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【事件名】営業チラシの著作物性事件(2)
【年月日】令和元年7月25日
 大阪高裁 平成31年(ネ)第500号 損害賠償請求控訴事件
 (原審・大阪地裁平成29年(ワ)第6322号)
 (口頭弁論終結日 令和元年5月21日)

判決
控訴人(一審原告) SNY株式会社
同訴訟代理人弁護士 明石法彦
同 藤村慎也
被控訴人(一審被告) 有限会社ローテックジャパン
同訴訟代理人弁護士 村川昌弘
同 村川真理


主文
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。

事実及び理由
第1 控訴の趣旨
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人は、控訴人に対し、920万4092円並びにうち370万4092円に対する平成29年8月18日から支払済みまで年5分の割合の金員及びうち550万円に対する同日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。
3 訴訟費用は第1、2審とも被控訴人の負担とする。
第2 事案の概要
1 控訴人の請求及び訴訟の経過
 本件は、いずれもコンタクトレンズ販売店の経営等を行う会社である控訴人と被控訴人の間の損害賠償請求の事案である。
 控訴人は、被控訴人に対し、@被控訴人の頒布しているチラシが控訴人の著作権(複製権及び翻案権)及び著作者人格権(同一性保持権及び氏名表示権)を侵害しているとして不法行為に基づき損害金178万2000円及びこれに対する不法行為の後であるとする平成29年8月18日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求め、A被控訴人が控訴人の従業員を違法に引き抜いたとして不法行為に基づき損害金192万2092円及びこれに対する上記@と同様の遅延損害金の支払を求め、B被控訴人は控訴人との間のフランチャイズ契約又は信義則に基づき競業避止義務を負っているにもかかわらず、これに違反して控訴人の販売店の隣に販売店を設けて顧客を自店に誘導するなどしたので、債務不履行又は不法行為が成立し、競業避止義務を負わないとしても自由競争を逸脱する違法な競業行為による不法行為が成立するとして損害金550万円(ただし、損害の一部であるとする。)及びこれに対する請求の日の翌日である上記@と同じ日から支払済みまで商事法定利率年6分(不法行為に基づく場合は民法所定の年5分)の割合による遅延損害金の支払を求めている。
 原審が控訴人の請求をいずれも棄却したため控訴人が控訴し、当審において上記@について請求原因を追加し、当該チラシの頒布による不法行為の保護法益は、著作権及び著作者人格権にとどまらず、控訴人の営業上保護された法的な利益一般でもあると主張した。
2 前提事実
 原判決2頁15行目から5頁18行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり補正する。
(原判決の補正)
(1)原判決2頁24行目の「P1が」の次に「同日」を加える。
(2)原判決3頁3行目の「医師」の前に「眼科の」を加える。
(3)原判決3頁12行目の「併設され」から13行目の末尾までを「併設されており(甲28)、その後、控訴人が同店の経営を引き継いだ。」に改める。
(4)原判決4頁11行目の「た旨の登記がされ」を削る。
(5)原判決4頁16、17行目の「。甲13の添付資料2参照」を削る。
(6)原判決4頁22行目の「意思表示をし」の次に「、その後、旧大阪駅前店及び旧堺東店の店舗の明渡しを求める仮処分命令を申し立て」を加える。
(7)原判決5頁12行目から18行目までを次のとおりに改める。
 「一方、控訴人は、スマートコンタクト大阪駅前店の販売宣伝のため、原判決別紙「著作物目録」のチラシ(甲1。同別紙の1枚目が表面、2枚目が裏面である。ただし、その著作物性には争いがある。以下「本件チラシ」という。)を作成し、頒布している。本件チラシの内容は、かつて旧大阪駅前店の販売宣伝のために控訴人が株式会社ジョブポート(以下「ジョブポート」という。)に注文して作成されたチラシ(甲2。以下「旧チラシ」という。)の内容とほぼ同一である。旧チラシは、平成27年12月以降は、ジョブポートの従業員であったP2が経営する株式会社アルテ(以下「アルテ」という。)に注文して作成されていた(乙11)。」
3 争点及び当事者の主張
 後記4のとおり当審において追加された争点及びこれについての当事者の主張を加えるほか、原判決5頁19行目から18頁3行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり補正する。
(原判決の補正)
(1)原判決14頁3行目の「引き続き同じ店舗で」を「旧大阪駅前店及び旧堺東店と同じ場所に被控訴人が開設する店舗で引き続き」に改める。
(2)原判決15頁15行目の末尾の次に行を改め、「また、それまで、旧大阪駅前店、旧堺東店及び心斎橋店の運営を被控訴人が控訴人に委託していたという関係があり、長年コンタクトレンズ販売店の経営により培ってきたノウハウを拠出していた控訴人は、旧大阪駅前店開店当初から、自己のコンタクトレンズ販売店の経営と競業する形で被控訴人がコンタクトレンズ販売店の経営を開始することを避けたいと考えており、被控訴人もその要請を拒否する理由はなかったから、被控訴人は、信義則上も、控訴人に対し競業避止義務を負っていた。」を加える。
(3)原判決16頁9、10行目の「債務不履行又は不法行為」を「債務不履行(フランチャイズ契約に基づく競業避止義務違反)又は不法行為(信義則に基づく競業避止義務違反)」に改める。
(4)原判決16頁22、23行目の「合意をしていない」を「合意をしていないし、信義則上競業避止義務を負うこともない」に改める。
(5)原判決18頁3行目の「オープンによるものである」を「オープンによるものに過ぎないし、被控訴人が控訴人に対し競業避止義務を負わない以上、被控訴人が控訴人に対し何らかの損害賠償責任を負う理由はない」に改める。
4 当審において追加された争点及び当事者の主張
(1)追加された争点
 被告チラシの作成、頒布は、控訴人の営業上保護された法的利益を侵害する不法行為に該当するか(争点1−5)
(2)控訴人の主張
 本件チラシが著作物と認められないとしても、本件チラシを複製して作成した被告チラシを頒布することは、控訴人が多大な時間と労力を費やした成果を冒用するものであり、控訴人の営業上保護された法的利益を侵害するものとして不法行為を構成する。
 本件チラシは、旧チラシの作成段階も含めると、控訴人の従業員であったP3が多大な時間(約1年)と労力を費やして作成したものである。被控訴人は、本件チラシのデッドコピーである被告チラシを、スマートコンタクト大阪駅前店(控訴人側経営)に近接した地域であるスマイル大阪駅前店(被控訴人側経営)の周辺で頒布し、集客効果を上げていたことがうかがわれる。これは社会通念上許容される自由競争の範囲を逸脱し、法的保護に値する控訴人の営業上の利益を違法に侵害するものである。
 この不法行為により、控訴人は、著作権及び著作者人格権侵害による損害と同じく、178万2000円の損害を被った。
(3)被控訴人の主張
 控訴人の主張する不法行為の成立を争う。争点1−2において主張したとおり、本件チラシはジョブポートのP2によって作成されており、控訴人は旧チラシ及び本件チラシの作成に多大な時間と労力を費やしてなどいない。
第3 当裁判所の判断
1 争点1−1(本件チラシの著作物性)について
(1)当裁判所も、本件チラシは、著作権法2条1項1号にいう「(思想又は感情を)創作的に表現したもの」という要件を欠くから著作物に該当しないと判断する。その理由は、原判決18頁5行目から22頁1行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり補正する。
(原判決の補正)
ア 原判決19頁15、16行目の「ありふれた表現方法であるし」の次に「(例えば、乙32及び33参照)」を加える。
イ 原判決20頁7行目の「例えば、」の次に「乙34及び35のほか、」を加える。
ウ 原判決21頁14、15行目の「認められないから」を「認められず、組み合わせの具体的方法に特徴があるわけでもないから」に改める。
エ 原判決22頁5行目の末尾の次に行を改め、「なお、旧チラシは本件チラシとほぼ同一の内容であるから、本件チラシが著作物と認められないのと同じ理由で、旧チラシも著作物とは認められない。」を加える。
(2)以上のとおり、本件チラシが著作物とは認められない以上、著作権及び著作者人格権の侵害による不法行為に基づく損害賠償請求は、その余の争点について判断するまでもなく理由がない。
2 争点1−5(本件チラシによる営業上の利益の侵害を理由とする不法行為)について
 控訴人は、本件チラシが著作物と認められないとしても、被告チラシの作成、頒布は控訴人に対する不法行為を構成すると主張する。したがって、ここで控訴人が問題とする被侵害利益は、著作権でも著作者人格権でもない。この不法行為が成立する根拠として、控訴人は、@旧チラシ及び本件チラシは、控訴人の従業員であるP3が試行錯誤と創意工夫を重ねて多大な時間(約1年)と労力を費やして作成したものであり、被告チラシは本件チラシのいわゆるデッドコピーであること、A被告チラシの頒布により被控訴人は相当な集客効果を上げていたとうかがわれることを挙げるので、検討する。
 上記@につき、P3は、別件訴訟(大阪地方裁判所平成28年(ワ)第10854号・平成29年(ワ)第6322号の2)の本人尋問において、おおむね控訴人の主張するとおりの供述をした(甲31)。しかし、完成まで1年もの期間がかかったことについて質問されても、「意外にできないんですよね。」「いや、仕事って、そんなもんですよ。今日より明日、常に改善していくんです。チャレンジしてるんですよ。」「いや、チラシのことばっかり考えてたら、店潰れてますわ。」などと答えるのみで、費やしたという労力の具体的な内容を説明していない(甲31の39・40頁参照)。旧チラシや本件チラシで表現されている思想ないしアイデアは旧大阪駅前店の開店当初から存在したものである上、上記1において引用した原判決に記載されているとおり、本件チラシの表現はいずれもありふれたものであるから、旧チラシ及び本件チラシを完成させるために1年もの期間が必要であったとは考え難く、実際、P3の上記供述のほかにこれを裏付ける証拠はない。多大な時間と労力を費やしたというP3の供述をたやすく信用することはできない。
 上記Aについては、被控訴人が被告チラシをいつ、どこで、どの程度の量頒布したかについては的確な証拠がなく、ただ、平成28年10月からの約3か月の間に5000枚を頒布したとの被控訴人の主張があるのみである(被控訴人原審第2準備書面6頁参照)。被告チラシによる集客効果がどの程度であったのかは明らかになっていないといわざるを得ない。
 以上のとおり、不法行為が成立する根拠として控訴人の主張する点はいずれも事実の裏付けを欠く。ほかに、被告チラシの作成、頒布によって被控訴人が特別な営業上の利益を上げたとか、控訴人が営業上の利益を失ったという事実も認められない。これらの事情によれば、控訴人の主張する不法行為の成立を認めることはできない。
 したがって、この不法行為を理由とする損害賠償請求も、その余の争点について判断するまでもなく理由がない。
3 争点2−1(従業員の引抜きによる不法行為の成否)について
(1)当裁判所も、被控訴人の違法な引抜きにより控訴人の従業員が退職したと認めることはできないと判断する。その理由は、原判決22頁6行目から25頁9行目まで及び25頁14行目から29頁8行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり補正する。
(原判決の補正)
ア 原判決22頁10、11行目の「被告から運営を委託されていた」の次に「(当時、双方から運営委託契約を解除する旨の意思表示がされていた。)」を加える。
イ 原判決23頁2行目の「給与から」から3行目末尾までを「納付していた社会保険料の額は、事業主として本来納付すべき額に満たなかった。」に改める。
ウ 原判決23頁13行目、24頁12行目、25頁1行目及び26頁26行目の「派遣登録し」をいずれも「派遣労働者として雇用され」に改める。
エ 原判決23頁25行目の「被告が」の前に「旧堺東店のあった場所に」を加え、24頁6行目の「被告が」の前に「旧大阪駅前店のあった場所に」を加える。
オ 原判決24頁12行目の「上記ク記載の者ら」の前に「旧大阪駅前店又は旧堺東店に勤務していた」を加える。
カ 原判決25頁7行目の「とらばーゆ」の次に「(求人雑誌)」を加える。
キ 原判決26頁4、5行目の「直接的にうかがわせる」を「直接証明する」に改める。
ク 判決28頁3行目の「そして」から10行目の「主張しているが、」まで及び13行目の「そして」から18行目末尾までを削る。
(2)したがって、被控訴人代表者ないしP4が控訴人の従業員に対し、自ら又は第三者を通じて、控訴人を辞職するよう違法な働きかけを行ったと認めることはできないから、それ以外の点について判断するまでもなく、従業員引抜きによる不法行為は成立しない。この不法行為に基づく損害賠償請求は、その余の争点について判断するまでもなく理由がない。
4 争点3−1(被控訴人は競業避止義務を負い、これに違反し、又は違法な競業行為をしたか)について
(1)競業避止義務に関する合意の有無について
 当裁判所も、被控訴人が控訴人に対して競業避止義務を負うという内容の合意の存在は認められないと判断する。その理由は、原判決29頁13行目から32頁8行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり補正する。
(原判決の補正)
ア 原判決30頁3行目及び9、10行目の「ジョンソン」の次にいずれも「〔当該取引先〕」を加える。
イ 原判決31頁10行目冒頭から10、11行目の「うかがえないものの」までを次のとおりに改める。
 「被控訴人は甲12の被控訴人作成部分の成立を否認し、そこにある被控訴人名義の印影は被控訴人の印章によるものではないと主張するが、P4は、前掲別件訴訟の証人尋問において、その印影が被控訴人の印章によるものであることを当然の前提とする証言をした(乙31の17・18頁参照)。そうすると、当該印影は被控訴人の印章によるものと認められるので、これは被控訴人の意思により顕出されたものと事実上推定され、ひいては、甲12の被控訴人作成部分は真正に成立したものと推定される。P4は、同時に、押印がP1によって無断で行われたことを示唆する証言もしたが、その内容に照らすと、この証言によって上記の推定を覆すまでには至らない。しかし」
ウ 原判決31頁23行目の「もっとも、」を削り、25行目の「されたものであり」から32頁1行目の「しかし」までを次のとおりに改める。「されたものであるが、眼科の検査なしでコンタクトレンズを販売するというビジネスモデルはそれまでの控訴人の販売店とは異なるものであった上に、店舗で働く従業員の雇用も仕入先や顧客との間の取引も専ら控訴人が行っており、被控訴人は主に店舗運営の経費を負担するにとどまっていたのであるから(甲28、30、乙30、31)、加盟店の営業のために本部が統制、指導、援助を行い統一的な方法による事業運営を行わせる一般的なフランチャイズ・システムにおける本部と加盟店との関係とは異質の関係であった。そして」
エ 原判決32頁8行目の末尾の次に「したがって、被控訴人が控訴人に対しフランチャイズ契約に基づき競業避止義務を負っていたとする控訴人の主張を採用することはできない。」を加える。
(2)被控訴人が信義則上競業避止義務を負うかについて
 控訴人は、被控訴人が旧大阪駅前店等の運営を控訴人に委託していたという両者の関係に照らし、被控訴人は控訴人に対し信義則上競業避止義務を負うとも主張する。
 被控訴人が旧大阪駅前店等の運営を控訴人に委託することになったのは、眼科医であるP4が、その経営する会社においてコンタクトレンズ販売店を営もうと考え、当時提携関係にあり、コンタクトレンズ販売店経営の豊富な経験を有するP1に相談したことがきっかけであった(甲28、30、乙30、31)。この時P4は、控訴人への運営委託を通じて販売店経営のノウハウを蓄積し、いずれは独力で販売店経営を行うことを当然想定しており、P1もこれを当然承知していたと認められる。その意味で、控訴人と被控訴人は、いずれもコンタクトレンズ販売店の経営を行う会社として、旧大阪駅前店等の運営委託関係があった当時から競業関係にあったといえる。
 競業者同士が提携関係にある状況においては、提携によって利益を得つつ、一方が他方を出し抜いて自己の営業上の利益のみを追求する行動に出ることは、信義則に反すると評価される場合があり得ると考えられる。そのような場合、信義則上相互に競業避止義務を負うと説明することもできるであろう。しかし、提携関係が解消された後においては、両者とも営業の自由を有するのであるから、競業避止義務について特に合意をしたのでない限り、自由競争の範囲内において自己の営業上の利益を追求して競業することが妨げられることはないのであって、一方が他方に対し信義則上競業避止義務を負うということはできない。
 控訴人と被控訴人は、平成28年6月までには提携関係を解消しており、また、上記(1)において判断したとおり、その間に競業避止義務についての合意があったとは認められない。したがって、その後、被控訴人が控訴人に対し信義則上競業避止義務を負っていたということはできない。
(3)競業避止義務違反を理由とする損害賠償請求について
 上記(1)及び(2)において判断したとおり、被控訴人が控訴人に対して競業避止義務を負うことはないから、競業避止義務に違反したために債務不履行又は不法行為が成立するとする控訴人の主張を採用することはできず、この債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償請求は、その余の争点について判断するまでもなく理由がない。
(4)違法な競業行為による不法行為に基づく損害賠償請求について
ア 当裁判所も、被控訴人が被控訴人の上新庄店を開店したことや、控訴人の上新庄店の周辺で顧客の勧誘行為をしたことについて、控訴人に対する違法な競業行為として不法行為が成立することはないと判断する。その理由は、原判決32頁15行目から35頁24行目までに記載のとおりであるから、これを引用する。ただし、次のとおり補正する。
(原判決の補正)
(ア)原判決33頁7行目の「少なくとも」を「控訴人から依頼を受けた調査会社が調査したところによれば」に改める。
(イ)原判決33頁25行目の「行くべき者」を「行こうとした者」に改める。
(ウ)原判決34頁5行目の「甲13及び17」の次に「(調査会社の調査結果)」を加える。
(エ)原判決35頁7行目の「その前提を欠く」を「理由がない」に改める。
(オ)原判決35頁8行目の「甲27」の次に「(控訴人の上新庄店店長の陳述書)」を加える。
イ 以上のとおり、控訴人の上新庄店の隣に被控訴人が被控訴人の上新庄店を開店したことについても、控訴人の上新庄店の周辺で被控訴人の関係者が顧客の勧誘行為をしていることについても、これを違法な競業行為と評価することはできないから、不法行為は成立しない。この不法行為に基づく控訴人の損害賠償請求も、その余の争点について判断するまでもなく理由がない。
5 結論
 以上のとおり、控訴人の請求はいずれも理由がないから、これをいずれも棄却した原判決は相当である。本件控訴は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。

大阪高等裁判所第8民事部
 裁判長裁判官 山田陽三
 裁判官 倉地康弘
 裁判官 久保井恵子
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