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【事件名】英単語の語呂合わせ事件 【年月日】平成27年11月30日 東京地裁 平成26年(ワ)第22400号 著作権侵害差止等請求事件 (口頭弁論終結日 平成27年8月26日) 判決 原告 A 同訴訟代理人弁護士 大熊裕司 同 大山京 被告 株式会社語学春秋社 同訴訟代理人弁護士 三山裕三 同 小山哲 同 田中慎一 同 津島一登 同 佐原祥太 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は、別紙書籍目録記載1の書籍を複製し、譲渡してはならない。 2 被告は、別紙書籍目録記載1の書籍を廃棄せよ。 3 被告は、原告に対し、129万円及びこれに対する平成26年9月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要等 1 事案の概要 本件は、別紙書籍目録記載2の書籍(以下「原告書籍」という。)の著者である原告が、被告が発行し販売する別紙書籍目録記載1の書籍(以下「被告書籍」という。)に掲載されている複数の英単語の語呂合わせ(特定の英単語の発音に類似した日本語と同英単語の日本語訳とを組み合わせて意味のある語句又は文章としたもの)は、原告が執筆した原告書籍に掲載されている複数の英単語の語呂合わせをいずれも複製又は翻案したものであり、被告が被告書籍を発行し、販売することは、原告が有する上記原告書籍に掲載されている各語呂合わせの著作権(複製権、翻案権)及び著作者人格権(氏名表示権、同一性保持権)を侵害すると主張して、被告に対し、著作権法112条1項、2項に基づき、被告書籍の複製及び譲渡の差止め(前記第1の1)並びに被告書籍の廃棄を求めるとともに(前記第1の2)、被告による被告書籍の平成25年7月16日から平成26年8月28日(本件訴訟の提起日)までの販売につき、不法行為による損害賠償金129万円(著作権である複製権又は翻案権の侵害につき著作権法114条2項により算定されるべき損害〔なお、原告は、訴状において「一部損害額」であるとしている。〕39万円又は同条3項により算定される損害39万円、著作者人格権である氏名表示権及び同一性保持権の侵害による損害〔慰謝料相当額〕50万円、弁護士費用40万円〔原告は、著作権侵害による弁護士費用と著作者人格権侵害による弁護士費用を区別していないが、各被侵害利益につき按分額を主張する趣旨と解される。〕の合計額)及びこれに対する平成26年9月5日(不法行為後の日)から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた(前記第1の3)事案である。 2 前提事実(証拠等を掲記しない事実は、当事者間に争いがない。) (1) 当事者 原告は、英語塾の講師であり、原告書籍の著作者である(甲1)。 被告は、図書等の開発、制作及び販売等を業とする株式会社である。 (2) 原告書籍及び原告語呂合わせ 原告書籍は、原告が執筆し、アクティブ・ブレイン協会が平成23年10月1日に第2版を発行した英単語集であり、2201語の英単語について、その日本語訳を掲載するほか、語源や語呂合わせなど、当該英単語を記憶するための情報を併せて記載している。 原告書籍には、別紙語呂合わせ対照表の「原告書籍」欄各記載の英単語の語呂合わせ(以下、同対照表記載の番号に従い「原告語呂合わせ1」などといい、原告語呂合わせ1ないし同100を併せて単に「原告語呂合わせ」という。)が掲載されている。例えば、原告書籍には、「beard」との英単語を記憶するための語呂合わせとして、「ビヤーッ、どっとはえる( )。」との原告語呂合わせ1が掲載されている(下記画像参照<画像省略>)。 (以上につき、甲1) (3) 被告書籍及び被告語呂合わせ 被告書籍は、B(以下「B」という。)が執筆し、被告が平成25年7月16日に初版を発行した英単語集であり、2000語の英単語について、その日本語訳を掲載するほか、語源や語呂合わせなど、当該英単語を記憶するための情報や当該英単語を用いた例文などを併せて記載している。 被告書籍には、別紙語呂合わせ対照表の「被告書籍」欄各記載の英単語の語呂合わせ(以下、同対照表記載の番号に従い「被告語呂合わせ1」などといい、被告語呂合わせ1ないし同100を併せて単に「被告語呂合わせ」という。)が掲載されている。例えば、被告書籍には、「beard」との英単語を記憶するための語呂合わせとして、「びぃあ〜、どっとあごひげ伸びる」との被告語呂合わせ1が掲載されている(下記画像参照<画像省略>)。 (以上につき、甲2) (4) 被告の行為 被告は、平成25年7月16日に被告書籍を初版発行して以降、現在に至るまで、その販売を継続している。 3 争点 (1) 複製権又は翻案権の侵害は成立するか(争点1) (2) 氏名表示権及び同一性保持権の侵害は成立するか(争点2) (3) 被告に過失があるか(争点3) (4) 損害額(争点4) 4 争点に対する当事者の主張 (1) 争点1(複製権又は翻案権の侵害は成立するか)について 【原告の主張】 ア 原告語呂合わせの具体的表現について 原告語呂合わせは、例えば原告語呂合わせ1についていえば、「ビヤーッ、どっとはえる( )。」などと、括弧付きの空欄部分を含む表現となっているが、原告書籍は、英単語を記憶するための書籍であり、読者は、原告語呂合わせを参照して、括弧付きの空欄部分に当該英単語の日本語訳を読み込んで記憶を行う。原告語呂合わせ1についていえば、「beard」との英単語の日本語訳である「(あご)ひげ」を括弧付きの空欄部分に読み込み、「ビヤーッ、どっとはえる(あご)ひげ。」として記憶する。 したがって、原告語呂合わせの創作性や被告語呂合わせとの類似性を判断するに際しては、対象となった英単語の日本語訳を括弧付きの空欄部分に読み込んだものを原告語呂合わせと把握すべきである。 イ 原告語呂合わせが創作性を有することについて (ア) 総論 語呂合わせは、英単語を記憶しやすくする目的で表現されるもので、短文であったとしても作成者の個性が発揮され得るものである。 また、英単語の語呂合わせは、誰が作成しても同様の表現になるというものではなく、英単語の発音をどの程度変容させるか、助詞をどのように組み合わせるか(組み合わせ次第によっては日本語の文章内に英単語を組み入れることもできる。)、オリジナルの単語(例えば、原告語呂合わせ10の「淫売路面」など)を作成して組み込むかなど、他の者にとって表現の選択の幅は広いから、創作性が肯定されるべきものである。 原告語呂合わせは、いずれも、英単語を記憶しやすくする目的のために作成された、極めて知的な創作活動の成果であって、創作性が認められる。 この点、被告は、英単語の語呂合わせについて、その性格上、@英単語の発音に類似する日本語の語句と当該英単語の日本語訳を組み合わせて語句又は文章としなくてはならないこと、A当該語句や文章は短くなくてはならないこと、B音読したときにリズムがよくなければならないことなど、表現上の厳格な制約に服するなどと主張するが、被告が指摘する@ないしBの要素は、どのようにすれば英単語を効率よく記憶できるかという観点から生み出された語呂合わせの知的創作活動の成果というべきであって、英単語の語呂合わせに、短歌や俳句に見られるような表現上の制約があるわけではない。 (イ) 各論 原告語呂合わせがいずれも創作性を有することは、別紙主張整理表中、「原告の主張」の「創作性」欄に各記載のとおりである。 被告は、原告語呂合わせをそれぞれ名詞や助詞に分解して、各品詞が平凡かつありふれているとか、単語及び文字の羅列にすぎないなどと主張するが、そのような分析手法をとれば、あらゆる文章的表現が平凡かつありふれた表現になってしまうから不当である。前述のとおり、原告語呂合わせは、極めて知的な創作活動の成果であって、単語及び文字の羅列などではない。 ウ 被告語呂合わせは、原告語呂合わせを複製又は翻案したものであること (ア) 別紙主張整理表中、「原告の主張」「類似性」欄に各記載のとおり、被告語呂合わせは、いずれも、原告語呂合わせと強度に類似している。 (イ) 被告書籍を執筆したBは、平成23年10月、原告が講師を務めた「アクティブ・ブレイン全脳記憶英単語セミナー実践編」を受講し、原告書籍の配布を受けており、本件訴訟に先立ち、Bが上記セミナー及び原告書籍を参考に被告書籍を執筆したことを認めている(甲3ないし5)。したがって、Bが、原告語呂合わせに依拠して、被告語呂合わせを作成したことは明らかである。 (ウ) したがって、被告語呂合わせは、原告語呂合わせを複製又は翻案したものといえ、被告は、被告語呂合わせの掲載された被告書籍を発行し、販売することにより、原告が有する原告語呂合わせの著作権(複製権又は翻案権)を侵害している。 【被告の主張】 ア 原告語呂合わせの具体的表現について 著作物の創作性の判断に際して検討の対象とすべきは具体的表現であるが、原告語呂合わせは、いずれも、対象となる英単語の日本語訳部分に「( )」と表現されているから、当該「( )」を含む語呂合わせを具体的表現として検討の対象とすべきであり、当該括弧付きの空欄部分に対象英単語の日本語訳を読み込んだものを創作性判断の対象とすべきではない。 原告は、原告書籍の読者が括弧付きの空欄部分に日本語訳を読み込んで英単語の記憶をすることを理由に、創作性の判断対象となる原告語呂合わせの具体的表現は、括弧付きの空欄部分に日本語訳を読み込んだものとすべき旨主張するが、読者の記憶の便宜上括弧付きの空欄部分を設けたというのであれば、なおさら「( )」を含むものが原告語呂合わせの具体的表現というべきである。なお、英単語は、一つの単語が複数の日本語訳を持つことが通常であるから、原告が主張するように括弧付きの空欄部分に日本語訳を読み込むとすると、当該空欄部分に読み込むべき日本語訳が一義的に明らかではなく、創作性の有無の検討ができないこととなる。 もっとも、仮に、当該括弧付きの空欄部分に英単語の日本語訳を読み込んだとしても、英単語の日本語訳に原告独自の創作性が認められる余地はないから、後述のとおり、いずれにしても原告語呂合わせに創作性は認められない。 イ 原告語呂合わせには創作性が認められないこと (ア) 総論 a 著作権法は具体的表現を保護し、アイデアを保護するものではないが、具体的な表現であっても、当該表現が極めて短い場合や平凡かつありふれている場合など、誰が表現しても同様の表現になる場合にも著作権法による保護を認めることは、実質的に思想やアイデアの独占を許すことになって不当である。したがって、極めて短い表現や、平凡かつありふれた表現には、創作性が認められないというべきである。 原告語呂合わせは、いずれも極めて短く、また平凡かつありふれているから、創作性は認められない。 b また、特定の表現において表現上の厳格な制約がある場合には、誰が表現しても同様の表現とならざるを得ないから、創作性は認められないというべきである。 英単語の語呂合わせは、その性格上、@英単語の発音に類似する日本語の語句と当該英単語の日本語訳を組み合わせて語句又は文章としなくてはならないこと、A当該語句や文章は短くなくてはならないこと、B音読したときにリズムがよくなければならないことなど、表現上の厳格な制約に服する。このような性質を有する英単語の語呂合わせに安易に創作性を認めて保護するのであれば、他者が英単語の語呂合わせを用いた学習方法を提供することが事実上困難となって不都合であるし、情報の豊富化を目的とする著作権法の趣旨にも反するというべきである。 原告語呂合わせも、やはり英単語の語呂合わせとしての表現上の制約を受け、英単語の発音に類似する日本語の語句と当該英単語の日本語訳に相当する括弧付きの空欄を組み合わせ、最大で十数字(括弧付きの空欄部分は字数に含まない。)程度の極めて短い語句又は文章となっているところ、その表現形式は限定されており、全く異なる言葉や言い回しで表現することは困難であるから、原告語呂合わせに創作性は認められないし、認めるべきではない。 c なお、原告は、原告語呂合わせが、ストーリー、リズム等の点において、学習者において効率よく英単語を記憶する目的にかなう優れたものであって、このことをもって原告語呂合わせの創作性を肯定すべきかのような主張をするが、創作性は、表現の幅の広狭によって決せられるべきであり、英単語を効率よく記憶できるかという点を基準に判断されるべきものではない。原告は、原告語呂合わせを作成する際に用いたアイデアの独自性を主張しているにすぎない。 (イ) 各論 原告語呂合わせについて、いずれも創作性が認められないことは、別紙主張整理表中、「被告の主張」の「創作性」欄に各記載のとおりである。 また、原告語呂合わせがありふれた表現であることは、別紙類書比較表に各記載のとおり、他の英単語集において、原告語呂合わせと類似した英単語の語呂合わせが収録されていることからも明らかである。 ウ 被告語呂合わせは、原告語呂合わせを複製したものではないこと 仮に、原告語呂合わせに何らかの創作性が認められたとしても、被疑侵害物の具体的表現が、著作物との比較において、単に事実のみを抽出してこれを再製した場合や、アイデア又は表現上の創作性が認められない部分において同一性又は類似性を有するにすぎない場合には、いずれも複製権の侵害に当たらない。 そして、原告語呂合わせと被告語呂合わせとをそれぞれ比較すると、別紙主張整理表中、「被告の主張」の「類似性」欄に各記載のとおり、両者は、いずれも、表現ではない部分又は表現上の創作性が認められない部分において共通しているにすぎないから、被告語呂合わせは、原告語呂合わせを複製したものではない。 なお、上記(2)のとおり、原告語呂合わせは、英単語の語呂合わせとしての表現上の制約を受け、ごく短い上に平凡かつありふれた表現であることからすれば、仮に何らかの創作性が認められたとしても、その保護範囲は極めて狭小とされるべきであるから、類似性の検討は厳格に行われるべきである。 エ 被告語呂合わせは、原告語呂合わせを翻案したものではないこと 原告は、被告語呂合わせが原告語呂合わせを翻案したものであるとの主張もするが、原告語呂合わせの表現上の本質的な特徴がいかなる部分であるか、被告語呂合わせにおいていかなる創作的表現が付加されたのかなどを具体的に主張しないから、失当である。 オ 依拠性について Bが、被告書籍を執筆するに際し、原告書籍を参考にしたかは知らない。 (2) 争点2(氏名表示権及び同一性保持権の侵害は成立するか)について 【原告の主張】 ア 氏名表示権侵害について 被告が、被告書籍の販売に際して、被告語呂合わせの著作者として原告の氏名を表示しないことは、原告の氏名表示権を侵害する。 イ 同一性保持権侵害について 被告語呂合わせは、原告の意に反して原告語呂合わせを改変したものであるから、原告の同一性保持権が侵害されている。 【被告の主張】 ア 氏名表示権侵害について 被告語呂合わせは、原告語呂合わせを複製又は翻案したものではないから、原告は被告書籍について氏名表示権を有するものではない。 イ 同一性保持権侵害について 原告は、被告語呂合わせが原告語呂合わせのいかなる部分を改変したのか一切主張していないし、そもそも、被告語呂合わせは、原告語呂合わせとは別個独立した著作物であるから、同一性保持権侵害は成立しない。 (3) 争点3(被告に過失があるか)について 【原告の主張】 被告は、出版社として、出版する書籍について、著作権や著作者人格権を侵害しないようにする高度の注意義務を負うものであるから、被告書籍の発行及び販売により原告の著作権及び著作者人格権を侵害したことにつき、過失があった。 被告は、英語の学習教材を出版する専門の出版社であり、被告書籍と同種の書籍を多数出版してきたのであるから、第三者の著作権を侵害しているか調査すべき注意義務が軽減されることはない。 【被告の主張】 被告は、従業員8名の小規模な出版社であり、出版する書籍が第三者の著作権を侵害しているかを調査する経営資源は限定されている。また、一般に、英単語の語呂合わせを含む英単語集が第三者の著作権を侵害するかを調査するには、多大なコストを要する。 このような中、被告は、第三者との間のトラブルを防ぐため、Bから提供された被告書籍の原稿に掲載されていた語呂合わせと、公刊済みの著名な英単語集3冊に掲載されていた語呂合わせの比較対象を行うこととし、類似すると考えられるものについては、Bに指摘し、最終的に93個の語呂合わせを修正させた(乙9)。 他方、原告書籍は一般には市販されておらず、また、Bも被告に対して原告書籍の存在を明かさなかったことから、被告は、原告書籍の存在を認識することすら困難であった。 そうすると、被告が、原告書籍に掲載された原告語呂合わせと、Bから提供された原告に掲載された語呂合わせとを対照することは不可能であったといえるし、被告は、その経営資源に応じ、被告書籍の発行により第三者の著作権を侵害しないよう十分に注意義務を尽くしたというべきである。 したがって、仮に、著作権及び著作者人格権の侵害が認められたとしても、被告には過失がないから、損害賠償責任を負うことはない。 (4) 争点4(損害額)について 【原告の主張】 ア 著作権(複製権又は翻案権)侵害による損害 (ア) 書籍の出版等を業とする者ではない原告にも著作権法114条2項が適用されるべきところ、被告は、平成25年7月16日から平成26年8月28日(本件訴訟の提起日)までの間に、定価1300円の被告書籍を少なくとも3000部販売し、利益率は10パーセントであるから、同条項により推定される損害額は少なくとも39万円である。 (イ) 仮に、原告について著作権法114条2項が適用されないとしても、原告は、同法3項の規定により、原告語呂合わせの著作権の行使につき受けるべき金銭相当額を損害額として請求できる。 被告書籍の著者であるBが受ける印税は、被告書籍の売上高の8パーセントであるが(甲7)、著作権を侵害してもなお通常受けるべき使用料のみを賠償すればよいとするのは権利保護の観点から妥当でない。被告書籍の売上高に対する原告語呂合わせの寄与が大きいことからすれば、原告が受けるべき金銭相当額は、被告書籍の売上高の10パーセントに相当する39万円とされるべきである。 イ 著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)侵害による損害 著作者人格権(氏名表示権及び同一性保持権)の侵害により原告が受けた精神的損害を慰謝するには、慰謝料50万円の支払を要する。 ウ 弁護士費用 本件訴訟の追行に要した弁護士費用のうち、被告の行為と相当因果関係のある額は、40万円を下らない。 【被告の主張】 否認又は争う。 原告は、書籍の出版等を業とする者ではないから、著作権法114条2項の推定規定は適用されないというべきである。 また、被告書籍には、1ページあたり4個の語呂合わせが掲載されており、全527ページからなるから、仮に、100個の原告語呂合わせ全てについて著作権侵害が認定されたとしても、当該語呂合わせが被告書籍に占める割合は、最大でも4.74パーセントにとどまる。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(複製権又は翻案権の侵害は成立するか)について (1) 判断の枠組み ア 著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいう(最高裁昭和50年(オ)第324号同53年9月7日第一小法廷判決・民集32巻6号1145頁参照)。ここで、再製とは、既存の著作物と同一のものを作成することをいうと解すべきであるが、同一性の程度については、完全に同一である場合のみではなく、多少の修正増減があっても著作物の同一性を損なうことのない、すなわち実質的に同一である場合も含むと解すべきである。 また、著作物の翻案とは、既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに思想又は感情を創作的に表現することにより、これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することができる別の著作物を創作する行為をいい、既存の著作物に依拠して創作された著作物が、思想、感情若しくはアイデア、事実若しくは事件など表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合には翻案には当たらないと解するのが相当である(最高裁平成11年(受)第922号同13年6月28日第一小法廷判決・民集55巻4号837頁参照)。 イ このように、複製又は翻案に該当するためには、既存の著作物とこれに依拠して創作された著作物との共通性を有する部分が、著作権法による保護の対象となる思想又は感情を創作的に表現したものであることが必要である(著作権法2条1項1号)。そして、「創作的」に表現されたというためには、厳密な意味で独創性が発揮されたものであることは必要ではなく、作者の何らかの個性が表現されたもので足りるというべきであるが、他方、文章自体がごく短く又は表現上制約があるため他の表現が想定できない場合や、表現が平凡かつありふれたものである場合には、作者の個性が表現されたものとはいえないから、創作的な表現であるということはできない。 ウ 以上の見地から、以下では、原告語呂合わせと被告語呂合わせとの共通部分を認定した上で、同共通部分が創作的な表現といえるかについて、個別に検討することとする。 (2) 共通部分の検討の前提となる具体的表現について ア ところで、原告語呂合わせと被告語呂合わせとの共通部分を認定するにあたり、その前提として、括弧付きの空欄部分を含む原告語呂合わせを、いかなる表現として把握すべきかについて検討する。 この点、原告は、原告語呂合わせの具体的表現について、「原告語呂合わせ」として主張する具体的表現を別紙語呂合わせ対照表の「原告書籍」欄各記載の英単語の語呂合わせ、すなわち、英単語の語呂合わせ内に括弧付きの空欄部分を含む表現として特定しながら、他方で、対象となった英単語の日本語訳を括弧付きの空欄部分に読み込んだものを原告語呂合わせと把握すべき旨主張する。 前記前提事実(2)のとおり、原告書籍は英単語集であって、掲載された英単語について、その日本語訳のほか、当該英単語を記憶するための情報が併せて記載されており、原告語呂合わせも、上記当該英単語を記憶するための情報として記載されている。そして、原告書籍の記載を具体的に見ると、例えば「beard」との英単語を記憶するための「ビヤーッ、どっとはえる( )。」との原告語呂合わせ1が掲載されているほか、その下部に、「bread」の日本語訳である「(あご)ひげ」が掲載されている(下記画像参照<画像省略>)。 このことからすると、確かに、原告書籍に接する読者は、原告語呂合わせ中の括弧付きの空欄部分に、同語呂合わせの下部に記載されている当該英単語の日本語訳を適宜読み込んで認識するものといえ、当該括弧付きの空欄部分は、当該英単語の日本語訳を読み込むことが予定されていることは明らかである。 しかしながら、上記のとおり、原告は、「原告語呂合わせ」として主張する具体的表現を別紙語呂合わせ対照表の「原告書籍」欄各記載の英単語の語呂合わせ、すなわち、英単語の語呂合わせ内に括弧付きの空欄部分を含む表現として特定するにとどまり(上記画像の赤枠部分参照)、例えば括弧付きの空欄部分を含む語呂合わせと当該英単語の日本語訳との組み合わせがまとまりのある著作物であるなどとの主張はしていない(当然、被告において、原告が捨象した部分も含めて具体的表現を対比すべきとの反論は行われていない。)のであるから(知財高裁平成24年(ネ)第10027号同年8月8日判決・判時2165号42頁参照)、被告語呂合わせと対照して共通部分を認定すべき原告語呂合わせの具体的表現は、括弧付きの空欄部分を含むものというほかなく、当該括弧付きの空欄部分に、対象となった英単語の日本語訳を読み込んだものを具体的表現とすべきではない。 イ なお、原告語呂合わせと被告語呂合わせとは、フォント、コンマ、色、強調点の有無、読み仮名の有無の点で相違する部分があるが、これらの点は、上記に認定した原告書籍と被告書籍の具体的体裁の下では、共通部分の認定に直ちに影響するものとは認め難いので、ひとまず、これらの点を捨象して、原告語呂合わせと被告語呂合わせの共通部分を認定することとする。 (3) 個別の語呂合わせについての検討 [1] 原告語呂合わせ1及び被告語呂合わせ1について 原告語呂合わせ1と被告語呂合わせ1とは、「びあー」様の記述に続けて「、どっと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、共に「beard」という英単語とよく似た発音を有する語句を主要な構成要素とするものであるが、特定の英単語を語呂合わせにしようとすること自体はアイデアであって著作権法上の保護を受け得ないところ、同アイデアを表現する上では、当該英単語とよく似た発音を有し、かつ、当該英単語の日本語訳と意味が通じる日本語の語句を選択した上、この語句と、当該英単語の日本語訳とをつなげることが不可欠な要素となり、これらの要素は、特定の英単語を語呂合わせにしようというアイデアを表現する上で不可欠な表現上の制約であるというべきである。そして、「beard」の発音をカタカナ読みして「ビアード」とし、これと日本語訳(あごひげ)とを「どっと」というありふれた語句を付加してつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ1と被告語呂合わせ1とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ1は、原告語呂合わせ1を複製又は翻案したものには当たらない。 [2] 原告語呂合わせ2及び被告語呂合わせ2について 原告語呂合わせ2と被告語呂合わせ2とは、「ぶらうん」との読みの単語(brown、ブラウン)に続けて「の」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「brow」の発音をカタカナ読みして「ブロウ」とし、音の一部を変化させて「ブラウン」として、これに「の」との助詞を付加して日本語訳(まゆ)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ2と被告語呂合わせ2とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ2は、原告語呂合わせ2を複製又は翻案したものには当たらない。 [3] 原告語呂合わせ3及び被告語呂合わせ3について 原告語呂合わせ3と被告語呂合わせ3とは、「ベリーを」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「bury」の発音をカタカナ読みして「ベリー」とし、これに「を」との助詞を付加して日本語訳(埋める)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「ベリーの種を埋める」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ3と被告語呂合わせ3とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ3は、原告語呂合わせ3を複製又は翻案したものには当たらない。 [4] 原告語呂合わせ4及び被告語呂合わせ4について 原告語呂合わせ4と被告語呂合わせ4とは、「ぶっちゃけ」「です」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「butcher」の発音をカタカナ読みして「ブッチャー」とし、音を付加して「ブッチャケ(ぶっちゃけ)」として、これに「です」との助動詞を付加して日本語訳(肉屋)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ4と被告語呂合わせ4とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ4は、原告語呂合わせ4を複製又は翻案したものには当たらない。 [5] 原告語呂合わせ5及び被告語呂合わせ5について 原告語呂合わせ5と被告語呂合わせ5とは、「かなーり」又は「かなり」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「canal」の発音をカタカナ読みして「カナル」とし、音を変化させて「カナリ(かなり)」として、これを日本語訳(運河)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ5と被告語呂合わせ5とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ5は、原告語呂合わせ5を複製又は翻案したものには当たらない。 [6] 原告語呂合わせ6及び被告語呂合わせ6について 原告語呂合わせ6と被告語呂合わせ6とは、「このプリン変だと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「comprehend」の発音をカタカナ読みして「コンプリヘンド」とし、音を一部変化させて「コン」を「コノ(この)」、「プリ」を「プリン」、「ヘンド」を「ヘンダ(変だ)」として、これに「と」との助詞を付加して日本語訳(理解する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ6と被告語呂合わせ6とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ6は、原告語呂合わせ6を複製又は翻案したものには当たらない。 [7] 原告語呂合わせ7及び被告語呂合わせ7について 原告語呂合わせ7と被告語呂合わせ7とは、「出るじゃんと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「diligent」の発音をカタカナ読みして「ディリジェント」とし、音を一部変化させて「ディリ」を「デル(出る)」、「ジェント」を「ジャント(じゃんと)」として、これを日本語訳(勤勉な、まじめな)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ7と被告語呂合わせ7とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ7は、原告語呂合わせ7を複製又は翻案したものには当たらない。 [8] 原告語呂合わせ8及び被告語呂合わせ8について 原告語呂合わせ8と被告語呂合わせ8とは、「だんまり」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「dumb」の発音をカタカナ読みして「ダム」とし、これと日本語訳(口をきかない、バカな)とを「だんまり」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ8と被告語呂合わせ8とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ8は、原告語呂合わせ8を複製又は翻案したものには当たらない。 [9] 原告語呂合わせ9及び被告語呂合わせ9について 原告語呂合わせ9と被告語呂合わせ9とは、「エッホと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「effort」の発音をカタカナ読みして「エフォート」とし、音を一部変化させて「エッホト(エッホと)」として、これを日本語訳(努力)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1、3〕に「エッホ、エッホと努力する」「エッホエッホと努力」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ9と被告語呂合わせ9とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ9は、原告語呂合わせ9を複製又は翻案したものには当たらない。 [10] 原告語呂合わせ10及び被告語呂合わせ10について 原告語呂合わせ10と被告語呂合わせ10とは、「淫売路面とは」、「悪い」又は「最悪」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「environment」の発音をカタカナ読みして「エンバイロメント」とし、「エンバイ」の音を一部変化させて「インバイ」として「淫売」というそれ自体は一般的な語をあて、「ロメント」は音そのままに「路面と」として、これに「悪い」ことを意味するありふれた語句を付加して日本語訳(環境)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「縁倍!路面とっても出会いの多い環境」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ10と被告語呂合わせ10とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ10は、原告語呂合わせ10を複製又は翻案したものには当たらない。 [11] 原告語呂合わせ11及び被告語呂合わせ11について 原告語呂合わせ11と被告語呂合わせ11とは、「いーびる(いびる)のは」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「evil」の発音をカタカナ読みして「イービル」とし、これに「のは」という助詞を付加して日本語訳(悪)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1ないし4〕に「いびる奴らは悪い奴」「いびる邪悪な行為」「人をいーびるのは悪い」「いびるのは悪い」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ11と被告語呂合わせ11とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ11は、原告語呂合わせ11を複製又は翻案したものには当たらない。 [12] 原告語呂合わせ12及び被告語呂合わせ12について 原告語呂合わせ12と被告語呂合わせ12とは、「ゲイ(、)ずっと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「gaze」の発音をカタカナ読みして「ゲイズ」とし、これに「ずっと」というありふれた語句を付加して日本語訳(見つめる、凝視する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に「ゲイずっと見つめる」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ12と被告語呂合わせ12とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ12は、原告語呂合わせ12を複製又は翻案したものには当たらない。 [13] 原告語呂合わせ13及び被告語呂合わせ13について 原告語呂合わせ13と被告語呂合わせ13とは、「ジイ(爺)入院って」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「genuine」の発音をカタカナ読みして「ジニュイン」とし、音を一部変化させて「ジイニュウイン(ジイ入院)」として、これに「って」との助詞を付加して日本語訳(本当の、本物の)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「爺、入院した本物の病気」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ13と被告語呂合わせ13とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ13は、原告語呂合わせ13を複製又は翻案したものには当たらない。 [14] 原告語呂合わせ14及び被告語呂合わせ14について 原告語呂合わせ14と被告語呂合わせ14とは、「ほーんとに」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「haunt」の発音をカタカナ読みして「ホーント」とし、これに「に」との助詞を付加して日本語訳(〔霊が〕出る、しばしば行く)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「ホーントによく行く」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ14と被告語呂合わせ14とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ14は、原告語呂合わせ14を複製又は翻案したものには当たらない。 [15] 原告語呂合わせ15及び被告語呂合わせ15について 原告語呂合わせ15と被告語呂合わせ15とは、「絵は」「に」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「heir」の発音をカタカナ読みして「エア」とし、音を一部変化させて「エワ(絵は)」として、これに「に」との助詞を付加して日本語訳(相続人)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「絵は相続人に」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ15と被告語呂合わせ15とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ15は、原告語呂合わせ15を複製又は翻案したものには当たらない。 [16] 原告語呂合わせ16及び被告語呂合わせ16について 原告語呂合わせ16と被告語呂合わせ16とは、「グレート」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「immigrate」の発音をカタカナ読みして「イミグレート」とし、これを日本語訳(移住する)とつなげるために発音を一部変化させて「イミングレート(移民グレート)」とすることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ16と被告語呂合わせ16とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ16は、原告語呂合わせ16を複製又は翻案したものには当たらない。 [17] 原告語呂合わせ17及び被告語呂合わせ17について 原告語呂合わせ17と被告語呂合わせ17とは、「インダスほとりに」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「industry」の発音をカタカナ読みして「インダストリー」とし、「インダス」部分はそのままに「トリー」の音を変化させて「ホトリ(ほとり)」として、これに「に」との助詞を付加して日本語訳(産業)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 [18] 原告語呂合わせ18及び被告語呂合わせ18について 原告語呂合わせ18と被告語呂合わせ18とは、「インコはいや(嫌)?と」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「inquire」の発音をカタカナ読みして「インクワイアー」とし、音を一部変化させて「インクワ」を「インコワ(インコは)」と、「イアー」を「イヤ(いや?)」として、これに「と」との助詞を付加して日本語訳(尋ねる)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「インコは嫌?と尋ねる店員」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ18と被告語呂合わせ18とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ18は、原告語呂合わせ18を複製又は翻案したものには当たらない。 [19] 原告語呂合わせ19及び被告語呂合わせ19について 原告語呂合わせ19と被告語呂合わせ19とは、「犬」「サル」「と」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「insult」の発音をカタカナ読みして「インサルト」とし、音を一部変化させて「イヌサルト(犬サルと)」として、これを日本語訳(侮辱する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「犬、サルとキジを侮辱する」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ19と被告語呂合わせ19とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ19は、原告語呂合わせ19を複製又は翻案したものには当たらない。 [20] 原告語呂合わせ20及び被告語呂合わせ20について 原告語呂合わせ20と被告語呂合わせ20とは、「なーす」との読みの単語に続けて「ありの」との語句を記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「nursery」の発音をカタカナ読みして「ナーサリー」とし、音を一部変化させて「ナースアリ(ナースあり)」として、これに「の」との助詞を付加して日本語訳(託児所)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ20と被告語呂合わせ20とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ20は、原告語呂合わせ20を複製又は翻案したものには当たらない。 [21] 原告語呂合わせ21及び被告語呂合わせ21について 原告語呂合わせ21と被告語呂合わせ21とは、「油維持する」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「oblige」の発音をカタカナ読みして「オブライジ」とし、音を一部変化させて「アブライジ(油維持)」として、これに「する」との補助動詞を付加して日本語訳(義務づける)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1〕に「油維持せよ義務づける」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ21と被告語呂合わせ21とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ21は、原告語呂合わせ21を複製又は翻案したものには当たらない。 [22] 原告語呂合わせ22及び被告語呂合わせ22について 原告語呂合わせ22と被告語呂合わせ22とは、「プレーボーイ(プレイボーイ)の」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「prey」の発音をカタカナ読みして「プレイ」とし、これに「ボーイの」との語句を付加して日本語訳(えじき)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「プレイボーイは女をえじきにする」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ22と被告語呂合わせ22とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ22は、原告語呂合わせ22を複製又は翻案したものには当たらない。 [23] 原告語呂合わせ23及び被告語呂合わせ23について 原告語呂合わせ23と被告語呂合わせ23とは、「プロ、パー」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「proper」の発音をカタカナ読みして「プロパー」とし、これを日本語訳(適切な)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「プロ、パートに適切な指導」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ23と被告語呂合わせ23とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ23は、原告語呂合わせ23を複製又は翻案したものには当たらない。 [24] 原告語呂合わせ24及び被告語呂合わせ24について 原告語呂合わせ24と被告語呂合わせ24とは、「離婚めんどう(面倒)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「recommend」の発音をカタカナ読みして「リコメンド」とし、音を追加して「リコンメンドウ(離婚めんどう)」として、これを日本語訳(勧める)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3、4〕に「離婚めんどう、復縁を勧める」「離婚面倒と和解を勧める」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ24と被告語呂合わせ24とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ24は、原告語呂合わせ24を複製又は翻案したものには当たらない。 [25] 原告語呂合わせ25及び被告語呂合わせ25について 原告語呂合わせ25と被告語呂合わせ25とは、「0点」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「retain」の発音をカタカナ読みして「リテイン」とし、音を一部変化させて「レイテン(0点)」として、これを日本語訳(保持する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ25と被告語呂合わせ25とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ25は、原告語呂合わせ25を複製又は翻案したものには当たらない。 [26] 原告語呂合わせ26及び被告語呂合わせ26について 原告語呂合わせ26と被告語呂合わせ26とは、「ルー」との単語に続けて「どう」から始まる語句(どうも、どうしても)を記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「rude」の発音をカタカナ読みして「ルード」とし、これを「どうも」又は「どうしても」という語を付加して日本語訳(無作法な)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ26と被告語呂合わせ26とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ26は、原告語呂合わせ26を複製又は翻案したものには当たらない。 [27] 原告語呂合わせ27及び被告語呂合わせ27について 原告語呂合わせ27と被告語呂合わせ27とは、「ルイ」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「ruin」の発音をカタカナ読みして「ルーイン」とし、音を落として「ルイ」として、これを日本語訳(廃墟、破滅)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ27と被告語呂合わせ27とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ27は、原告語呂合わせ27を複製又は翻案したものには当たらない。 [28] 原告語呂合わせ28及び被告語呂合わせ28について 原告語呂合わせ28と被告語呂合わせ28とは、「政府は」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「thief」の発音をカタカナ読みして「シーフ」とし、音を一部変化させて「セーフ(政府)」として、これに「は」との助詞を付加して日本語訳(泥棒)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ28と被告語呂合わせ28とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ28は、原告語呂合わせ28を複製又は翻案したものには当たらない。 [29] 原告語呂合わせ29及び被告語呂合わせ29について 原告語呂合わせ29と被告語呂合わせ29とは、「す(し)ろうと」及び「自慢」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「throat」の発音をカタカナ読みして「スロート」とし、音を一部変化させて「シロート(素人)」として、これを日本語訳(のど)とつなげるためにありふれた表現である「のど自慢」との単語を付加することは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ29と被告語呂合わせ29とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ29は、原告語呂合わせ29を複製又は翻案したものには当たらない。 [30] 原告語呂合わせ30及び被告語呂合わせ30について 原告語呂合わせ30と被告語呂合わせ30とは、「わ〜(わー)すごい」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「worth」の発音をカタカナ読みして「ワース」とし、これと日本語訳(価値がある)とを「すごい」というありふれた語句を付加してつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1、2〕に「わぁ凄い土器価値がある」「わぁ!すごい価値がある」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ30と被告語呂合わせ30とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ30は、原告語呂合わせ30を複製又は翻案したものには当たらない。 [31] 原告語呂合わせ31及び被告語呂合わせ31について 原告語呂合わせ31と被告語呂合わせ31とは、「悪夢、霊と」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「accumulate」の発音をカタカナ読みして「アキュムレイト」とし、音を一部変化させて「アクムレイト(悪夢霊と)」として、これを日本語訳(積み重なる)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ31と被告語呂合わせ31とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ31は、原告語呂合わせ31を複製又は翻案したものには当たらない。 [32] 原告語呂合わせ32及び被告語呂合わせ32について 原告語呂合わせ32と被告語呂合わせ32とは、「アドばらすと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「adverse」の発音をカタカナ読みして「アドバース」とし、音を一部変化させて「アドバラス(アドばらす)」として、これに「と」との助詞を付加して日本語訳(敵意に満ちた)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ32と被告語呂合わせ32とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ32は、原告語呂合わせ32を複製又は翻案したものには当たらない。 [33] 原告語呂合わせ33及び被告語呂合わせ33について 原告語呂合わせ33と被告語呂合わせ33とは、「あ、プリン変だ」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「apprehend」の発音をカタカナ読みして「アプリヘンド」とし、音を一部変化させて「アプリ」を「アプリン(あ、プリン)」、「ヘンド」を「ヘンダ(変だ)」として、これを日本語訳(心配する、理解する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ33と被告語呂合わせ33とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ33は、原告語呂合わせ33を複製又は翻案したものには当たらない。 [34] 原告語呂合わせ34及び被告語呂合わせ34について 原告語呂合わせ34と被告語呂合わせ34とは、「飽きてきちゃう」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「architecture」の発音をカタカナ読みして「アーキテクチャ」とし、音を一部変化させて「アキテキチャウ(飽きてきちゃう)」として、これを日本語訳(建築)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ34と被告語呂合わせ34とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ34は、原告語呂合わせ34を複製又は翻案したものには当たらない。 [35] 原告語呂合わせ35及び被告語呂合わせ35について 原告語呂合わせ35と被告語呂合わせ35とは、「あー(あぁ)電灯」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「ardent」の発音をカタカナ読みして「アーデント」とし、音を付加して「アーデントウ(あー電灯)」として、これを日本語訳(熱心だ)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ35と被告語呂合わせ35とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ35は、原告語呂合わせ35を複製又は翻案したものには当たらない。 [36] 原告語呂合わせ36及び被告語呂合わせ36について 原告語呂合わせ36と被告語呂合わせ36とは、「あー(あぁ)船頭多くして船山に」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「ascend」の発音をカタカナ読みして「アーセンド」とし、これに「船頭多くして船山に登る」との古くからあるありふれたことわざを組み込み、日本語訳(のぼる)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ36と被告語呂合わせ36とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ36は、原告語呂合わせ36を複製又は翻案したものには当たらない。 [37] 原告語呂合わせ37及び被告語呂合わせ37について 原告語呂合わせ37と被告語呂合わせ37とは、「安倍いると」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「avail」の発音をカタカナ読みして「アヴェイル」とし、音を一部変化させて「アベイル(安倍いる)」として、これを日本語訳(役に立つ)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ37と被告語呂合わせ37とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ37は、原告語呂合わせ37を複製又は翻案したものには当たらない。 [38] 原告語呂合わせ38及び被告語呂合わせ38について 原告語呂合わせ38と被告語呂合わせ38とは、「おー(オー)震え」との語句の後に「ほど」との語を記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「awful」の発音をカタカナ読みして「オーフル」とし、音を付加して「オーフルエ(おー震え)」として、これに「ほど」との語句を付加して日本語訳(恐ろしい)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ38と被告語呂合わせ38とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ38は、原告語呂合わせ38を複製又は翻案したものには当たらない。 [39] 原告語呂合わせ39及び被告語呂合わせ39について 原告語呂合わせ39と被告語呂合わせ39とは、「悪死す、悪の」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「axis」の発音をカタカナ読みして「アクシス(悪死す)」とし、これと日本語訳(枢軸)とを「悪の」というありふれた語句を付加してつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「悪死す、日独伊枢軸国のファシスト滅亡」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ39と被告語呂合わせ39とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ39は、原告語呂合わせ39を複製又は翻案したものには当たらない。 [40] 原告語呂合わせ40及び被告語呂合わせ40について 原告語呂合わせ40と被告語呂合わせ40とは、「バーンと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「barn」の発音をカタカナ読みして「バーン」とし、これに「と」との助詞を付加して日本語訳(納屋)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ40と被告語呂合わせ40とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ40は、原告語呂合わせ40を複製又は翻案したものには当たらない。 [41] 原告語呂合わせ41及び被告語呂合わせ41について 原告語呂合わせ41と被告語呂合わせ41とは、「眩むジイ」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「clumsy」の発音をカタカナ読みして「クラムジィ(眩むジイ)」とし、これを日本語訳(ぎこちない)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ41と被告語呂合わせ41とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ41は、原告語呂合わせ41を複製又は翻案したものには当たらない。 [42] 原告語呂合わせ42及び被告語呂合わせ42について 原告語呂合わせ42と被告語呂合わせ42とは、「子も出て」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「commodity」の発音をカタカナ読みして「コモディティ」とし、音を一部変化させて「コモデテ(子も出て)」として、これを日本語訳(日用品)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ42と被告語呂合わせ42とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ42は、原告語呂合わせ42を複製又は翻案したものには当たらない。 [43] 原告語呂合わせ43及び被告語呂合わせ43について 原告語呂合わせ43と被告語呂合わせ43とは、「コンパ担当」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「competent」の発音をカタカナ読みして「コンピテント」とし、音を一部変化させて「コンピ」を「コンパ」と、「テント」を「タントウ(担当)」として、これを日本語訳(有能な)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ43と被告語呂合わせ43とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ43は、原告語呂合わせ43を複製又は翻案したものには当たらない。 [44] 原告語呂合わせ44及び被告語呂合わせ44について 原告語呂合わせ44と被告語呂合わせ44とは、「コンパ理系とで」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「complicated」の発音をカタカナ読みして「コンプリケイテッド」とし、音を一部変化させて「コンプ」を「コンパ」と、「リケイテッド」を「リケイトデ(理系とで)」として、これを日本語訳(複雑な)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ44と被告語呂合わせ44とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ44は、原告語呂合わせ44を複製又は翻案したものには当たらない。 [45] 原告語呂合わせ45及び被告語呂合わせ45について 原告語呂合わせ45と被告語呂合わせ45とは、「これスッポンだと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「correspond」の発音をカタカナ読みして「コレスポンド」とし、音を一部変化させて「コレスッポンダ(これスッポンだ)」として、これに「と」との助詞を付加して日本語訳(一致する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2、3〕に「これスッポンだ!形が一致する」「これスッポンと一致する」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ45と被告語呂合わせ45とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ45は、原告語呂合わせ45を複製又は翻案したものには当たらない。 [46] 原告語呂合わせ46及び被告語呂合わせ46について 原告語呂合わせ46と被告語呂合わせ46とは「持さ〜ん金(持参金)を」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「discern」の発音をカタカナ読みして「ディサーン」とし、音を一部変化させて「ジサーン(持参)」として、これに「持参金を」というありふれた語句を付加して日本語訳(見極める)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ46と被告語呂合わせ46とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ46は、原告語呂合わせ46を複製又は翻案したものには当たらない。 [47] 原告語呂合わせ47及び被告語呂合わせ47について 原告語呂合わせ47と被告語呂合わせ47とは、「じっくりーと(じっくりと)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「discrete」の発音をカタカナ読みして「ディスクリート」とし、音を一部変化させて「ジックリート(じっくりと)」として、これを日本語訳(慎重だ)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ47と被告語呂合わせ47とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ47は、原告語呂合わせ47を複製又は翻案したものには当たらない。 [48] 原告語呂合わせ48及び被告語呂合わせ48について 原告語呂合わせ48と被告語呂合わせ48とは、「えらい」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「era」の発音をローマ字読みして「エラ」とし、これと日本語訳(時代)を「えらい」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1〕に「偉い人たち出た時代」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ48と被告語呂合わせ48とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ48は、原告語呂合わせ48を複製又は翻案したものには当たらない。 [49] 原告語呂合わせ49及び被告語呂合わせ49について 原告語呂合わせ49と被告語呂合わせ49とは、「触れると」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「frail」の発音をカタカナ読みして「フレイル」とし、音を一部省略して「フレル(触れる)」として、これに「と」との助詞を付加して日本語訳(もろい)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ49と被告語呂合わせ49とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ49は、原告語呂合わせ49を複製又は翻案したものには当たらない。 [50] 原告語呂合わせ50及び被告語呂合わせ50について 原告語呂合わせ50と被告語呂合わせ50とは、「腐乱死体に」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「frown」の発音をカタカナ読みして「フラウン」とし、音を一部省略して「フラン(腐乱)」として、これと日本語訳(まゆをひそめる)とを「腐乱死体に」というありふれた語句を付加してつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ50と被告語呂合わせ50とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ50は、原告語呂合わせ50を複製又は翻案したものには当たらない。 [51] 原告語呂合わせ51及び被告語呂合わせ51について 原告語呂合わせ51と被告語呂合わせ51とは、「グリーン」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「grin」の発音をカタカナ読みして「グリン」とし、音を一部伸ばして「グリーン」として、これを日本語訳(にやりと笑う)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ51と被告語呂合わせ51とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ51は、原告語呂合わせ51を複製又は翻案したものには当たらない。 [52] 原告語呂合わせ52及び被告語呂合わせ52について 原告語呂合わせ52と被告語呂合わせ52とは、「愚弄に」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「groan」の発音をカタカナ読みして「グロウン」とし、音を一部省略して「グロウ(愚弄)」として、これに「に」との助詞を付加して日本語訳(うめく)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ52と被告語呂合わせ52とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ52は、原告語呂合わせ52を複製又は翻案したものには当たらない。 [53] 原告語呂合わせ53及び被告語呂合わせ53について 原告語呂合わせ53と被告語呂合わせ53とは、「入れたらしい」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「illiteracy」の発音をカタカナ読みして「イリテラシイ」とし、音を一部変更させて「イレタラシイ(入れたらしい)」として、これを日本語訳(字が読めないこと)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ53と被告語呂合わせ53とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ53は、原告語呂合わせ53を複製又は翻案したものには当たらない。 [54] 原告語呂合わせ54及び被告語呂合わせ54について 原告語呂合わせ54と被告語呂合わせ54とは、「院生さんとは」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「incessant」の発音をカタカナ読みして「インセサント」とし、音を付加して「インセイサント(院生さんと)」として、これに「は」との助詞を付加して日本語訳(絶え間ない)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ54と被告語呂合わせ54とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ54は、原告語呂合わせ54を複製又は翻案したものには当たらない。 [55] 原告語呂合わせ55及び被告語呂合わせ55について 原告語呂合わせ55と被告語呂合わせ55とは、「0時(零時)endの」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「legend」の発音をカタカナ読みして「レジェンド」とし、音を一部変化させて「レイジエンド(0時end)」として、これに「の」との助詞を付加して日本語訳(伝説)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ55と被告語呂合わせ55とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ55は、原告語呂合わせ55を複製又は翻案したものには当たらない。 [56] 原告語呂合わせ56及び被告語呂合わせ56について 原告語呂合わせ56と被告語呂合わせ56とは、「待ちゅわ(待つわ)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「mature」の発音をカタカナ読みして「マチュア」とし、音を一部変化させて「マチュワ(待ちゅわ)」として、これを日本語訳(成熟した)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に「待ちゅわ、成熟した日まで」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ56と被告語呂合わせ56とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ56は、原告語呂合わせ56を複製又は翻案したものには当たらない。 [57] 原告語呂合わせ57及び被告語呂合わせ57について 原告語呂合わせ57と被告語呂合わせ57とは、「『もう好き』と」及び「寄ってくる」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「mosquito」の発音をカタカナ読みして「モスキート」とし、音を一部変化させて「モウスキト(もう好き)」として、これと日本語訳(蚊)とを「寄ってくる」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ57と被告語呂合わせ57とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ57は、原告語呂合わせ57を複製又は翻案したものには当たらない。 [58] 原告語呂合わせ58及び被告語呂合わせ58について 原告語呂合わせ58と被告語呂合わせ58とは、「ニース」及び「甥は寝冬」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「niece」の発音をカタカナ読みして「ニース」とし、これを日本語訳(姪)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「ニース(南仏)に住んでるめい」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、「nephew」の発音をカタカナ読みして「ネフュー」とし、音を一部変化させて「ネフユ」として、これに「寝」「冬」という一般的な漢字を充てて日本語訳(甥)とつなげることも、同様に上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではないから、いずれもかかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ず、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 次に、1つの語呂合わせに「niece」を記憶するための「ニース」と、「nephew」を記憶するための「甥は寝冬」という2つの語句を組み合わせている点については、英単語帳において、対義語・関連語を同時に掲載して記憶の定着を図ることは、多用されるごくありふれた手法であると認められるところ(甲1、2、乙1ないし4、弁論の全趣旨)、「niece」と「nephew」は、「姪」と「甥」という対義語の典型的な例であることが明らかであるから、この2つの英単語を記憶するための語句を1つの語呂合わせに組み合わせた点にも格別に創作性を認めることはできない。 したがって、原告語呂合わせ58と被告語呂合わせ58とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ58は、原告語呂合わせ58を複製又は翻案したものには当たらない。 [59] 原告語呂合わせ59及び被告語呂合わせ59について 原告語呂合わせ59と被告語呂合わせ59とは、「おー、(おう!)なめ(ナメ)んといて」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「ornament」の発音をカタカナ読みして「オーナメント」とし、これと日本語訳(装飾品)とを「なめんといて」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ59と被告語呂合わせ59とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ59は、原告語呂合わせ59を複製又は翻案したものには当たらない。 [60] 原告語呂合わせ60及び被告語呂合わせ60について 原告語呂合わせ60と被告語呂合わせ60とは、「ぷらんぷらんと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「plump」の発音をカタカナ読みして「プランプ」とし、これに「らんと」を付加して「ぷらんぷらんと」というありふれた語句として日本語訳(太った、ふくよかな)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ60と被告語呂合わせ60とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ60は、原告語呂合わせ60を複製又は翻案したものには当たらない。 [61] 原告語呂合わせ61及び被告語呂合わせ61について 原告語呂合わせ61と被告語呂合わせ61とは、「プー」及び「リッチ」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「preach」の発音をカタカナ読みして「プリーチ」とし、音を一部変化させて「プーリッチ」として、これを日本語訳(説教する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ61と被告語呂合わせ61とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ61は、原告語呂合わせ61を複製又は翻案したものには当たらない。 [62] 原告語呂合わせ62及び被告語呂合わせ62について 原告語呂合わせ62と被告語呂合わせ62とは、「プリズムのぞいて(覗いて)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「presume」の発音をカタカナ読みして「プリジューム」とし、音を一部変化させて「プリズム」として、これに「のぞいて(覗いて)」とのありふれた動詞を付加して日本語訳(推定する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ62と被告語呂合わせ62とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ62は、原告語呂合わせ62を複製又は翻案したものには当たらない。 [63] 原告語呂合わせ63及び被告語呂合わせ63について 原告語呂合わせ63と被告語呂合わせ63とは、「パンク」、「チャリ」及び「着けません」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「punctually」の発音をカタカナ読みして「パンクチュアリ」とし、音を一部変化させて「パンクチャリ」として、これに日本語訳(時間どおりに)をつなげて「着けません」とのありふれた語句を付加することは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ63と被告語呂合わせ63とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ63は、原告語呂合わせ63を複製又は翻案したものには当たらない。 [64] 原告語呂合わせ64及び被告語呂合わせ64について 原告語呂合わせ64と被告語呂合わせ64とは、「ラグビーで」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「rag」の発音をカタカナ読みして「ラグ」とし、これと日本語訳(ボロ)とを「ラグビーで」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ64と被告語呂合わせ64とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ64は、原告語呂合わせ64を複製又は翻案したものには当たらない。 [65] 原告語呂合わせ65及び被告語呂合わせ65について 原告語呂合わせ65と被告語呂合わせ65とは、「理事ど」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「rigid」の発音をカタカナ読みして「リジッド」とし、音を一部変化させて「リジド(理事ど)」として、これを日本語訳(厳しい)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3、4〕に「厳格な理事ども」「理事どうしの堅い話」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ65と被告語呂合わせ65とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ65は、原告語呂合わせ65を複製又は翻案したものには当たらない。 [66] 原告語呂合わせ66及び被告語呂合わせ66について 原告語呂合わせ66と被告語呂合わせ66とは、「聖火」及び「れっど」との読みの単語を記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「sacred」の発音をカタカナ読みして「セイクリッド」とし、音を一部変化させて「セイカレッド(聖火レッド)」として、これを日本語訳(神聖な)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ66と被告語呂合わせ66とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ66は、原告語呂合わせ66を複製又は翻案したものには当たらない。 [67] 原告語呂合わせ67及び被告語呂合わせ67について 原告語呂合わせ67と被告語呂合わせ67とは、「祖母を偲んで」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「sob」の発音をカタカナ読みして「ソブ」とし、音を一部変化させて「ソボ(祖母)」として、これに「を偲んで」というありふれた語句を付加して日本語訳(むせび泣く)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「祖母すすり泣く」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ67と被告語呂合わせ67とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ67は、原告語呂合わせ57を複製又は翻案したものには当たらない。 [68] 原告語呂合わせ68及び被告語呂合わせ68について 原告語呂合わせ68と被告語呂合わせ68とは、「スッポン手に汗」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「spontaneous」の発音をカタカナ読みして「スポンテイニアス」とし、音を一部変化させて「スポン」を「スッポン」と、「テイニアス」を「テニアセ(手に汗)」として、これを日本語訳(自然に起こる)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ68と被告語呂合わせ68とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ68は、原告語呂合わせ68を複製又は翻案したものには当たらない。 [69] 原告語呂合わせ69及び被告語呂合わせ69について 原告語呂合わせ69と被告語呂合わせ69とは、「うれちいど」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「wretched」の発音をカタカナ読みして「レッチド」とし、音を一部変化させて「ウレチイド(嬉ちいど)」として、これを日本語訳(惨めな)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ69と被告語呂合わせ69とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ69は、原告語呂合わせ69を複製又は翻案したものには当たらない。 [70] 原告語呂合わせ70及び被告語呂合わせ70について 原告語呂合わせ70と被告語呂合わせ70とは、「茶来ると」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「chuckle」の発音をカタカナ読みして「チャックル」とし、音を省略して「チャクル(茶来る)」として、これに「と」との助詞を付加して日本語訳(くすくす笑う)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ70と被告語呂合わせ70とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ70は、原告語呂合わせ70を複製又は翻案したものには当たらない。 [71] 原告語呂合わせ71及び被告語呂合わせ71について 原告語呂合わせ71と被告語呂合わせ71とは、「暗い手利用」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「criterion」の発音をカタカナ読みして「クライテリオン」とし、音を一部変化させて「クライテリヨウ(暗い手利用)」として、これを日本語訳(標準、基準)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ71と被告語呂合わせ71とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ71は、原告語呂合わせ71を複製又は翻案したものには当たらない。 [72] 原告語呂合わせ72及び被告語呂合わせ72について 原告語呂合わせ72と被告語呂合わせ72とは、「カーブで」及び「乗り上げた」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「curb」の発音をカタカナ読みして「カーブ」とし、これと日本語訳(縁石)とを「乗り上げた」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ72と被告語呂合わせ72とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ72は、原告語呂合わせ72を複製又は翻案したものには当たらない。 [73] 原告語呂合わせ73及び被告語呂合わせ73について 原告語呂合わせ73と被告語呂合わせ73とは、「デブ会うと」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「devout」の発音をカタカナ読みして「デヴァウト」とし、音を一部変化させて「デブアウト(デブ会うと)」として、これを日本語訳(信心深い、敬虔だ)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に「デブ会うと真心こめてデート」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ73と被告語呂合わせ73とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ73は、原告語呂合わせ73を複製又は翻案したものには当たらない。 [74] 原告語呂合わせ74及び被告語呂合わせ74について 原告語呂合わせ74と被告語呂合わせ74とは、「ダイアナ(ダイアン)が脳死すると」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「diagnosis」の発音をカタカナ読みして「ダイアグノウシス」とし、音を一部変化させて「ダイアナノウシス(ダイアナ脳死す)」として、これを日本語訳(診断する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に「大あご脳死すと診断」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ74と被告語呂合わせ74とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ74は、原告語呂合わせ74を複製又は翻案したものには当たらない。 [75] 原告語呂合わせ75及び被告語呂合わせ75について 原告語呂合わせ75と被告語呂合わせ75とは、「封土ある」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「feudal」の発音をカタカナ読みして「フューダル」とし、音を一部変化させて「ホウドアル(封土ある)」として、これを日本語訳(封建制度の)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙4〕に「冬だ!ある封建的な国」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ75と被告語呂合わせ75とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ75は、原告語呂合わせ75を複製又は翻案したものには当たらない。 [76] 原告語呂合わせ76及び被告語呂合わせ76について 原告語呂合わせ76と被告語呂合わせ76とは、「風呂がある」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「frugal」の発音をカタカナ読みして「フルーガル」とし、音を一部変化させて「フロガアル(風呂がある)」として、これを日本語訳(倹約だ)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ76と被告語呂合わせ76とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ76は、原告語呂合わせ76を複製又は翻案したものには当たらない。 [77] 原告語呂合わせ77及び被告語呂合わせ77について 原告語呂合わせ77と被告語呂合わせ77とは、「腹出て」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「heredity」の発音をカタカナ読みして「ハレディティ」とし、音を一部変化させて「ハラデテ(腹出て)」として、これを日本語訳(遺伝)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1、3〕に「ヒレ出てるのは遺伝です」「ヒレ出て遺伝」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ77と被告語呂合わせ77とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ77は、原告語呂合わせ77を複製又は翻案したものには当たらない。 [78] 原告語呂合わせ78及び被告語呂合わせ78について 原告語呂合わせ78と被告語呂合わせ78とは、「淫婦で〜んと(でんと)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「impudent」の発音をローマ字読みして「インプデント」とし、音を一部変化させて「インプデーント(淫婦でーんと)」として、これを日本語訳(厚かましい)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ78と被告語呂合わせ78とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ78は、原告語呂合わせ78を複製又は翻案したものには当たらない。 [79] 原告語呂合わせ79及び被告語呂合わせ79について 原告語呂合わせ79と被告語呂合わせ79とは、「入れ(入り)ゲート」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「irrigate」の発音をカタカナ読みして「イリゲート」とし、音を一部変化させて「イレゲート(入れゲート)」として、これを日本語訳(灌漑する)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ79と被告語呂合わせ79とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ79は、原告語呂合わせ79を複製又は翻案したものには当たらない。 [80] 原告語呂合わせ80及び被告語呂合わせ80について 原告語呂合わせ80と被告語呂合わせ80とは、「めとはを」との読みの語句及び「表現す」又は「表す」との語句を記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「metaphor」の発音をカタカナ読みして「メタファー」とし、音を一部変化させて「メトハ」として、これと日本語訳(比喩)とを「表現す(表す)」というありふれた動詞でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ80と被告語呂合わせ80とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ80は、原告語呂合わせ80を複製又は翻案したものには当たらない。 [81] 原告語呂合わせ81及び被告語呂合わせ81について 原告語呂合わせ81と被告語呂合わせ81とは、「もう」「目ん玉」「飛び出す(飛び出る)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「momentum」の発音をカタカナ読みして「モウメンタム」とし、音を一部変化させて「モウメンタマ(もう目ん玉)」として、これと日本語訳(勢い)とを「飛び出す(飛び出る)」というありふれた動詞でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ81と被告語呂合わせ81とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ81は、原告語呂合わせ81を複製又は翻案したものには当たらない。 [82] 原告語呂合わせ82及び被告語呂合わせ82について 原告語呂合わせ82と被告語呂合わせ82とは、「なんも」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「numb」の発音をカタカナ読みして「ナン」とし、これと日本語訳(感じない、無感覚の)とを「なんも」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ82と被告語呂合わせ82とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ82は、原告語呂合わせ82を複製又は翻案したものには当たらない。 [83] 原告語呂合わせ83及び被告語呂合わせ83について 原告語呂合わせ83と被告語呂合わせ83とは、「ポロンと出」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「prone」の発音をカタカナ読みして「プロウン」とし、音を一部変化させて「ポロン」として、これと日本語訳(〜しがちである)とを「ポロンと出る」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ83と被告語呂合わせ83とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ83は、原告語呂合わせ83を複製又は翻案したものには当たらない。 [84] 原告語呂合わせ84及び被告語呂合わせ84について 原告語呂合わせ84と被告語呂合わせ84とは、「しばーれて(しばれて)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「shiver」の発音をカタカナ読みして「シヴァー」とし、音を一部変化させて「シバー」として、これと日本語訳(震える)とを「しばれて」という語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ84と被告語呂合わせ84とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ84は、原告語呂合わせ84を複製又は翻案したものには当たらない。 [85] 原告語呂合わせ85及び被告語呂合わせ85について 原告語呂合わせ85と被告語呂合わせ85とは、「スラックスが」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「slack」の発音をカタカナ読みして「スラック」とし、これと日本語訳(たるんでる)とを「スラックスが」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ85と被告語呂合わせ85とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ85は、原告語呂合わせ85を複製又は翻案したものには当たらない。 [86] 原告語呂合わせ86及び被告語呂合わせ86について 原告語呂合わせ86と被告語呂合わせ86とは、「そろった」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「slaughter」の発音をカタカナ読みして「スローター」とし、音を一部変化させて「ソロッタ(そろった)」として、これを日本語訳(大虐殺)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ86と被告語呂合わせ86とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ86は、原告語呂合わせ86を複製又は翻案したものには当たらない。 [87] 原告語呂合わせ87及び被告語呂合わせ87について 原告語呂合わせ87と被告語呂合わせ87とは、「すーず(すぅ〜ず)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「soothe」の発音をカタカナ読みして「スーズ」とし、これと日本語訳(静かにさせる、なだめる)とを「すーずかに」という語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に「すーずかにとなだめる」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ87と被告語呂合わせ87とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ87は、原告語呂合わせ87を複製又は翻案したものには当たらない。 [88] 原告語呂合わせ88及び被告語呂合わせ88について 原告語呂合わせ88と被告語呂合わせ88とは、「捨て〜る(捨てる)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「stale」の発音をカタカナ読みして「ステイル」とし、音を一部変化させて「ステール(捨てる)」として、これを日本語訳(古くなった)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ88と被告語呂合わせ88とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ88は、原告語呂合わせ88を複製又は翻案したものには当たらない。 [89] 原告語呂合わせ89及び被告語呂合わせ89について 原告語呂合わせ89と被告語呂合わせ89とは、「捨てんジイ」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「stingy」の発音をカタカナ読みして「スティンジィ」とし、音を一部変化させて「ステンジイ(捨てんジイ)」として、これを日本語訳(けちくさい)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ89と被告語呂合わせ89とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ89は、原告語呂合わせ89を複製又は翻案したものには当たらない。 [90] 原告語呂合わせ90及び被告語呂合わせ90について 原告語呂合わせ90と被告語呂合わせ90とは、「サボるでない(でね〜っ)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「subordinate」の発音をカタカナ読みして「サボーディネイト」とし、音を一部変化させて「サボルデナイト(サボるでないと)」として、これを日本語訳(部下)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1、4〕に「サボるでねぇと部下叱る」「さぼるでネェ!と従属させる」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ90と被告語呂合わせ90とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ90は、原告語呂合わせ90を複製又は翻案したものには当たらない。 [91] 原告語呂合わせ91及び被告語呂合わせ91について 原告語呂合わせ91と被告語呂合わせ91とは、「サックを」及び「くせ(癖)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「suck」の発音をカタカナ読みして「サック」とし、これと日本語訳(吸う)とを「くせ」というありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ91と被告語呂合わせ91とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ91は、原告語呂合わせ91を複製又は翻案したものには当たらない。 [92] 原告語呂合わせ92及び被告語呂合わせ92について 原告語呂合わせ92と被告語呂合わせ92とは、「飢えー(飢え)で」との語句及び「食べる」ことを意味する語句(食いました、食らう)を記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「weed」の発音をローマ字読みして「ウエエド」とし、音を一部変化させて「ウエーデ(飢えで)」として、これと日本語訳(雑草)とを「食べる」というありふれた動詞でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ92と被告語呂合わせ92とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ92は、原告語呂合わせ92を複製又は翻案したものには当たらない。 [93] 原告語呂合わせ93及び被告語呂合わせ93について 原告語呂合わせ93と被告語呂合わせ93とは、「う、いやだ(うわ〜やだ)」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「weird」の発音をカタカナ読みして「ウィアード」とし、音を一部変化させて「ウイヤダ(う、いやだ)」として、これを日本語訳(変な、奇妙な、不思議な)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ93と被告語呂合わせ93とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ93は、原告語呂合わせ93を複製又は翻案したものには当たらない。 [94] 原告語呂合わせ94及び被告語呂合わせ94について 原告語呂合わせ94と被告語呂合わせ94とは、「りんご(リンゴ)を」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「wring」の発音をカタカナ読みして「リング」とし、音を一部変化させて「リンゴ」として、これを日本語訳(絞る)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ94と被告語呂合わせ94とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ94は、原告語呂合わせ94を複製又は翻案したものには当たらない。 [95] 原告語呂合わせ95及び被告語呂合わせ95について 原告語呂合わせ95と被告語呂合わせ95とは、「下衆(げす)の勘ぐり」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「guess」の発音をカタカナ読みして「ゲス」とし、これに「下衆の勘ぐり」との古くからあるありふれたことわざを組み込み、日本語訳(推測する、思う)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1、4〕に「ゲスの勘ぐり推測し」「ゲスの勘ぐりと推測する」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ95と被告語呂合わせ95とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ95は、原告語呂合わせ95を複製又は翻案したものには当たらない。 [96] 原告語呂合わせ96及び被告語呂合わせ96について 原告語呂合わせ96と被告語呂合わせ96とは、「欧米に」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「obey」の発音をカタカナ読みして「オベイ」とし、音を一部変化させて「オウベイ(欧米)」として、これを日本語訳(従う)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1、3、4〕に「欧米にだけ従うよ」「欧米に従う」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ96と被告語呂合わせ96とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ96は、原告語呂合わせ96を複製又は翻案したものには当たらない。 [97] 原告語呂合わせ97及び被告語呂合わせ97について 原告語呂合わせ97と被告語呂合わせ97とは、「0時(零時)」との語句及び「帰る」ことを意味する語句(帰って、帰宅)を記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「rage」の発音をカタカナ読みして「レイジ」とし、これと日本語訳(激怒する)とを「帰る」ことを意味するありふれた語句でつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙1、4〕に「0時に帰りゃ妻激怒!」「0時にもなって!と激怒する」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ97と被告語呂合わせ97とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ97は、原告語呂合わせ97を複製又は翻案したものには当たらない。 [98] 原告語呂合わせ98及び被告語呂合わせ98について 原告語呂合わせ98と被告語呂合わせ98とは、「ルールある」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「rural」の発音をカタカナ読みして「ルーラル」とし、音を一部変化させて「ルールアル(ルールある)」として、これを日本語訳(いなかの)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙2〕に「ルールある田舎の町」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ98と被告語呂合わせ98とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ98は、原告語呂合わせ98を複製又は翻案したものには当たらない。 [99] 原告語呂合わせ99及び被告語呂合わせ99について 原告語呂合わせ99と被告語呂合わせ99とは、「ビク(びく)ともしない」と記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「victim」の発音をカタカナ読みして「ヴィクティム」とし、音を一部変化させて「ビクトモ(ビクとも)」として、これを日本語訳(被害者)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく(語呂合わせの類書〔乙3〕に「びくちむしない被害者」との語呂合わせがあることからも、他の表現の選択肢が限られていることがうかがわれる。)、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ99と被告語呂合わせ99とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ99は、原告語呂合わせ99を複製又は翻案したものには当たらない。 [100] 原告語呂合わせ100及び被告語呂合わせ100について 原告語呂合わせ100と被告語呂合わせ100とは、「冷麺」との単語及び「作る」ことを意味する語句(作れます、作る)を記述する点において共通している。 しかしながら、上記共通部分はごく短い上、「layman」の発音をカタカナ読みして「レイマン」とし、音を一部変化させて「レイメン(冷麺)」として、これを日本語訳(素人)とつなげることは、誰が行っても必然的に同一の表現になるものではないとしても、上記[1]で述べた表現上の制約により相当程度限定された選択肢の中でされた表現の域を出るものではなく、かかる意味においてありふれた表現と言わざるを得ないから、思想又は感情を創作的に表現したものと認めることは困難である。 したがって、原告語呂合わせ100と被告語呂合わせ100とは、表現上の創作性のない部分において同一性を有するにすぎないから、被告語呂合わせ100は、原告語呂合わせ100を複製又は翻案したものには当たらない。 (4) 小括 以上によれば、被告語呂合わせは、いずれも、原告語呂合わせを複製又は翻案したものに当たらないから、被告が、被告語呂合わせの掲載された被告書籍を発行し、販売することは、原告の著作権(複製権又は翻案権)を侵害するものではない。 2 争点2(氏名表示権及び同一性保持権の侵害は成立するか)について 前記1のとおり、被告語呂合わせは、いずれも、原告語呂合わせを複製又は翻案したものではなく、したがって、原告が、その意に反して原告語呂合わせの変更、切除その他の改変を受けたとはいえないから、原告語呂合わせについての同一性保持権の侵害は認められないし、被告が、被告語呂合わせの掲載された被告書籍を販売するに際して、原告の氏名を表示しなかったとしても、原告の氏名表示権を侵害するものではない。 3 結論 以上によれば、その余の争点につき判断するまでもなく、本件請求は理由がない。 なお、本件では、被告書籍を執筆したBが原告語呂合わせに依拠して被告語呂合わせを作成したことは、優に認められるところ(甲1ないし5、弁論の全趣旨)、Bにおいて、著作権等の侵害を否定しつつも、被告から同人に支払われる印税の半分を原告及びアクティブ・ブレイン協会に支払う旨の申し出をし、合意書の案まで作成していたという経緯が存在する(甲6、7、弁論の全趣旨)。しかるに、被告は、被告書籍の発行に先立って、被告書籍が原告書籍と類似しているとして、訴訟など何らかの措置をとる可能性があることを示唆する手紙を原告から受領した後(乙11、14)、単に被告書籍の発行を中止しなかったにとどまらず、Bが原告との間で合意書を取り交わした場合には、Bに法的手段をとることを辞さない構えであること等を通知したのであって(甲8、乙13、14)、原告がかような被告の対応を心外に感じ、法的手続をとるに至ったことにも無理からぬところがあると思われるが、著作権法に基づく原告の請求を認めることが困難であることは、上述したとおりである。 よって、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 嶋末和秀 裁判官 鈴木千帆 裁判官 天野研司 (別紙)書籍目録
(別紙)語呂合わせ対照表
別紙 主張整理表 <省略> 別紙 類書比較表 <省略> |
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