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【事件名】ブライダルビデオの著作権侵害事件(2)
【年月日】令和元年11月7日
 大阪高裁 令和元年(ネ)第1187号 著作権侵害差止等請求控訴事件
 (原審・大阪地裁平成30年(ワ)第2082号)
 (口頭弁論終結日 令和元年8月27日)

判決
控訴人(一審原告) P1
被控訴人(一審被告) 株式会社Bee
同訴訟代理人弁護士 佐藤進


主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴人の当審における追加請求をいずれも棄却する。
3 当審における訴訟費用は、控訴人の負担とする。

事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決中被控訴人に関する部分を取り消す。
2 被控訴人は、別紙被控訴人ビデオコンテンツ目録記載の著作物を複製し、頒布してはならない。
3 被控訴人は、別紙被控訴人ビデオコンテンツ目録記載の著作物を廃棄せよ。
4 被控訴人は、控訴人に対し、200万円を支払え。
5 訴訟費用中当審において生じた部分及び原審において控訴人と被控訴人との間に生じた部分は、すべて被控訴人の負担とする。
6 仮執行宣言
第2 事案の概要
 以下で使用する略称は、特に断らない限り、原判決の例による。
1 前提事実(争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実。書証については特に明示しない限り枝番を含む。)
(1)当事者
ア 控訴人は、「●(省略)●」の屋号で映像制作等を業として営む者である(甲1〜3、24)。
イ 被控訴人は、映像企画制作及び映像演出並びにブライダル等プロデュース等を業とする会社である(甲4)。
 エフ・ジェイホテルズ(元ジー・エイチ福岡株式会社)は、福岡市において本件ホテル(グランドハイアット福岡)を経営している。
 被控訴人は、平成20年12月8日、エフ・ジェイホテルズから、本件ホテルで開催される婚礼等のビデオ撮影等について業務委託を受け(甲9)、遅くとも平成26年11月29日以降、本件ホテルで開催される挙式及び披露宴のビデオ撮影を控訴人に委託してきた。
(2)挙式及び披露宴のビデオ撮影及び編集等
ア 控訴人は、平成26年11月29日に本件ホテルで開催された原審被告P2及び同P3の挙式及び披露宴、並びに平成27年4月18日に本件ホテルで開催された原審被告P4及び同P5の挙式及び披露宴(以下、これらの原審被告4名を「原審被告P2ら」という。)について、被控訴人の委託に基づきビデオ撮影し、撮影した映像のデータ(原告撮影ビデオ:原判決別紙被告らビデオコンテンツ目録記載3のうち「原告が被告ビーに寄託した被告P2及び被告P4に関する撮影著作物」がこれに当たり、別紙被控訴人ビデオコンテンツ目録記載3がこれに当たる。)を被控訴人に納品した。
イ 被控訴人は、控訴人から納品された映像のデータ(原告撮影ビデオ)を編集するなどして、原判決別紙被告らビデオコンテンツ目録記載1及び2の「記録ビデオ」(本件記録ビデオ。原告撮影ビデオと併せて「本件ビデオ」という。)として完成させて、エフ・ジェイホテルズの委託の下、原審被告P2らに対してそれぞれの記録ビデオの複製物を納品した。
2 控訴人の請求と訴訟の経過
 控訴人は、自己が原判決別紙被告らビデオコンテンツ目録記載の著作物について著作権及び著作者人格権を有しているとした上で、被控訴人及び原審被告P2らがこれを複製、頒布するおそれがあると主張して、被控訴人及び原審被告P2らに対し、著作権(複製権、頒布権)及び著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権、公表権)に基づき、@同目録記載の著作物の複製、頒布の差止め(著作権法112条1項)、A同目録記載の著作物の廃棄(同条2項)を求めていた。
 原審は、控訴人の請求をいずれも棄却した。
 控訴人は、原判決中被控訴人に関する部分を不服として、本件控訴を提起した(原審被告P2らに関する部分は確定した。)。控訴人は、当審において、著作物の複製、頒布の差止請求、著作物の廃棄請求の対象を別紙被控訴人ビデオコンテンツ目録記載の著作物とする(原判決別紙被告らビデオコンテンツ目録記載2について、平成27年4月18日に行われたP4及びP5の挙式及び披露宴のために制作された「オープニングムービー」、「プロフィールムービー」を追加し、同目録記載3について、「収録された管理著作物」を削除している。)とともに、不法行為(著作権侵害、著作者人格権侵害)に基づく損害賠償請求(慰謝料200万円)を追加した。
3 争点(当審追加請求に関するものを除く。以下同じ。)
(1)著作権侵害関係
ア 控訴人が本件ビデオの著作権を有するか
(ア)控訴人は、被控訴人に対し、原告撮影ビデオの著作権を譲渡したか(争点1)
(イ)被控訴人は、著作権法29条1項により本件ビデオの著作権を取得したか(争点2)
イ 被控訴人による本件ビデオの複製について控訴人が許諾したか(争点3)
ウ 被控訴人及び原審被告P2らが本件ビデオを複製、頒布するおそれがあるか(争点4)
(2)著作者人格権侵害関係
 著作者人格権侵害のおそれの有無(争点5)
4 争点に関する当事者の主張
 当審における控訴人の主張を後記5に加えるほか、原判決「事実及び理由」第3の1から5まで(原判決3頁23行目から7頁21行目まで。ただし、原判決6頁22行目から26行目まで及び7頁9行目から12行目までを除く。)に記載のとおりであるから、これを引用する。
5 当審における控訴人の主張
(1)争点2(被控訴人は、著作権法29条1項により本件ビデオの著作権を取得したか)について
 原告撮影ビデオの「映画製作者」は控訴人であり、被控訴人ではない。したがって、被控訴人は、著作権法29条1項により本件ビデオの著作権を取得していない。
ア 被控訴人は、映画の著作物を製作する意思を有していないこと
 被控訴人は、ビデオの内容を最終的に決定していない。控訴人が、新郎新婦や関係者と打合せをして、当日の事情を踏まえ、映画の著作物を製作している。すべての裁量は控訴人にあった。
 また、控訴人は、原告撮影ビデオについて、最終的なプログラムの脚本を書いた上で、製作を行った。映画の著作物の製作は、思い付きで行うものではなく、全ての段取りは脚本に集約されている。
イ 被控訴人は、映画の著作物の製作に関する法律上の権利義務が帰属する主体となる者とはいえないこと
 エフ・ジェイホテルズと被控訴人との委託契約は、あくまでも当事者間における契約にすぎず、最終的な納品義務が被控訴人にあることを意味するにすぎない。したがって、著作権法上の「映画製作者」の認定において特段意味を有する事実とはいえない。
ウ 被控訴人は、映画の著作物の製作に関する経済的な収入・支出の主体となる者とはいえないこと
 控訴人は、映画の著作物の製作の目的を達成するために、必要な設備投資を行い、またそれら機材を購入して保有し、それらを利用して映画の著作物を製作した。したがって、経済的な収入・支出の主体は控訴人というべきである。
エ 音楽著作権料に関する支払の状況も勘案すべきであること
 著作権法2条1項10号の「発意と責任を有する者」とは、法律(著作権法等)や契約を守って映画を製作する者に限られるというべきであるところ、本件では、被控訴人は、音楽著作権料に関する契約上の義務を果たしていない。
 したがって、被控訴人は「発意と責任を有する者」に当たらない。
(2)当審追加請求(損害賠償請求)について
ア 被控訴人が本件記録ビデオを作成し、そのデータをDVDに記録した行為は控訴人の著作権(複製権及び翻案権)を侵害するとともに、控訴人の著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権、公表権)を侵害する。
イ 被控訴人の上記行為は不法行為を構成する。控訴人の受けた財産的損害及び精神的損害の額は、200万円を下らない。
第3 当裁判所の判断
1 認定事実
 次のとおり補正するほか、原判決「事実及び理由」第4の1(原判決7頁23行目から10頁1行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する(以下、上記引用にかかる認定事実を「認定事実(1)」などという。)。
(1)原判決8頁8行目の「新郎新婦の依頼により」を「新郎新婦の依頼がある場合は」に改める。
(2)原判決8頁9、10行目の「エンドロール」を「エンドロール(当日の挙式及び披露宴の映像をダイジェストにまとめたもの)」に改める。
(3)原判決9頁25行目の「行使する」を「構成する」に改める。
(4)原判決10頁1行目末尾の次に、改行の上、次のとおり加える。
 「(8)控訴人は、平成29年6月30日から同年9月26日までの間、日本音楽著作権協会に対し、少なくとも、合計96万9092円を支払った(甲86)。」
2 被控訴人ビデオコンテンツ目録記載の著作物のうち、本件ビデオ(原告撮影ビデオ及び本件記録ビデオ)を除くものの著作権の帰属について
(1)被控訴人ビデオコンテンツ目録記載1及び2の著作物について
 上記著作物のうち本件記録ビデオを除いた「オープニングムービー」、「プロフィールビデオ」、「フォトムービー」及び「エンドロール」は、前記1で引用した原判決「事実及び理由」第4の1(2)に記載のとおり、新郎新婦の依頼があった場合に、控訴人が撮影するビデオとは別に、被控訴人が製作し、披露宴で上映されるのであり、控訴人は、その作業に関与していない(甲26)。
 したがって、原審被告P2及び同P3の挙式及び披露宴に際して「フォトムービー」及び「エンドロール」が製作されことが認められるものの、控訴人はその著作者ではなく、著作権及び著作者人格権を有するものではない。
 同様に、原審被告P4及び同P5の挙式及び披露宴に際して「オープニングムービー」、「プロフィールムービー」、「エンドロール」が製作されたとしても、控訴人は著作者ではなく、著作権及び著作者人格権を有するものではない(なお、原審被告P4及び同P5に係る「映像お申込み書」においては、「映像商品」欄は「当日エンディングムービー」の部分だけ○が記入され、それ以外は空欄となっていること(文書提出命令申立てに係る疎甲1)からすると、「オープニングムービー」及び「プロフィールムービー」は製作されていないことがうかがわれる。)。
(2)被控訴人ビデオコンテンツ目録記載3の著作物について
 上記著作物は、原告撮影ビデオをいうものであり、それ以外のものは含まれない。原告撮影ビデオについての著作権の帰属については、本件記録ビデオについての著作権の帰属とともに、後記3において、改めて検討する。
3 争点2(被控訴人は著作権法29条1項により本件ビデオの著作権を取得したか)について
(1)本件記録ビデオについて
 当裁判所も、本件記録ビデオは、映画の著作物であるところ、その製作に発意と責任を有する者は被控訴人であって、被控訴人が「映画製作者」に当たるところ、控訴人は被控訴人に対して本件記録ビデオの製作に参加することを約束したということができるので、著作権法29条1項により本件記録ビデオの著作権は被控訴人に帰属し、控訴人は著作権を有しないと判断する。その理由は、次のとおり補正するほか、原判決「事実及び理由」第4の3(原判決10頁23行目から13頁9行目まで)に記載のとおりであるから、これを引用する。
(原判決の補正)
ア 原判決11頁6行目の「認められるから、」から9行目末尾までを「認められる。」に改める。
イ 原判決11頁25行目の「納品する」の次に「法律上の」を加える。
ウ 原判決12頁6行目から7行目の「編集も行っているから」を「編集を行う場合もあったのであるから」に改める。
エ 原判決12頁12行目から13行目の「支払をしていないが」を「支払をしておらず、むしろ控訴人が合計96万9092円を支払っているが」に改める。
(2)原告撮影ビデオについて
 前記認定のとおり、控訴人は、被控訴人から委託を受けて原審被告P2らの各挙式及び披露宴のビデオ撮影を行い(認定事実(4))、控訴人はそれを記録した媒体を被控訴人に納品した。控訴人が行った上記ビデオ撮影は、被控訴人からの委託に基づき、本件記録ビデオ制作のためだけに行ったもので、それ以外の用途は予定されておらず、控訴人は、被控訴人による本件記録ビデオの製作に参加することを約束して上記撮影を行ったとみることができる。
 その後、被控訴人は、原告撮影ビデオを編集して本件記録ビデオを完成させ、DVDに記録したものを新郎新婦に納品するに至っている(認定事実(5))。
 そうすると、本件記録ビデオのみならず、原告撮影ビデオの著作権も、著作権法29条1項により被控訴人に帰属し、控訴人は著作権を有しないものと解するのが相当である。
(3)当審における控訴人の主張(1)について
ア 前記(1)のとおり、本件では、婚礼ビデオを適切に製作し、納品する法律上の義務は被控訴人が負っていたこと、製作するビデオの内容を最終的に決定していたのは被控訴人であったこと、被控訴人は撮影料と交通費を控訴人に支払い、それ以外の製作費用も負担し、経済的な収入・支出の主体となっていることからすると、被控訴人が「映画製作者」に当たるというべきである。
イ これに対し、控訴人は、ビデオ撮影に当たっては裁量を有しており、これに先立ち脚本も書いていた旨主張する(前記第2の5(1)ア)。
 しかし、控訴人がビデオ撮影に当たって裁量を有し、また、これに先立ち自ら脚本を書き、これに沿った進行がなされたとしても、被控訴人が映画の著作物を製作する意思を有していたことが直ちに否定されるわけではない。控訴人の上記主張は、控訴人が原告撮影ビデオの著作者であることを基礎付けるものにとどまるというべきであり、前記判断を左右するものではない。
ウ また、控訴人は、エフ・ジェイホテルズと被控訴人との委託契約は「映画製作者」の認定において重要でないと主張する(前記第2の5(1)イ)。
 しかし、被控訴人は、エフ・ジェイホテルズとの委託契約のもとで新郎新婦からビデオ製作の申込みを受け、最終的に新郎新婦に本件記録ビデオのDVDを納品しているのであり、他方で、控訴人は、エフ・ジェイホテルズとも新郎新婦とも直接の契約関係に立たないのであるから、被控訴人が著作物の製作に関する法律上の権利義務が帰属する主体であることは明らかである。控訴人の上記主張は失当というべきである。
エ さらに、控訴人は、必要な設備投資を行うなどしているので、経済的な収入・支出の主体は控訴人であると主張する(前記第2の5(1)ウ)。
 なるほど、控訴人は、映像製作等を業として営む者であって、個々の撮影に先立ち、相応の設備投資を行っていると考えられる。しかし、上記設備投資は、本件記録ビデオの制作のためだけの支出とはいえず、また、被控訴人から受け取るのは、撮影料(1件3万円)と交通費に過ぎない。これに対し、被控訴人は上記撮影料と交通費を含む経費を負担する一方、新郎新婦から本件記録ビデオの代金を受け取っているのであるから、本件記録ビデオについて、収入・支出の主体は被控訴人というべきであり、控訴人の上記主張は採用することができない。
オ なお、控訴人は、被控訴人は音楽著作権料の支払を怠っているので、「映画製作者」には当たらないとも主張する(前記第2の5(1)エ)。
 しかし、音楽著作権料については、別途、権利者である日本音楽著作権協会等との間で解決されるべき事柄である(なお、日本音楽著作権協会等が被控訴人に対して金員の支払を請求し、訴訟を提起したことを認めるに足りる証拠はない。)。控訴人の上記主張は、前記判断を左右するものではない。
4 争点5(著作者人格権侵害のおそれの有無)について
(1)同一性保持権について
 原告撮影ビデオについては、認定事実(1)、(3)及び(5)からすると、控訴人は、被控訴人がこれを適宜編集することを承諾していたと認められるから、本件記録ビデオは控訴人の同一性保持権を侵害して製作されたものではない(なお、控訴人は、上記承諾は、被控訴人が音楽著作権料の不払をしないことが前提であった旨主張するが、音楽著作権料の問題は、別途、日本音楽著作権協会等との間で解決されるべき事柄であって、上記判断を左右するものではない。)。また、本件記録ビデオについても、それが完成した後に、控訴人の意に反する改変がされたことを認めるに足りる証拠はなく、今後そのようなおそれがあることを認めるに足りる証拠もない。
 したがって、仮に被控訴人が本件記録ビデオを複製、頒布するとしても、意に反する改変を行うことにはならないから、同一性保持権の侵害は生じない。
(2)氏名表示権について
 氏名表示権は、著作物の「原作品」に、又は「その著作物の公衆への提供若しくは提示に際し」、又は「その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際して」、著作者名を表示し又は表示しないこととする権利である(著作権法19条)ところ、控訴人は、本件記録ビデオが控訴人の氏名を表示しないままで複製され、頒布されることが氏名表示権の侵害に当たると主張しているものと解される。
 しかし、被控訴人が、本件記録ビデオの製作を依頼した新郎新婦以外のために、本件記録ビデオを新たに複製し、頒布した事実を認める証拠はなく、将来、そのようなことをするとは考え難い。
 また、著作物又は二次的著作物の「公衆への提供又は提示」とは、特定多数の者に提供又は提示することも含む(著作権法2条5項)が、上述のとおり、本件記録ビデオが顧客である新郎新婦の挙式及び披露宴の様子を収録したものであることからすると、被控訴人が特定多数の者に対して本件記録ビデオを複製し、頒布するおそれがあるとは認められない。
 したがって、被控訴人が控訴人の氏名表示権を侵害するおそれがあるとは認められない。
(3)公表権について
 上記(2)で指摘した点に照らせば、被控訴人が、本件記録ビデオを公表(著作権法4条、3条)した事実を認める証拠はなく、将来、そのようなことをするとは考えがたい。したがって、被控訴人が控訴人の公表権を侵害するおそれがあるとは認められない。
(4)まとめ
 以上のとおりで、被控訴人が控訴人の著作者人格権を侵害するおそれがあるとは認められない。
5 当審における控訴人の主張(2)(当審追加請求)について
(1)著作権(複製権及び翻案権)侵害に基づく請求について
 前記3に説示したとおり、控訴人は、本件記録ビデオについても原告撮影ビデオについても著作権を有していない。したがって、控訴人の著作権(複製権及び翻案権)侵害に基づく請求は、前提を欠く。
(2)著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権、公表権)侵害に基づく請求について
 前記4(1)において説示のとおり、原告撮影ビデオについても、本件記録ビデオについても、控訴人の意に反する改変がされたということはできない。
 また、被控訴人が控訴人の氏名表示権や公表権を侵害したことを認めるに足りる証拠はない。
第4 結論
 以上によれば、控訴人の被控訴人に対する請求は、その余の点を判断するまでもなく理由がないからいずれも棄却すべきところ、これと同旨の原判決は相当であるから、本件控訴を棄却するとともに、当審追加請求をいずれも棄却することとし、主文のとおり判決する。

大阪高等裁判所第8民事部
 裁判長裁判官 山田陽三
 裁判官 倉地康弘
 裁判官 三井教匡


(別紙)被控訴人ビデオコンテンツ目録
1 平成26年11月29日に行われたP2及びP3の挙式・披露宴のために制作された、「フォトムービー」、「エンドロール」、「記録ビデオ」ビデオグラム
2 平成27年4月18日に行われたP4及びP5の挙式・披露宴のために制作された、「オープニングムービー」、「プロフィールムービー」、「エンドロール」、「記録ビデオ」ビデオグラム
3 控訴人が被控訴人に寄託したP2・P3及びP4・P5に関する映画の著作物
 以上
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