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【事件名】歴史小説の“参考文献”事件
【年月日】平成27年2月25日
 東京地裁 平成25年(ワ)第15362号 著作権侵害差止等請求事件
 (口頭弁論終結日 平成26年12月17日)

判決
原告 X
同訴訟代理人弁護士 柳原敏夫
被告 株式会社テレビマンユニオン
同訴訟代理人弁護士 山本博
同 林千春


主文
1 被告は、別紙侵害認定表現目録記載1ないし5の侵害認定表現を含む別紙放送番組目録記載1ないし5の各番組を公衆送信してはならない。
2 被告は、別紙侵害認定表現目録記載1ないし5の侵害認定表現を含む別紙放送番組目録記載1ないし5の各番組を収録したDVDを複製又は頒布してはならない。
3 被告は、原告に対し、30万8659円及びこれに対する平成25年6月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
5 訴訟費用はこれを2分し、その1を原告の負担とし、その余は被告の負担とする。
6 この判決は、第1項ないし第3項に限り、仮に執行することができる。
第1 請求
1 被告は、別紙放送番組記載1ないし5の各番組を公衆送信してはならない。
2 被告は、別紙放送番組目録記載1ないし5の各番組を収録したDVDを複製又は頒布してはならない。
3 被告は、原告に対し、3200万円及びこれに対する平成25年6月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 仮執行宣言
第2 事案の概要
1 前提事実(証拠を掲げていない事実は当事者間に争いがない。)
(1) 当事者
 原告は、フリーのライターであり、「大君の通貨」(昭和59年9月刊行)で「第4回新田次郎賞」を受賞し、「恵比寿屋善兵衛手控」(平成5年10月刊行)で「第110回直木賞」を受賞し、そのほかにも作品を発表している。
 被告は、テレビ、ラジオ番組の企画・制作を主たる業務とする株式会社である。
(2) 原告の著作物
ア 原告は、別紙小説目録記載1の「田沼意次 主殿の税」(甲2。以下「原告小説1」という。)、同目録記載2の「開国 愚直の宰相・堀田正睦」(甲3。以下「原告小説2」という。)及び同目録記載3の「調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚」(甲4。以下「原告小説3」といい、原告小説1ないし原告小説3を併せて、以下「原告各小説」という。)の著作者であり、原告各小説に係る著作権及び著作者人格権を保有している。
イ 原告各小説
(ア) 原告小説1は、歴史小説であり、平成15年5月20日に初版が発行され、本文336頁からなり、別紙作品対照表1の「原告小説1の表現」欄記載の記述がある。〔甲2〕
(イ) 原告小説2は、歴史小説であり、平成9年11月15日に初版が発行され、本文806頁からなり、別紙作品対照表2の「原告小説2の表現」欄記載の記述がある。〔甲3〕
(ウ) 原告小説3は、歴史小説であり、平成13年7月19日に初版が発行され、本文340頁からなり、別紙作品対照表3の「原告小説3の表現」欄記載の記述がある。〔甲4〕
(3) 被告の行為等
ア 被告は、シリーズ「THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち」のテレビ番組として、以下のとおり、別紙放送番組目録記載のテレビ番組を制作した。
@ 「THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜20『田沼意次』」(平成23年8月15日放送)(甲5。以下「被告番組1」という。)
A 「THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜67『堀田正睦』」(平成24年7月19日放送)(甲6。以下「被告番組2」という。)
B 「THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜48『調所笑左衛門』」(平成24年3月5日放送)(甲7。以下「被告番組3」という。)
イ さらに、被告は、被告番組1と、同シリーズのテレビ番組である「松平定信」とを編集して、一本の番組とした「THEナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜69『田沼意次&松平定信』」(平成24年8月2日放送)(甲11。以下「被告番組4」という。)を制作した。
 また、被告は、被告番組3と、同シリーズのテレビ番組である「保科正之」とを編集して、一本の番組とした「THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜75『保科正之&調所笑左衛門』」(平成24年9月13日放送)(甲12。以下「被告番組5」という。)を制作した(以下、被告番組1ないし被告番組5を併せて「被告各番組」という。)。
ウ シリーズ「THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち」のテレビ番組は、1番組につき25分程度であり、番組ごとに歴史上の人物を取り上げ、ナレーションを交えたドラマでその人物が関わる歴史上の場面を再現するシーンからなる部分(以下「本題部分」という。)や、その人物を巡って行われる現場等でのロケ部分とスタジオで司会者とゲストとが鼎談するシーンとからなる部分(以下「鼎談部分」という。)とで構成され、それらの部分が交互に織り交ぜられて番組が展開する、というものとなっている。
 そして、被告各番組の内容はいずれも上記の構成となっている。〔甲5ないし12〕
エ 被告各番組には、本題部分ないし鼎談部分において、別紙作品対照表1ないし3の「被告番組1の表現」ないし「被告番組3の表現」欄記載の内容が語られている。
オ 被告各番組では、その各エンドロールにおいて、「参考文献 X著『田沼意次 主殿の税』」、「参考文献 X著『開国 愚直の宰相堀田正睦』」、「参考文献 X著『調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚』」と表示されていた。〔甲5ないし7、11、12〕
2 本件は、原告が、被告が原告各小説を無断で翻案ないし複製して被告各番組を制作して、原告各小説について原告が有する著作権(翻案権、複製権)及び著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権)を侵害したと主張して、被告に対し、著作権法112条1項に基づき、被告各番組の公衆送信及び被告各番組を収録したDVDの複製、頒布の差止めを求めるとともに、民法709条に基づく損害賠償金3200万円及びこれに対する平成25年6月26日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
3 争点
(1) 著作権(翻案権、複製権)侵害の成否
(2) 著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権)侵害の成否
(3) 許諾の有無
(4) 損害発生の有無及びその額
第3 争点に関する当事者の主張
1 争点(1)(著作権(翻案権、複製権)侵害の成否)について
〔原告の主張〕
(1) 原告が著作権(翻案権、複製権)侵害を主張するのは、被告各番組のうち本題部分である。
 この点、翻案とは、著作物を現状のまま利用するのではなく、著作物をもとにして新たな著作物を作る場合の全てを総称するものであるが、このうち「言語の著作物」(著作権法10条1項1号)の翻案とは、既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに 思想又は感情を創作的に表現することにより、これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる別の著作物を創作する行為をいう(最高裁平成13年6月28日判決)。
 小説は言語の著作物に、テレビ番組は映画の著作物(著作権法10条1項7号)に該当するところ、本件のように小説(言語の著作物)に基づいてテレビ番組(映画の著作物)を制作する場合、表現手段が言語と映像と互いに異なる以上、表現に「具体的表現に修正、増減、変更等を加」えることになるのは必然である。
 そして、テレビ番組(映画の著作物)が小説(言語の著作物)の翻案権を侵害するのは、次の二つの要件を満たす場合であると解するべきである。
@ テレビ番組制作に当たり、言語の著作物に依拠したこと(依拠性)
A 両作品の表現上の本質的な特徴部分の同一性が維持されていること
(類似性)
(2) 被告は、原告各小説を部分翻案して被告各番組を制作した。部分翻案とは、原告小説の内面的表現形式を構成する以下の部分について、原告各小説と被告各番組との間に類似性が認められる場合のことをいう。
ア シークエンス(節)について
 シークエンス(節)とは、小説や映画、番組において「本筋」を構成する個別の挿話(まとまりを持った小話)であり、いくつかの場面(これを「シーン」という。)が集まって一つのシークエンスとなるものである。
 そして、シークエンスにおける表現上の本質的な特徴部分は、ストーリーである。この「ストーリー」とは、「そこに語られる出来事の一つ一つの間に何らかの有機的な連絡」が仕組まれていることをいう。
 したがって、テレビ番組と小説中のシークエンスについて、ストーリーの同一性が維持されていれば、翻案となる。
イ エピソードについて
 エピソードとは、小説や映画、番組において本筋から外れた部分を構成する個別の挿話である。
 エピソードの表現上の本質的な特徴部分は、ストーリーであり、テレビ番組と小説中のシークエンスについて、ストーリーの同一性が維持されていれば、翻案となる。
ウ 人物設定
 小説や映画、番組では、登場人物に関する人物設定があるが、人物設定とは、作者が設定した、登場人物がどのような性格であるかとか、どのような時代認識を持ち合わせていたかといったものであり、シークエンス等と並んで作者の個性を決定付ける主要な要素である。
 そして、人物設定について、表現上の本質的な特徴部分の同一性が維持されていれば、翻案となる。
(3) また、被告は、原告各小説を部分複製して被告各番組を制作した。部分複製とは、まとまりのある創作的な外面的表現形式の一部分をそのまま利用することをいう。
(4) 原告が主張する、部分翻案ないし部分複製に係る原告各小説の表現は、別紙作品対照表1ないし3の「原告小説1」ないし「原告小説3」の各欄記載のとおりである(掲記する記述内容と、ページ数、行数は、小説中の具体的記述とそのページ数及び行数である。)。
 これに対して著作権侵害を主張する被告各番組の表現は、被告番組1ないし3の表現については、別紙作品対照表1ないし3の「被告番組1」ないし「被告番組3」の各欄記載のとおりである(掲記する記述内容と、ページ数、行数は、番組中の台詞部分と、それらを録音反訳した甲8ないし10における該当部分のページ数、行数である。)。また、被告番組4については、上記被告番組1の内容が、被告番組5については、上記被告番組5の内容がそれぞれ語られている。
(5) 原告が部分翻案を主張する、シークエンスないしエピソードを構成するシーンは、別紙主張対照表1ないし3の「原告の主張」の「ストーリー」欄において、個別に(a)、(b)、(c)、(d)などとするものであり、ストーリーは、(a)→(b)→(c)→(d)といった順序で物語が展開するように仕組まれていることを主張するものである。
 そして、別紙主張対照表1ないし3の「原告の主張」欄記載のとおり、被告番組1ないし3は、原告各小説の部分翻案ないし部分複製に当たる。
 また、上記被告番組1の内容が語られている被告番組4は原告小説1につき、上記被告番組3の内容が語られている被告番組5は原告小説3につき、それぞれ原告各小説の部分翻案ないし部分複製に当たる。
〔被告の主張〕
(1) 原告各小説と被告各番組の具体的表現が、別紙作品対照表1ないし3記載のとおりであることは認め、被告各番組が原告各小説の部分翻案ないし部分複製に当たるとの原告の主張は否認ないし争う。
(2) 前記最高裁平成13年6月28日判決に従い、「表現上の本質的な特徴を感得できる」といえるか否かを判断するに当たっては、@著作物のどの要素における同一性を検討することになるか、及び、Aその要素にどの程度の類似性があれば「感得」することができると考えられるか、に分けて検討することを要すると考えるべきである。
 この点、上記@の著作物に含まれる要素については、(@)具体的表現(言語著作物の場合は文字)、(A)ストーリー(展開)や情景描写などの抽象的表現(非文字的要素)、(B)思想・感情・アイデア(観念、あらすじなど)の3点に分類し、しかも関連させながら考察すべきである。
 具体的には、(@)の具体的表現が同一の場合は複製権の侵害に該当し、(A)については、具体的表現には同一性がないものの抽象的表現には同一性が認められる場合、及び具体的表現の一部に同一性があり抽象的表現にも同一性がある場合には翻案権の侵害の可能性を認めることになると思料する。そして(B)については、同一性がある場合でも侵害は成立しないものと考えるべきである。
(3) 原告各小説のような歴史小説においては、原著作物の「ストーリー」の創作性は、限定的なものであると考えるべきである。歴史的な出来事は、そのほとんどは歴史的事実や資料等により一般的な知見に属することがらといい得るところである。そのため、これらは原則として自由に使用されるべきものであり、翻案権を肯定し得る表現上の本質的な特徴と認め得る範囲は狭く認定されるべきである。
 そして、原著作物において、歴史的事実に属することがらが独特の表現により著されているため表現上の本質的な特徴と認め得るような部分があるとしても、当該表現が、同一の出来事や人物を扱った文献や資料において既に使われている場合には、原著作物の創作性を認めるべきではない。
(4) 以上を前提に本件についてみると、個別の具体的主張は別紙主張対照表1ないし3の「被告の主張」欄記載のとおりであるが、原告小説に著されたシークエンスあるいはストーリーを構成する個々の出来事や人物設定について、それぞれが歴史的事実や一般的知見に属するものについては、同一性があるとしても著作権侵害は成立しない。また、思想、認識(観念)やアイデアに属するものについて、同一性があるとしても著作権侵害は成立しない。
 次に「ストーリー」あるいは「出来事の一つ一つの間の有機的な連絡・まとまり」については、具体的表現には同一性がないものの抽象的表現には同一性が認められる場合、並びに具体的表現の一部に同一性があり抽象的表現にも同一性がある場合には、翻案権を侵害する可能性がある。ただし、構成する個々の出来事が歴史的事実や一般的知見に属するものの場合は、「ストーリー」の多くに独創性があるということができない。また、「ストーリー」について、記述順序の観点からみるならば、それ自体に表現上の創作性を認めるのは困難である。また記述順序を構成すること自体は、著作者の思想、認識(観念)やアイデアに属することに止まるものである。
(5) 以上のとおりであるから、本件において原告各小説に係る著作権(翻案権、複製権)侵害は成立しない。
2 争点(2)(著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権)侵害の成否)について
〔原告の主張〕
(1) 同一性保持権侵害
 被告は、別紙作品対照表1ないし3の「無断改変」の項のとおり、原告各小説の表現を改変して被告各番組を制作しており、別紙主張対照表1ないし3の「無断改変」の項の「原告の主張」欄のとおり、原告が有する同一性保持権を侵害した。
(2) 氏名表示権侵害
 被告は、被告各番組において、原作者として原告の氏名を表示しなかったから、原告が有する氏名表示権を侵害した。
 また、著作権法19条3項の適用により原告が有する氏名表示権の侵害には当たらないとする被告の主張については、争う。
〔被告の主張〕
(1) 同一性保持権侵害につき
 原告の前記(1)の主張は否認ないし争う。原告が同一性保持権侵害と主張する部分については、他の文献を使用しており、原告各小説を改変したものではない。
(2) 氏名表示権侵害につき
 原告の前記(2)の主張は否認ないし争う。前記第2、1(3)オのとおり、被告は、被告各番組の全てにおいて、エンドロールに原告各小説につき「参考文献」として、また、そのタイトルと著者としての原告の氏名を字幕表示しており、原告が原告各小説の著者であることをその実名をもって示したから、原告が有する氏名表示権の侵害には当たらない。
 また、被告は、原告各小説を被告各番組の原作としてではなく、飽くまで参考文献として利用する目的で、原告各小説に著された原告の思想、歴史認識、アイデア等の一部を参考にして、被告各番組の構成、ナレーション、ドラマの構成と台詞等を創作した。
 そして、被告は、上記のとおりの態様で原告の氏名を表示したのであり、この表示は、歴史をテーマに扱うテレビ番組において通常行われている方法であり、公正な慣行を履践したものである。
 したがって、以上の利用目的や利用態様に鑑みれば、本件における被告の行為は、著作権法19条3項の適用により、原告が有する氏名表示権の侵害には当たらない。
3 争点(3)(許諾の有無)について
〔被告の主張〕
 被告は、被告各番組の制作に当たって原告に出演を求め、あるいは原告各小説を参考文献とすることについて同意を求め、原告から同意を得た上で被告各番組を制作した。
 したがって、被告は、原告から許諾を得て被告各番組を制作、放送しており、原告の著作権ないし著作者人格権を侵害しない。
〔原告の主張〕
 否認ないし争う。
4 争点(4)(損害発生の有無及びその額)について
〔原告の主張〕
(1) 著作権侵害
 原告は、原作使用料を150万円とし(ただし、二次的著作物についてはその半額)、無断で複製ないし翻案したときはその3倍の金額をペナルティ料として請求しており、これに倣って損害額は1800万円とされるべきである。
ア 被告番組1ないし3につき
 (150万円×3)×3=1350万円
イ 被告番組4及び5につき
 (〔150万円×1/2〕×3)×2=450万円
(2) 著作権及び著作者人格権侵害による慰謝料
 原告は、被告の侵害行為により、筆舌に尽くし難い苦痛と屈辱を経験した。これによって原告が被った精神的苦痛を慰謝するには、1000万円を下ることはない。
(3) 弁護士費用
 本件訴訟が著作権の専門的領域に関するものであり、前記賠償金の額と照らし、訴訟追行に関する弁護士費用は400万円を下ることはない。
〔被告の主張〕
 否認ないし争う。
第4 当裁判所の判断
1 争点(1)(著作権(翻案権、複製権)侵害の成否)について
(1) 著作者は、その著作物を複製する権利を専有し(著作権法21条)、また、その著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案する権利を専有する(同法27条)。
 ここで、「著作物」とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう(同法2条1項1号)。
 したがって、歴史上の出来事や歴史上の人物に関する事実それ自体は、単なる事実にすぎず、「思想又は感情」の表現とはいえず、著作物に当たらないから、そもそも複製権・翻案権の保護の対象とならず、また、歴史上の事実等についての見解や歴史観といったものも、それ自体は思想又はアイデアそのものであって具体的な「表現」とはいえないから、同様に複製権・翻案権の保護の対象とはならないというべきである。さらに、「創作的」に表現されたというためには、厳密な意味で独創性が発揮されたものであることは必要ではなく、作者の何らかの個性が表れたものであれば足りるというべきであるが、文章自体がごく短く又は表現の選択の幅に制約があるため他の表現が想定できない場合や、表現が平凡かつありふれたものである場合には、作者の個性が表れたものとはいえないから、創作的な表現であるということはできない。
 他方、歴史上の事実等に関する記述であっても、その事実の選択や配列、あるいは歴史上の位置付け等において創作性が発揮されているものや、歴史上の事実又はそれについての見解や歴史観を具体的に記述して表現したものについては、その表現方法につき表現の選択の幅があり、かつその選択された具体的表現が平凡かつありふれた表現ではなく、そこに作者の個性が表れていれば、創作的な表現として、著作権法の保護が及ぶ場合があるというべきである。
 次に、複製とは、印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいうところ(同項15号参照)、著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、これと同一のものを作成し、又は、具体的表現に修正、増減、変更等を加えても、新たに思想又は感情を創作的に表現することなく、その表現上の本質的な特徴を直接感得することのできるものを作成することをいうと解するのが相当である。
 また、翻案とは、既存の著作物に依拠し、かつ、その表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ、具体的表現に修正、増減、変更等を加えて、新たに思想又は感情を創作的に表現することにより、これに接する者が既存の著作物の表現上の本質的な特徴を直接感得することのできる別の著作物を創作する行為をいう。そして、前述のとおり、著作権法は、思想又は感情の創作的な表現を保護するものであるから(同法2条1項1号)、既存の著作物に依拠して創作された著作物が思想、感情若しくはアイデア、事実若しくは事件など表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分において、既存の著作物と同一性を有するにすぎない場合には、翻案には当たらないと解するのが相当である(最高裁平成11年(受)第922号同13年6月28日第一小法廷判決・民集55巻4号837頁参照)。
 以上の観点から、以下、個別に検討する。
(2) 原告各小説について
 原告は、別紙作品対照表1ないし3記載のとおり、原告各小説を別紙作品対照表1ないし3記載の各原告小説1ないし3の表現欄に記載された各部分に分け、それらが個々的に著作物に当たり、また、被告各番組を別紙作品対照表1ないし3記載の各被告番組1ないし3の表現欄に記載された各部分に分け、別紙主張対照表1ないし3の「原告の主張」欄記載の理由により、それぞれの各被告番組の表現は、各原告小説の複製若しくは翻案に当たり、したがって、原告の有する複製権若しくは翻案権を侵害する旨主張する。
 そこで、以下、それぞれについて、原告各小説の記述部分にかかる創作性等に関して具体的に陳述する原告の陳述書(甲1、26、27)の内容を斟酌しつつ、個別に複製権若しくは翻案権侵害の成否に関する当裁判所の判断を示すこととするが、その具体的内容は、別紙主張対照表1ないし3の「当裁判所の判断」欄記載のとおりである。
 そうすると、同欄記載のとおり、著作権(複製権、翻案権)侵害が認められるのは、被告番組1については、別紙作品対照表1の「3 エピソードの翻案」の番号1の表現部分(これを以下「被告番組1−3−1」といい、以下、各作品対照表記載の各番号に従って同様に称することとする。)、被告番組2については、被告番組2−5−6、被告番組3については、被告番組3−4−6であり、その余は複製権侵害、翻案権侵害のいずれも成立しないと認めるのが相当である。
 また、上記被告番組1の内容が語られている被告番組4については、被告番組1−3−1と同じ表現部分(以下「被告番組4侵害認定表現部分」という。)が、上記被告番組3の内容が語られている被告番組5については、被告番組3−4−6と同じ表現部分(以下「被告番組5侵害認定表現部分」という。)が、それぞれ原告の保有する著作権(複製権、翻案権)を侵害すると認められ、その余は複製権侵害、翻案権侵害のいずれも成立しないと認めるのが相当である。
2 争点(2)(著作者人格権(同一性保持権、氏名表示権)侵害の成否)について
(1) 同一性保持権侵害の成否につき
 原告は、被告各番組において原告各小説の記述部分から改変したとして、同一性保持権侵害を主張するが、別紙主張対照表1ないし3の「無断改変」の項における「当裁判所の判断」欄記載のとおり、本件では、いずれも同一性保持権侵害が成立しないと認めるのが相当であるから、原告の上記主張には理由がない。
(2) 氏名表示権侵害の成否につき
 原告は、被告各番組において原作者として原告の氏名が表示されていないとして氏名表示権侵害を主張するところ、前記第2、1(3)オのとおり、被告各番組のエンドロールで、「参考文献 X著『田沼意次 主殿の税』」、「参考文献 X著『開国 愚直の宰相堀田正睦』」、「参考文献 X著『調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚』」と表示されていたことが認められる。
 上記各表示は、原告各小説と併せて「X著」と表示して、その著者が原告であることをその実名の表示をもって示しているものと認めることができる。
 そして、「参考文献」との記載によって、被告各番組が原告各小説に依拠して制作されたことは明らかであるから、被告各番組は原告各小説の二次的著作物に該当すると認められるところ、上記各表示は、「その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示」(著作権法19条1項後段)に該当するものと認められる。
 仮にそうでないとしても、同条3項は、「著作者名の表示は、著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがないと認められるときは、公正な慣行に反しない限り、省略することができる」と規定するところ、 そもそも、前記1のとおり、本件において著作権(複製権、翻案権)侵害が認められるのは、被告各番組のうち、被告番組1については被告番組1−2−1、被告番組2については被告番組2−5−6、被告番組3については被告番組3−4−6、被告番組4については被告番組4侵害認定表現部分、被告番組5については被告番組5侵害認定表現部分に限られ、ほとんどの部分において複製権侵害、翻案権侵害のいずれも成立していないこと、そして、前記のとおり被告各番組のエンドロールにおける上記表示において、「参考文献」として原告各小説が原告の実名とともに表示されており、かかる表示態様である以上、被告各番組が原告各小説に依拠して制作されたことが十分に感得できること、この点、証拠(乙37)及び弁論の全趣旨によれば、被告は、シリーズ「THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち」のテレビ番組において、被告各番組と同様に、その回の主要参考文献とした作品については、番組のエンドロールにおいて「参考文献」として当該作品のタイトルとその著者名を併記したものを字幕表示していたことが認められること、それらの諸事情を総合すると、本件においては「著作物の利用の目的及び態様に照らし著作者が創作者であることを主張する利益を害するおそれがない」(同条3項)と認めるのが相当である。
 また、歴史小説を題材に制作されたテレビ番組において、番組のエンドロールにおいて題材にされた歴史小説のタイトルとその著者名を併記したものを字幕表示するという方法は、通常行われる方法であるといえるところ、被告が被告各番組において行った前記の表示態様は、上記の方法に沿って行われたものであるから、「公正な慣行に反しない」(同項)ものであると認めるのが相当である。
 したがって、同項により、著作者名である原告の氏名の表示を省略することができるものというべきである。
 よって、被告各番組の公衆への提供又は提示は、原告の氏名表示権を侵害するものではないと認めるのが相当である。
3 争点(3)(許諾の有無)について
(1) 被告は、被告各番組の制作に当たって原告に出演を求め、あるいは原告各小説を参考文献とすることについて同意を求め、原告から同意を得た上で被告各番組を制作したから、原告から許諾を得て被告各番組を制作、放送しており、原告の著作権を侵害しないと主張する。
(2) 前記第2、1(3)並びに証拠(甲1、13ないし16、乙36ないし40、53)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実が認められ、同認定を覆すに足りる証拠はない。
ア 被告は、シリーズ「THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち」のテレビ番組においては、その回の主要参考文献とした作品の著者にインタビュー出演してもらい、併せて参考文献として番組を制作することに対する了承を得て、出演料と許諾への対価の趣旨で謝礼を払うこととしていた。
イ 被告において被告番組1を制作するに当たり、被告の同番組制作担当者が、平成23年7月頃、原告に電話をして被告番組1への出演依頼をしたが、原告に断られると、 原告小説1を参考文献として被告番組1を制作することに対する了承を原告から得ることなく、同番組を制作し、同年8月15日に同番組を放送した。
ウ その後、被告において被告番組3を制作するに当たり、被告の同番組制作担当者が、平成24年1月10日、原告に電話をして被告番組3への出演依頼をしたが、原告から被告番組1の制作時に出演依頼を受けたものの同番組について事後の報告を受けていないことを指摘され、翌11日、謝罪の手紙(その手紙には、被告番組1−3−1は原告小説1に準拠したことが示されていた。)を添えて、参考にしたい箇所として、原告小説3から被告番組3−4−6をそのまま記載するとともに、ほかに3点を要約して箇条書きにして、了承を求める旨をファックスで送った。これに対して原告は、同月12日、「お申し越しの件、了承しました。田沼の件も諒とします。追加については私に問い合わせることなく、自由にして下さい。」と記載してファックスを返送した。これを受けた前記番組制作担当者は、被告番組3を制作し、同年3月5日に同番組を放送した。なお、前記番組制作担当者は、同番組の放送後に同番組の録画内容を原告に送らなかった。
エ さらに、被告において被告番組2を制作するに当たり、被告の同番組制作担当者が、平成24年6月26日、原告に電話をして原告小説2を参考文献として被告番組2を制作することに対する了承を求めた。原告は、同日、被告に対し、被告番組2の制作前の段階で予め許諾を求められていない、被告番組3の録画内容が送られていないと抗議した。
 同制作担当者らは、同月28日、原告に面会を求めたが断られたため、原告に謝罪文を郵送し、併せて被告番組1及び3を録画したVHSビデオテープを送った。
 そして、同番組制作担当者は、被告番組2を制作し、同年7月19日に同番組を放送した。
オ 前記番組制作担当者は、被告番組2の放送後、同番組を録画したVHSビデオテープを原告に送ったが、原告から特に了承する旨の連絡等はなかった。
カ 被告は、被告番組4及び5について前記エの謝罪の際にそれらの番組の制作、放送を予定しており、その了承について検討を求めていたが、原告から回答を得ることなく、それらの番組を制作し、被告番組4を平成24年8月2日に、被告番組5を同年9月13日にそれぞれ放送した。
 そして、被告は、放送後にそれらの番組を録画したVHSビデオテープを原告に送った。
キ 原告は、平成24年11月7日、被告に対し、被告各番組の内容は原告各小説の記述内容を全体において用いており、原告が了承した範囲を超えている旨抗議をした。
(3) 上記認定事実によれば、被告は、原告から、事前はもとより、事後的にも、原告各小説が参考文献として具体的にはどのように記述内容が用いられるのかについて理解を得ないまま被告各番組を制作、放送したと認められるから、被告が原告から原告各小説の記述内容を用いることについて許諾があったと認めることはできない。
 この点、前掲証拠によれば、被告番組3においては、その制作担当者が参考とする箇所を特定して原告から了承を得た事実が認められるが、原告から指摘されるまで放送後に放送内容を伝えていなかった上、その後に原告から、同番組が許容範囲を超えて原告小説3の記述内容を用いている旨抗議を受けたことに照らせば、同番組についても、被告が原告から、同小説が参考文献として具体的にはどのように記述内容が用いられるのかについて十分な理解を得ないまま同番組を制作、放送したといわざるを得ない。
 以上のとおりであるから、被告の前記主張は理由がない。
4 差止請求について
 前記2(2)によれば、被告番組1−3−1及び被告番組4侵害認定表現部分が原告小説1の作品対照表1の「3 エピソードの翻案」の項の番号1の記述部分(これを以下「原告小説1−3−1」といい、以下、同様に称することとする。)につき、被告番組2−5−6が原告小説2−5−6につき、被告番組3−4−6及び被告番組5侵害認定表現部分が原告小説3−4−6につき、原告が保有する著作権をそれぞれ侵害するから、原告は、著作権に基づき、被告に対し、上記表現部分の公衆送信及びそれらを収録したDVDの複製、頒布の差止めを請求することができる。この点、原告は、被告各番組自体についての差止めを請求するところ、上記表現部分のそれぞれを物理的に分離することはできないから、原告の差止請求は、上記表現部分を含む被告各番組の公衆送信及び被告各番組を収録したDVDの複製、頒布の差止めを求める限度で理由がある。
5 争点(4)(損害発生の有無及びその額)について
(1) 財産的損害について
 弁論の全趣旨によれば、原告各小説についての使用料相当額は、小説ごとに150万円、二次的著作物についてはその半額の75万円と認めるのが相当である。
 この点、原告は、無断で複製ないし翻案したときは使用料の3倍の金額をペナルティ料として請求しており、これに倣って損害賠償額が算定されるべきであると主張する。しかし、我が国の不法行為に基づく損害賠償制度は、被害者に生じた現実の不利益を?補して、不法行為がなかった時の状態に回復させることを目的とするものであり、加害者に対する制裁や、将来における同様の行為の抑止を目的とするものではない。著作権侵害については、使用料相当額の賠償によって、被害者が被った不利益を?補し、不法行為がなかったときの状態に回復させることができるから、それを超える金額の賠償は認められないのであって、原告の上記主張は採用することができない。
 そして、前記2(2)のとおり、被告番組1−3−1及び被告番組4侵害認定表現部分が原告小説1−3−1につき、被告番組2−5−6が原告小説2−5−6につき、被告番組3−4−6及び被告番組5侵害認定表現部分が原告小説3−4−6につき、原告が保有する著作権をそれぞれ侵害するものであるところ、その分量は、原告小説1−3−1については約1頁、原告小説2−5−6については約6分の1頁、原告小説3−4−6については合計約4分の1頁と認められる。
 原告各小説の本文の分量は前記第2、1(2)イのとおり、原告小説1が336頁、原告小説2が806頁、原告小説3が340頁であり、財産的損害については、頁数の割合に応じて算定するのが相当である。
 そして、被告番組4は被告番組1の、被告番組5は被告番組3の二次的著作物に当たるから、原告が被った財産的損害は、次のとおりである。
ア 原告小説1につき
(ア) 被告番組1につき
 150万円×(1頁÷336頁)=4464円(端数切り捨て。)
(イ) 被告番組4につき
 150万円×1/2×(1頁÷336頁)=2232円(端数切り捨て。)
イ 原告小説2につき
 150万円×(1/6頁÷806頁)=310円(端数切り捨て。)
ウ 原告小説3につき
(ア) 被告番組3につき
 150万円×(1/4頁÷340頁)=1102円(端数切り捨て。)
(イ) 被告番組5につき
 150万円×1/2×(1/4頁÷340頁)=551円(端数切り捨て。)
エ 以上合計額
 8659円
(2) 著作権及び著作者人格権侵害による慰謝料について
ア まず、著作権侵害については、前記(1)のとおり財産的損害の?補が認められる以上、さらに慰謝料を認めるべき理由はないから、著作権侵害に基づく慰謝料を請求する原告の主張は失当である。
イ 次に、前記2のとおり本件において著作者人格権侵害は認められないから、著作者人格権侵害による慰謝料の主張は理由がない。
(3) 弁護士費用について
 本件訴訟の性質、経緯その他本件に現れた一切の事情を総合考慮すると、被告による侵害行為と相当因果関係のある弁護士費用は、30万円と認めるのが相当である。
(4) 損害額の合計について
 以上により、本件で認定した損害額は合計30万8659円であるから、被告は、原告に対し、同金額及びこれに対する平成25年6月26日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を支払う義務がある。
6 結論
 以上によれば、原告の請求は主文1ないし3掲記の限度で理由があるからこれを認容し、原告のその余の請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第40部
 裁判長裁判官 東海林保
 裁判官 今井弘晃
 裁判官 実本滋


(別紙)侵害認定表現目録
1 番組1
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜20「田沼意次」
 侵害認定表現(別紙作品対照表1の「3 エピソードの翻案」の番号1の「被告番組1の表現」欄記載の下記の表現)
 記
 「あるとき、田沼が庭をぼんやり眺めていると、突然目の前に少年だったころの意知が現れました。
 『あれは意知。いや、幻か。私に会いにきてくれたんだろうか』。すると少年は言いました。『おじいちゃん。』
 そう、少年は、孫の龍助だったのです。」
2 番組2
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜67「堀田正睦」
 侵害認定表現(別紙作品対照表2の「5 部分複製」の番号6の「被告番組2の表現」欄記載の下記の表現)
 記
 「このまま伊勢守に交易反対の旗を振らせておくわけにはいかない。振らせておくと国を誤る。清国のように、西洋諸国の大艦巨砲にものを言わされてしまう」
3 番組3
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜48「調所笑左衛門」
 侵害認定表現(別紙作品対照表3の「4 部分複製」の番号6の「被告番組3の表現」欄記載の下記の表現)
 記
 「そのほうに気づかなかったのはわしの一生の不覚だった。おろかなことに、そのほうを最後の最後まで使えぬとみた。ゆるせ」
4 番組4
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜69「田沼意次&松平定信」
 侵害認定表現
  前記1と同じ。
5 番組5
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜75「保科正之&調所笑左衛門」
 侵害認定表現
  前記3と同じ。

(別紙)放送番組目録
1 番組1
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜20「田沼意次」
 著者 被告
 放送日 2011年8月15日
2 番組2
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜67「堀田正睦」
 著者 被告
 放送日 2012年7月19日
3 番組3
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜48「調所笑左衛門」
 著者 被告
 放送日 2012年3月5日
4 番組4
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜69「田沼意次&松平定信」
 著者 被告
 放送日 2012年8月2日
5 番組5
 題名 THE ナンバー2〜歴史を動かした陰の主役たち〜75「保科正之&調所笑左衛門」
 著者 被告
 放送日 2012年9月13日
以上

(別紙)小説目録
1 小説1
 題名 田沼意次 主殿の税
 著者 原告
 発行者 M
 発行所 株式会社 学陽書房
 発行日 2003年5月20日(初版)
2 小説2
 題名 開国 愚直の宰相・堀田正睦
 著者 原告
 発行者 N
 発行所 株式会社 講談社
 発行日 1997年11月15日(初版)
3 小説3
 題名 調所笑左衛門 薩摩藩経済官僚
 著者 原告
 発行者 M
 発行所 株式会社 学陽書房
 発行日 2001年7月19日(初版)
以上
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