判例全文 line
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【事件名】「週刊文春」の旧石器発掘捏造報道事件(3)
【年月日】平成16年7月15日
 最高裁(一小) 平成16年(オ)第911号 謝罪広告等請求事件
 (一審・大分地裁平成13年(ワ)第610号/二審・福岡高裁平成15年(ネ)第534号)

判決


主文
 本件上告を棄却する。
 上告費用は上告人らの負担とする。

理由
1 上告代理人喜田村洋一、同林陽子、同大村恵実の上告理由第3点について
 所論は、憲法19条、21条違反をいうが、謝罪広告を掲載することを命ずる判決は、その広告の内容が単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる程度のものである場合には、憲法19条に違反しないことは当裁判所の判例とするところであり(最高裁昭和28年(オ)第1241号同31年7月4日大法廷判決・民集10巻7号785頁)、また、上記の程度の謝罪広告を命ずる判決が憲法21条に違反しないことは、上記大法廷判決の趣旨に徴して明らかである(最高裁昭和39年(テ)第35号同41年4月21日第一小法廷判決・裁判集民事83号269頁参照)。
 原判決が掲載を命じた謝罪広告は、単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するにとどまる程度のものであることが明らかである。論旨は採用することができない。
2 その余の上告理由について
 所論は、違憲及び理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認又は単なる法令違反を主張するものであって、民訴法312条1項又は2項に規定する事由に該当しない。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷
 裁判長裁判官 才口千晴
 裁判官 横尾和子
 裁判官 甲斐中辰夫
 裁判官 泉コ治
 裁判官 島田仁郎
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