがって、控訴人の意思の合理的解釈からも、P2が被控訴人に対してその事業のために昭和41年用紙の利用を許諾したと認定することはできない。
ウ 黙示による利用許諾契約の成立を認定することができないこと
 原判決は、P2と被控訴人の間に黙示の利用許諾契約が成立したとの認定をしたと解されるが、黙示の利用許諾があったといえるためには、許諾することによって生じる法律上の不利益を負担することが客観的にみても合理性があると考えられるような特別の事情が存在する必要がある。昭和41年用紙の利用を無期限かつ無制限に許諾する意思をP2が有していたとは考えられず、そのような特別の事情はないから、黙示の利用許諾契約の成立は認められない。
エ 利用許諾の範囲について(その1)
 仮に黙示の利用許諾契約が成立したと認められるとしても、被控訴人の事業に必要である限り無期限かつ無制限でよいと解するのは不合理である。一定の範囲の許諾が認められたとしても、P2ないし控訴人の助言や監修を一切受けずに被控訴人が昭和41年用紙の発行を継続できる内容であったとは考えられない。被控訴人からP2に支払われていた監査役報酬は、P2の助言ないし監修の下に昭和41年用紙を発行することの対価としての趣旨を含んでいる。そして、P2の死後は、P2からYG性格検査を託された控訴人の助言・監修を得ること、また、そのために被控訴人において控訴人に最低限度の利益や待遇を保証することが、条件となっていたと解するほかない。
オ 利用許諾の範囲について(その2)
 また、仮にP2が被控訴人に昭和41年用紙の利用を許諾したとしても、その範囲は昭和41年用紙の体裁のままの利用にとどまるから、昭和41年用紙と全く異なる被告各用紙の発行が許諾されたことにはならない。確かに、昭和41年用紙のうち創作性が肯定される質問文とプロフィール表は被告各用紙においても同様のものが複製されているが、許諾に際しては種々の条件が付されることが多く、創作性のある部分さえそのままであれば他の体裁は自由に変更してよいなどという理解は不合理である。
 したがって、仮に利用許諾があったとしても、被控訴人による利用態様はその範囲を逸脱するから、本件著作権侵害の責任を免れない。
第3 当裁判所の判断
1 認定事実
 次のとおり補正するほか、原判決12頁16行目から15頁24行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。
(原判決の補正)
(1)原判決13頁13行目及び14頁3行目の「法人化される前の昭和61年頃」をいずれも「その設立時である平成元年12月」に改める。
(2)原判決13頁16、17行目及び14頁6、7行目の「継続している」の次にいずれも「(これは、法人化される前の日本心理テスト研究所が昭和61年頃に始めた事業を被控訴人が引き継いだものである。)」を加える。
(3)原判決14頁10行目の「他の著作権者3名を代表して」を「P2を含む著作権者4名の代表者として」に改める。
2 争点1(本件著作権の帰属)について
(1)当裁判所も、本件著作権は、著作者であるP2に帰属していたところ、P2の死亡により控訴人及び本件各相続人が法定相続分に従ってこれを共同相続したと認定する。その理由は、後記(2)のとおり当審における被控訴人の主張に対する判断を加えるほか、原判決15頁25行目から17頁13行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。
 ただし、原判決16頁5行目の「その全部」を「その全部を被控訴人に遺贈し、」に改める。
(2)当審における被控訴人の主張に対する判断
 証拠(乙8)によれば、被控訴人が発行した本件回答方法説明用紙のうち平成5年以降のものには、「発行所日本心理テスト研究所(株)」の下に「(C)日本心理テスト研究所(株)〔不許複製〕」と付記されていることが認められ、平成13年9月に死亡するまで、P2がこれに対して異議を述べたことは窺われないから、P2はこの付記を容認していたと認められる。しかし、P2は被控訴人に対し昭和41年用紙の利用を許諾しており、しかも、当時の被控訴人代表者であった控訴人とは親子であり、その関係も良好であったと窺われる。このような関係性の下では、昭和41年用紙の著作権者であるP2が上記のような付記を容認することは、たとえその著作権(本件著作権)を被控訴人に譲渡する意思がなかったとしても、不自然とはいえない。上記の付記を容認していたという事実があったからといって、P2が将来、本件著作権を被控訴人に承継させる意思を有していたと推認することはできない。
 本公正証書遺言及び本件自筆証書遺言の解釈は、前記のとおり補正した上で引用した原判決16頁3行目から17頁13行目までにおいて説示されているとおりである。P2は、本件著作権とその他の著作権との区別、著作権と著作物あるいは印税債権との区別を理解した上で、本公正証書遺言及び本件自筆証書遺言をしたと考えるのが合理的である。そして、本件著作権をめぐっては、昭和41年用紙についてP2と被控訴人の間で本件利用許諾契約が成立していることから、P2の死後はこれに基づいて法律関係が規律されることになると考えて、あえて本件公正証書遺言及び本件自筆証書遺言に本件著作権についての定めを置かなかったと解することができる。
 したがって、本件著作権は、本件公正証書遺言又は本件自筆証書遺言によってその帰属が定められたと認めることはできず、その相続人である控訴人及び本件各相続人が共同相続したと認められる。
3 争点2(昭和41年用紙の利用に係るP2の被控訴人に対する許諾の有無等)について
(1)当裁判所も、P2は、被控訴人設立の当初、被控訴人に対し、被控訴人がYG性格検査に関する事業を行うために昭和41年用紙を利用する必要がある期間において、その事業のための利用といえる範囲で、その利用を無償で許諾した(本件利用許諾契約が成立した)と認定する。その理由は、次のとおり補正し、後記(2)のとおり当審における控訴人の主張に対する判断を加えるほか、原判決17頁14行目から20頁26行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。
 そして、前記第2の2で引用した原判決(第2の2(7))に記載のとおり、被告各用紙は、昭和41年用紙を複製したものということができる(甲1、乙5の1・2、乙8の1〜8の7、乙9の1〜9の5)。したがって、本件利用許諾契約をもって、昭和41年用紙の利用を許諾したことにより、被控訴人は、被告各用紙の発行、販売、頒布をすることができる。
(原判決の補正)
ア 原判決17頁18行目の「検査用紙を」を「検査用紙の」に改める。
イ 原判決18頁4行目の「被告の事業」を「その事業」に改める。
ウ 原判決18頁11行目の「被告が」を「法人化前は事業主である控訴人に対し、法人化後は被控訴人に対し、」に改める。
エ 原判決18頁19行目の「本件回答説明用紙」を「本件回答方法説明用紙」に改める。
オ 原判決19頁1、2行目の「被告が当該契約の当事者ではないことを措くとしても」を「P2はコンピュータ判定専用である本件回答方法説明用紙及び本件判定用紙と本件竹井用紙とを区別していたと考えられる上」に改める。
カ 原判決19頁4行目の「本件利用許諾契約」から5行目末尾までを「本件出版販売契約の内容は、既に成立していた本件利用許諾契約の内容に抵触するとはいえない。」に改める。
キ 原判決20頁14行目の「認めない」の次に「意思」を加える。
(2)当審における控訴人の主張に対する判断
ア 控訴人は、昭和41年用紙の利用については、P2の生前はP2による助言・監修(以下「助言等」という。)が、その死後は控訴人による助言等が不可欠であり、これらの助言等を内容としない利用許諾契約がP2と被控訴人の間で成立することはないと主張する。
 しかし、P2はYG性格検査の権威であり、昭和41年用紙を創作したその人であるから、P2の生前、YG性格検査に関する事業を行う被控訴人がP2の助言等を聞き入れないという事態は想定することができないものであった。したがって、P2の助言等をあえて本件利用許諾契約の内容にする必要があったとは認められない。また、本件利用許諾契約が成立した平成元年12月当時、P2が自分の死後のことを具体的に想定して利用許諾をしたと認めるべき事情も存在しないから、P2の死後の控訴人の役割が本件利用許諾契約の内容になっていたとも認められない。
 確かに、P2は、平成13年に作成した本件自筆証書遺言の7条において、YG性格検査の開発、普及、研究に20年以上携わってきた控訴人が今後もYG性格検査の改良に努めてくれることを希望すると記すなどしているから、P2の死後も控訴人がYG性格検査に関わることを望んでいたと認められる。しかし、P2の生前、被控訴人の代表者は控訴人であったのであるから、P2の死後における控訴人の助言等を本件利用許諾契約の内容にする必要があったのであれば、両者の協議によっていつでもそうすることができたはずである。そのような協議が行われておらず、文書化もされていない以上、控訴人の助言等が本件利用許諾契約の内容になっているとは認められない。
イ 控訴人は、原審の認定した本件利用許諾契約の内容について、P2が被控訴人に対し昭和41年用紙の利用を無期限かつ無制限に許諾するものであるとした上で、その認定を批判している(前記第2の5(2)イ、エ)。
 しかし、前記のとおり補正した上で引用した原判決17頁16行目から19頁5行目までにおいて説示されているとおり、本件利用許諾契約は、被控訴人がYG性格検査に関する事業を行うために昭和41年用紙を利用する必要がある期間において、その事業のための利用といえる範囲で、その利用を許諾するというものであって、期間においても範囲においても限定が付いており、無期限でも無制限でもない。
ウ 控訴人は、本件利用許諾契約が黙示の契約であるならば、その合理性を基礎付ける特別の事情が必要であるが、そのような特別の事情はないとも主張する。
 確かに、本件利用許諾契約について、P2と被控訴人の間で契約書等の書面は取り交わされていない。しかし、被控訴人の設立前、控訴人が事業主であった当時の日本心理テスト研究所の事業にとっても、昭和41年用紙を自由に使用する必要があり、現に使用していたのであって、これを法人化して被控訴人を設立したのは当該事業を拡充強化するためであったと認められるから、被控訴人はその事業のために昭和41年用紙を使用することが不可欠であった。被控訴人の設立に当たり、P2と被控訴人とが本件利用許諾契約を締結することは、被控訴人の設立当時の代表者であった控訴人とP2との間で当然の前提になっていたというべきである。したがって、控訴人とP2との間で明確に文書化されることがなかったとしても、被控訴人の設立に当たって本件利用許諾契約が成立したと認定することができる。
エ 控訴人は、本件利用許諾契約における許諾の範囲は、昭和41年用紙をその体裁のまま利用することに限られており、体裁が異なるものを被控訴人が利用することは許されないと主張する。
 しかし、前記のとおり補正した上で引用した原判決13頁12行目から14頁9行目までにおいて説示されているとおり、本件回答方法説明用紙及び本件判定用紙は、被控訴人設立以来、P2の生前から、質問文の配列及びプロフィール表の構成という昭和41年用紙の創作的部分を複製しながらも、変更を重ねている(前記(1)参照)。被控訴人はこのように変更を重ねつつ、本件回答方法説明用紙及び本件判定用紙を利用してYG性格検査に関する事業を遂行しているのであり、この経緯に照らし、本件利用許諾契約において控訴人の主張するような利用範囲の限定があったとは認められない。
オ したがって、本件利用許諾契約の成立、内容を否定する控訴人の主張は、いずれも採用することができない。
4 結論
 以上によれば、争点3以下について判断するまでもなく控訴人の請求は理由がなく、これをいずれも棄却した原判決は相当である。よって、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、主文のとおり判決する。

大阪高等裁判所第8民事部
 裁判長裁判官 山田陽三
 裁判官 倉地康弘
 裁判官 池町知佐子
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