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【事件名】ゲームソフト海賊版事件
【年月日】平成14年4月23日
 東京地裁 平成13年(ワ)第22157号B 損害賠償請求事件
 (口頭弁論終結日 平成14年3月5日)

判決
 当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり


主文
1 被告は、別紙一覧表「原告ら」欄記載の各原告に対し、それぞれに対応する「認容額」欄のうちの「合計額」欄記載の金額の金員及びこれに対する平成13年12月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告らのその余の請求を、いずれも棄却する。
3 訴訟費用はこれを5分し、その1を被告の負担とし、その余を原告らの負担とする。

事実及び理由
第1 当事者の求めた裁判
 被告は、別紙一覧表「原告ら」欄記載の各原告に対し、それぞれに対応する「原告ら主張の損害額」欄の「合計額」欄記載の金額の金員及びこれに対する平成13年12月9日(侵害行為の後の日であり訴状送達がされた日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2 当事者の主張
1 請求原因
(1)当事者
ア 原告らは、それぞれ、別紙一覧表の「原告ら」欄に対応する「タイトル名」欄記載のパーソナルコンピュータ用ゲームソフトウェア(以下併せて「本件ゲームソフト」という。)に係るプログラムの著作物の著作権者である。
イ 被告は、平成10年10月1日から平成12年9月10日までの間、福岡市(以下略)において、パソコン用ゲームソフトの販売店である「パソコン亭」を、A(以下「A」という。)と共同して経営していた。
(2)被告の行為
 被告がAと共同経営していた上記「パソコン亭」においては、著作権者である原告らの許諾を得ずに違法にCD−Rに複製した本件ゲームソフトを、同店に会員として登録した顧客に対して、真正品よりも著しく安価(ソフト1タイトルにつき、1枚2300円、2枚組3300円、3枚組以上4000円)で販売しており、被告は、Aと共同して、同店の営業期間中である平成12年2月から同年9月までの間に、別紙一覧表の「本数」欄記載の数量の本件ゲームソフトを製造・販売し、もって原告らが有する本件ゲームソフトに係るプログラムの著作物の著作権(複製権)を侵害した。
(3)損害額
 原告らは、以下のとおり著作権法114条1項又は2項に基づく損害を、選択的に主張する。
ア 著作権法114条1項に基づく主張
〔主位的主張〕
 著作権法114条1項にいう「利益の額」には、著作権を侵害した商品の販売利益等の積極的利益だけでなく、侵害行為がなかったとすれば財産が減少するはずであったのにそれを免れたといった消極的利益も含まれる。そして、原告らは、いずれも、本件ゲームソフトについて一切利用の許諾をしておらず、自らこれを商品化して独占的に販売しているため、被告が本件ゲームソフトの複製物を適法に入手するためには、原告らが製造した真正品のゲームソフトを市場において真正品の小売価格で購入するしかない。そして、被告は、本件ゲームソフトの海賊版ソフトの製造を行うことにより、本来支払うべきであった真正品の小売価格相当額を支出せずに、原告らが著作権を有する本件ゲームソフトの複製物を入手した。したがって、被告は、侵害行為がなかったとすれば減少するはずであった真正品の小売価格に相当する額の財産の減少を免れ、これと同額の利益を得たというべきである。
 そうすると、原告らが上記(2)の被告の行為によって被った損害の額は、著作権法114条1項により、被告が得た利益の額(別紙一覧表の「真正品の小売価格」欄記載の金額の金員に「本数」欄記載の数量を乗じて得られる「原告ら主張の損害額」欄のうち「小計」欄記載の金額)と推定されるべきである。
(ア)これは、近時の裁判例である東京地裁平成13年5月16日判決・判例時報1749号19頁(以下「LEC事件第1審判決」といい、当該事案を「LEC事件」という。)からも裏付けられる。
 確かに、LEC事件は、無断複製したソフトウェアを複製者自身が使用する事案であるから販売利益等の積極的利益があり得ないのに対し、本件では、被告は本件ソフトウェアの海賊版ソフトの販売による積極的利益を得ている。
 しかし、著作権法114条1項は、侵害者が消極的利益のみを受けている場合と、それに加えて積極的利益まで受けている場合とを区別して規定していない。そもそも、著作権者は、侵害物の廉価販売が行われたときに最も深刻な被害を受けるのであるから、このような場合に、僅かな積極的利益が存在するからといって、侵害者が受けている多大な消極的利益が無視されるとするのは不合理である。したがって、著作権者が著作物を独占的に商品化しているためそれを購入しなければ当該著作物を適法に入手できない場合には、著作権法114条1項の「利益の額」は、侵害者が得た消極的利益、積極的利益のうち著作権者に有利な方を指すと解するべきである。さらに、被告が無断複製した本件ゲームソフトの海賊版ソフトは、最終的には、これを購入した者によってパソコンに複製された上で使用されるところ、購入者によるこの無断複製には積極的利益の発生があり得ない。すなわち、この場面においては、LEC事件の事案と変わるところはない。被告は、このような購入者による複製についても、そのオリジナルとなる本件ゲームソフトの海賊版ソフトを提供する行為によって加功している。これに加えて、被告は、本件ゲームソフトの海賊版ソフトの販売による積極的な利益まで受けている。
 以上からすれば、被告が本件ゲームソフトの海賊版ソフトの販売による積極的利益を受けているがゆえに、かえって何ら積極的利益を受けていない場合よりも賠償額が減少するという結論は、本末転倒である。本件では、LEC事件と同様に、真正品の小売価格に相当する額(総合計額2078万1700円)をもって、著作権法114条1項の「利益の額」と認めるべきである。
(イ)また、確かに、著作権法には、特許法102条1項のような規定が置かれておらず、著作権法114条1項は、特許法102条2項とほぼ同一の文言が用いられている。しかし、著作権法と特許法とは保護法益を異にするから、両者の規定を必ずしも同一に解釈する必要はない。著作権法114条1項について、特許法102条2項と異なる取り扱いをすることは許されるというべきである。
(ウ)コンピュータソフトウェアは、技術の進歩により、オリジナルと全く同一品質の無断複製物が極めて容易かつ安価に製造できるようになった。これらの無断複製行為により、著作権者は多大な被害を被る。しかし、著作権侵害行為の早期発見や証拠資料の収集は、ソフトウェアという著作物の性質上極めて困難であるから、無断複製行為の抑制のためには、事後の損害賠償が極めて重要である。しかるに、その損害賠償額が真正品の小売価格に相当する額より少なく算定されるときは、著作権者の許諾を得た上で適法に著作物を利用するより、無断複製行為を発見されて損害賠償を請求されるまで同行為を行った方が有利という不当な結論を許すことになる。
 被告の行為は、本件ソフトウェアの海賊版ソフトの製造・販売を反復継続して行うという悪質なものであり、社会に著作権軽視の風潮を増大させて原告らのソフトウェアビジネス自体の存立基盤を危うくさせるものである。仮に、被告の損害賠償の額が真正品の小売価格に相当する額より少なくなるとすれば、被告に侵害のやり得を認めることになるから、被告は再び同様の無断複製行為を繰り返すおそれが高い。
 したがって、本件事案において、単に被告の海賊版ソフトの廉価販売による積極的利益のみを基礎として損害額を算定することは、到底当を得たものとはいえず、本件の損害賠償の額は、被告が得た真正品の小売価格に相当する額に当たる消極的利益を基礎として算定することが相当である。
〔予備的主張〕
 本件において、著作権法114条1項による「利益の額」を被告の海賊版ソフトの販売による積極的利益を指すと考える場合であっても、被告が、平成10年10月1日から平成12年9月10日までの「パソコン亭」の全営業期間において、本件ゲームソフトの海賊版の製造・販売という著作権侵害行為によって得た積極的利益(売上利益)の額は、本件ゲームソフトの真正品の小売価格に相当する額(総合計額2078万1700円)を下らない。
イ 著作権法114条2項に基づく主張
 著作権法114条2項は、著作権者は、著作権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額を自己が受けた損害の額として、その賠償を請求することができる旨を規定する。同項は、著作権侵害を受けた著作権者に対して、少なくとも最低限の賠償額を得られるようにした規定であるから、裁判所は、独自にその額を算定し賠償額を決定しなければならない。
 そして、著作権法114条2項は、平成11年の著作権法改正によって、「通常受けるべき金銭の額」の文言が「受けるべき金銭の額」に修正された。この趣旨は、裁判所が業界相場等にとらわれることなく、著作権者と侵害者の業務上の関係や侵害者の得た利益等、訴訟当事者間に生じている諸般の具体的事情を考慮した妥当な利用料相当額を認定できるようにしたものである。
 しかるに、本件のように、著作権者が著作物を独占的に利用している場合に、海賊版の製造・販売が行われたならば、著作権者は、当該需要を独占的に利用する可能性(市場機会)自体を失ったことになる。このような場合は、著作権者が侵害により著作物の独占的利用を妨げられたことに対する適正な対価は、侵害者が得た利益全額、すなわち真正品の小売価格に相当する額というべきである。これは、前記のLEC事件において、著作権法114条2項の「受けるべき金銭の額」についても、真正品の小売価格に相当する額をもって、利用料相当額と認定されていることとも符合する。
 したがって、被告が賠償すべき損害額を、著作権法114条2項によって算定する場合にも、原告らが著作権の行使によって受けるべき金銭の額は、被告が著作権を侵害した本件ゲームソフトの真正品の小売価格に相当する額(総合計2078万1700円)であると解するべきである。
ウ 弁護士費用
 本件は、プログラムの著作物の複製による著作権侵害行為について、不法行為に基づく損害賠償を請求する事件であり、原告の数も侵害を受けた著作物の数も極めて多数に及ぶ上、専門的法律知識を要する事件であるから、原告らは、訴訟の提起を弁護士に依頼せざるを得なかった。本件訴訟のための弁護士費用は、別紙一覧表「原告ら」欄記載の各原告それぞれに対応する「原告ら主張の損害額」欄の「弁護士費用相当額」欄記載の金額の金員(各原告の「原告ら主張の損害額」欄の「小計」欄記載の損害額の1割に相当する金額の金員)を下らない。
エ まとめ
 以上のとおり、被告が賠償すべき損害額は、少なくとも、上記ア、イで述べた本件ゲームソフトの真正品の小売価格に相当する額にウの額を加算した金額、すなわち、別紙一覧表「原告ら主張の損害額」欄のうち「合計額」欄記載の金額の金員(その合計は、同一覧表「原告ら主張の損害額」欄のうち「総合計額」欄記載の金額である2285万9870円)を下らない。
(4)結論
 よって、原告らは、被告に対し、著作権(複製権)侵害による不法行為に基づく損害賠償請求として、別紙一覧表「原告ら主張の損害額」欄のうち「合計額」欄記載の金額の金員及びこれに対する不法行為の後の日(訴状送達の日)である平成13年12月9日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払をそれぞれ求める。
第3 当裁判所の判断
1 被告は、本件口頭弁論期日に出頭せず、答弁書その他の準備書面を提出しない。したがって、被告において前記第2の1(1)(2)に記載した請求原因事実を争うことを明らかにしないものとして、これを自白したものとみなす。
 この事実によれば、被告は、平成12年2月から同年9月までの間に、別紙一覧表の「本数」欄記載の数量の本件ゲームソフトを製造・販売し、もって原告らが有する本件ゲームソフトに係るプログラムの著作物の著作権(複製権)を侵害したものである。
2 原告らの損害額について
 そこで、次に被告において自白したものとみなされる前記事実(第2の1(1)(2)記載の事実)を前提として、本件における原告らの損害額について判断する。
 著作権法114条1項は、「著作権者、出版権者又は著作隣接権者が故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、当該著作権者、出版権者又は著作隣接権者が受けた損害の額と推定する。」と規定する。
 上記規定の文言によれば、著作物を無断で複製した者が当該複製物を販売している場合には、侵害者が当該複製物を販売することによって得た利益の額をもって、著作権者が受けた損害の額と推定するものであることが明らかである。そして、この場合における「利益」とは、侵害者が当該複製物の販売によって得た現実の利益、すなわち複製物の売上高から製造等に要した費用を控除した金額を意味するものである。
 本件においては、前記第2の1(2)記載の事実関係によれば、被告は、本件ゲームソフトの1タイトルにつき、1枚2300円、2枚組3300円、3枚組以上4000円の価格で販売したというところ、原告らは、別紙一覧表記載の本件ゲームソフトの各タイトルにつき、これを構成するCD−Rの枚数(1枚か、2枚組か、3枚組以上か)を明らかにしないので、本件ゲームソフトについてはいずれも上記価格の中央値である3300円を販売価格として売上高を算定する。また、弁論の全趣旨によれば、被告は、本件ゲームソフトを製造販売するにつき、CD−Rの購入費用、複製用機器の購入費用ないし賃借費用、人件費、複製の基となる真正品のゲームソフトの購入費用等を要するところ、被告から具体的な費用の内容が主張されていない本件においては、販売価格から控除すべき費用としては、CD−Rの購入費用を中心として考慮し、ゲームソフト1本当たり300円と認めるのが相当である。そうすると、被告が本件ゲームソフトの販売により得た利益については、ゲームソフト1本当たりの利益を3000円として、これに販売数(別紙一覧表「本数」欄記載の数)を乗じた結果であるところの、別紙一覧表の「認容額」欄の「小計」欄記載の金額と認められる。
 したがって、著作権法114条1項により、原告らの被った損害額は、別紙一覧表におけるそれぞれ対応する「認容額」欄の「小計」欄の金額と推定されることになる。
 なお、著作権法114条2項によって原告らの被った損害額を計算する場合であっても、別紙一覧表「真正品の小売価格」欄記載の金額と上記の3000円という額とを対照すれば、著作権の行使につき受けるべき金銭の額に相当する額(利用料相当額)は本件ゲームソフト1本当たり3000円を上回るものではないことが明らかである。そうすると、著作権法114条2項による損害額は、同条1項による損害額である上記金額を上回るものではない。
 また、弁護士費用については、本件はプログラム著作物の著作権侵害を理由とする損害賠償請求事件であり、原告数も侵害を受けた著作物の数も多数にのぼるものではあるが、刑事事件が先行したものであることから、被告において積極的に原告らの請求を争うことなく、口頭弁論期日に出頭しないままで審理が終結され、判決に至ったという訴訟経緯等の事情をも考慮すれば、損害として考慮し得るのは、別紙一覧表における「認容額」欄の「小計」欄記載の金額の5%である別紙一覧表の「認容額」欄の「弁護士費用相当額」欄記載の金額と認めるのが相当である。
 以上によれば、被告は、別紙一覧表「原告ら」欄記載の各原告に対し、それぞれ対応する「原告ら主張の損害額」欄の「合計額」欄記載の金員及びこれに対する侵害行為の日の後である平成13年12月9日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金を支払う義務を負うものである。
3 原告らの主張について
(1)原告らは、著作権法114条1項にいう「利益」は、侵害品の販売等による積極的利益に限られず、財産の減少を免れたといった消極的利益をも含むものであり、本件において、被告は自ら本件ゲームソフトを無許諾で複製することにより、真正品のゲームソフトを市場において正規小売価格で購入することを免れたのであるから、正規小売価格と同額の利益を得たと主張する。
 なるほど、著作権法114条1項にいう「利益」については、積極的利益に限らず、消極的利益がこれに該当する場合があり得るものであるが、本件のように、著作物を無断で複製した者が当該複製物を販売している場合には、上記の「利益」が、侵害者が当該複製物の販売によって得た現実の利益、すなわち複製物の売上高から製造等に要した費用を控除した金額を意味するものであることは、同項の条文の文言上明らかというべきである。
 原告らが引用するLEC事件第1審判決は、パーソナルコンピュータ用のビジネスソフトウェアを無許諾で複製した者がこれを自ら使用していたという事案についての判断である。同事件においては、侵害者は複製品の販売を行っておらず、専ら自社における事務処理において使用することにより利益を得ていたものであって、当該複製ソフトウェアを使用して事務処理を行うことにより得た利益を具体的な金額として算定することが困難であることから、仮に当該複製ソフトウェアを使用したことにより得た営業上の利益又は免れた人件費の支出の額がこれを上回る額であったとしても、真正品の小売価格をもって「利益」の上限とする趣旨の判断を示したものである。上記のとおり、LEC事件は本件とは全く事案を異にするものであって、LEC事件第1審判決を引用する所論は、牽強付会の主張というほかはなく、到底採用の余地がない。
(2)著作権法114条1項は、平成10年法律第51号による改正前の特許法102条1項(以下「改正前特許法102条1項」という。現行特許法102条2項と同じ内容である。)と同様の構造となっているが、改正前特許法102条1項については、侵害者が廉価又は無償で特許侵害品を頒布した場合には権利者において十分な救済を受けることができないことが従来から指摘されてきたところであり、このような点をも含めて従来の特許法の規定では権利者の救済に十分ではないとして、従前の102条1項の条文を同条2項とした上で、新たに現行の102条1項を設けたものである。他方、著作権法においては、著作権侵害の場合における損害額の推定等に関する規定である114条については、現行特許法102条1項に対応する規定を設ける改正は行われていない。
 原告らは、本件において、著作権法114条1項、2項に基づく損害として、被告が販売した複製品の数と同数の真正品の小売価格の金額を主張するが、原告らの上記主張は、その実質において、何らの条文上の根拠もなく、著作権侵害について現行特許法102条1項と同様の効果を求めるものである(正確にいうと、自らの販売価格である卸売価格を超える金額である小売価格を基準とし、しかも製造原価等の控除をしていない点において、現行特許法102条1項を超える損害額の賠償を求めている。)。所論は、著作権法の条文の基本的な理解を欠き、立法論と解釈論を区別しないで論ずるものであって、独自の見解というほかはなく、到底採用の余地がない。
(3)なお、原告らは、著作権法114条1項に基づく損害についての予備的主張において、平成10年10月1日から平成12年9月10日までの「パソコン亭」の全営業期間において、本件ゲームソフトの海賊版の製造・販売という著作権侵害行為によって得た積極的利益(売上利益)の額は、本件ゲームソフトの真正品の小売価格に相当する額(総合計額2078万1700円)を下らないと主張している。しかし、原告らが、被告による複製品の販売について主張する具体的事実は、別紙一覧表「タイトル名」欄、「本数」欄記載のゲームソフトについて、ソフト1タイトルにつき、1枚2300円、2枚組3300円、3枚組以上4000円の価格で販売したというものであるから、上記事実関係に基づいて算定される金額を超えて被告の得た積極的利益を認定することはできない。そして、別紙一覧表「タイトル名」欄、「本数」欄記載のゲームソフト(本件ゲームソフト)の製造・販売によって被告が得た利益は、上記認定のとおりである。
4 結論
 以上によれば、原告らの請求は、別紙一覧表「認容額」欄のうち「合計額」欄記載の金額の金員及びこれに対する遅延損害金の支払を求める限度で理由があり、その余は理由がない。なお、仮執行宣言については、相当でないからこれを付さないこととする。
 よって、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第46部
 裁判長裁判官 三村量一
 裁判官 和久田道雄
 裁判官 田中孝一


別紙当事者目録及び別紙一覧表 略
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