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【事件名】タウンページ著作権侵害事件 【年月日】平成12年3月17日 東京地裁 平成8年(ワ)第9325号 著作権侵害差止等請求事件 (口頭弁論終結日 平成11年12月10日) 判決 原告 日本電信電話株式会社 右代表者代表取締役 宮津純一郎 右訴訟代理人弁護士 内田晴康 同 末吉亙 同 清水真 同 横山経通 同 三好豊 被告 株式会社ダイケイ 右代表者代表取締役 中村弘治 右訴訟代理人弁護士 村林隆一 主文 一 被告は、別紙イ号物件目録記載の物件を作成し又は頒布してはならない。 二 被告は、別紙イ号物件目録記載の物件を廃棄せよ。 三 被告は、原告に対し、金三二五二万〇四二五円及びこれに対する平成九年三月三一日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 四 原告のその余の請求を棄却する。 五 訴訟費用は、これを七分し、その二を被告の負担とし、その余を原告の負担とする。 六 この判決は、原告勝訴部分に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第一 請求 一 主文第一項と同旨 二 主文第二項と同旨 三 被告は、原告に対し、金三億円並びに内金一億円に対する平成八年五月三〇日から支払済みまで年五分の割合による金員及び内金二億円に対する平成一〇年四月一四日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。 第二 事案の概要 本件は、原告が、自ら作成した別紙原告著作物目録一記載のデータベース(以下「タウンページデータベース」という。)及び同二記載の職業別電話帳(以下「タウンページ」という。)には、それぞれデータベースの著作権及び編集著作権が認められるところ、被告による別紙イ号物件目録記載のデータベース(以下「業種別データ」という。)の作成及び頒布が、原告の右各著作権を侵害するものであると主張して、被告に対し、業種別データの作成及び頒布の差止め及び廃棄並びに損害賠償を求めている事案である。 一 前提となる事実 1 タウンページのうち昭和六〇年四月一日以降に作成されたもの及びタウンページデータベースは、原告の発意により、原告の業務に従事する者が職務上作成したもので、原告の名義の下に公表されたものであり、タウンページのうち昭和六〇年四月一日より前に作成されたものは、日本電信電話公社の発意により、同公社の業務に従事する者が職務上作成したもので、同公社の名義の下に公表されたものであって、原告が昭和六〇年四月一日に同公社の一切の権利を承継した(甲一、二、甲三ないし七の各一ないし五、甲一九、検甲一ないし四、証人塩谷卓也、弁論の全趣旨)。 2 被告は、業種別データを作成し、頒布している(甲一一、一二、二〇、乙九、三四、検甲五、証人大久保真二、弁論の全趣旨)。 二 争点及び当事者の主張 1(一) タウンページデータベースがデータベースの著作物といえるかどうか (原告の主張) (1) タウンページデータベースは、電話番号情報(電話番号、住所、掲載名、職業名・商品名等)を単純に羅列したものではなく、利用者が検索しやすいように独自の工夫を凝らして、素材となる電話番号情報を選択し、体系的に構成したものである。 @ 電話番号情報の取捨選択 利用者と掲載者双方のメリットを考慮し、外部から電話がかかることを想定していない電話番号や、利用者からの問合せや注文に関係のない部署等の電話番号については掲載していない。 A 掲載名等の決定 契約者名をそのまま掲載するのではなく、必要に応じて、通称名による掲載、冠称名を省略した掲載、屋号による掲載を行うとともに、氏名と屋号の併記掲載、広告的要素の強い掲載名や五〇音順の掲載順位を意識した掲載名による掲載を行わないようにしている。また、同一社名や店名が連続して羅列されることを避けるために、例えば百貨店であれば、売り場ごとにまとめるなどしており、資格を要する職業については無資格者の掲載を排除している。 B 職業分類体系 タウンページデータベースでは、次のようにして、契約者の営業内容に最も適合する職業分類に掲載している。 ア 職業分類体系の作成 職業分類の新設、改変に当たっては、業界や利用者の要望、検索時のサーチワード調査等の独自の調査の結果を様々な方向から検討している。この結果、タウンページデータベースの職業分類体系は、利用者が、求める商品やサービスを、思いついた言葉(職業)から探すことができるように構成されている。 職業分類の新設、改変に当たっては、職業分類の社会的認知度、他の職業分類との重複の有無、職業分類が大まかすぎないか、細かすぎないかなどを念頭におきながら作業を行うが、どのような場合に特定の職業分類を新設し、廃止するかという一義的な基準があるわけではなく、最終的には担当者の長年の経験によって判断されているものであるから、編集方針が決まれば機械的にできあがるものではなく、創作的な作業である。 わが国における代表的な職業分類体系として、日本標準産業分類があり、この職業分類体系をもとに職業別電話帳を作成することも可能であるが、日本標準産業分類とタウンページデータベースの職業分類体系は全く異なっている。 イ 電話番号情報の職業分類へのあてはめ 職業分類体系が利用者の思いつきやすいものになっていたとしても、その分類に個々の電話番号情報が正しく掲載されていないと利用者に使いやすいものとはならない。そこで、個々の電話番号情報を正しく分類するために、電話番号情報に異動が発生する都度、全ての契約者から十分なヒアリング等を行った上、原告がその事業内容に適合すると判断する一つ又は関連する複数の職業分類に掲載している。 右ヒアリングは、十分なスキル、ノウハウを持った担当者でなければ、うまく行うことができないものであり、創作的な作業である。 C 電話番号情報の見直し 電話番号情報をアップトゥーデートなものにし、正しい職業分類に該当するように随時見直しを行っている。 (2) タウンページデータベースは、商品やサービスを求める利用者とこれらを提供したい掲載者を結びつけるという役割を果たすため、利用者が求める商品やサービスを、利用者が思いついた言葉(職業)から探すことができるように、独自の工夫を凝らしている。 @ キーワードの設定 利用者の検索の利便のため、キーワードを入力すると必要な電話番号情報が検索できるようにしている。 A データ表記 コンピューターによる利用を考えて、独自の工夫を凝らしたデータ表記を行っている。 (3) タウンページデータベースには、右のとおり、情報の選択又は体系的な構成によって創作性が認められるから、タウンページデータベースはデータベースの著作物である。 (被告の主張) タウンページデータベースが、情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有することは争う。 タウンページデータベースの職業分類は、世間に存在する職業を五〇音順に並べただけであるから、それには創作性はない。 また、個々の職業名が日本標準産業分類と若干異なっているからといって、創作性が認められるものではない。 (二) 業種別データがタウンページデータベースのデータベースの著作権を侵害しているかどうか (原告の主張) (1) 業種別データの電話番号情報は、全国を網羅しており、タウンページデータベースの改訂にあわせて改訂されている。 (2) タウンページデータベースにおいては、電話番号情報中にJIS規格にない文字(外字)が含まれる場合、JIS規格内の類似の文字、平仮名、片仮名に置き換えて表記している。 業種別データにおいても、右のような置き換えが行われているが、その置き換えのパターンが全く同じである。 したがって、業種別データはタウンページデータベースの電話番号情報をデッドコピーしたものである。 このことは職業分類についても同様であり、被告は、タウンページデータベースの職業分類の中身を何ら検討することなく、業種別データにデッドコピーしており、職業分類体系及びこれらへの電話番号情報の当てはめについて、タウンページデータベースにおける情報の体系的構成をそのまま模倣している。 (3) 以上のとおり、業種別データは、タウンページデータベースをデッドコピーしたものであり、業種別データの作成及び頒布は、タウンページデータベースのデータベースの著作権を侵害している。 (被告の主張) 業種別データは、タウンページを購入し、タウンページから業種名と電話番号を入力し、ハローページを使用して作成された被告のテレデータと突き合わせて氏名と住所を取り込み、日本標準産業分類によって職業を分類するという方法で作成しているから、タウンページデータベースをデッドコピーしたものではない。 2(一) タウンページが編集著作物といえるかどうか (原告の主張) タウンページデータベースの創作性に関する右1(一)(原告の主張)(1)の@ないしCと同様であるほか、職業分類の配列、職業分類内の電話番号情報及び広告の配列、検索のための符号・略号の使用並びに検索に適した地域区分の設定について、利用者が検索しやすいように独自の工夫を凝らしており、これらの点にも、タウンページの創作性が認められる。 したがって、タウンページは編集著作物である。 (被告の主張) タウンページが、素材の選択又は配列によって創作性を有することは争う。 タウンページの職業分類は、世間に存在する職業を五〇音順に並べただけであるから、それには創作性はない。 また、個々の職業名が日本標準産業分類と若干異なっているからといって、創作性が認められるものではない。 (二) 業種別データがタウンページの編集著作権を侵害しているかどうか (原告の主張) 右1(二)(原告の主張)のとおり、業種別データはタウンページデータベースをデッドコピーしたものである。 タウンページの創作性は、タウンページデータベースの創作性と共通であるから、業種別データはタウンページを模倣したものでもある。 したがって、業種別データの作成及び頒布は、タウンページの編集著作権を侵害する。 (被告の主張) 業種別データは、タウンページを購入し、タウンページから業種名と電話番号を入力し、ハローページを使用して作成された被告のテレデータから氏名と住所を取り込み、日本標準産業分類によって職業を分類するという方法で作成しているから、タウンページを模倣したものではない。 3 原告の損害 (原告の主張) (一) 主位的主張 原告がタウンページデータベースのライセンスをする際の実施料は、電話番号情報一件につき少なくとも三円である。 タウンページデータベースに収録されている電話番号情報は、全国版で一一〇〇万件であり、業種別データはタウンページデータベースと同様に全国を網羅しており、少なくとも一〇〇〇万件の電話番号情報が含まれている。 被告は、業種別データを少なくとも九本相当分は販売しており、その実施料相当額は(三円×一〇〇〇万件×九本=)二億七〇〇〇万円を下らない。 本訴のために要する弁護士費用は三〇〇〇万円を下らない。 したがって、被告の業種別データの作成及び頒布により、原告が被った損害は、三億円を下らない。 (二) 予備的主張 業種別データの平成四年四月から同九年三月までの売上高は三億二八〇〇万四七二八円であり、業種別データの利益率は九%を下回ることはないから、業種別データの作成及び頒布により被告が受けた利益の額は、(三億二八〇〇万四七二八円×九%=)二九五二万〇四二五円を下回ることはなく、右作成及び頒布により原告が被った損害額もこれを下回ることはない。 本訴のために要する弁護士費用は三〇〇〇万円を下らないから、原告が被告の業種別データの作成及び頒布により被った損害は、五九五二万〇四二五円を下らない。 (被告の主張) (一) 主位的主張について 原告の主張を争う。 原告の情報の価格、数量については知らない。 被告の販売数は、否認する。 (二) 予備的主張について 原告の主張を争う。 原告の主張は、被告の全ての売上げを前提としているが、原告が証拠として提出しているタウンページ及びタウンページデータベースは、別紙原告著作物目録一記載のデータベース及び同二記載のタウンページデータベースの一部であるから、被告の全ての売上げを前提として被告に損害賠償を求めることはできない。 第三 争点に対する判断 一1 タウンページデータベース及びタウンページの作成について 前記第二(事案の概要)一(前提となる事実)1、証拠(甲三ないし七の各一ないし五、甲八、九、甲一七の一の一ないし三、甲一九、証人塩谷卓也)及び弁論の全趣旨によると、以下の事実が認められる。 (一) 日本電信電話公社では、職業別電話帳を発行してきたが、昭和五八年に職業分類を大幅に見直し、それまでは職業分類の数が約六〇〇であったのを約一八〇〇に増やすとともに、個々の職業分類についても検討を加えて、新たな職業分類体系を作成した。 右職業分類体系は、それまで日本電信電話公社が発行していた職業別電話帳、各種の情報誌、日本標準産業分類、外国の職業別電話帳等を参考にして作成されたものである。 右職業分類体系は、昭和五九年四月以降に発行されたタウンページに用いられ、タウンページデータベースにも用いられている。 右職業分類体系は、各業界の動向、原告において行う調査結果等に基づいて、各職業分類の社会的認知度、職業分類としての広狭、既存の職業分類との重複等を考慮して、数年に一度の割合で見直されている。 (二) タウンページデータベース及びタウンページの平成四年時点(タウンページデータベースについては平成四年九月版、タウンページについては平成四年三月一日発行分)の職業分類は、いずれも別紙日本標準産業分類─ダイケイ─NTT業種分類対比表の「NTT業種分類」欄記載のとおりである。 (三) 原告の担当者は、タウンページデータベース及びタウンページの職業分類に個々の電話番号情報を当てはめるために、掲載者から取扱商品や事業内容についての情報を聴取するとともに、利用者の検索の利便性の観点から、@事業所等の電話番号情報のうち、利用者からの問合せや注文に応じる部署以外のものを掲載しないようにする、A正式名称とは別に著名な通称がある場合には通称での掲載も認める、B契約者名ではなく、屋号で掲載するようにする、C業種を示す冠称名が付されている掲載名(「電気の・・・」、「すしの・・・」など)、広告的要素の強い掲載名(「安くてうまい・・・」、「早くて安全・・・」など)、五〇音順の掲載順序を意識した掲載名(「アアア・・・」など)を掲載しないようにする、D氏名と屋号又は屋号と屋号を併記した掲載名は、併記した名でないと検索できないため、このような名では掲載しないようにし、氏名と屋号、屋号と屋号を別々に掲載するようにする、E同一社名や店名が連続して羅列されることを避けるために、例えば、百貨店であれば、初めに百貨店名を表示し、その後に売り場ごとにまとめて電話番号を掲載する、F資格を要する職業については無資格者の掲載を排除するなどの配慮をしている。 しかし、顧客の意向等によって右の取扱いとは異なる掲載がされている場合がある。 (四) タウンページデータベースには、日本全国の電話番号情報が網羅されている。 タウンページは、各都道府県ごと又はさらに細分化された特定の地域ごとの電話番号情報を職業分類別に掲載した電話帳であって、当該地域内の電話番号情報が収録されており、地域によって異なる職業分類が採用されている。 2 業種別データの作成等について 前記第二(事案の概要)一(前提となる事実)2、証拠(甲一〇ないし一二、一四、一五、一八、二一、甲二二の三、六、六三、甲二四ないし二八、乙八、九、証人大久保真二)及び弁論の全趣旨によると、以下の事実が認められる。 (一) 業種別データは、タウンページデータベースが改訂される度に、被告において、これから、職業分類及び電話番号情報を取り込んで作成される。 業種別データの職業分類は、タウンページデータベースの職業分類及びそこに掲載されている電話番号情報を、職業分類名も含めてそのまま職業分類及び電話番号情報とするもの、タウンページデータベースの職業分類及びそこに掲載されている電話番号情報はそのままであるが、職業分類名の表現のみを変えたもの、タウンページデータベースの複数の職業分類をまとめて一つの職業分類とし、右の複数の職業分類に掲載されている電話番号情報を掲載して、複数の職業分類を包摂する職業分類名を付したものの三種類がある。ただし、タウンページデータベースにおいて複数の職業分類に掲載されている電話番号情報を、業種別データでは一つの職業分類のみに掲載しているものがある。 被告においては、タウンページデータベースから取り込んだ職業分類及び電話番号情報に、右のような三種類にそれぞれ応じた作業をした上、各職業分類に対して、日本標準産業分類に準じたコードを設定し、日本標準産業分類に存在しないものについては、被告において新たにコードを設定するという方法で、業種別データを作成している。 (二) 業種別データの職業分類は、別紙日本標準産業分類─ダイケイ─NTT業種分類対比表の「通番」欄に番号の記載がある行(ただし、16、17、20、183、251、255、262、326、335、394、397、600、682、688、710、756、804及び970は除く。これらの番号が記載されている行の「ダイケイ業種分類」欄の職業分類が、業種別データの職業分類として設定されている証拠は存在しない。)の「ダイケイ業種分類」欄に記載されたとおりである(ただし、「ダイケイ業種分類」欄に網掛けが施されているものは、証拠上、職業分類が存在するが、その職業分類名が明らかでないものである。)。 (三) 業種別データに収録されている電話番号情報で、タウンページデータベースに収録されていないものは存在しない。また、右(一)以外に、被告が業種別データの作成に当たって独自に電話番号情報を職業別に分類するということもない。 (四) 業種別データには、日本全国の電話番号情報が網羅されており、都道府県ごとのデータは一つのファイルに分類されているが、被告は、業種別データのうち、特定の地域、業種など、顧客の要望する単位でデータを抽出し、販売している。 なお、被告は、「業種別データは、タウンページを購入し、タウンページから業種名と電話番号を入力し、ハローページを使用して作成された被告のテレデータから氏名と住所を取り込み、日本標準産業分類によって職業を分類するという方法で作成している。」と主張するところ、乙三四には、これに沿う記載があるほか、証人大久保真二は、これに沿う証言をする。しかし、証拠(甲二二及び二三の各一ないし一四〇、甲二四ないし二六、証人大久保真二)及び弁論の全趣旨によると、業種別データの氏名等の具体的な表記には、タウンページデータベースと合致し、かつ、ハローページと合致しないものが多数存在するものと認められること、証拠(甲一六、一八、二〇、二一、乙七)によると、行政管理庁作成に係る平成五年一〇月改訂前の日本標準産業分類の分類項目は別紙日本標準産業分類─ダイケイ─NTT業種分類対比表の該当欄(大分類、中分類、小分類及び細分類)記載のとおりであるところ、業種別データの職業分類は、日本標準産業分類とは大きく異なっているものと認められること、その反面、右(一)認定のとおり、タウンページデータベースの職業分類と近似していること、被告が主張する業種別データの作成方法は、いかにも迂遠な方法であることからすると、乙三四の右記載及び証人大久保真二の右証言を採用することはできず、他に右(一)ないし(四)認定の事実に反する証拠はない。 二 争点1(一)について 1(一) 前記一1(二)で認定した事実、証拠(甲八、九、一四ないし一六、一八、二〇、二七、二八、乙七、八、証人塩谷卓也)及び弁論の全趣旨によると、タウンページデータベースには、約一八〇〇の職業分類が存するところ、このうち、業種別データにおいても同一の職業範囲を包摂する職業分類として用いられている一〇〇の職業分類(ただし、タウンページデータベース上で「装てい」とされている職業分類は、書籍の装丁を行う業種を意味するものであるが、業種別データにおいては「装蹄業」とした上で、タウンページデータベースと同じ電話番号情報が分類されている。)が設定された理由は、別紙「タウンページデータベースにおける各職業分類が設けられた理由」記載のとおりであることが認められる。 (二) 証拠(甲一八、二一、乙七)によると、タウンページデータベースの職業分類は、日本標準産業分類の分類項目とは大きく異なっており、タウンページデータベースの特定の職業分類が、日本標準産業分類の分類項目中の一つの細分類と同一の職業範囲を包括することはほとんどないものと認められる。また、その他、タウンページデータベースの職業分類体系と同様の職業分類体系が存するとは認められない。 (三) 前記一1(二)のとおり、タウンページデータベースの職業分類は、右(一)記載の一〇〇の職業分類を含む職業分類を小分類として、複数の小分類を包摂する中分類、さらに複数の中分類を包摂する大分類の三層構造となっている(別紙タウンページデータベース職業分類一覧表参照。)。 (四) 前記一1の事実と右(一)ないし(三)の事実を総合すると、タウンページデータベースの職業分類体系は、検索の利便性の観点から、個々の職業を分類し、これらを階層的に積み重ねることによって、全職業を網羅するように構成されたものであり、原告独自の工夫が施されたものであって、これに類するものが存するとは認められないから、そのような職業分類体系によって電話番号情報を職業別に分類したタウンページデータベースは、全体として、体系的な構成によって創作性を有するデータベースの著作物であるということができる。 2 前記一1(三)のとおり、原告の担当者は、タウンページデータベースの職業分類に個々の電話番号情報を当てはめるために、掲載者から取扱商品や事業内容についての情報を聴取していることが認められ、証拠(甲一九、証人塩谷卓也)によると、右聴取には、一定の技術や経験が必要であると認められるが、右のあてはめの過程は掲載するかどうかを選択するものではないこと、タウンページデータベースの職業分類は、前記のとおり一八〇〇にわたって細かく分かれているから、いずれの職業分類に入れるかの選択の幅は小さいものと考えられ、右の技術や経験も主として個々の掲載者の事業の内容をいかに正確に把握するかという事実認定に関するものであると考えられることからすると、右のあてはめの過程に情報の選択又は体系的な構成について創作性が存するとは認められない。 また、前記一1(三)のとおり、原告は、利用者による検索の利便性の観点から、掲載名等について、前記一1(三)@ないしFのような配慮をしているものと認められるが、これらのものは、電話番号情報に関する職業別のデータベースとして利用者に提供する以上、当然にすべき配慮であると考えられるから、特に創作的なものとは認められない。したがって、右のような配慮をもって、情報の選択又は体系的な構成について創作性が存するとは認められない。 3 さらに、原告は、タウンページデータベースについて、随時見直しを行っていること及びキーワードの設定やデータの表記に関する工夫を、データベースの著作物としての創作性の根拠として主張するが、随時見直しを行っていることは、具体的な内容にかかわらずそのことのみでタウンページデータベースが情報の選択又は体系的な構成により創作性を有するということができないことは明らかであり、また、右のキーワードの設定やデータの表記に関する工夫については、これを具体的に示す証拠は存在しないから、このような工夫によって、タウンページデータベースが情報の選択又は体系的な構成により創作性を有するとも認められない。 4 以上のとおり、タウンページデータベースは、職業分類体系によって電話番号情報を職業別に分類した点において、データベースの著作物と認められるというべきである。 三 争点1(二)について 1(一) 前記一2認定のとおり、業種別データは、タウンページデータベースから職業分類及び電話番号情報を取り込んで作成されたもので、その職業分類は、タウンページデータベースの職業分類及びそこに掲載されている電話番号情報を、職業分類名も含めてそのまま職業分類及び電話番号情報とするもの、タウンページデータベースの職業分類及びそこに掲載されている電話番号情報はそのままであるが、職業分類名の表現のみを変えたもの、タウンページデータベースの複数の職業分類をまとめて一つの職業分類とし、右の複数の職業分類に掲載されている電話番号情報を掲載して、複数の職業分類を包摂する職業分類名を付したものの三種類であって、それ以外に独自の職業分類が用いられているということはない。 (二) 業種別データのうち、タウンページデータベースの職業分類及びそこに掲載されている電話番号情報を、職業分類名も含めてそのまま職業分類及び電話番号情報とする部分並びにタウンページデータベースの職業分類及びそこに掲載されている電話番号情報はそのままであるが、職業分類名の表現のみを変えた部分は、いずれも、タウンページデータベースの創作性を有する体系的な構成がそのまま再現されているということができる。タウンページデータベースの複数の職業分類をまとめて一つの職業分類とし、右の複数の職業分類に掲載されている電話番号情報を掲載して、複数の職業分類を包摂する職業分類名を付した部分は、タウンページデータベースの創作性を有する体系的な構成をもとにしており、複数の職業分類をまとめた点を除いては、独自に分類したというようなものではないから、この部分についても、タウンページデータベースの創作性を有する体系的な構成が再現されているということができる。 (三) また、右(一)認定の事実からすると、業種別データは、タウンページデータベースに依拠して作成されたものであると認められる。 (四) したがって、業種別データは、タウンページデータベースに依拠して作成されたものであり、その創作性を有する体系的な構成が再現されているということができる。 2 前記一2(四)のとおり、被告は、業種別データを作成し、その中から特定の地域、業種など、顧客の要望する単位でデータを抽出して頒布しているのであるから、このような業種別データの作成及び頒布は、タウンページデータベースの著作権を侵害するものであるということができる。 四 争点2(一)について 1 証拠(甲八、九、証人塩谷卓也)及び弁論の全趣旨によると、タウンページとタウンページデータベースの職業分類及び電話番号情報は、改訂時期のずれによるもの以外は、それぞれ同じ内容であると認められる。 2 右1の事実に前記二で述べたところを総合すると、タウンページの職業分類は、検索の利便性の観点から、個々の職業を分類し、これらを階層的に積み重ねることによって、全職業を網羅するように編集されたものであり、原告独自の工夫が施されたものであって、これに類するものが存するとは認められないから、そのような職業分類体系によって電話番号情報を職業別に分類したタウンページは、素材の配列によって創作性を有する編集著作物であるということができる。 3 前記一1(三)のとおり、原告の担当者は、タウンページの職業分類に個々の電話番号情報を当てはめるために、掲載者から取扱商品や事業内容についての情報を聴取していることが認められるが、前記二2で述べたのと同様の理由により、右のあてはめの過程に素材の選択又は配列について創作性が存するとは認められない。 また、前記一1(三)のとおり、原告は、利用者による検索の利便性の観点から、掲載名等について、前記一1(三)@ないしFのような配慮をしているものと認められるが、これらのものは、職業別電話帳として利用者に提供する以上、当然にすべき配慮であると考えられるから、特に創作的なものとは認められない。したがって、右のような配慮をもって、素材の選択又は配列について創作性が存するとは認められない。 4 さらに、原告は、タウンページについて、随時見直しを行っていること、タウンページ中の広告の配列、検索のための符号及び略号の使用並びに検索に適したタウンページの地域区分の設定について創作性があると主張するが、随時見直しを行っていることは、具体的な内容にかかわらずそのことのみでタウンページが素材の選択又は配列により創作性を有するということができないことは明らかであり、また、右の広告の配列、符号及び略号の使用並びに地域区分の設定については、これらの創作性に関する具体的な主張はないから、これらによって、タウンページが素材の選択又は配列について創作性を有するとも認められない。 5 以上のとおり、タウンページは、職業分類体系によって電話番号情報を職業別に分類した点において、編集著作物として認められるというべきである。 6 前記一1(四)のとおり、タウンページは、各都道府県ごと又はさらに細分化された特定の地域ごとの電話番号情報を職業分類別に掲載した電話帳であって、全国版のものは存在しないから、タウンページの編集著作権は、右地域ごとのタウンページを単位として認められるということができる。 そして、前記一1(四)のとおり、タウンページの職業分類は、地域によって異なる。 五 争点2(二)について 1 前記四6のとおり、タウンページの編集著作権は、各地域ごとのタウンページを単位として認められるものであるところ、前記一2のとおり、業種別データは、全国の電話番号情報を網羅したデータベースであり、その職業分類中には地域的特性を考慮した職業分類及び日本全国の電話番号情報が全て包含されている。 2 しかし、前記一2認定のとおり、業種別データは、タウンページデータベースから職業分類及び電話番号情報を取り込んで作成されたものであって、証拠(甲二二及び二三の各一ないし一四〇、甲二四ないし二六、証人大久保真二)及び弁論の全趣旨によると、業種別データの氏名等の具体的な表記には、タウンページと合致しないものが多数存在するものと認められるから、業種別データが、タウンページに依拠して作成されたとは認められない。 (なお、タウンページデータベースが、タウンページの第二次著作物であれば、業種別データが、タウンページデータベースに依拠して作成されたことからタウンページにも依拠して作成されたという余地があるが、タウンページデータベースが、タウンページの第二次著作物である旨の主張立証はない。) 3 したがって、業種別データの作成及び頒布が、タウンページの編集著作権を侵害しているということはできない。 六 争点3について 1 原告は、主位的に、タウンページデータベースの電話番号情報一件についてのライセンス料による損害を主張するが、電話番号情報自体に著作物性が認められるものではないから、右のような損害計算方法を採用することはできない。 2 証拠(乙三四)によると、業種別データの平成四年四月から同九年三月までの売上高は三億二八〇〇万四七二八円であり、被告の業務全体の利益率は九%を下回ることはないと認められる。 前記一2で認定した業種別データの作成及び販売方法を考慮すると、業種別データの利益率が、被告の業務全体の利益率を下回るとは認められない。 3 したがって、業種別データの販売によって、被告が受けた利益の額は、(三億二八〇〇万四七二八円×九%=)二九五二万〇四二五円を下回ることはないものと認められ、原告は、右同額の損害を被ったものと推定される。 原告の損害としての弁護士費用は、三〇〇万円と認めるのが相当である。 4 以上のとおり、原告が被った損害は、右3の合計(二九五二万〇四二五円+三〇〇万円=)三二五二万〇四二五円であると認められる。 七 以上の次第で、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第四七部 裁判長裁判官 森義之 裁判官 榎戸道也 裁判官 杜下弘記 (別紙) イ号物件目録 「業種別データ」と題するデータベース (別紙) 原告著作物目録 一 平成元年一一月版以降の全ての「タウンページデータベース」と題するデータベース 二 昭和五九年四月以降に発行された全ての「タウンページ」と題する職業別電話帳 (別紙) 日本標準産業分類ーダイケイーNTT業種分類対比表 (89358-3)〜(89358-9) (別紙) タウンページデータベースにおける各職業分類が設けられた理由 (1) しいたけ 従前は「乾物店」、「乾物卸」及び「きのこ栽培」に分散して分類されていたが、しいたけは、茸の中でも飛び抜けて需要が大きいこと、専門に栽培している業者も多く、販売店も存在していることから、独立した職業分類としたものである。 (2) 養鶉 従前は「養鶉」に相当する職業分類は存在しなかったが、一般家庭においても鶉卵の消費量が増えたこと、鶉の養殖を専門とする業者の実態が認知されてきたことから、「畜産業」や「養鶏業」と別に「養鶉」という職業分類を設けたものである。 (3) 養兎 従前は「畜産業」に包摂されていたが、兎の養殖は、「畜産業」という用語から通常の利用者が想定する牛の飼育などとは異なる類型であると考えられることから、「養兎」を独立の職業分類としたものである。 (4) 養雉 従前は「養雉」に相当する職業分類は存在しなかったが、食用の雉の消費量及び雉の養殖を専門とする業者の数が増えたことから、「養雉」という職業分類を設けたものである。 (5) 装てい 従前は「製本業」に包摂されていたが、「装てい」とは、単に製本を行うのみならず、表紙、カバー等のデザインを行うことを専門とする業者であり、「製本業」という用語から通常の利用者が想定するものとは異なる類型であると考えられることから、「装てい」を独立の職業分類としたものである。 (6) 昆虫類 従前は「動物商」に包摂されていたが、「動物商」という用語から通常の利用者が想定するような動物ではなく、昆虫類やその標本用の物品を専門に取り扱う業者があることから、「動物商」とは別に「昆虫類」という職業分類を設けたものである。 (7) 道路標識・路面表示 従前は「塗装業・看板業」に包摂されていたが、道路標識及び路面表示の製造は、通常の塗装業者や看板業者ではない専門業者が行っていることが多いこと、また、そもそも通常の利用者が、道路標識や路面表示を取り扱う業者としての「塗装業・看板業」を想起することは困難であると考えられることから、「道路標識・路面表示」を独立した職業分類としたものである。 (8) きのこ栽培・卸 従前は「農業」に包摂されていたが、健康食品ブームに伴い、しいたけ以外のきのこについても栽培業者の数も増加したこと、「農業」の職業分類では広すぎて利用者が「きのこ栽培・卸」を検索するのは困難であると考えられることから、「きのこ栽培・卸」を独立の職業分類としたものである。 (9) 機ごしらえ業 従前は「絹織物」に包摂されていたが、通常の利用者が、「絹織物」という用語から、手織の製織機(はた)を製造する業種を想定することは困難であると考えられることから、「機ごしらえ業」を独立の職業分類としたものである。 (10) 織ネーム・マーク 従前は「布はく雑織物」に包摂されていたが、学校の制服やスポーツ用ユニフォームにワンポイントマークをつけることがブームとなり、「布はく雑織物」の業者のうち、織ネーム・マークを取り扱っている業者を、「織ネーム・マーク」として独立の職業分類としたものである。 (11) さし物業 箱、机などの木の板をさしあわせ、組立てて作る木製品の製造業者であり、このような業者について検索したい利用者にとっては、一般的な「木製品」の職業分類が広すぎると考えられることから、「さし物業」という独立の職業分類を設けたものである。 (12) 家具塗装 従前は「家具」及び「たんす」に分散して分類されていたが、リサイクルブームに伴い、古くなった家具の塗装を専門に行う業者が増加したことから、「家具塗装」を独立の職業分類としたものである。 (13) 書道用品 従前は「文房具」に分類されていたが、「文房具」という職業分類では、鉛筆からノートまで含まれ、利用者が「書道用品」を専門に扱う業者を検索するのは困難であると考えられることから、「書道用品」を独立の職業分類としたものである。 (14) 紙裁断所 紙問屋は、製紙メーカーから大きな判形で用紙を一括購入し、印刷会社などの顧客が希望するサイズに裁断して納入しているが、他方で、紙の裁断を専門にする業者も存在し、従前は、これらのいずれも「紙商」に分類されていた。しかし、「紙商」という用語から、紙の裁断を専門にする業者を検索することは困難であると考えられることから、「紙裁断所」を独立の職業分類としたものである。 (15) 出版社(地図・海図) 多種多様な出版が行われる中、特殊な海図や地図の出版も行われており、これらそれぞれを「出版社(地図)」と「出版社(海図)」としてそれぞれ独立の職業分類としたが、その後両者を統合して、現在に至っているものである。 (16) 印刷(新聞) 従前は「印刷業」に包摂されていたが、出版物の種類が増加し、印刷業を細分化する必要があると考えられることから、「印刷(新聞)」を独立の職業分類として新設したものである。 (17) ドライアイス 従前は「化学工業品」及び「ソーダ」に分散して分類されていたが、持ち帰り食品の需要が増加したことに伴って、ドライアイスの需要も増加したことから、ドライアイスを取り扱っている業者を「ドライアイス」という独立の職業分類としたものである。 (18) 酵素 従前は「こうじ」に分類されていたが、酵素は多種多様であり、必ずしも「こうじ」に限られないことから、専門の精製業者については「酵素」という独立した職業分類としたものである。 (19) イオン交換樹脂 従前は「合成樹脂」及び「ポリエチレン」に分散して分類されていたが、「イオン交換樹脂」は硬水軟化、純粋製造、製塩などの特殊な用途のために使用されるものであることから、「イオン交換樹脂」を独立の職業分類としたものである。 (20) プラスチックカード 従前は「合成樹脂」及び「ポリエチレン」に分散して分類されていたが、クレジットカードやキャッシュカードの取扱高が飛躍的に増大したことに伴って、クレジットカードやキャッシュカードの素材となるプラスチックカードを専門に製造する業者が増加したことから、このような業者を「プラスチックカード」という独立の職業分類としたものである。 (21) アクリル板加工製品 従前は「合成樹脂」及び「化学製品」に分散して分類されていたが、近年、合成樹脂の一種で耐水性、耐酸性等に富むアクリル板の加工製品が、広告板に使用されることが多くなり、専門業者も多く存在することから、「アクリル板加工製品」を独立の職業分類としたものである。 (22) ゴムひも 従前は「裁縫材料」及び「ひも類」に分散して分類されていたが、石川県にはゴムひもの製造専門業者が多数存在していることから、「ゴムひも」を独立の職業分類として新設したものである。 (23) 健康機器 従前は「スポーツ用品」に包摂されていたが、健康ブームにより機器の種類も多種多様となり、一般家庭にも普及し、製造・販売の専門業者も増加したことから、「健康機器」を独立の職業分類としたものである。 (24) 馬具 従前は「スポーツ用品」に包摂されていたが、競馬や乗馬の人気が徐々に高まり、馬具を専門に取り扱う業者も増加したこと、「スポーツ用品」という用語から通常の利用者が想定するスポーツ用品とは異なる類型の商品であることから、「馬具」を独立の職業分類としたものである。 (25) こうばち 従前は「窯業」に包摂されていたが、「こうばち」とは、陶器を焼く際に陶器が損傷したり、うわぐすりが剥げたりするのを防ぐために陶器を入れる蓋のついた容器のことであり、通常の利用者が「窯業」という用語から想定する陶磁器とは異なる類型の商品であることから、その取扱業者を「こうばち」として独立の職業分類としたものである。 (26) 金属切削加工 従前は「鉄鋼工業」に包摂されていたが、「金属切削加工」とは、金属を切削し加工することを専門とする業者であり、「鉄鋼工業」という用語から通常の利用者が想起する製鉄所などとは異なる類型の業者であると考えられることから、「金属切削加工」を独立の職業分類としたものである。 (27) 銅像・塑像 従前は「彫刻」に包摂されていたが、「銅像・塑像」とは、個人や団体が記念のために欲した銅像を製造する業種であり、通常の利用者が「彫刻」という用語から想定する芸術的な彫刻の製造販売とは異なる類型のものであると考えられることから、「銅像・塑像」を独立の職業分類としたものである。 (28) アルミ建材 従前は「土木建築材料」、「建具」及び「建築金物」に分散して分類されていたが、建材用アルミニウム専門業者が増加したことから、「アルミ建材」を独立の職業分類として新設したものである。 (29) 金属雑貨製造 従前は「金属雑貨」に包摂されていたが、金属雑貨については、製造業者と販売業者が別である場合が多いことから、「金属雑貨製造」を独立の職業分類として、金属雑貨の販売業者である「金属雑貨」とは別に分類することにしたものである。 (30) ソーラーシステム 従前は「ふろおけ・ふろがま」に包摂されていたが、近年、一般家庭においても、太陽熱温水器であるソーラーシステムが普及してきたこと、通常の利用者が「ふろおけ・ふろがま」という用語から想定する、ふろおけ・ふろがまの製造販売とは異なる類型のものであると考えられることから、「ソーラーシステム」を独立の職業分類としたものである。 (31) シャッター 従前は「土木建築材料」及び「建築業」に分散して分類されていたが、通常の利用者が「シャッター」に関する職業として、「土木建築材料」及び「建築業」を想起するとは考えにくいことから、「シャッター」を独立の職業分類としたものである。 (32) 塗装機械器具 従前は「ポンプ・空気機械」に包摂されていたが、リサイクル、リフォームがブームとなる中、塗装が盛んに行われるようになり、家庭的な小道具も増えてきた結果、塗装機械器具を専門に扱う業者・店舗が増えたこと、「ポンプ・空気機械」から「塗装機械器具」を検索することは困難であると考えられることから、「塗装機械器具」を独立の職業分類としたものである。 (33) 彫刻(機械) 様々な素材に機械で彫刻を施す業種も、従前は「彫刻」に包摂されていたが、「彫刻」という用語から通常の利用者が想定する芸術的な彫刻の製造販売とは異なる類型であると考えられることから、「彫刻(機械)」を独立の職業分類としたものである。 (34) 豆腐製造機械 従前は「食品加工機械」に包摂されていたが、豆腐製造機械の専門メーカーが存在すること、「食品加工機械」の職業分類中から豆腐製造機械を検索することは困難であると考えられることから、「豆腐製造機械」を独立の職業分類としたものである。 (35) カレンダー うちわ業者が夏はうちわの製造販売を行い、冬はカレンダーの製造販売を行うという実態があったため、従前カレンダーの製造販売業者は「うちわ」に包摂されていたが、扇風機やクーラーの普及とともにうちわ業者が減少する反面、カレンダーを専門とする業者が増加したことから、「カレンダー」を独立の職業分類としたものである。 (36) 自動ドア 従前は「建築金物」に包摂されていたが、どのビルにも自動ドアを設置するのが一般的となってきたこと、「建築金物」から「自動ドア」を想起するのは困難であることから、「自動ドア」を独立の職業分類としたものである。 (37) バーナー 従前は「燃焼器」に包摂されていたが、燃焼器にもいろいろあり、一般的には「ボイラー」が想起されると考えられることから、「燃焼器」の業者のうち、バーナーを取り扱っている業者を「バーナー」として独立の職業分類としたものである (38) 駐車場機械装置 従前は「運搬用機械器具」の職業分類中に包摂されていたが、立体駐車場装置のような駐車場機械装置の製造販売を専門とする業者も数多く見られること、このような装置は「運搬用機械器具」という用語から通常の利用者が想起するフォークリフトやクレーンなどとは異なる類型のものであることから、「駐車場機械装置」を独立の職業分類としたものである。 (39) 安全用品・機器 従前は「消防用機械器具」及び「ゴムぐつ」に分散して分類されていたが、国民の安全意識が高揚し、安全靴、安全ベルトなどの商品が増加したことから、このような商品を取り扱っている業者を「安全用品・機器」という独立の職業分類としたものである。 (40) 補聴器 従前は「医療用機械器具・医療材料」及び「義手・義足」に分散して分類されていたが、高齢化社会を迎え、補聴器業界が急成長したことから、「補聴器」を独立の職業分類としたものである。 (41) 教育用機械器具 従前は「学校教材」に包摂されていたが、視聴覚機材や英会話教育機器など教育関連の機器も多種多様となってきたため、「学校教材」では、職業分類として広すぎると考えられることから、「教育用機械器具」を独立の職業分類としたものである。 (42) 装粧品卸 従前は「装身具」、「化粧品」及び「洋品雑貨商」などに分散して分類されていたが、小物の装身具や化粧品を販売する装粧品店が増加したことに伴い、これらの店舗に装身具や化粧品を卸す業者も増加したことから、新たに「装粧品卸」という職業分類を設けたものである。 (43) 遊園機械器具 従前は「遊園地」に包摂されていたが、遊園地で使用する機械器具を製造販売する業種は、「遊園地」という用語から通常の利用者が想定する遊園地営業とは異なる類型のものであると考えられることから、「遊園機械器具」を独立の職業分類としたものである。 (44) 蝿取紙製造・販売 殺虫剤などの普及に伴い、蝿取紙の製造販売を行う業者の数は減少しているが、専門業者も存在しているところ、「製薬業」、「衛生消毒材料」又は「荒物雑貨」などの分類に分散又は包摂させてしまうと検索が困難になると考えられることから、「蝿取紙製造・販売」という職業分類を存続させているものである。 (45) 通船 特定の河や海において、一定の区間を往復して旅客を運ぶ業種は、「海運業」に含めることができるものであるが、近年は釣り舟を兼営しているところも多いこと、「海運業」という用語から通常想起される遠距離の旅客、荷物の運送業とは異なる類型の業種であると考えられることから、「通船」を独立の職業分類としたものである。 (46) 宅配便 従前は「宅配便」に対応する職業分類は、存在しなかったが、昭和五〇年代に、ヤマト運輸の「宅急便」をきっかけに宅配便というサービスが生まれ、各運送会社がこれに追随して業者も増加したことから、「宅配便」という職業分類を新設したものである。 (47) バイク便 交通渋滞の激化とサービスの速度を求める時代背景の下、速さを売り物として、バイクによる運送を行う業者が出現、増加し、従来の宅配便とは別のものとして、社会的にも認知され始めたことから「バイク便」を独立した職業分類としたものである。 (48) ブティック 昭和五〇年代以降のファッションブームの中、主として女性用の衣料品店として、旧来の「衣料品店」や「洋装店」とは趣の異なったカタカナ名の店舗が全国的にひしめくようになったことから、このような店舗を分類する「ブティック」という職業分類を設けたものである。 (49) 製茶機械 食品加工機械の一種であるが、製茶機械を専門に取り扱う業者も存在すること、通常の利用者が「食品加工機械」の職業分類中からこのような業者を検索するのは困難であると考えられることから、「製茶機械」を独立の職業分類としたものである。 (50) 醸造機械 食品加工機械の一種であるが、醸造機械を専門に取り扱う業者が存在すること、通常の利用者が「食品加工機械」の職業分類中からこのような業者を検索するのは困難であると考えられることから、「醸造機械」を独立の職業分類としたものである。 (51) びん 従前は「ガラス容器製造」及び「プラスチック容器」に分散して分類されていたが、「びん」専門の製造業者が存在するところ、ガラス瓶とプラスチック瓶を職業分類として区別することにはあまり意味がないと考えられることから、ガラス瓶とプラスチック瓶の製造業者を「びん」という一つの職業分類に包摂したものである。 (52) ナイトウェア製造・卸 従前は「縫製加工業」及び「衣料品商」に分散して分類されていたが、ファッションの多様化に伴い、ナイトウェア製造・卸を専門とする業者の数が増えたことから、「ナイトウェア製造・卸」を独立の職業分類としたものである。 (53) 青果物卸 従前は「卸売市場」に包摂されていたが、卸売市場にも様々なものがあることから、そのうち青果物の卸売を「青果物卸」として「卸売市場」とは別に独立の職業分類としたものである。 (54) ディスカウントショップ 従前は「マーケット」に包摂されていたが、従来型のスーパーマーケットではなく、電気製品等を中心に今までのスーパーマーケットよりもさらに安い値段で商品を販売する大型店舗が流行したことから、このような店舗を含む職業分類として、「ディスカウントショップ」を独立させたものである。 (55) ホームセンター 従前は「金属雑貨」に包摂されていたが、単に金属雑貨を扱うのではなく、ホーム関係の商品がすべてそろうことをコンセプトに商品を販売する大型店舗が流行したことから、このような店舗を含む職業分類として、「ホームセンター」を独立させたものである。 (56) 輸入雑貨店 嗜好の多様化に伴い、輸入雑貨販売を専門とする業者が出現したが、このような業者を従来からある「荒物雑貨」などに分類すると、利用者が検索することは困難であると考えられることから、「輸入雑貨店」を独立の職業分類としたものである。 (57) 履物材料 従前は「はきもの」及び「鼻緒」に分散して分類されていたが、文字通り履物材料を製造販売する業者は、「はきもの」という用語から通常の利用者が想定するはきものの製造販売業者とは異なる類型と考えられることから、「履物材料」を独立の職業分類にするとともに、鼻緒は、「履物材料」の一種であり、専門業者の数も減少したことから、「履物材料」に統合したものである。 (58) 喫茶材料 喫茶材料には、コーヒー豆、紅茶、砂糖等様々なものがあり、それぞれ別の業種としても存在するが、喫茶店向けに喫茶材料をまとめて販売している業種も存在することから、「喫茶材料」を独立の職業分類としたものである。 (59) 食品添加物 従前は「化学工業品」及び「ソーダ」に分散して分類されていたが、香料等も含めると食品添加物は多種多様なものとなり、食品添加物を専門に取り扱う業者も増加したことから、「食品添加物」を独立の職業分類としたものである。 (60) 家庭薬配置販売 「富山の薬売り」に代表される昔ながらの職業であるが、一時極めて下火になっていたため「薬局」などに分類し、独自の職業分類を設けていなかったが、近年復権し、専門業者の数も増加したことから、「家庭薬配置販売」を独立の職業分類としたものである。 (61) 理容店用品商 従前は「化粧品」に包摂されていたが、化粧品のみならず、シャンプーや整髪料、はさみや櫛といった理容店向けの用品をまとめて取り扱う業者が数多く存在していることから、「理容店用品商」を独立の職業分類としたものである。 (62) ゴルフショップ 従前はゴルフ場やゴルフ練習場とともに「ゴルフ」に包摂されていたが、ゴルフブームに伴い、ゴルフ用品の小売を専門とする業者が増加したことから、「ゴルフショップ」を独立の職業分類としたものである。 (63) スキーショップ 従前は「スポーツ用品」の職業分類中に包摂されていたが、スキーブームに伴い、スキー用品の専門の小売業者が増加したことから、「スキーショップ」を独立の職業分類としたものである。 (64) テニスショップ 従前は「スポーツ用品」に包摂されていたが、テニスブームに伴い、テニス用品の専門の小売業者が増加したことから、「テニスショップ」を独立の職業分類としたものである。 (65) ホビーショップ 従前は「模型店」に包摂されていたが、模型には、プラモデルから建築・工業デザイン用の精密模型まで多様なものが含まれてしまうことから、プラモデルを取り扱う模型店をその他の趣味に関連する用品を専門に取り扱う業者と合わせて、「ホビーショップ」という独立の職業分類としたものである。 (66) 鳥獣商 従前は「動物商」に包摂されていたが、動物商という用語から通常の利用者が想定する動物の中でも、オウムやインコなどの鳥類や犬、猫などの小動物を専門に取り扱う業者も存在することから、このような業者を「鳥獣商」として、「動物商」とは別に独立の職業分類としたものである。 (67) カレーハウス 昭和五〇年代以降カレーがブームとなり、カレー専門店が増加したことから、単なるレストランや料理店と区別して、「カレーハウス」を独立の職業分類としたものである。 (68) ピザハウス 従前は「西洋料理」に包摂されていたが、ピザ専門店が増加したこと、多種多様な「西洋料理」の中からピザ専門店を検索することは困難であることから、「ピザハウス」を独立の職業分類としたものである。 (69) 技術士 「技術士」は、科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画・研究・指導等を行う者であり、有資格者の数も多く、事務所も開設されていることから、独立の職業分類としたものである。 (70) 技術指導 従前は「品質検査」に包摂されていたが、品質検査のみならず技術指導を行う業者も増加したことから、このような業者を「技術指導」という独立の職業分類としたものである。 (71) 製図サービス 従前は「設計業」に包摂されていたが、製図のみを専門的に行う者が増加したことから、「製図サービス」を独立の職業分類としたものである。 (72) 船舶検査 単なる船舶の整備業とは異なり、船舶安全法などに基づいて実施される公的な検査を行う業者については、「船舶検査」として「船舶整備業」とは別に独立の職業分類としたものである。 (73) 中小企業診断士 従前は「経営士」に包摂されていたが、「中小企業診断士」は、純然たる経営コンサルタントと異なり、ひとつの資格であることから、「中小企業診断士」を独立の職業分類としたものである。 (74) 発明相談 従前は「発明相談」に相当する職業分類は存在しなかったが、家電製品などの普及に伴い、従来発明とは縁のなかった人が発明を行う事例も見られるようになり、発明相談に乗ってくれる専門家のニーズが高まってきたことから、「弁理士」に加えて「発明相談」を職業分類として併設したものである。 (75) 労働安全・衛生コンサルタント 従前は「経営士」及び「労務管理受託業」に分散して分類されていたが、近年の労働安全衛生に対する関心の高まりから、労働安全衛生に関するコンサルティングを行う有資格者による専門業者が増加したことから、「労働安全・衛生コンサルタント」を独立の職業分類としたものである。 (76) 貸スタジオ 従前は「サービス業・賃貸業」に包摂されていたが、若者の間でバンドが流行したのに伴い、「貸スタジオ」の専門業者が増加したことから、後述の「録音スタジオ」、演劇用のスタジオ及び写真撮影用のスタジオを含むものとして、「貸スタジオ」を独立の職業分類としたものである。 (77) 貸テント 従前は「物品貸出業」に包摂されていたが、運動会、催し物等におけるテントの需要増に伴い、「貸テント」の専門業者が増加したことから、「貸テント」を独立の職業分類としたものである。 (78) ホテル(ラブホテル) 従前は「旅館」に包摂されていたが、「旅館」という用語から通常の利用者が想定する和風の旅館などとは異なる類型であることから、「ラブホテル」を独立の職業分類としたものである。 (79) 貸おむつ 従前は「物品貸出業」に包摂されていたが、レンタルブームに伴い、「貸おむつ」の専門業者が増加したことから、「貸おむつ」を独立の職業分類としたものである。 (80) いれ墨師 実態として「いれ墨師」が多く存在していること、他に適当な分類項目もないことから、「いれ墨師」を独立の職業分類としたものである。 (81) フラワーデザイン 従前は「デザイン」に包摂されていたが、通常「デザイン」という用語から想起される衣類等のデザインとは異なる類型であることから、「フラワーデザイン」を独立の職業分類としたものである。 (82) ペット霊園 従前は「寺院」に包摂されていたが、ペットブームに伴い、ペットのための霊園の需要が高まり、ペットの霊園を専門にする業者が増加したこと、「寺院」という用語から通常の利用者がペット霊園を想起することは困難であると考えられることから、「ペット霊園」を独立の職業分類としたものである。 (83) 祈とう師 従前は「教団」に包摂されていたが、宗教の布教などは行わずに、祈とうのみを専門に行う者も数多く存在すること、「教団」という用語からは組織的な印象を受け、「祈とう師」を検索するのが困難であると考えられることから、「祈とう師」を独立の職業分類としたものである。 (84) 仲仕 従前は「水運業」に包摂されていたが、「仲仕」とは、荷物を担いで運ぶことを業とする者のことであり、「水運業」という用語から通常の利用者が想定する水上輸送により荷物を届ける業務とは異なる類型の業種であることから、「仲仕」を独立の職業分類としたものである。 (85) 会場設営 従前は「ディスプレイ業」に包摂されていたが、イベント会場などの設営を専門に行う業種が存在すること、このような業種は「ディスプレイ業」という用語から通常の利用者が想定する店舗などのディスプレイを行う業種とは異なる類型であることから、「会場設営」を独立の職業分類としたものである。 (86) 録音スタジオ 従前は「録音機械」に包摂されていたが、「録音機械」という用語から通常の利用者が想定する録音機械の製造販売とは異なる類型であることから、「録音スタジオ」を独立の職業分類としたものである。 (87) ライブハウス ライブハウスとは、音楽を聞きながら、飲食を行う場所を提供する業種であり、ミニコンサートホールとしての役割も果たしているところ、「酒場」や「興行場」では、実態を表したものとは言い難いことから、「ライブハウス」を独立の職業分類としたものである。 (88) シンクタンク 従来は、各大学や大企業の組織の一つとして付属の研究所などで行われていたが、公共政策や企業戦略の策定を行うための研究を行い、官公庁や企業に対し、職業としてアドバイスを行う業者の数が増加したことから、「シンクタンク」を独立の職業分類としたものである。 (89) 新聞切抜サービス 従前は、新聞の切り抜きは各企業の内部で行われていたが、ニーズの高まりから、各企業の依頼を受けて依頼に応じた新聞の切り抜きを専門に行う業者が出現したことから、「新聞切抜サービス」を独立の職業分類としたものである。 (90) ディスコ 従前は「ダンスホール」及び「キャバレー」に分類されており、「ディスコ」に対応する職業分類は存在しなかったが、昭和五三年ころ、ディスコがブームとなり、その数が爆発的に増加したことから、「ディスコ」を独立の職業分類としたものである。 (91) カラオケ・ジュークボックス 従前は「電子機械器具」、「電気器具店」及び「電子機械器具・製造」に分散して分類されていたが、カラオケの浸透に伴い、この種のサービスを求める利用者の便宜を図る必要が生じてきたことから、「カラオケ・ジュークボックス」を独立の職業分類としたものである。 (92) 航空機整備 従前は「航空業」に包摂されていたが、「航空業」という用語から通常の利用者が想定する日本航空などの航空会社などとは異なる類型であることから、「航空機整備」を独立の職業分類としたものである。 (93) 書画・古書画修復 従前は「美術工芸」及び「書画・骨董品商」に分散して分類されていたが、技術革新がめざましく進んだ結果、書画の損傷や古書画の修復技術も進歩し、専門の業者が出現してきたことから、「書画・古書画修復」を独立の職業分類としたものである。 (94) 電波障害修理 従前は「電気機械器具販売」及び「電気工事」に分散して分類されていたが、高層建築の増加に伴って電波障害も多発し、電波障害修理を専門とする業者の数も増えたこと、「電気機械器具販売」や「電気工事」から「電波障害修理」を検索することは困難であると考えることから、「電波障害修理」を独立の職業分類としたものである。 (95) 司会業 従前は「著述業」に通訳が含まれることから、司会業は「俳優」の他に「著述業」にも分類されていたが、結婚式やイベントなどの司会を専門にする業者が増加したこと、「著述業」や「俳優」では、業の実態を正確に反映しているとはいいがたいことから、「司会業」を独立の職業分類としたものである。 (96) コピーライター 従前は「広告業」に分類されていたが、CM、CFが盛んになる中で、広告の文案を専門に作成する人々に対する需要が増大し、「コピーライター」という肩書きでマスコミにも登場するようになったことから、このような業種を「コピーライター」として独立の職業分類としたものである。 (97) 地質調査 従前は「さく井工事業」に包摂されていたが、「さく井工事業」とは、井戸を掘る工事業のことであり、「地質調査」とは目的が異なることから、「地質調査」を独立の職業分類としたものである。 (98) 邦楽教授所 従前は「各種学校・教習所」に分類されており、「邦楽教授所」に対応する職業分類は存在しなかったが、三味線、尺八などの邦楽を専門に教える者が多数存在することから、「邦楽教授所」を独立の職業分類としたものである。 (99) 自動車ロードサービス 自動車修理業の一種ではあるが、道路で立ち往生したときなどに出張修理を行うことを特徴とする業種が存在することから、「自動車ロードサービス」を独立の職業分類としたものである。 (100) 寝台自動車 自動車運送業の一種ではあるが、病気の人や体の不自由な人が横になったまま移動するための特殊な自動車運送業が存在することから、「寝台自動車」を独立の職業分類としたものである。 (別紙) タウンページデータベース職業分類一覧表 |
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